受験生にとって健康管理は大切なのに、勉強に集中している子どもは体調をおろそかにしがちです。できるところは親がサポートしてあげたいですよね。この特集では、「受験生のための風邪対策」と、「昔ながらの風邪対策は本当に効くのか?」という2つのテーマをそれぞれ専門家に聞いてみました。
1受験生の風邪対策
(水野泰孝先生、感染症の専門医)
感染症の専門医、水野泰孝先生が
おすすめする「受験生の風邪対策」。
メリハリが大事。
試験本番の1週間前から徹底的に
対策しましょう
水野泰孝先生
グローバルヘルスケアクリニック院長、医学博士/日本感染症学会認定感染症専門医・指導医/日本小児科学会認定小児科専門医・指導医
感染症対策はメリハリをつけることが大切です。数ヵ月間にわたる受験勉強期間は、むしろ普段通りにすごし、試験日の1週間前になってから対策を強化するなどです。受験生にとって感染症にかからないことは大切ですが、ストレスを溜めずに勉強を続けることも非常に重要だからです。
1.部屋の環境を整える(しっかり換気する。
部屋の湿度を50~60%に保つ)。
普段の感染対策でもっとも気をつけるべきは、部屋の換気です。厚生労働省が発表しているように、定期的に窓を全開にするより、常時、窓を少しだけ開けっぱなしにする方がいいでしょう。2方向の窓を開け、空気の流れを作るとなお効果的です。冬場は部屋の温度は18℃以上、湿度は50~60%を保つように、暖房器具や加湿器で調整するといいですね。
換気のいい場所であれば、受験生であってもマスクを着ける必要はありません。私は感染症対策アドバイザーとして小中学校を視察していますが、換気が行き届いている学校が多いようです。しかし、塾では対応がまちまちなので、換気が悪く、会話が生じるような場所ではマスクを着けた方が無難でしょう。
2.のどを乾燥させない。
のどを保湿する目的でマスクを着けるのも有効です。のどが乾燥しているとバリア機能が低下し、感染症にかかりやすくなります。こまめに水を飲むなどして、常にのどを潤った状態にしておきたいところです。
3.手洗い消毒は神経質になり過ぎない。
手指消毒や手洗いは、それほど頻繁にする必要はありません。不特定多数の人が使うものを触った後や、トイレの後など、ポイントを押さえれば十分です。ただ、冬場に流行するノロウイルスはアルコールへの抵抗性があるので、消毒だけに頼らず、流水で手を洗うようにしましょう。
4.体を温めて免疫力を高める食事をとる。
受験生が家族以外と食事をすることについては、心配になる方も多いかもしれません。しかし、受験生にも息抜きは必要です。何ヵ月もずっと我慢を強いるとストレスになりますから、たまに友人と食事をするくらいは許容範囲だと思います。
ただ、栄養バランスの観点からは、やはり家庭で作ったものを食べた方がいいでしょう。例えば、ビタミンAは腸管免疫と気道免疫を高めるといわれています。また、ビタミンDは免疫機能を調整し、感染症を防ぐはたらきがあるといわれています。どちらもサプリメントなどで短期的に補えるものではなく、食生活の積み重ねがものを言います。外食での感染リスクを負わないためにも、栄養バランスを取る意味でも、普段は家でつくる食事をおすすめします。
5.睡眠時間を確保する。
受験生はどうしても寝不足になりがちですが、疲労が溜まると感染症にかかりやすくなります。8時間睡眠がとれないにしても、ベッドに入ったらすぐ眠れるように、夜は極力スマートフォンなどを見ないように心がけてほしいですね。
6.試験の1週間前から徹底的に対策する
(家でもマスク。なるべく家から出ない。
親も飲み会に行かない)。
こうした感染対策を続けた上で、試験日の1週間前になったら対策を強化してください。
【試験1週間前からの対策】
- 受験生と家族は部屋を分けて、できるだけ接触しない。
- 家庭内で家族が話しかける時でも、マスクを着けるか、
十分に距離を取る。 - 食事は別室でとったり、時間をずらしたりする。
そして、家族が病原体を家に持ち込まないことも大事です。この時期ばかりは、仕事上の宴会や接待など人との接触機会をできる限り控えましょう。受験生本人だけでなく、周囲も含めてしっかりと感染対策をして、協力してあげることも必要です。
2昔ながらの風邪対策って、
本当に効くの?
