通販生活でおなじみのカタログハウスの学校〜病気を寄せつけない生き方

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人間の体に備わる免疫機能こそが病気を治す

病気を寄せつけない生き方

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安保徹さん(新潟大学大学院教授)
講師
安保徹さん(新潟大学大学院教授)

高齢期になるにつれて、糖尿病や高血圧などの生活習慣病、あるいはがんの発病が増えていきます。年を取っても病気にならず、元気に過ごすにはどうしたらいいのでしょうか? 免疫学の第一人者、安保徹さんは、長年「病気を寄せつけない生き方」について研究をしてきました。2003年に刊行された『免疫革命』(講談社インターナショナル)は、“人間の体に備わる免疫機能こそが病気を治す”という独自の論を展開し、それまでの「病気は薬で治すもの」という概念を塗り替える画期的な著作でした。単なる対症療法に頼らず、根本から健康になる方法について詳しくお話いただきました。

忙しさで自律神経のバランスが乱れてしまう

最近は医師が不足していると言いますが、病気になる人を減らすことを考えなければいくら医師を増やしたり 医療費を上げたりしても足りません。
人間が病気になる理由はそれほど難しくないんですよ。働き盛りの人はみんな忙しさで病気になっています。日本人はまじめで夜9時や10時まで働いて、朝も無理に早起きしている人けっこう多いですよね。そういう働き方は20代や30代前半まではなんとかなってもいずれ体を壊します。現に、本来はあまり病気にならない30代の女性が子宮内膜症や子宮筋腫になっている話をよく聞くでしょう。周りの人がいくら「無理をすると体を壊すよ」と言っても、会社に勤めていると忙しさから抜けられないからだと思います。
それからもう1つ、悩みを抱えることも体を壊す原因です。長い人生悩みは尽きませんね。私もしょっちゅう悩んでいます。忙しさや悩みが病気を招く理由は、「自律神経」に関係しています。自律神経は人間の体調を無意識のうちに司っている神経で、「交感神経」と「副交感神経」の2種類があります。昼間は、交感神経が優位にはたらいて脈や血圧、血糖が上がり、活発に活動できるようになっています。一方、夕方になると副交感神経が優位になって脈も血圧も血糖も下がり、体を休息させます。2つの自律神経はまったく逆の体調を作っているのです。このバランスのいい人は70代になっても体を壊さず元気に過ごすことができます。
ところが日本人はみんな忙しいので、自律神経のバランスが乱れてしまっている人が多い。特にまじめな人は危険ですね。責任感が強いので猛烈に頑張りしょっちゅう悩みます。朝8時から夜遅くまで働いている人をよく見かけますが、その間交感神経はずっと緊張しています。
交感神経が緊張すると「アドレナリン」といって興奮を作るホルモンが分泌されます。そうなると、脈や血圧、血糖は高いままで固定され、やがて病気になります。怒り癖のある人は気をつけないと早死にしますよ。怒っているときは自律神経が緊張していますから危険なんです。もし、職場の人間関係がこじれていて毎日怒っているようだと大変です。家庭内で夫婦の仲が悪くなるのも大変。いつも交感神経が緊張状態になりすぐに病気になってしまいます。

