教えて、占い師さん。僕らの老後は幸せでしょうか。

教えて、占い師さん。僕らの老後は幸せでしょうか。

最近、横浜の中華街では占いが流行っている。見渡せば、あっちもこっちも占いだ。お客さんは若い女性がほとんどで、その大半が恋愛運を占ってもらっているそうだ。70代男の僕にだって悩みはある。この先、運が巡ってくるのか気になる。よし、いま人気の占い師さんに、僕の「老後」を占ってもらおう。50代後半の知人K子を道連れに。

取材・文 小田豊二

70代の僕と50代のK子、「行く末」を案じる。

 寄席の前で占いをしているおじいさんがいた。
 この人、芸人の世界では「当たる」と評判の占い師だった。ある日の昼間、前座(新人)の噺家が占い師の前に座り、手相を見てもらっていた。
「どうでしょうか。僕は売れっ子落語家になれるでしょうか?」
 占い師は、言った。「無理だね、すぐにでも田舎に帰りなさい!」。あまりにもはっきりと言われたので、ムッとした若い噺家は「手相だけで、どうしてそんなことがわかるんですか」と怒鳴った。すると、おじいさんは諭すように答えた。
「さっき、ひまだったから、寄席をのぞいたら、君が落語をやってたんだよ」
 こういう噺、好きだなあ。
 いや、余計なことを書いた。この噺にヒントを得たわけじゃないけれど、ある夜、僕は編集者仲間のK子と、学生時代の後輩の娘がやっている店で焼き鳥を食べながら、来し方行く末の話になった。最近目をそむけ、ひどい時はトイレから出てくると目の前で鼻をつまむツレの話、言うことをやってくれない会社の部下の話、まったくよくならない持病の話、年金が入った日以外、遊びに来なくなった孫の話、将来、施設はおろか、特養にも入れそうもない絶望感……。熱燗がぬる燗になり、残したトリ皮やレバーまで硬くなった。
 だが、帰り際、K子と僕は、妙に明るくなった。
 その夜の結論として、どうせなら、人生に一度だけでいいから、「当たる」と評判の人気占い師たちに「どうでしょうか、僕たちは老後、幸せになれるでしょうか」と尋ねてみることにしようということになったからである。
 売れっ子の占い師でも、相手は普通、若い女性だろう。出版社に勤めているものの、もうすぐ定年というK子と、平均寿命までの残り少ない日数を数えて暮らしているライターの僕のような客を相手に占ったことはないだろうから、占い師にしたらきっと新鮮だし、こちらの生死にかかわることだから、真剣にみてくれるかもしれない。
「それはいいわね、私、人気の占い師さん、調べて連絡するわ」

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横浜中華街の美人占い師に“知るべきこと”を教えてもらう。(西洋占星術/SATOKOさん)

 K子と待ち合わせたのは、横浜中華街。占いの館「愛梨(あいりー)」の前。ここにはたくさんの占い師さんがいるが、K子の推薦は、切れ長の目が男心を惹きつける美人のSATOKO先生。この店ができてから10年近く、SATOKOの部屋を持っているそうだ。ちなみに予約・リピーター率が愛梨では上位クラス。特に女性のリピーター率がナンバー1で、SATOKO先生目当てに訪れるお客さんはとても多い。
「不安があるのは、知るべきことを知らないからです。大丈夫、あなたの運命をひとつひとつ書き出して、何が、いつ訪れるか、占ってみますね」
 いいねえ、SATOKO先生。そうなのよ、寂しい僕たちがいま求めているのは、それなのよ! いけない。思わず、マツコ・デラックスみたいになってしまった。
 まずK子から。先生の左には「天文暦」と呼ばれる部厚い本。K子は生年月日、生まれた時刻、下の名前を聞かれて、運命の鑑定。

SATOKOさん(西洋占星術、タロットカード)

SATOKOさん(西洋占星術、タロットカード)/神奈川県横浜市中区山下町187 カモメ市場内2F 占い館愛梨(あいりー)本店 TEL:045-663-5009 鑑定料は20分3000円。

