民泊の経験がある人は、まだ5%しかいないんです。

民泊の経験がある人は、まだ5%しかいないんです。

ここ数年、「民泊(みんぱく)」という言葉を聞く機会が多くなっているのではないでしょうか? 日本を訪れる外国人旅行客が増加したことで新たな宿泊形態として注目を集めた民泊ですが、新聞やテレビなどで目にするニュースは、決して肯定的なものばかりではありません。しかしその実態について、あまり知られていないのも事実。地方活性化のきっかけとしても注目される民泊について、実際の運営者の方に集まっていただきました。

イラスト*しりあがり寿

深瀬剛さん(左)阿部真美さん(中)大津山訓男さん(右)

左:深瀬剛さん(ふかせ・つよし●1975年、神奈川県生まれ。広告代理店や旅行会社での勤務を経て、2017年に独立。結婚を機に新築した自宅を宿泊施設も兼ねた仕様に設計し、民泊運営を開始。現在は民泊を軸とした地域ビジネスにも挑戦中)

中:阿部真美さん(あべ・まみ●1974年、宮城県生まれ。株式会社UNIQUE HOMES代表。逗子・葉山・鎌倉エリアで6軒の宿泊施設(簡易宿所3軒・民泊3軒)を運営する。空き家活用のモデルとして、民泊の利用を世の中に発信している)

右:大津山訓男さん(おおつやま・くにお●1950年、東京都生まれ。日本IBM事業部長を経て、アットマークベンチャー株式会社を起業。自宅や別荘を民泊として貸し出す傍ら、シングルマザーの民泊ホストや日本各地の民泊コミュニティづくりを支援している)

神林(以下、司会) 今日は実際に民泊として使われていた施設をお借りしていますが、想像以上に普通のマンションですね。

大津山 元はビルのオーナーの住居らしいですからね。神林さん、民泊を利用されたことは?

司会 まだないんです。旅行や出張の際は、ホテルや旅館に泊まってしまうもので……。

大津山 実は民泊に宿泊した経験のある人って、日本ではまだ5%程度しかいないんですよ。

司会 確かに「民泊」という言葉は最近よく耳にするものの、よくわからない部分が多いのです。みなさんが民泊に関わり始めたきっかけは?

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大津山 僕は3・11です。震災後、仲間たちと東北にボランティアで入ったときに、宿泊場所で苦労した経験がもとになっています。地元で泊めてくれる家はたくさんあったけれど、いつどの家に泊まれるかの情報がわからなかった。そのとき、同じくボランティアに来ていたアメリカ人が民泊のアイデアを教えてくれました。2005年にニューオーリンズなどを襲ったハリケーン「カトリーナ」がありましたよね。そのとき、同じようにボランティアの宿泊問題に直面し、それがアメリカでの民泊の始まりとなったそうです。
同じことを日本でもやろうと、僕も民泊に関わるようになりました。今は湘南の自宅や軽井沢の別荘を民泊として運営しつつ、民泊を始めたい人のサポートや、全国各地の「民泊ホスト(運営者)」のコミュニティづくりにも携わっています。

ビーチリゾートに最適な一軒家
民泊 6,062円〜(1泊1名、最低宿泊日数6泊)
鎌倉市にある3階建ての一軒家を民泊として貸し出す。

鎌倉市にある3階建ての一軒家を民泊として貸し出す。個室が12室あり、20人程度の利用が可能。ビジネスやセーリングの合宿にも使われる。テラスにはバーベキュー台やジャグジーなどの施設も。

ミーティングにも使える広々としたリビング。

ミーティングにも使える広々としたリビング。

ベッドルームは10部屋ある。

ベッドルームは10部屋ある。

テラスに設けられたジャグジー施設。

テラスに設けられたジャグジー施設。

阿部 私が民泊ホストを始めたのは2007年で、まだ民泊って言葉も民泊と利用者をつなぐインターネットサービス「Airbnb(エアビーアンドビー、以下「エアビー」)」も存在していませんでした。当時は「シェア(共有)」という考え方が広まりつつあった頃で、私の家のマンションに使っていない部屋があり、海外のネット掲示板には日本での宿を安価で求めている人たちがいた。英語の勉強にもなるし、貸してみようかなと始めたのがきっかけです。