糖尿病は薬で治らない

日本では病院に行くと対症療法の薬を出されて終わりますよね。病気になる原因は交感神経が緊張するような生き方にあるのに、今の医学は原因を治そうとしないのだから困ります。「病院で糖尿病がスッキリ治った」という話を聞いたことがありますか? おそらく誰もないでしょう。糖尿病が薬で治るはずはありません。アドレナリンがいつも出て血糖が上がってしまう生き方を、薬でなんとかしようだなんておかしな話ですから。
血圧にしても同じです。もしも2ヵ月分の年金を息子が全部持って行ったら、すぐに血圧が上がりそうでしょう。それを 薬で下げようとしても無理です。ちゃんと「年金持って行っちゃだめ」と言って原因を治さないといけません。
あるいは、意外に目の疲れも高血圧の原因になります。長時間にわたってパソコンを見つめている人は、特に注意が必要です。1日1〜2時間であればいいのですが、今は5時間、6時間とパソコンに向かっている人が多いでしょう。そうすると同じ姿を維持するために筋肉が収縮し、交感神経が緊張状態になります。結果、血圧が上がってしまいます。目が疲れていたたまれない時は、血圧が200を超してしまうことがあるんですよ。頭にきて怒るときの血圧は230くらい。やってみてください。何ごとでも体験ですからね。仕事とはいえ、毎日パソコンを長時間使っていては病気になるために人生を歩んでいるようなものです。
それから、寒さもまた病気の原因になります。人間は体が冷えるとなんとか体温を上げようと交感神経が緊張します。すると、血管が収縮して高血圧や脳卒中になってしまいます。昔の人にそれらの病気が多かったのは冬の寒さが関係していたのだと思います。現代社会では夏の冷房が危険です。職場の冷房は、たいてい太っていて自己主張の強い男性が強くします。太ると体に熱がこもりますから、少し動くと暑いんですね。そうした人は人事異動してもらいましょう。危険でだめです(笑)。
交感神経が緊張し過ぎた状態を放っておくと、心臓や血管にも負担がかかります。虚血状態といって、心臓に血が通わなくなって狭心症や不整脈を招くのです。心臓病になって病院に行くと、心電図を撮ったり、カテーテルを入れたりして様々な検査や治療をしますね。ひどくなると手術をします。でも、本当は忙しさが心臓に迷惑を掛けているだけなのですから、もっと心臓をいたわらなければなりません。
日本人は性格が奥ゆかしいせいか、薬で病気が治らなくても医師に何も言いませんね。
年を取るとますますそうなります。人生において奥ゆかしさは大事ですが、1年以上も治らなかったら質問してみてください。「先生、本当に治るんですか?」と。きっと「無理です」と返事があるはずです(笑)。

穏やかすぎる毎日もまた病気を招く

一方で、副交感神経に偏りすぎてもまた病気になります。特に子どもに多いのですが、筋肉や骨格の丈夫さを維持できなくなって気力が失われます。高齢者もラクをし過ぎると筋力が低下したり、頭がぼんやりしてしまいます。本来ならば、困難があった時は血圧が上がり脈も早くなって闘う体勢になるはずが、それができなくなってしまうのです。よく「血圧は低ければいい」と思っている人がいますが、それは勘違い。困難に立ち向かうには血圧を上げなければならないのです。けんかして怒るときに血圧が低いと迫力がないでしょう?
副交感神経がはたらくのは、何かを食べているときです。さっきまで怒っていた人も、美味しいものを食べると許してくれますよね。食べるというのは人間にとって幸せなんです。私が幼かった昭和20年代は肉を食べるのは年1回、甘い物は親がお葬式でもらってきたお菓子だけでした。それが今は、いつでも好きなものを食べられますね。デザートだって毎日食べられます。すると副交感神経が優位になり過ぎてしまいます。毎日忙しいのは危険ですが、ラクすぎるのも危険なわけです。
私のところには毎日たくさんのメールや手紙で質問が寄せられますが、ラクをせず自分で頭を使って考えなければだめですよ。副交感神経に偏ってしまいます。年を取っても頭を使っていれば、体は「あれ? まだ活動するのか」と思って元気になります。
昔は「養生」という言葉がありました。自分で工夫して身を守る、という考え方ですが、今はあまり言われなくなりましたね。でも、病気の原因は忙しさや悩みなのですから、どこか悪くなった時には普段の生活に無理がないか、ラク過ぎていないかを改めて見つめなおして、養生するようにしてください。