「K子さん、あなたは老後しばらくお金でちょっと大変。でも、2023年ぐらいから活躍するという星回りですね。えーと、遺産は期待しない方が。で、えーと、28年4月以降30年5月まで、お金の収支のバランスが悪いかも。いまから10年後ですね。あなたが定年後始めた仕事が不調か、ご主人が新しい仕事に挑戦するかは、ちょっとわかりませんが、とにかくそれに備えて、いまから準備をしてください」
 50、60、70と私の人生暗かった……。K子の夢は夜ひらかない。知らないか。
 続いて高齢者の僕。平均寿命までのわずかな期間の運命をすがる思いで尋ねた。
 SATOKO先生、天文暦で計算しながら、なんだか楽しそう。「わー」とかわいく叫んでみたり、「あら、素敵」とか呟いたり。気になるなあ。

SATOKOさん(西洋占星術、タロットカード)

「はい、トヨジさん。まずはっきりしているのは、2020年まで奥様からちょっと冷たくされるかもしれません。で、21年からお友だちと距離を置くという星回りですね。そして、24年、いいですよ。新たな恋。それも手に入りそうもなかった人との恋が始まりますが、26年卒業します」
 SATOKO先生の説明、心に響き渡った。占いを踏まえ、僕の晩年を想像してみた。2年後、僕は何かの理由で老人施設に入る。その施設で知り合った女性、それも誰もが憧れる若い美人に恋をするが、もちろん片思いで、「いい加減にしてくださいね、おじいちゃん!」と諭される。僕の晩年は「女性に嫌がられ続けた、ただのエッチなおじいちゃんの末路」かも。
「うふふ。想像力が豊かですね。でもそんなに気を落とさないで。あくまでも、恋が始まる可能性がある、というだけですからね」と、どこまでも優しいSATOKO先生。
「いいじゃない、浮いた話で。私は気をつける点をメモったわよ」と隣のK子。うーん、まあ、華やかでいいか。なんだか、妙に納得。SATOKO先生、ありがとう。あなたの占いを信じて、静かに生きていきます。

易神様のお告げと対策を読み解き、わかりやすく伝えてくれる。(イーチンタロット/シュウさん)

 それから3日後に向かったのは、同じ中華街にある男性人気占い師・シュウ先生の店。この先生、超売れっ子でなかなか予約が取れず、K子が朝、開店と同時にみてもらえるよう、前もって今日の時間に予約を取っておいてくれたのだ。
 シュウ先生、いまや占いのメッカ中華街でも、呼び込みをしなくても客が集まる数少ない人気占い師だ。聞けば、お客は95パーセント女性。そのうち90パーセントが恋愛相談だそうだ。なかには60代の女性が年下の男性との恋を相談することもあるという。「死ぬまで適齢期」。これがシュウ先生の売り文句。なるほど、女性が集まるわけだ。
 この先生の得意技は、イーチンタロットで、その腕前は日本屈指。これは、西洋のタロットと同様にカードを用いるが、4千年も前に中国で発祥したと言われる「易」の文化と従来のタロット占いが融合したもの。

シュウさん(イーチンタロット)

シュウさん(イーチンタロット)/神奈川県横浜市中区山下町189-4 青龍店内 TEL:080-7190-8966 15分3000円(延長10分2000円)。

 シュウ先生によれば、それぞれのカードには、「易神」と呼ばれる神様からの「密かな暗示」が書かれていて、占い師は、それを素早く、それでいて深く読み込み、易神に代わって「あなたが願ったことに対して、占いの神様はこうおっしゃっていますよ」とわかりやすく説明するというわけだ。
 これは当たりそうだ。早速、K子の老後を10年ごとに占ってもらった。
「はい、K子さん、まずは裏になったカードの束の上に左の手のひらを乗せて、目をつぶって心の中で易神に『私の老後についてのメッセージをください』と唱えてください」
「では、次に左手でカードを大きく3つの束に分けて、次に、もう一度自由にひとつに重ね直してください。はい、じゃあ、私がカードの束を広げますよ。じゃ、大きく裏返しに広がったカードの中から1枚だけ、やはり左手で引いてください」
 そして先生も左手で3枚引き、並べた。K子が引いたカードが表になった。
「K子さん、あなたの老後の願望はね、『内側はどうでもいいから、見た目だけでもきれいでいたい』ですね。人に褒められたい願望が強い人ですね」

