週刊通販生活トップページ  >  読み物:山椒言:萩本欽一さん「原発? あんなものやめたほうがいいのは間違いないよ。でも、そのためにはさ…」

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「原発?  あんなものやめたほうがいいのは間違いないよ。でも、そのためにはさ…」萩本欽一(コメディアン)

 なに、きょうは震災の話を聞きにきたの? 「通販生活」も変わってるね~。僕は「運」の本を2冊も出してるくらいだから、運の話しかできないよ。
 僕はね、幸せが1個くると不幸せも1個くると思ってるの。そうすると、今回の震災で大きな不幸を負った人は、みんな2倍くらい幸せになんなきゃいけない。震災から3年たったけど、まだ幸せになれていない人も多いよね。
 まず言葉の問題だけど、僕は「被災」した方とは言わないの。そういう不幸の言葉を使うと不幸が生まれちゃうから。たとえば、「ウデのいい(農業や漁業や酪農の)職人」が、手を休めるときがきてしまったと考えるの。せっかくウデのいい職人がたくさんいるんだから、その優れた手をどう使うかを考えたほうがいいよね。
 いま日本には元気がなくて、下り坂の町もたくさんあるでしょ。そういう町を、ウデのいい職人たちに元気にしていただく。自分の生活だけじゃなく、その町の人の生活も支えるんだから、2倍元気になるじゃない。
 政府も「補償」じゃなくて「応援」のために、その地域では消費税やガソリン税なんかも全部免除して、どんどん稼いでもらう。病院やスーパーもつくってもらってね、3年あったら日本に3つくらいすごい町ができあがっていただろうなあ。国内総生産じゃなくて「町内総生産」も東京に迫る勢いで、みんなその町に行きたいって行列するから関所もつくらなきゃ。
 こんなふうにさ、いま困ってる人たちが「英雄」になるようなことをやらなきゃダメだと思うんだよね。僕が総理大臣や復興大臣をやっていたら、そうしていたんだけど、誰もなれって言ってくれなかったんだよね(笑)。

 原発? あんなものやめたほうがいいのは間違いないよ。ほとんどの人がそう思ってるでしょ。でも日本のことだけを考えて言い争っていると、グズグズとこれから何十年も続いちゃう。だからね、僕はちょっと違った発想が必要だと思うの。
 中国がこれから10年で60基も新しく原発をつくるって言ってるんだから、世界のことも考えなくちゃいけない。もし中国で事故が起こったとき、日本が知らんぷりはできないでしょう。だから、子どもたちが廃炉や除染の技術なんかを学んでね、もし中国や世界で何かあったときは、原爆も原発事故も体験した日本人が先頭に立って助けに行ってほしい。
 そのうち、日本人のなかから原発よりすごいエネルギーを発明するすぐれ者が出てきてさ、世界に向けて「原発なんてもうやめようよ、こっちのほうがすごいよ」って言うから。そうしたら気持ちいいよねえ。これが世界中から原発をなくすいちばん早い方法じゃないかなあ。

はぎもと・きんいち●1941年、東京都生まれ。高校卒業後、浅草の東洋劇場へ入団。66年に坂上二郎と「コント55号」を結成する。「コント55号のなんでそうなるの?」「欽ちゃんのどこまでやるの!」など数多くのテレビ番組で人気を博す。05年にはクラブ野球チーム「茨城ゴールデンゴールズ」を結成し初代監督に就任。近著に『負けるが勝ち、勝ち、勝ち!』(廣済堂新書)など。