この春、新型コロナウイルス流行の影響で、多くの人が働きたくても働けなくなりました。
中でも、お母さんがパートなどの時間給で働いていて、少ない収入で切りつめながら生活をしてきた多くの家庭には、貯金がありません。
たった1ヵ月でも収入が減ったり、止まってしまうと、生活は一気に困窮します。
もう5ヵ月間、耐えに耐え、頑張りの限界に近づいている子どもたち、お母さんたちに、10万円の給付金の中から2千円でも、5千円でもカンパしていただけないでしょうか。
読者の皆さんからお預かりしたカンパ金は、コロナ禍のお母さんたちに食料支援を行なっている認定NPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」と、学費や家計のためのアルバイト収入が激減してしまった高校生世代向けに緊急支援給付金を立ちあげた公益財団法人「あすのば」へ、全額をお届けします。
支援者に聞くコロナ禍の子どもたち①
「日々の暮しがギリギリで、貯えもない母子は、1ヵ月の減収でも命を落としかねないのです」
赤石千衣子さん
認定NPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」理事長
あかいし・ちえこ●当事者としてシングルマザーと子どもの支援活動をつづける。厚生労働省「ひとり親家庭への支援施策の在り方に関する専門委員会」参考人。
コロナ流行による経済の低迷は、パートなどの非正規で雇用が不安定なひとり親の家庭を一瞬で危機に陥れました。わたしたちの団体では、3月からのべ5058世帯にお米や緊急の食料支援を行なってきましたが、お母さんたちから届く声は日ごとに深刻になっています。
4月にお米をお送りした901世帯へのアンケートでは、収入がない方は11%、減った方は59%。メール相談には「ひもじいです」「子どもたちは水を飲んで空腹をしのいでいます」「もう一家心中しかないのでしょうか」といった切迫したお話が急増して、焦りました。
ひとり親のご家庭がここまで短期間でさし迫った状況になったのは、預貯金がないからです。ひとり親世帯の平均年収は243万円ですから、貯金はなかなかできません。今回のように突然収入が減ると、たった1ヵ月で命の問題になってしまう。皆さん、日頃から工夫に工夫を重ねて出費を切りつめていらっしゃるので、もう食費くらいしか削れないんですね。
お米をお送りしたあるお母さんは、アンケートの「家計が苦しいときにどんな工夫をしていますか?」という問いに、「自分のごはんは2日に1度にしている」と答えていました。ご自分が食べないことが、そのお母さんができる最後の“工夫”なのです。あわてて緊急の食料もお送りして電話でお話をうかがうと、「4月はふりかけだけだったけど、いまは子どもたちには卵かけごはんを食べさせてあげられている」とおっしゃっていました。子どもたちには、ということは、ご自分は栄養が摂れない状態がつづいているのでしょう。まだ下のお子さんが0歳で授乳中なのですが、母乳の出がわるかったのか、保育園で「この子、小さいね」と言われたそうです。
先だって国会で成立した第二次補正予算では、ひとり親の低所得世帯に対して、8月に臨時特別給付金(一律5万円、第2子以降は3万円加算)を支給することが決まりました。ただ、お母さんたちのお話をお聞きすると、大半は3月から滞納している家賃や公共料金に消えていきそうです。一方で、雇い止めにあったり、シフトが減ったお母さんたちが元の収入を取り戻すには、まだまだ時間がかかります。リーマンショックのときもそうでしたが、非正規の人たちに仕事が戻ってくるのは景気が回復したあと、いちばん最後です。臨時特別給付金の残りと10万円の特別定額給付金であとどれだけしのげるか、ギリギリの状態がしばらくはつづくと思います。
困っているなら生活保護を受ければいいとお考えの方もいるでしょう。でも、わたしたちに食料支援を求めてこられるお母さんたちは精も根も尽きていて、もう役所へ根気強く申請に通う気力は残っていません。バタンと倒れ込んでしまいそうな背中を引き戻して、まずはお話をうかがって、お子さんたちとごはんをお腹いっぱい食べてもらう。そうして前へ進むための力を取り戻していただくためにも、この食料支援が必要です。
「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」では、通販生活カンパ金をひとり親世帯の食料支援に使います。
①だいじょうぶだよ!プロジェクト
生活に 困っている希望者へお米や食品を送付。毎月2,000世帯を予定。
②緊急食料支援
生活相談があった困窮 世帯へ1回5,000円分の食料を送付。3〜6月の送付実績は192世帯。
支援者に聞くコロナ禍の子どもたち②
