『きものサローネ2023』レポート

第7回
『きものサローネ2023』レポート

今回、サトさんが訪れたのは11月4日・5日に開催された日本最大の着物イベント『きものサローネ2023』。通販生活ファンの女性2名(佐藤さんと金崎さん)も着物姿で参加して、人気ブランドの新作やイベントコーナーを体験しました。その現地レポートを紹介します。

イラスト/さとうあゆみ

着物の未来がわかる一大イベント

国際フォーラムで開催された『きものサローネ2023』のパネル前で。人気者のサトさんには来場者から多くの声が掛かります。今回参加した佐藤けいさん(右)と金崎あゆさん(左)。

全国から約150ブランドが出展した会場は、着物姿の来場者で大盛況。ステージでは日本舞踊やトークショーなどのイベントも行われ、活気溢れる雰囲気に3人も「楽しそう!」と興奮気味。

最初に訪れたのは、『京鹿の子絞振興共同協会』のブース。こちらでは「京鹿の子絞」(きょうかのこしぼり)の帯や浴衣、スカーフなどの作品に触れました。

「絞り染めの職人さんが少なくなってしまって、貴重なものになりつつあると聞いています」(サトさん)
「子供の頃は、兵児帯などで馴染みがありましたね」(金崎さん)

実は……と袖口から長襦袢をちらりと見せ、「自慢していいですか? 今日は絞りにしました」(笑)とサトさん。2人から「素敵ですね!」の声が。

京鹿の子絞振興共同組合
京鹿の子絞振興共同組合
モダンなデザインの帯や美しい発色のスカーフなど、新たな魅力がいっぱいの新作。

マラソンもできる!? 新作草履を体験

着物業界の最新情報が得られるのも「きものサローネ」の魅力。各ブランドの推し商品が展示されているブース『MONO project (モノプロジェクト)』にて、 さっそく新感覚の羽織や草履を楽しそうに試着する3人。

MONO project (モノプロジェクト) 羽織(赤)
MONO project
佐藤さんのお気に入りは、和洋を問わず着られる「Wafure」の割烹着風コート。

最先端のスニーカーのソールを使用している「菱屋カレンブロッソ」の 新作「カフェ草履バター」は、軽くて長時間履いても疲れないとか。

実際に履いたサトさんも「ちょっと待って! これ箱根まで走れそう」(笑)。仕事で草履を履く機会の多い2人からも、「凄いです、走れます!」(佐藤さん)「再流行している厚底スニーカーみたいでいいですね」(金崎さん)

MONO project (モノプロジェクト) ふわふわ草履
MONO project
驚くほどの軽さとふわふわの履き心地で、着物での外出がより快適に。

洋服感覚で楽しむデザイナー着物

「キラキラして素敵!」と佐藤さんが見つけたのは、黒く輝く帯を締めた男性。日本を代表する着物デザイナー・斉藤上太郎氏のブランド『JOTARO SAITO』のスタッフの方でした。

「上太郎さんは色味を抑えた、モダンでかっこいい着物が特徴ですよね」(サトさん)「デニムの着物は初めて見たので気になります。思ったより柔らかいんですね」(金崎さん)

JOTARO SAITO
JOTARO SAITO
独特の素材や色使いにファンも多い。洋服感覚で選べるのも魅力。

日本の伝統工芸の美を実感

「実は今日締めているのはこちらの帯なんです」とサトさんが向かったのは、『西陣まいづる きもの鶴』のブース。そこで一際目を引く豪奢な袋帯に、3人の視線も釘付けとなりました。

「これはとんでもない糸数ですよ。『どれだけ時間が掛かるの』っていうくらい、凄い作品です」(サトさん)
「色が本当に美しいです。素敵!」(佐藤さん)

しかし、思わず会場での価格を聞いて驚く3人。「お買い得ですね! 買えないですけど」(笑)と、金崎さん。

西陣舞鶴きもの鶴
西陣まいづる きもの鶴
同社の代表作とも言える袋帯「ゴブラン紹巴」。縦糸を5色も使うなど手間と時間をかけた逸品。

次に向かったのはYouTubeの動画チャンネル『サト読ム。』で、製作現場を取材した西陣織の老舗『高島織物』です。幻の「青銅箔」という技術を再生させ、新たな感覚で美しい織物を生み出したメーカーです。

