クラフト作家・りゅうざぶさんの「ミニクラフト」

クラフト作家・りゅうざぶさんの「ミニクラフト」

花見の頃幅25×奥行14.5×高さ17㎝

葉っぱも桜の花びらも粘土でつくります。楽しくて、寝ずにやっていたいくらい。

クラフト作家・りゅうざぶ

「葉っぱも桜の花びらも粘土でつくります。楽しくて、寝ずにやっていたいくらい」クラフト作家・りゅうざぶ 「葉っぱも桜の花びらも粘土でつくります。楽しくて、寝ずにやっていたいくらい」クラフト作家・りゅうざぶ

【写真右】ワイヤーの骨格に粘土で肉付けしてネコの形に。【写真左】ネコや小物は樹脂粘土や石粉粘土でつくり、アクリル絵の具で色をつける。

 20年ほど前まで勤め人でした。飼っていたネコがあまりにもかわいかったので、樹脂粘土でマスコットをつくって、余り布で縫った座布団に座らせてみたんです。そしたら、「ほしい」という知人が何人もいて、つくってはあげていました。
 だんだん凝った作品づくりがしたくなって、勤めを辞め、クラフトに集中することに。食堂でごはんを食べているネコ、居酒屋で宴会をしているネコなど、擬人化したネコの世界をつくりはじめました。
 あるとき、地元の喫茶店のオーナーが「店で売ってみない?」と声をかけてくれて、置かせてもらったら評判がよかった。そこから、クラフトフェアやネコ展への出品など、発表の場が広がったんです。

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りゅうざぶさんの作品は360度楽しめる。個展で最長7時間見ていた人がいたそうだ。

りゅうざぶさんの作品は360度楽しめる。個展で最長7時間見ていた人がいたそうだ。

 11年前、地元の美術館で個展を開催したのですが、見にいらした方から厳しく叱責されてしまいました。「ネコの骨格がどうなっているか、知っているのか」と。楽しくて夢中でやってきたので、かなり落ち込みました。でも、確かにちゃんと勉強をした経験はない。それで1年ほど制作活動を休んで、ネコの骨格や筋肉のつき方・動き方を調べて学び、使う材料も見直しました。それまでの漫画チックなネコから、よりリアルなネコがつくれるようになった。叱責は辛かったけど、あの出来事があって「りゅうざぶ」が確立できたのだと思います。
 私が住んでいる長野県には、野菜の無人販売小屋とか、丸型の郵便ポスト、古民家がまだまだ残っているんです。そういう風景を見ると「ここにネコがいたら、雰囲気がいいな」と思ってすぐ撮影。気に入った場所は他の季節も見たいので「梅雨が明けた」「雪が降った」と聞けばまた行き、撮った写真をもとにスケッチを描いて作品の構成を考えます。

「ネコがいる日本の風景」が永遠のテーマ。つくりたい世界はまだまだあります。

秋日和
冬景色 動き出しそうなネコたち。

 作品は中心になるモノからつくりはじめます。「秋日和」ならば、もみじの木。薄い黄色の粘土を延ばして、3~5ミリほどの葉っぱの形に1枚ずつハサミで切って葉脈をつけます。葉っぱだけで3週間かかりました。木に葉っぱを貼りつけてからアクリル絵の具で、上のほうは濃い赤に、下のほうは橙色にと、紅葉の濃淡をつけています。細かい作業なのでハズキルーペが欠かせません(笑)。
 ネコはワイヤーで骨格をつくり、粘土で肉付けしてポーズを決める。家、野菜、ポスター、ドラム缶、池、花、つららなど、ほとんどのモノは粘土、木片、紙でつくります。パーツがそろったら、いよいよ組み立て。完成の形が見えてくると「おお、やったな」と自分でも感動してしまいます(笑)。
 作品づくりだけしていていいのなら、寝ずにやりたいくらい楽しい。手間暇かけたものは、味わいが増すように思います。

りゅうざぶさん

2019年3月8日~12日、東京都中央区のギャラリーメゾン・ド・ネコで「りゅうざぶ作品展~春夏秋冬」を開催。
金曜・月曜は12:30~19:00、土曜・日曜・最終日は12:30~17:00。10月にも開催予定。お問合せは、電話03-3567-8880へ。

りゅうざぶ 長野県生まれ。1997年、樹脂・石粉粘土でネコの立体制作を開始。2000年、りゅうざぶ工房開設。05年、私家版の作品集『りゅうざぶろう』出版。現在は年に1~2回の個展と企画展に出品している。

撮影/山口規子

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