「支援金の申込み用紙には、子どもたちがふり絞って書いた“助けてください”の声が並んでいました」
小河光治さん
公益財団法人「あすのば」代表理事
おがわ・こうじ●あしなが育英会の職員を経て2015年に子どもの貧困対策センター「あすのば」を設立。内閣府をはじめ、子どもの貧困政策に関する数々の委員を務めている。
ご存知の通り、コロナ流行の影響で困窮状態に陥っている子どもたちが増えています。中でも、わたしたちが高校生世代に限定した一律4万円給付の支援を決めたのは、公的な支援がもっとも少ない年代だからです。
児童手当は中学生までで打ち切られますし、低所得世帯に教材費や給食費として支給される就学援助は高校からなくなります。授業料は私立も年収590万円以下の世帯は無償ですが、学校生活にかかる費用は自己負担です。高校は、まず通学にお金がかかりますよね。学びの幅が広がって教材費や部活動の費用もかさみます。子どもたちは親御さんが精いっぱい働いているのを知っていますから、「自分が高校に行きたいと言ったから」とアルバイトを始める。わたしたちが17年に住民税非課税世帯と生活保護世帯などの高校1年生に行った調査では、3人に1人が「アルバイト経験あり」で、アルバイト代の用途の33%は「学校の費用」、15%は「家庭の生活費」でした。
この子どもたちの頑張りが、コロナの流行で3月から断たれているのです。バイト切りや強制休業で自分の収入がゼロになっただけでなく、親御さんも仕事をなくして生活が苦しくなった子どもたちも多いです。6月に支援給付金の募集をしたところ、定員の5倍近い5850人から申込みがあったのですが、申込み用紙を読み進めていくうちに胸が苦しくなりました。「助けてください」と書かれた用紙が、何枚も何枚もつづいたからです。
通販生活の読者の皆さまに毎年ご協力いただいている新入学準備金カンパの申込み用紙には、家計の状況こそ細かく書かれていますが、ここまで多く、ストレートに「助けて」という言葉が書かれていた年はありませんでした。相当ひっ迫しているのだと思います。高校生というと、自分の弱い姿を他人には知られたくない年頃ですよね。そんな子どもたちから、アルバイトができません、定期代がありません、家の食費が足りません、母が倒れてしまわないか心配です、助けてくださいと言われたら、「大丈夫だよ、助けるから安心して」とこたえるのが、わたしたち大人の、社会の責任ではないでしょうか。
実際には、この4万円の支援金だけで長い高校生活を安定させることは難しいでしょう。けれども、いちばん困っているときに手を差し伸べてくれる大人がいたという経験は、子どもたちの大きな力になるはずです。社会に絶望して、「もういいや」と高校中退を選ぶ芽をひとつでも摘みたいのです。
もしもカンパをしていただけましたら、ぜひお願いがあります。通販生活の誌面からお振込みの方はお振込み用紙の通信欄に、ひと言でも構いません、メッセージをお書きいただけないでしょうか?
あなたのことを応援している人がここにいるよ、と子どもたちに知らせてあげてほしいのです。
「あすのば」では、通販生活読者カンパ金を高校生世代の支援給付金に使います。
一律4万円×1,200人(カンパ金が目標額を上回った場合は給付人数を増加)
【対象】住民税所得割の非課税世帯の高校生世代のうち、
①新型コロナウイルスの影響で保護者の収入が減少した人
②本人のアルバイト収入が減少した人
③失業や内定取り消しで就労困難になった人
「一律10万円給付金」の中から、
2,000円でも、5,000円でも、1万円でもコロナ不況で苦しむ子どもたちにカンパをお願いします。
カンパの締切り 2020年9月30日(水)
クレジットカードからのお振込み
Visa、MasterCard、JCBがご利用いただけます。
※通販生活のウェブサイトへのログインか、新規のご登録が必要です。
郵便振替口座
口座番号:00190-4-617018
口座名義:子どもの貧困支援・通販生活
カンパ(寄付)は締め切りました。
お寄せいただいたカンパは、認定NPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」と公益財団法人「あすのば」の2団体へ全額お届けします。
カンパ金の内訳は『通販生活』21年春号でご報告いたします。
通販生活経由の寄付は税控除の対象になりません。控除をご希望の方は、それぞれの団体へ直接寄付してください。
【お問合せ先・電話番号】
●認定NPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」 電話:03-3263-1519
●公益財団法人「あすのば」 電話:03-6277-8199