「火星儀」の愉しみ方

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  • 火星儀1グランドキャニオンをはるかに凌駕する大峡谷。
    「火星のグランドキャニオン」とも呼ばれるマリネレス大峡谷を本品で測ると全長約15センチ。実際だと4000キロメートルほどにもなる。
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渡辺教具製作所

火星儀

サイズ直径26cm(2600万分の1)
重さ約480g
材質ボール紙
付属品アクリル製台座
製造国日本
2018年時点データ
太陽系で最も地球に似ている地形をイメージできる。

 NASAのデータをもとに、地表の地形と色を再現している。爪痕のようなマリネレス大峡谷や、太陽系最高峰のオリンポス山のなだらかな裾野の様子がよくわかる。
 火星の直径は、地球の約半分(月の約2倍)。直径26センチの本品上での1センチが、実際の260キロメートルになる。地形の雄大さもイメージできるのだ。
 地名は宮本英昭さんの監修。

「この4つの峡谷、いずれかから火星生命の痕跡が見つかるかもしれません」

宮本英昭さん(東京大学教授)

地表にないはずだった水が流れている斜面。

 現在、火星では6機の周回機が上空を回り、2台の探査機が地表で探査して、地球に精細なデータを送りつづけています。
 火星に関する知識が爆発的な勢いで増えたおかげで、これまでの火星像を大きく覆す発見がありました。ひとつは水の存在です。
 30億年以上前、太古の火星には海があった、というのはいまでは確実だと考えられています。この火星儀で見ると、北半球のクレーターが少ない部分、地表の2割ほどが海だったようです。川が侵食した谷や三角州を衛生画像で見ることもできます。
 太古の話だけではありません。地表に水が流れているように見える斜面も50ヵ所以上発見されています。これらの斜面を観察すると、春になると黒い筋ができ、秋になると消える、という不思議な地形です。地下にある水の層から流れ出た水だとする研究者もいます。
 水があれば当然、生命が存在する可能性もあります。以前は地下に水があったとしても、探査するのはほぼ不可能な数キロメートル以上深いところにあるとみられていました。しかし、地表に水が出ているなら話は別です。
 ここ数年、火星移住の計画が話題になっていますが、実現性を考えると、火星の次の大きなテーマは生命探査になるのではないでしょうか。
 生命探査をする場所には条件があります。

  1. 水が流れているように見える場所の近く。
  2. 探査機の電力確保のため、太陽光が大量に届く赤道付近。
  3. 着陸や探査車の移動が容易な平地。

 こうした条件を考え、有望と思う着陸候補地点が4つあります。
 ここ、マリネレス大峡谷の中の「メラス大峡谷」。その右にある「ジュヴェンタエ大峡谷」と「カプリ大峡谷」。エリジウム平原の東端にある「マーテ峡谷」です。
 とくに「メラス大峡谷」は崖崩れも近くにありますから、堆積物から40億年の火星の歴史を知る手がかりが得られるかもしれません。

みやもと・ひであき●東京大学教授。世界的な火星研究者。「はやぶさ2」などの計画に参画。JAXAが予定する「火星衛星探査計画」の立案者でもある。

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