ネコの作家

ワイヤークラフト作家 小林清美さん

ワイヤークラフト作家 小林清美さん

ちょうちょとネコ
43×22×11cm(2017年) 尻尾をぷるんぷるん振って、ちょうちょと遊んでいるネコ。

親子 親56×28×14cm/子20×12×7cm (2015年)お母さんネコが最初の作品。細い足で立つネコをつくりたかった

親子
親56×28×14cm/子20×12×7cm (2015年)お母さんネコが最初の作品。細い足で立つネコをつくりたかった

ワイヤークラフト作家 小林清美

こばやし・きよみ
1958年、東京都生まれ。陶芸教室の講師を経て、作家として公募展への出展、個展等で活動。2013年〜2018年4月まで、東京・銀座にある奥野ビル5階にギャラリー「Art Space RONDO」を開設。15年から毎年、「Gallery銀座一丁目」で開催される「黒猫展」に参加している。

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いたずらっ子

いたずらっ子
8×17×7cm(2017年)
物語じかけの壁掛けを制作中で、そのワンシーンに出て来る予定の子ネコ。

8×17×7cm(2017年) 物語じかけの壁掛けを制作中で、そのワンシーンに出て来る予定の子ネコ。

 25年ほど前に陶芸をはじめて、お皿などの食器を焼いていたんですが、だんだん立体が面白くなってネコの置物をつくるようになりました。うちのネコをモデルに。

 陶芸からワイヤーに移行したのは5年前。銀座一丁目にある奥野ビルに連れ合いがギャラリーを開いたので、私もサポートすることにしたんですが、ここで陶芸をつづけるのは難しかったんです。陶芸は乾燥させたり焼いたり、けっこうそばについていないとできない。週の大半はギャラリーにいるので陶芸はあきらめました。他にできることはないかと考えていて、ワイヤークラフトが頭に浮かんだ。陶芸で土瓶の取っ手に蔓(つる)を使っていたので、その延長線で思いついたのかもしれません。

 まずはギャラリーに置いてあるランプにワイヤーでシェードをつくってみました。電気をつけると、いい感じに灯りを透すし、ワイヤーの影が増殖されてすごくきれい。創作意欲が膨らみました。

 陶芸のネコは焼くときにへたれてしまうので4本足で立たせられません。座っているか寝ているか、尻尾も地面についた作品ばかり。ワイヤーなら立てると思ったらうれしくて、はじめはできるだけ足の細いネコをつくりました。尻尾も自由自在だし、のびをしているネコだってつくれます。

 作品はすべて黒ネコ。このギャラリーに展示することが前提なので、部屋の白い壁に映える黒以外には考えられませんでした。目はどうしようかと、お店でワイヤーを物色しているときに真鍮を見て「これだ!」と。ネコの目は光ってなくちゃダメでしょう?

 ワイヤーは扱いがラクだし、調達もかんたん。太い、細い、柔らかい、固い、安い、高い、いろいろあります。固くてしっかりしているものが、形がつくりやすくて私は好きです。3メートルで高くても350円くらい。作品1つに数種類のワイヤーを組み合わせて15メートルほど使います。他に必要なのは工具用のラジオペンチ。こちらも2000円も出せばいいモノが買えます。

 作品はどういう形にするかを決めて、骨格からつくります。その後、足、手、胴体と下から順にワイヤーを巻いていき、最後に別につくった顔を合体。はじめると朝から晩まで集中して作業するので、3日~5日で完成します。ワイヤーの特性であとから形を変えられるから、失敗かなと思うことはなく、自由で気ままなところが私向き。

 作品を見た方は、作品そのものよりも影を面白がって写真を撮っていますね(笑)。影が主役。ライトの位置を変えると表情が変わったり、ネコ1匹の作品でも影で2匹に見えたりするのが楽しいみたいです。

壁の中を自由に行き来するネコ 75×40×17cm(2017年)元は上半身と下半身が別々の作品。壁の中に入ったり、出て来たりを表現していたが、くっつけて1匹に。

壁の中を自由に行き来するネコ
75×40×17cm(2017年)
元は上半身と下半身が別々の作品。壁の中に入ったり、出て来たりを表現していたが、くっつけて1匹に。

いま制作中の壁掛け5連作のスケッチ。

いま制作中の壁掛け5連作のスケッチ。

骨格ができたらワイヤーの端をペンチでとめて巻いていく。

骨格ができたらワイヤーの端をペンチでとめて巻いていく。

森から出るネコ(壁掛け)88×65×15cm(2017年)野良が暮らしていた森から出てくるところ。鳥がサヨナラを言いに来た。

森から出るネコ(壁掛け)
88×65×15cm(2017年)
野良が暮らしていた森から出てくるところ。鳥がサヨナラを言いに来た。

庭先に佇む野良(壁掛け) 82×57×8cm(2016年)

庭先に佇む野良(壁掛け)
82×57×8cm(2016年)

野良を眺める家ネコ 32×35×18cm(2016年)壁掛けの「庭先に佇む野良」をうらやましそうに見る家ネコとその後姿。

野良を眺める家ネコ
32×35×18cm(2016年)
壁掛けの「庭先に佇む野良」をうらやましそうに見る家ネコとその後姿。

撮影・山口規子

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