「この帯は凄いですね。締めてみたいです」(佐藤さん)
「青銅箔は使われている糸を作るのが大変で、絶滅危惧種みたいなところもあるので、守り続けてほしい技術なんです。詳しくは動画を見てくださいね!」(サトさん)

高島織物 青銅箔白帯
高島織物
銀色に「青銅箔」の帯(2点とも)。「ローマングラス」の銀化現象による美しさを再現したもの。ブースでは「サト読ム。」の動画も流されていました。

学生きもの優秀作品展

学生きもの優秀作品展
次世代とキモノの未来を担う学生が制作、発表。優秀和装作品を展示していました。

手仕事の魅力がたっぷりの小物に注目

カラフルな色合いで目立っていたのは、三重・伊賀の『藤岡組紐店』のブース。当会場で帯締め製作の実演もされていた4代目の藤岡さんは、海外でもイベントを行うなど、日本のものづくりの発信者として意欲的に活動されています。

カラフルな糸が表に飛び出している「モケモケ」というシリーズがとても人気。この技法は糸を引っ張り出す手間が掛かるため、機械では作れないそう。「藤岡さんのところは、他では見たことのない可愛いデザインばかり。この”モケモケ”が可愛いんです」(サトさん)

藤岡組紐店「モケモケ」
藤岡組紐店
「モケモケ」と名付けられたキュートなシリーズは、元来は帯締めでは使用されない糸を中に組み込んだもの。手組みによる温かみが魅力。

かわいい和雑貨で目立っていたのは、『こぎん刺し 朝小布 annKogin(アンコギン)』です。青森県・津軽地方の伝統的な刺し子である「こぎん刺し」を、独自のセンスでアレンジした長田朝子さんの作品はどれも現代風でお洒落。

「あれもこれもかわいい!」と3人は大盛り上がり。
「根付けになっている豆がま口が欲しいです。発色も綺麗!」(佐藤さん)
「こぎん刺しは小物になっても本物感が違いますね」(サトさん)

こぎん刺し 朝小布 annKogin(アンコギン)
それぞれ好みの色の豆がま口をつけて、「かわいい!」と大はしゃぎ。
こぎん刺し 朝小布 annKogin(アンコギン)
「ワイヤーのターバンはお洒落ですね!洋装でも合いそうです」(金崎さん)
こぎん刺し 朝小布 annKogin(アンコギン)
糸の染色から、こぎん刺し、仕立てまで一貫して手掛けるため、すべて表情が違う一点もの。

体験コーナーも満喫しました!

『ご来場者体験コーナー』では、カメラマンによる「写真撮影」、美容師による「ヘアセット&メイク」、着付師による「着付け&着付け直し」を実施。イベントステージでは日舞やトークショーなど、来場者が楽しめる催しが盛りだくさん。最後は3人で写真撮影を体験することに。

指示されたポーズで決める着物3人娘!「最高の思い出になりました」(佐藤さん、金崎さん)

取材を終えて

「今日は本当に楽しかったです! 『きものサローネ』は、訪問着や高級な着物ばかりが展示されている昔ながらの展示会と思っていましたが、意外にも“脱・昭和”でびっくり。いろいろな着物や小物を見て興味が湧きました。来年もまた来たいです」(佐藤さん)

「私もイメージとは違って、モダンな着物や着こなしに驚きました。デニムの着物やレース、ターバンなど、新しい感覚で楽しめそうなものばかり。これからは仕事以外でもどんどん着たいですね。良い機会をありがとうございました」(金崎さん)

「“着物の今と未来”を知ることができるイベントで、今日は目からうろこのことばかりでした。コロナの時期と比べると出展者も来場者の皆さんの表情も明るくて、心から楽しめるようになったんだなと。着物の明るい未来が見えました」(サトさん)

通販生活読者の皆さんへ

着物初心者にとって、慣れた人たちが集まる『きものサローネ』は、少し気後れしてしまうイベントかもしれません。もしどうやったら楽しめるのか、何を見たらいいのか悩んだら、「これは何ですか?」「どうやって使うの?」と自由に尋ねてみてください。

出展者さんは「たくさんの人に着物の魅力を知ってほしい」と願っていますから、喜んで答えてくれると思います。ジーンズにTシャツ姿で来場しても、「着物を着てみたい」と一言伝えるだけで、もう引っ張りだこ。あちこちのブースから声が掛かるはずです(笑)。これからは着物イベントを見つけたら、気軽に足を運んでみてくださいね。

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取材・構成/植田広美、撮影・編集/Gee(長久弦、小林淳一)