(森田豊先生、
医師・医療ジャーナリスト)
森田豊先生
東京大学医学部附属病院助手、ハーバード大学医学部専任講師、埼玉県立がんセンター医長、板橋中央総合病院部長などを経て、現在は医師として診療に従事。また、医療ジャーナリストとして、メディアで医療解説や医療監修を手がける。著書に『ねぎを首に巻くと風邪が治るか? 知らないと損をする最新医学常識』(角川SSC新書)
子どものころ、おばあちゃんやお母さんから聞いた風邪の予防法や、一般的に言い伝えられてきた民間療法には、医学的には正しくないものもあれば、十分役立ちそうなものもあります。ひとつずつ見ていきましょう。
1.ネギを首に巻くと
風邪が早く治る。
答えは
×
長ネギに含まれる辛味成分のアリシンには、疲労回復や、血行を促進して身体を温める働きがありますから、風邪の時に食べるとよい食品の一つではあります。
とはいっても、ネギを首に巻くことでネギの成分が体内に吸収されるとは考えられないので、風邪を治す効果は期待できません。
「ネギ療法」の良いところを挙げるとすれば、鼻づまり解消効果でしょうか。アリシンのツンとする香りは鼻づまり解消に効果があります。鼻づまりで辛い時にネギの香りをかぐと、鼻の通りがよくなりますよ。
2.乾布摩擦で風邪を
引かなくなる。
答えは
?と×
?と×両方といったところでしょうか。
東洋医学では、皮膚は呼吸器系と密接に関わり合い、皮膚を強くすることが呼吸器系の強化につながると考えられています。また「乾布摩擦は自律神経の働きを高め、免疫力を上げる」という説もあります。
でも現在のところ、乾布摩擦の風邪予防効果を証明する科学的根拠は乏しいので、乾いた布で皮膚をこすることが直接的に風邪予防に効くとは言い切れません。
医師としては、皮膚を強く摩擦することによる乾燥やかゆみなどの皮膚トラブルにも注意を払ってほしいところです。角質などをとりすぎてしまうと、表皮ブドウ球菌という善玉菌が少なくなり、皮膚の抵抗力が落ちてしまいます。
3.風邪を治すには、
ビタミンCをたくさん
とるといい。
答えは
×
ビタミンCをたくさん摂ることで風邪そのものが治ることはありませんが、予防には少なからず効果があるとされていますから、日頃から意識的にビタミンCを摂るのはよいでしょう。ただし、ビタミンCだけで風邪が防げるわけではないので、タンパク質やビタミンAなど、いろんな栄養素をバランスよく摂ることがとても大切です。
余談ですが、「ビタミンCが風邪に効く」という説が広まったきっかけは、アメリカの医学博士、ライナス・ポーリングが1970年に出版した『ビタミンCと風邪』という本です。この本の出版後、様々な研究が行われたのですが、残念ながら、ビタミンCが風邪に効くという事実は確認されませんでした。ちなみにポーリング博士は、1954年にノーベル化学賞を、1962年にノーベル平和賞を受賞した世界的な化学者です。
4.お茶うがいで
風邪知らず。
答えは
〇
茶葉に含まれるカテキンは、インフルエンザや風邪のウイルスに結合し、感染力を弱めてくれますから、風邪予防に効果的です。
うがいそのものにも、のどや鼻などの粘膜に付着したウイルスが細胞に侵入するのを防ぐという風邪予防効果があります。お茶がない時は、水でうがいするだけでもいいでしょう。
注意点は、ウイルスの付着から細胞への侵入までは30分もかからないとされているので、予防のためには頻繁にうがいをする必要があること。外出先などでうがいができない時には、お茶を飲むといいですよ。お茶うがいと、こまめにお茶を飲むことは、風邪予防にとても効果的です。
ただし、お茶には利尿作用があり、身体が脱水に傾きやすいので、風邪を引いた時には控えましょう。風邪の時には、水やスポーツドリンク、経口補水液などを飲むようにしてください。
5.暖かくして寝て、
汗をたくさんかくと
熱が下がる。
答えは
×
汗をかかせるために無理に暖かくする「発汗療法」は、現代の医学では間違いとされています。
確かに風邪の時に汗をたくさんかくと、気化熱によって体温が下がるという利点はあります。しかし、脱水のリスクが高まり、体温が上がることで体力が消耗されるなどデメリットの方が大きいのです。
体温を下げ、高温で体力が消耗されるのを防ぐことが、熱が出たときの正しい対処法です。首の周囲や脇の下、またの付け根の内側など太い血管が集まっている部分を冷やすと、効率的に全身の温度を下げることができます。体温を下げることに加えて、水分を十分にとることで発汗による脱水を防ぐことも大切です。
