今治タオル枕

　国民的人気番組の大喜利メンバーである桂宮治師匠（46歳）は、15年前まで全国のショッピングモールからラブコールが殺到する超人気「実演販売士」だった。「いいと思った商品は間違いなく売れる」とおっしゃる師匠に新商品を10点試してもらったところ、4点が合格。選ばれた4点の売り口上、とくとご拝聴あれ。

　落語家ってのは「移動が仕事」なんてよく言われますが、とにかく移動の日々。ホテルに戻ってベッドに倒れ、疲れた体を休めたいのに寝つけない。なんで？ 枕が合わないんだ。高かったり低かったり、ホテルによって枕の種類ってまちまちでしょ。でもさ、「もしもし、俺にぴったりの高さの枕ないの？」なんてフロントに言えやしない。
　そこで重宝するのがこの枕。「何だよただのタオルじゃねえかよ」って思ったあなた、よおく見ててね。クルクルクルーッて丸めると、ほら、立派な枕の完成です。しかも巻く長さを変えると今日の自分にぴったし合った高さに調節できるんです。枕コンシェルジュを連れているようなもんですよ。「どうぞ、今晩のオーダーメイド枕です」って調整してくれるってわけ。
　落語のウケもぐっすり睡眠も、どちらも「まくら」の出来にかかっているんですねえ。