白血球のバランスと病気の関係

病気にならない生き方には白血球の働きも深く関係しています。白血球の中には「マクロファージ」という細胞があります。マクロファージは貪食細胞とも呼ばれ、細菌などを何でも食べて危険から体を守ってくれます。また、白血球には「顆粒球」といって細菌を処理して化膿性の炎症を起こし、治癒につなげる細胞もあります。あともう1つ、ウイルスなど小さな異物を凝縮して無毒化させる「リンパ球」も白血球に含まれています。
比較的大きな異物は顆粒球、小さな異物はリンパ球が処理して、マクロファージは顆粒球やリンパ球に指示を出したり炎症が終わったあとの組織の残骸を食べたりします。白血球はリンパ球が60%、顆粒球が35%、残りはマクロファージで成り立っていますがこのバランスでウイルスが入っても大丈夫なようになっているのです。
でも、最近は「手洗い、うがいをしっかり」と言われることが増えましたね。なぜ、白血球の力を信じてあげないのでしょう? 白血球は一度異物に接しなければ免疫が成立しません。風邪が流行り始めたら手洗いうがいを控え目に。インフルエンザの子どもがいたら、遊びに行くくらいでちょうどいいのに。私はここ30年もうがいをしていません。そういう基本を忘れないでくださいね。
白血球と自律神経は密接につながっています。副交感神経が優位でリラックスしている時はウイルスなどが体内に入りやすいため、顆粒球が増えるようになっています。また、副交感神経が支配している消化管にはもともとリンパ球がたくさん集まっています。消化管には食べ物から入る異種タンパク(ほかの動物のタンパク質)やウイルスなどがありますが、そうした小さな異物をリンパ球が無毒化するためです。
でも、あまりにも無理が続いたり不活発な生き方をしていると、白血球のバランスが崩れて病気になります。無理なストレスで顆粒球が増え過ぎて組織破壊が起きてしまうのです。顆粒球が口に集まれは歯周病、食道なら食道炎、胃はびらん性の胃炎や胃潰瘍です。小腸に集まるとクローン病で、大腸は潰瘍性大腸炎、肛門近くは痔になってしまいます。

今の子どもにアレルギーが多い理由

リンパ球が過剰になるとアレルギーや過敏症などの病気が引き起こされます。ぜんそく、アトピー、化学物質過敏症、低周波過敏症などですね。今はアレルギーのある子どもが多いと言いますが、昔はほとんどいませんでした。代わりにいたのが青鼻を垂らしている子です。私は青森県の三厩村(みんまやむら、現・外ヶ浜町)の出身ですが、子どもたちはみんな青鼻を垂らしていました。寒さで交感神経が緊張状態になり、過剰になった顆粒球が副鼻腔の常在菌に反応して副鼻腔炎を起こしていたのですね。今とはずいぶん違います。
また、かつて私自身1年間も毎日じんましんで苦しんだことがありました。41歳の時いつも寝ようとして布団に入ると、全身にじんましんが出ていたのです。でも、あるときぴたっと治りました。教授になったときです(笑)。ずっと出世できずに悩んで、リンパ球が過剰になっていたんですね。でも悩みから解放されたら翌日からじんましんが出ませんでした。
そう思うと、アレルギーを治すのは簡単でしょう。体質改善に決まっているじゃないですか。甘い物を控えて体を鍛える。そうすればアトピーは1カ月以内に治ります。でも、努力をしないで病院にいくと、薬をもらうでしょう。高齢者であれば血圧の薬をもらいに行きますね。それで治らなくなります。38億年もかかってたどり着いた生命体が、血圧の調整に失敗するわけがないじゃないですか。血圧はちゃんと自然に調整されます。塩分をやたら控えるなどの食事制限も必要ありません。だいたい、健康のために食事を気遣っている人は85歳くらいでけっこう亡くなっています。逆に100歳の高齢者は気ままな人が多いことはさまざまな調査でわかっています。人間のこざかしさで長生きしようなんて無理なのです。