シュウさん(イーチンタロット)

 K子、意外な展開に目が点。続いて先生が引いたカードが表に。
「じゃあ、易神がそんなあなたに注意したいことが、このカードに出ていますよ。それは『逃げるが勝ち』ですね。あなたは、年をとると、孤独な女王と言いますか、言ってみれば、わがままで頑固で意地悪なおばあちゃんになります。でも、大事なことは、家族のことや自分と直接関係ないことに首を突っ込まないこと、しゃしゃり出ないこと。そうすれば幸せで元気な老後が確実に待っています。見た目も美しくなりますよ。それがあなたの老後への易神からのアドバイスです」
 孤独な女王? クックック。思わず、僕は腹を抱えて笑った。おなかが痛い。
 ちなみに、僕は「神と悪魔の予言占い」をやってもらった。神と悪魔が両方予言するのだが、「悪魔がウソを言う」ので、悪魔の予言の「どこがウソか」先生に見抜いてもらうのだ。
 悪魔のカードは、僕の老後をこう予言した。
「悪魔はこう言っていますよ。『君はね、老後もゆっくりといい方向に変化していくよ』と」。この悪魔の予言のどこがウソなのか。先生は、「ゆっくりがウソ。やりたいと思うことがあったら、後回しにせず、どんどんやったほうがいいですよ」と真面目な顔でサジェスチョンしてくれた。
 いやあ、シュウ先生のイーチンタロットの世界、おもしろかったなあ。

町内会に愛される“新橋の母”は福岡出身で民謡歌手の過去を持つ。(占霊術/小田原せいさん)

 その日の夕方、僕たちは東京・新橋の母と呼ばれるおばちゃんの事務所にいた。おばちゃん、いや失礼。小田原せい先生。「占霊術」の大家だ。
「よくきんしゃった」
 先生、福岡県太宰府出身とか。話を聞いて驚いた。18歳の時、歌手デビュー。だが、声帯を痛め、引退。今度は六本木のバーのママに。全盛期は、博多の中州などで4軒のクラブを経営したそうだ。だが、事業に失敗し、無一文になり、再び上京し、スナックの手伝いをしていた時、占いの神が降臨。
 お客の事業の成功や病気を次々と当てたことから、地元商店主たちが「小田原聖占いの館」を開いてくれた。それがまた「当たる」と大評判でマスコミに取り上げられて、一躍人気占い師になったという。今は新橋に持つ店でも占いをしている。

小田原せいさん(占霊術)

小田原せいさん(占霊術)/東京都品川区西五反田2-13-1 TEL:080-3420-1244 スタンダード・コース60分1万円~。

「人生、何でもやってみんとわからんばい」
 それだけ聞いただけで、この先生、「新橋の母」どころか「無法松の母」だと思った。玄界灘の激しく打ちつける波のような社会の荒波を泳ぎきった女の自信がふくよかな全身にあふれている。あまり人の苦労話に興味を示さない、孤独の女王K子も、珍しくおばちゃんの話に感心して聞き入っていた。
 本来なら、酒を飲みながら、「これから、どげんしたらよかと」と老後の不安を聞いてもらうだけでもいいのだが、せっかく人気占い師に出会ったのだから、占ってもらうことにした。
 せい先生の占いは、数字が基本。生年月日による占星術、一白水星などの九星気学、さらには十二支をもとにした守り本尊などを合体した「占霊術」。

小田原せいさん(占霊術)

 先生、電卓を持ち出し、僕の数字をはじき出した。
「3ばい。あんたの命数は3」
「3? 3だとどうなるんですか」
 聞けば、3の数字に生まれついた人は、成功をつねに追いかけるが、その道のりは険しく、波乱に富んで安定しない。一生、チャレンジャーだそうだ。
 先生は突然、黒丸や赤丸のついた表を取り出し、「あんたの今年はここ。今年は挑戦ば、ちっとやめときんしゃい。来年からよくなるけん、何かやるなら来年ばい」と断言した。
 そうか、僕が挑戦者の星なので、心配してくれたのだ。大丈夫、おばちゃん、僕にはもうその元気も金もない。