アジアンオリエンタルな家具が魅力
簡易宿所 14,000円〜(1泊2名)
逗子市池子地区の空き家を改修した貸別荘。

逗子市池子地区の空き家を改修した貸別荘。「住まうように泊まる宿」に、7名まで宿泊できる。長期滞在も可能。

和洋折衷された寝室。

和洋折衷された寝室。


喧騒から離れ鎌倉の静寂を味わう
民泊 13,800円〜(1泊2名、最低宿泊日数2泊)
鎌倉市の中心地から少し離れた住宅街の一軒家に5名まで宿泊できる。

鎌倉市の中心地から少し離れた住宅街の一軒家に5名まで宿泊できる。近隣のお寺や竹林の散歩がオススメ。

地元の食材を調理できるキッチン。

地元の食材を調理できるキッチン。

司会 阿部さんにも旅行者にもメリットがあって、空き部屋も活用される。一挙両得ですね。

阿部 東日本大震災の後、海外からの旅行者が激減してしまい、いったんはやめていたのですが、14年にエアビーのサービスが日本でも始まったので、法人化し今年からまた再開しました。

司会 深瀬さんは、脱サラをして民泊を始められたんですよね。

深瀬 僕はまだまだ新参者なんですが、学生時代から旅が好きで、去年まで旅行会社で働いていました。会社では国内の顧客に向けて海外旅行の楽しさを広める業務を担当していたんですが、海外の人に日本の良さを伝える方向に自分の興味がシフトしてきた。僕は「地元の人との交流」が海外旅行の醍醐味だと感じていたので、それを外国からの旅行者にも味わってもらいたい。民泊が盛り上がってきていたということもあり、自分もホストをやってみようと思い立ちました。ちょうど一軒家を建てようと話していたところだったので、1階は丸ごと民泊用に設計し、2階に自分たちが住むような家を妻に提案しました。

プチ移住もできる江の島ハウス
民泊 10,000円〜(1泊2名)

藤沢市江の島地区にある自宅の1階を民泊として利用。同じ家に家主も住んでいるので、利用者との交流やおもてなしを売りにする。

畳でくつろぐことのできる和室が2部屋ある。

畳でくつろぐことのできる和室が2部屋ある。

備品類(左)と洗浄便座付トイレ(右)。

備品類(左)と洗浄便座付トイレ(右)。

司会 新築の家を民泊にするって、ずいぶん思い切った選択をしましたね。

深瀬 妻も最初は嫌がっていたんですが、「自分たちのローンを他の人が払ってくれるんだよ」と説得したら、「それはいいね」って(笑)。それで、1階にキッチン、トイレ、シャワーなど宿泊に必要な設備をすべて揃え、昨年の3月31日から自宅兼民泊の生活をスタートさせました。

民泊新法の施行後、民泊の登録数は10分の1に激減。

司会 民泊は、民宿やペンションのようなものとは何が違うんでしょうか。

大津山 簡単に言うと、「住宅として使っている一軒家やマンションの部屋に有償で宿泊させる」のが民泊の定義です。民宿やペンションは、「旅館業法」に基づいて「簡易宿所営業」の適用を受けた宿泊施設です。

阿部 例えば普通のマンションの一室でも、仕事場として使っていたら不動産登記上の用途は「事務所」になるし、お店だったら「店舗」ですよね。それが「居宅」のまま、「旅館」としても使えるようになったものが民泊です。

司会 なるほど。それを可能にしたのが、今年6月から施行された「住宅宿泊事業法」、いわゆる「民泊新法」なんですね。

大津山 ここがちょっと難しいところで、民泊新法は基本的に〝事業〟としての民泊のために定められた法律なんです。民泊は元々、貸したい人と借りたい人がインターネットでつながった個人間のやりとりから生まれた文化でした。それが広まり、やがてエアビーのような仲介サイトやビジネスとして民泊を運営する人も現れて規模が拡大する中で、ルールを整備する必要が出てきた。
「旅館業法」では、「住宅を宿泊施設として提供する」ことは法的にグレーでした。そういう状態がしばらく続いていた中、「一定の要件を満たした者は届出により住宅宿泊事業を営める」という法律が去年の6月に成立し、今年の6月から施行されたわけです。