まじめな女性は自己免疫疾患に要注意糖尿病は薬で治らない

私たちの病気の謎はどんどんわかってきているわけですが、膠原(こうげん)病など自己免疫疾患の原因も完全に解明しています。膠原病が女性によく見られるのは、もともとリンパ球の多い過敏体質の人がストレスを受けたことで発症する病気だからです。一般的に女性は男性よりリンパ球が多く、免疫も高くて長生きする傾向があります。しかし、この体質が強いストレスを受けるとマイナスにはたらいてしまうわけです。例えば、SLE(全身性エリテマトーデス)といって全身に赤い紅斑が出る難病は、太陽の紫外線がストレスになっています。紫外線の刺激によってリンパ球が異常に活性化され、真皮を破壊してしまうんですね。
また、リウマチは重力がストレスになります。立ち仕事などでヒザに負担がかかると、関節の内側にある「滑膜(かつまく)」でリンパ球が増えて炎症が起こります。それが血液をつたって全身にまわるとリウマチになるのです。そのため、リウマチは美容師さんや花屋さん、デパートの売り場の方がよくかかりますね。私が講演で1時間半くらい立っているのは平気ですが、立ち仕事で忙しい人は夜中まで立ちっぱなしということがあります。特に繁盛しているお店に勤めている人は危険ですね。反対に繁盛していないお店なら、いつまでも健康でいられます(笑)。
では、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)や橋本病はなぜ起きるのでしょう? どちらも甲状腺が原因の自己免疫疾患です。甲状腺は呼吸の働きを支えるホルモンを分泌し、脈や血圧を上げたり汗を出したりする器官であまりにも忙しさが続くと過機能を起こしてしまいます。自己免疫疾患は忙しさが原因なのです。女性は食事の支度や介護などを担う人が多いでしょうけれど、あまりまじめに取り組むとすぐ病気になってしまいますよ。

エネルギー生成系のバランスが崩れるとがんになる

さて、ここまで話してきて、がんの問題が残りました。がんに関してはエネルギー生成系の理解が必要です。人間は一つの生き物のように見えますが実は20億年程前に「原核細胞生命体」に「ミトコンドリア生命体」が寄生してできた「真核細胞生命体」が先祖になっています。
もともと原核細胞生命体は酸素がない状態でエネルギー生成ができる「解糖系」という方法を使って細胞分裂を行ってきました。しかし太古の昔、シアノバクテリア(青緑苔)という細菌が光合成をするようになって大気中に酸素が放出されていまい、原核細胞は生きづらくなった歴史があります。そこへ登場したのが、酸素の大好きな「ミトコンドリア生命体」でした。原核細胞はミトコンドリア生命体と合体し、今の私たち人間に至ります。
人間は酸素がなければ生きられない性質(ミトコンドリア系)がある一方で、細胞分裂に関しては今でも無酸素状態で行っています(解糖系)。がんはエネルギー生成系のバランスが崩れて、解糖系が優位になった時に発症してしまいます。がん細胞は細胞分裂を繰り返して増殖することを考えると、よく分かるでしょう? がんを治すには解糖系ではなく、ミトコンドリア系が優位になればいいのです。それには体温を上げることが大切で温泉に入ったり、放射線治療で熱を浴びたりすることなどが治療には有効です。
このように病気の原因には自律神経、白血球、エネルギー生成系の3つがあります。これらはいずれも“全身を束ねるシステム”という点が共通しています。今の医学はみんな消化管だとか腎臓だとか、一部の臓器に限定して治そうとしていますが、それではいつまでも対症療法をするしか道がありません。また、患者さん側も医師に出された薬をそのまま飲む傾向がありますが、そこをちゃんと考え直すことが大切ですね。
自律神経も白血球も、そしてエネルギー生成も、ふだんの生き方と連動しています。よく病院では「いつから症状がありますか?」と聞かれますけれど、実際には病気になる前がどうであったかを考えなければいけないのです。病院のお医者さんたちはいつも忙しくしていますが、たまに本屋に行って私の本を読めばすぐ解決するのに(笑)。なんでも薬に頼らないで、自分の生き方を改めることを考えてみてはいかがでしょうか。

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