カップの底に残った粉の模様が僕たちの人生を描く不思議。(コーヒー占い/アラシ・ヴァルズダリさん)

 その翌日は、雨だった。
 私とK子は、テヘランにいた。いるわけがない。東京・広尾の「コーヒー占い」の店だ。店の正式な名前は「アラシアートサロン」。主人は、アラシ・ヴァルズダリさん。イランのテヘラン出身だ。
 水タバコの道具が所狭しと並べられる店内は、まるで「アラジンと魔法のランプ」の世界。
 ここで、アラシさんが、トルココーヒーのカップの底の飲み残しの「模様」で、占ってくれるのだ。聞けば、アラシさん、日本に来て25年以上。故郷ではお母さんが有名な占い師で、その母から教わったという秘法がコーヒー占い。豆を細かい粉末状にして水に入れ、直接煮出す。粉を使うから、最後の飲み残しがドロドロの模様になる。それを見て、占うのだ。

アラシさん(コーヒー占い)

アラシさん(コーヒー占い)/東京都渋谷区広尾1-10-10 NKビル1F アラシアートサロン TEL:03-5475-6161 スタンダードコース5000円。

アラシさん(コーヒー占い)

 まず、僕たちに小さなカップに入ったトルココーヒーが渡され、静かに飲んだ。そして、しばらくして、儀式が始まり、それぞれのカップに模様が生まれた。まず、K子の番だ。定番の老後の生き方の相談だ。ここまで、金運がないだの、意地悪婆さんになって嫌われるだの、あまりいいことがなかったK子、どことなく自信がなさそうだ。
 そんなK子にアラシさんは、こう言った。
「これはあくまで占いなので、アナタの老後のひとつの目安としてお話ししますね。アナタは、老後を心配しすぎ。考えすぎ。ダイジョーブ、気楽に生きていけます。あとは、仕事もいいですけど、プライベートに時間をかけることがヒツヨーですね。夫婦仲よく身体を動かすとか、趣味を楽しむとかね」
 久しぶりにK子に、はじけるような笑顔が戻った。
「私、韓国語を習っているんで、韓国で暮らしたいと思っているんですよ」
 誰も、そんなことは聞いていない。
 続いて僕。コーヒーの残り、K子とは模様が全く異なっていた。アラシさん、すかさず、その模様を読み込み、こう告げた。
「アナタはいま、何か新しいことをしたいと思っていますね。それはなるべく早くやったほうがいいですよ」
 おや、中華街のシュウ先生の悪魔の声と同じだ。実は、いま僕は高校時代の同級生たちとの「赤い夕陽の合唱団」結成に燃えている。もちろん、共学だったから混声合唱団だ。学生時代、憧れた女性もいる。
 先生は続けた。
「それから、ちょっと言いにくいんですけど、いまからのアナタの生きがいはジョセーですね。ジョセーがいないと、きっと物足りないんでしょうね」
 あっ、ドキッ。最初に中華街のSATOKO先生に言われた「2020年まで奥様からいま以上に寂しい思いをさせられます」という言葉が脳裏に蘇ってきた。
 だからと言って……。いや、好きになってはいけない。どうせ最後は「エロ爺!」と罵倒されるのに決まっているのだから。
 目が犬かきのように泳ぐ僕を見て、今度は、K子が、クッククックと笑いをこらえていた。

観光客が行きかう東京タワーの一画に静かにたたずむ。(紫微斗数・手相/城乃香月さん)

 僕とK子の人気占い師最後の突撃は、東京タワーの2階で占ってくれている「東京摩天楼の守母」城乃香月先生だ。いやあ、先生、かわいい! 
 その明るく若々しい雰囲気と占いが当たるので、訪れるリピーターは北海道から沖縄まで。若い人の恋愛相談から、40代、50代の離婚、不倫の円満解決まで、幅広い。
 先生はいろいろな占いができるが、東京タワーではいま台湾で流行っている「紫微斗数(しびとすう)」と「手相」を中心に活動している。紫微斗数とは、生年月日、出生時刻(特に重要)、出生地から、その人の「命盤」を作成。命盤には12の宮があり、その宮に入った星の配置から金運、仕事運、恋愛運、家庭運など人生のすべてをみることによって、道しるべにするわけだ。