司会 阿部さんや大津山さんが民泊を始められた頃は、まだ厳密なルールが定まっていない黎明期だったんですね。

阿部 そうですね。当時は何も知らずに空き部屋を貸していました(笑)。今は届出をして事業としてやっていますが、民泊新法の要件はかなり厳しくて、手続きの段階で断念せざるをえなかった人も多いんです。

自宅のローンを他人が払ってくれるんですよ。

大津山 新法の施行前後で、エアビーに登録されている民泊の数は、約6万件から約6000件程度に減ってしまいました。10分の1です。

司会 どんな要件なんですか。

大津山 影響が大きかったのは、「マンションの場合、管理組合の許可が要る」という点、そして「民泊として宿泊させられるのは年間で180日まで」となったことです。管理組合の許可を得るのは本当に大変だし、賃貸物件を利用した民泊の場合、180日しか営業できないと利益を上げることはかなり困難です。それで、新法をクリアしてまで民泊をやろうという人が激減してしまったんです。

阿部 エアビーも、新法の届出がない民泊をウェブサイトから一気に削除しました。すでにお客さんの予約が入っていた民泊もたくさんあったので、混乱された旅行者の方も多かったです。

「あなたの家はスラムダンクが近いですか?」

司会 みなさんの民泊はどんなところなんですか。深瀬さんの家は江の島のすぐ近くなんですよね。

深瀬 江ノ島電鉄「湘南海岸公園駅」から徒歩3分という立地が特徴です。1階部分の2DKを1日1組限定で貸していて、最大6名まで泊まれます。

司会 ちょっと足を延ばせば鎌倉や葉山や逗子にも行けるし、シニア世代にも人気が高そう。

深瀬 現状で言うと、ゲスト(宿泊客)の7割が中国の方なんですよ。しかも若い世代が多いです。

司会 何か理由でも?

深瀬 『スラムダンク』(井上雄彦著/集英社)のおかげです。高校のバスケットボール部を扱った漫画ですが、作品の舞台が湘南で、海外からファンが〝聖地巡礼〟(漫画や映画の舞台となった場所を訪れること)にやってくるんです。「あなたの家はスラムダンクが近いですか?」と問合せがよく届くので、「イエス」って答えています(笑)。

大津山 部屋に主人公のポスターも貼ってあるよね。

深瀬 最初はなかったんですが、中には登場人物のユニフォームを着てくるゲストもいるんです。それで等身大ポスターを貼ったら、ゲストはそこで記念写真を撮って、インターネットに投稿してくれるんです。喜んでくれるし、宣伝にもなるし、『スラムダンク』には頭が上がりません(笑)。

司会 調理器具や調味料なんかも揃っているんですね?

深瀬 はい。冷蔵庫やIHコンロ、お鍋や炊飯器もあります。ゲストのリクエストに応えながら、徐々に揃えていった感じですね。

嫌な予感がしたら、宿泊をお断りすることもあります。

大津山 うちも「たこ焼き器はありますか?」と聞かれて導入したら、その後、すごく喜ばれていますよ(笑)。

阿部 私は食べることが大好きなので、旅先で必ずスーパーや市場に行くんです。民泊だとだいたいキッチンがあるので、おいしそうな魚介類を買ってきて、自分で調理して食べることが多い。これはホテルにない魅力だと思うので、ゲストにもオススメしています。

司会 それは楽しそう! 他にはどんな設備がありますか。

深瀬 無線のインターネット環境はもちろん、鎌倉や江の島を歩いて疲れている方が多いので、フットマッサージ機も用意してあります。あとは近辺に夜の娯楽が少ないので、ゲーム機とDVDソフトを置いてます。外国の方には、ジブリ作品が人気でよく観られてますね。

司会 ゲストとも交流されるんですか。

深瀬 一緒にご飯を食べることもたまにあります。去年いらしたインド人の方は、「和食を食べたい」と言うので近くの古民家カフェまでお連れしたんです。そしたら、先日「YOUは何しに日本へ?」(テレビ東京系)に出ていました(笑)。最初の訪日で鎌倉を訪れて日本にハマり、いずれこちらで働きたいと番組で語っていました。それ見てすごく感動したんですよ。

司会 阿部さんは、6軒もの民泊を運営されているんですね。

阿部 厳密に言えば3軒が民泊の届出で、3軒が簡易宿所の許可を取っています。外見的にはどれも普通の家なので、6軒の民泊をやっている感じですね。

司会 阿部さん自身もどれかに住んでいる?