6.寝れば寝るほど
免疫力が上がる。
答えは
睡眠不足が免疫力を下げるのは確かで、2015年のカリフォルニア大学の研究では、5時間睡眠の人は、7~8時間睡眠の人の2.5倍も風邪を引きやすいと分かりました。ただし、寝過ぎは2型糖尿病などの生活習慣病のリスクを高めてしまいます。
風邪の引きにくさを含め、あらゆる指標で健康であり続けるためのベストな睡眠時間は7~8時間前後といえるでしょう。
3通販生活がおすすめする
風邪対策道具
1.空気清浄機で安心したい人へ
空気清浄機アースプラス61
新型コロナウイルスの流行以前から現在にいたるまで、病院や介護施設で引っ張りだこの「ウイルス対応型空気清浄機」が本機だ。「トリモチフィルター」が空気中の浮遊ウイルスを捕らえて99%分解する。
2.高性能なマスクで安心したい人へ
ダチョウ抗体マスク
これほど心強いマスクはないと思う。飛沫に乗ってマスク表面に付着した新型コロナウイルスを60秒で96%以上、インフルエンザウイルスなら99.9%不活化してくれる。まず、ウイルスをダチョウに注射。するとウイルスに負けない強い抗体が入った卵が産まれる。その卵から抽出した抗体液を不織布フィルターに染み込ませてある。
3.冷えやすい人へ
フジヒート腹巻
夏場、血管が拡張した状態でクーラーにさらされると、内臓までも冷え切ってしまう。内臓が冷えると、脳は手足を犠牲にしてでも内臓を守ろうとして、手足に送るべき血液を内臓に送ってしまうから、手足は冷えるいっぽう。だから、クーラー冷え対策の第一手は内臓を暖めることなのだ。
フジヒートレッグウォーマー薄地
クーラーの冷たい空気は部屋の下の方にとどまるので、床から20cmはつねに「冷気層」だと意識してください。クーラーをつけた部屋で長時間過ごすことは、冷たい川の水に足を浸けっぱなしにしているようなものだからご用心。足元用にはこの薄手レッグウォーマーがいい。フジヒート糸が直接肌に触れるから、着けるとすぐにポカポカ。
4.ぐっすり熟睡したい人へ
メディカル枕
10日間使って合わなかったら返品できるのに、30年間の返品率がわずか3.65%しかない安眠枕の傑作品。中央部の軟らかい凹部(ウレタンフォーム中心部のくぼみ)が、あなたの頭の重さと大きさによって適度な深さに(高さ)に変化するので、高いフィット感が生れる。
クールコットンケット
このヒダヒダは特許構造のシャーリング編み。体から離れにくいので、クーラーの冷気を防いでくれる。クーラーの冷気を防ぐ一方で細かいヒダヒダに体温をほどよくため込むのも、体が冷えにくいのだ。ヒダヒダがアコーディオンのように左右にぐーんと伸びるので、寝返りを打っても寝心地はラクなまま体に密着し続けてくれる。
5.おいしくのどをいたわりたい人へ
生姜のど飴
京都の西大路で手づくり飴一筋の大文字飴本舗(大正8年創業)の生姜飴。銅の大釜で洗双糖、水飴、甜菜糖をゆっくり煮詰めてつくった飴地に、高知県産の生姜を搾ってたっぷり加えている。着色料、甘味料、香料は一切加えていない昔ながらの素材と製法なのだ。
6.おいしく栄養をとりたい人へ
藤木一行の金姜柑
「気温が低いときに末梢部位(手足の先)の体温を維持する機能」が確認されている機能性表示食品である。熊本産の八郎生姜の搾り汁に、沖縄産きび糖と大分県産カボス果汁を加えて100℃の加熱を3回繰り返している。水は一滴も加えていない。保存料も香料も不使用。
7.部屋を適度な湿度に保ちたい人へ
モイスシールド
加湿しすぎない、布団や床を濡らす心配がない「気化式」加湿器で、これだけの加湿パワーは珍しいはず。1時間当り500ミリリットル(強で運転時)というスチーム式顔負けの水分放出量なのだ。適用面積は6~14畳だから、寝室用としても居間用としても加湿パワーを発揮できる。
8.のどを乾燥させたくない人へ
のどミスト
のどの粘膜を覆っている線毛は、口や鼻から侵入してきた風邪のウイルスや細菌を痰や鼻水に包んで追い出してくれる。ところが乾燥すると、この排出機能が鈍くなる。さあ、のどミストの出番。うがいや水を飲んでも届かない、のどの奥の奥の線毛まで潤してくれる。
9.早く正確に体温を測りたい人へ
距離センサー内蔵体温計
非接触型体温計は、額からの距離が近いと高く、遠いと低く測定されることが難点だった。距離センサーが内蔵されている本器なら、つねに「額から4センチの距離」で測定するから、近い、遠いによる誤差がほとんどない。わずか1秒で正確に体温を測ることができる。