城乃香月さん(紫微斗数・手相)

城乃香月さん(紫微斗数・手相)/東京都港区芝公園4-2-8 東京タワー2F(在席時間はブログ「香月の今日も晴天」で確認可能)手相995円。

 早速、K子がお願いした。香月先生、かわいらしい声でこう言った。
「あなたは仕事にも遊びにも一生懸命な人ね。でもね、ちょっと寂しいのは、尽くしても報われないという星なの。結婚してる? ああ、そう。その人はね、わが道を行くってタイプだから、ご主人からはあなたには何も返ってこないわね。それにね、ご主人、人間関係をうまくやれないタイプなのね。だから、あなたはこれから我慢の季節ね」
 K子、妙に真剣だ。僕が茶々を入れる隙もない。
「あなたは、老後も仕事しているわ」
「あの、老後のお金は?」
「えーとねえ、大きく増えたり、ガーッと減ったりね。コツコツ貯まるということはないわね」
 なんだか、最初のSATOKO先生のお告げに近い。
「ありがとうございました」。K子の声が妙に物悲しい。だからと言って、なんと慰めていいか、わからない。

城乃香月さん(紫微斗数・手相)

 最後は僕の番だ。香月先生、僕の老後は手相で占ってくれるという。そういえば、手相ははじめてだ。僕は、両手を広げて出した。先生、赤のボールペンで僕の手のひらに印を。
 まるで、バスガイドのように、滑らかに。
「はい、感情線が直線ですね。裏表のない性格ですね。頭脳線が二股に分かれてます。こっちが理系、こっちが文系。どっちも長いですから、多芸多才ですね。えーと生命線は長いですねえ。80歳は過ぎますね。90歳を越えるかもしれませんね。はい、長生きですよ」
 たしかに「右手をごらんください」で始まったら、おもしろい。
 そして、最後に見事に言い当てた。
「お酒、お好きでしょう。血圧は高いですか。手のひらに赤いボチボチができていますので、肝臓、腎臓に注意してください」
 香月先生、それ、手相が読めなくてもわかりそう。

高齢化時代の占いの役割を水晶玉子先生に聞く。

いやあ、勉強になった。たしかに占いは、「自分自身を知る」には役に立つ。自分のことだから、自分が一番知っていると思ったら、大間違い。占いの先生に「あなたはこういう人です」と言われてみるのもおもしろい体験だった。
 また、5人の一流占い師の先生方が、僕たちのこれからの自分に合った生き方をいろいろな方法で真剣に示してくれたのも、ありがたかった。
 最後に、いま一番人気のある占い師、水晶玉子先生にお言葉をいただいた。
「占いって、未来をクリエイトするために人間が考えた道具だと思うんですよね。今日は落ち込んでいても、明日は幸運の日かもしれない。いまはダメでも、2年後にはバラ色の運気がやってくると言われたら、そこまでがんばろうと思えるじゃないですか。逆に言えば、いいことも続かないけれど、悪いことも続かない。じゃ、いつになったら変わるのか、その時のために心の準備をさせてくれるのが占いなんです」
「でも、占いと言ったら、若い女性がやるものでしょう」
「何言ってるの、人生100年の時代。いま50歳の人でも、あと50年も未来はあります。素晴らしいことがいつ待っているか、占ってもらってください。星の流れを見ると、2020年に世の中はガラッと変わります。この変化の中で運を掴むには、自分を高い視点から俯瞰して見るのが重要なの。食べ物でも使っている物でもいい。当たり前と思っていることを見直しましょう」
 有名占い師の先生方に勇気をいただいた僕は、家に帰ってツレに言った。
「占ってもらったらね、俺、老後、幸せみたいだよ。仕事も続けられるって」
 妻は、こう言い返した。
「あら、あんた、長生きしたくなったんだ。太く短く生きるんじゃなかったワケ!」
 しょうがないじゃん、死ねなかったんだもん……。

『水晶玉子のオリエンタル占星術 幸運を呼ぶ365日メッセージつき 開運暦2019』</em><br>集英社 本体1,400円+税

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撮影/坂本禎久、関幸貴 取材協力/片山幸子

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