阿部 今は自宅は別にありますが、改装の際には実際に住むことも多いですね。民泊には「家主居住型」と「家主不在型」の2種類があって、現在の私は家主不在型になります。深瀬さんは家主居住型ですね。

司会 家主不在型の場合、鍵の受け渡しや部屋の掃除などはどうやっているのでしょう。

阿部 鍵は手渡しする物件と、電子キーの番号をメールなどでお伝えする物件の両方があります。掃除や消耗品などのメンテナンスに関しては、うちは専門業者に外注しています。

司会 部屋を汚されたり、物を壊されたり、騒音で近隣に迷惑をかけたり……。そういったトラブルは起きないものなんでしょうか。

大津山 利益だけが目的で運営しているような家主不在型の民泊だと、そうしたトラブルも起きる可能性があるでしょうね。

深瀬 正直言うと、僕も最初は中国の方にいいイメージを持っていなくてトラブルを心配していたんです。それが、いざフタを開けてみると本当にいい方ばかりで、部屋もキレイに使ってくださっていますね。

祖父母と孫世代のコラボに期待しています。

阿部 うっかりコップなどの備品を割ってしまったとか、そういうトラブルはたまにありますが、保険もあるので大した問題にはなりません。民泊の場合、宿泊予約を受ける前に何度かゲストとメールのやり取りをするんです。その段階で“嫌な予感”がしたら、こちらから宿泊をお断りすることもあります。

司会 えっ、宿側から宿泊客を断ることができるんですか!?

大津山 旅館やホテルとの一番の違いってそこだと思うんです。「ホストとゲストは対等」というのが民泊の精神で、エアビーも互いに評価し合う「相互レビュー」機能があります。だからゲストのレビューや実際の態度を見て、自分のところに合わないなと思ったらNOが言える。でも、旅館やホテルでは宿泊を拒否できませんからね。

高齢で海外に行けないから民泊を始めた人もいます。

司会 初心者の私が民泊を利用してみたい場合、どうすればよいのでしょうか。

深瀬 まずエアビーのような仲介サイトに登録して、訪問するエリアから泊まりたい宿を絞ります。例えばうちなら「鎌倉」とか「江の島」ってキーワードで検索していただくと出てきます。それで我々のようなホストと何度かメールのやりとりをして、予約が確定する。詳細な住所などはそのときお伝えする形になります。

司会 なるほど、宿とはいえ、そこは深瀬さんのご自宅でもありますもんね。相手が外国人の場合、やりとりは大変?

深瀬 今はエアビーのウェブサイトに翻訳機能がついているので、英語はおおむね正確に翻訳してくれます。中国語はまだまだなんですけど(笑)、中国の、特に若い世代は英語も堪能なので、中国語でメールが来ても、こちらが英語で回答すると次回からは英語で返信をくれます。

司会 料金は事前にクレジットカード決済するんですか。

阿部 そこはホストが設定します。私は予約の際に前払いしてもらう形でやっています。

司会 ちなみに、みなさんオススメの民泊ってありますか。

大津山 個性的な民泊がたくさんあって楽しいですよ。古民家の一軒家とか、農家民泊や漁業民泊、お寺に泊まる「寺泊」や文化財に泊まる「文泊」なんてのも人気です。宿泊に体験型プログラムをプラスすることで、付加価値をつけている。沖縄の伊江島では、5〜6軒のおばあたちで修学旅行の生徒を預かる「島泊」という取り組みも行なっていました。

阿部 うちで人気なのはペット同伴の宿泊ですね。おしっこのしつけだけできていれば室内もペットOKなので、一緒に泊まりたい方にオススメです。

司会 それはうれしいですね。民泊には「空き家対策」としての期待も集まっています。シニア世代で、子どもが巣立って自宅の部屋を持て余している人も多い。それを民泊として運営することもできるんですか。

イラスト*しりあがり寿

深瀬 まずは届出ですよね。区域や期間などを条例で決めている自治体もあるので確認して、あとは住宅の図面など必要な書類を揃えて保健所などで届出をします。

大津山 消防法の規定をパスする必要もあります。物件によってはスプリンクラーの設置が必要な場合もあって、ちょっとお金と手間がかかるかもしれない。できれば民泊ホストのコミュニティにつながっておくといいですよ。いろいろ情報やノウハウを共有できます。
東京の自由が丘に「春子さん」という有名なホストがいて、彼女は75歳から民泊を始めたんです。体力的にも海外へ行けない。それで「海外が自分の家にやって来る」というコンセプトで民泊を始めた。新法の届出で挫折しかけたときも、みんなで応援しました。彼女はとても楽しそうにホストをしてますよ。

