ネコの作家

ネコ絵画 加悦雅乃さん

ネコ絵画 加悦雅乃さん

奇抜な神話 2016年制作・55×65cm サロン・ドートンヌ展入選

画家・加悦雅乃

かや・みやの
1999年、京都府生まれ。2011年、新創美術展で尼崎教育長賞を受賞し、作家として活動をはじめる。16年、国際的に評価の高い公募展「サロン・ドートンヌ展」(パリ)に最年少の17歳で入選を果たすなど、受賞多数。現在、個展やグループ展で活動し、ネコ作家として多くの人を魅了している。

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 11歳のとき、京都で毎年開催される新創美術展という公募展にネコの絵「ひだまり」を出品したところ、尼崎教育長賞を受賞しました。それまで、小学生絵画展など子どもを対象にした作品展で賞をもらうことはありましたが、大人たちの会で賞をもらえたのがとってもうれしくて自信になりました。選考した人たちは11歳の作品だと知らなかったそうです。この受賞で「ネコの作家になる!」と心に決めました。

 父は神社仏閣の彩色や修復を行なう職人、母は美大で日本画を学び、結婚後は近所の子どもたちを集めて絵画教室をしていました。僕はもともと絵を描くのが好きだったんですが、環境にも恵まれていたんです。

 小さい頃から父の工房で昔の日本画を見たり、彩色の資料を眺めたりしていました。「ひだまり」には金箔を貼ったのですが、これは父の仕事道具からもらったものです。最初は扱いに慣れていないので、すぐにクシャクシャになってしまい、1枚貼れば済むところに何枚も使ってしまう。両親は冷や汗をかいていたみたいです(笑)。

ネコノキ 2017年制作・180×180cm 第44回青枢展 優秀賞

これまでで一番の大作。葉や実、昆虫などをネコで描いた(下はその一部の拡大写真)。

これまでで一番の大作。葉や実、昆虫などをネコで描いた(下はその一部の拡大写真)。

おしゃれなシャム猫 2016年制作・33.2×45.5cm「猫ねこ展覧会2016」松山庭園美術館賞

ひだまり 2011年制作・84×59.5cm 第47回新創美術展・尼崎教育長賞

白猫 2015年制作・38×54.3cm「猫ねこ展覧会2015」画廊宮坂賞

  中学時代は学校から帰ったら夕食まで父の工房で絵を描き、土日もほとんど工房にこもっていました。中学を卒業するとき、父に「やりたいことがあるなら、学校いかんでもいいんちゃう?」と言われて、進学しないことにしました。僕の中学で高校に行かなかったのは一人だけでしたから、先生には心配されましたが……。いまは個展の作品と注文に追われて、忙しい毎日を送っています。父と向かい合って座って、「次、何のCDを聞く?」なんておしゃべりしながら描いています。

 木製パネルに下書きをして色を塗っていきます。主として使う絵の具はアクリルですが、父からもらって岩絵の具や胡粉(ごふん)もよく使います。岩絵の具は岩を、胡粉は貝殻を砕いたもの。胡粉はチューブ入りもあるので、チューブから直接パネルに塗ったりします。岩絵の具は、動物の皮や骨に含まれるコラーゲンが原料の膠(にかわ)で溶いて使う。アクリル絵の具にはない色や風合いが気に入っています。僕の絵は「日本的だ」とよく言われるのですが、こうした画材の影響もあるかもしれません。

 ネコの作家になると決めてから、僕が描くのは9割がネコ、それも当初はリアルなネコでした。15歳のとき、障害者アートを見て衝撃を受けたんです。アヒルのくちばしから足が出ていたりする、一見ありえない構図だったりするんですけど、ものすごくかっこいい完成された作品がたくさんあった。感動して、僕もリアルなだけではない表現法を模索するようになりました。

 面白いなと思った手法はすぐに真似したくなるし、貝殻やナッツの殻なんかも絵に使いたくなる。どんどん変化していく自分の絵が楽しくてしかたないんです。

日月22匹招き猫の図 2016年制作・1146×173cm

桜と猫 2016年制作・382×173cm

カフェスペースの裏の襖絵は、雅乃さんの純日本画のネコと、父の徹さんが描いた桜の合作。

猫猫寺

2018年9月29日~30日、愛知県瀬戸市「来る福招き猫まつりin瀬戸~にっぽん招き猫100人展」で個展。
11月10日~11日、石川県産業展示館2号館「ねこばっか+ワン」でライブペイントと出展。詳細は猫猫寺のHPでご確認ください。

写真:彩色工房蓮、テラサカトモコ

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