阿部 物件って賃貸に出してしまうと相手に居住権が発生するので、その人が退去するまで貸し続けないといけなくなります。でも民泊として運営するなら、自分や家族が使いたいときに使えるし、売りたくなったら売りに出せる。これもメリットのひとつだと思います。

深瀬 新法の規定で民泊としては年間180日までしか使えないんですが、残りの期間を「マンスリーマンション」という形で貸し出すこともできるんですよ。最短で1ヵ月の「定期借家契約」です。うちでも民泊とマンスリーを組み合わせて貸しています。ウェブサイトに「湘南にプチ移住しませんか?」ってコピーを出したら、若い女性に響いたようです。海を見て暮したい人や、人生を見つめ直したい人などに人気のプランです。

司会 阿部さんの民泊をインターネットで拝見しましたが、内装がとても素敵でした。改修したり、設備やインテリアを揃えたり、初期投資も結構かかるかと思うんですが。

阿部 モノによりますが、最初に手がけた物件はオーナーさんが置いていったテーブルや茶だんすがあって、それを生かした内装にしています。ベッドやマットレスのクオリティにはこだわったので、全体で220〜230万円かかりました。ただ、そのくらいならある程度の期間で回収できると思います。

大津山 僕の家も400万円かけて直して1年で回収しました。

司会 それはすごい……。

大津山 民泊に泊まる外国人はお金を持っていないと勘違いされている方も多いですね。彼らは長期滞在する場合、最初は5つ星のホテルに泊まり、その後、民泊を利用しながら地方へ出かけるのです。

司会 旅慣れているんですね。

大津山 特に今は、英語を使えるアジア人のエアビー利用率がとても高い。シンガポールでは、観光目的で日本に来る人の約40%が民泊を利用しています。さらに今は1億人を超える中国人が海外旅行に出ている時代なんですよ。しかも年に1億円以上稼いでいる富裕層も多い。そういった人たちの民泊利用も増えています。

まずは一度、民泊に泊まってみたいですね。

司会:神林広恵さん(かんばやし・ひろえ●1966年、群馬県生まれ。雑誌『噂の真相』の編集者として数々のスクープを手がけ、同誌休刊後はフリーライターとして活躍)

司会 最後に今後の展望をお聞かせください。

深瀬 僕の家は家主居住型でやっているので、おもてなしを強化したいなと思っています。例えば地域のお寿司屋さんと提携して、外国人向けの寿司教室を開いたり。そういう企画を藤沢市と一緒に進めています。藤沢市は観光客の日帰り率が高いことが課題なので、より長く滞在してもらうための魅力づくりを、民泊の立場から盛り上げていきたいと思っています。

阿部 私は「2拠点生活」のような、より自由なライフスタイルを実践する手段として民泊を捉えています。新法の規制である年間180日もプラスに考えれば、1年の半分を都会の自宅で、もう半分を地方にある自分の民泊を使って暮すこともできます。上手にローンや固定資産税を賄えれば、儲けは出ないけれど、人生を潤すことができる。そんな価値観を広げるためにも、まずは「民泊」というダサい名前を何とかしたい。

大津山 確かに(笑)。どんな名前がいいかな?

阿部 私は「旅した町に住まうように泊まる」とよく言ってますが、まだしっくり来る名前は浮かんでないです。

大津山 僕は今後、シニア世代の資産を孫世代が運用することに期待しています。民泊をやるには英語とインターネットの知識はあったほうがいい。そこで祖父母が持つ不動産を、ITや英語に長けた孫たちがおもしろく活用する。そうした事例も結構出てきているんですよ。

司会 アイデア次第で夢が広がっていきますね。

大津山 例えばこの『通販生活』の商品がいろいろ置いてある民泊を作ったら人気出るんじゃないかな。気に入ったアイテムは買って帰れるようにしたら、中国の人たちも喜びますよ。どうです、一緒にやりませんか?

構成/清田隆之 写真/細谷忠彦

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