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白澤卓二先生の「100歳まで元気に暮す晩ごはん」

白澤卓二先生プロフィール
白澤卓二先生のプロフィール
1958年神奈川県生まれ。順天堂大学大学院医学研究科・加齢制御医学講座教授。寿命制御遺伝子の分子遺伝学やアルツハイマー病の分子生物学、アスリートの遺伝子研究が専門。日本抗加齢医学会理事。著書に『100歳まで元気に生きる食べ方』(三笠書房)、『100歳までボケない101の方法』(文春新書)など多数。

10〜11月の晩ごはん「活性酸素によって細胞がサビる(酸化する)と老化がすすみます。ブロッコリー、トマト、にんじんのフィトケミカルが活性酸素の除去に役立ちます」

 活性酸素が老化や病気の一因となることは、みなさんご存知だと思います。では、体の中でどのように発生して、どのようなダメージを与えるのでしょうか。

 活性酸素は、呼吸によって体内に取り込まれた酸素から生まれます。この一部がエネルギー代謝の過程で変化して、非常に強い酸化力をもった活性酸素に変わって、細胞の機能を低下させたり、DNAを傷つけて遺伝情報を誤らせたりします。
 私たちの体には活性酸素を除去する機能が備わっていますが、不規則な生活や精神的なストレスが重なると活性酸素が増えすぎて除去しきれなくなります。これが体内にたまると、臓器がうまく働かなくなったり、細胞をがん化させたりしてしまうのです。

 この体にたまった活性酸素を減らしてくれる強い味方が、野菜や果物に含まれている「フィトケミカル(植物化学成分)」——色素や香り、苦みや辛みの天然成分です。野菜や果物は紫外線から身を守るためにさまざまなフィトケミカルをつくり出していますが、人間の体の中に入ると、活性酸素を退治する抗酸化力や免疫力を高めてくれることがわかっています。

 フィトケミカルを摂るなら、ブロッコリーがおすすめです。ブロッコリーはじつに200種以上のフィトケミカルを含んでいて、中でもスルフォラファンという成分は体内に入ると細胞の中の抗酸化酵素がよく働くようになります。また、発がん物質の活性化をおさえるイソチオシアネートというフィトケミカルも含んでいますから、がんの予防にも効果を発揮します。

 トマトもフィトケミカルを豊富に含んだおすすめの食材です。赤い色素成分であるリコピンには強力な抗酸化作用があって、体内の活性酸素を除去する力はビタミンEの100倍もあります。また、トマトのケルセチンには毛細血管を強くして動脈硬化を予防する作用が、ピラジンには血液をサラサラにする効果があります。

 にんじんのβ-カロテンもぜひ摂っておきたいフィトケミカルです。β-カロテンは体内に入るとビタミンAに変わって活性酸素が生じるのをふせいだり、がんなどの悪性腫瘍を抑える働きがあることがわかっています。にんじんのβ-カロテンは皮のすぐ下に含まれているので、できるだけ皮を薄くむいて食べてください。

 それでは、白澤先生に教えていただいた「長生きするための食材」を使った晩ごはんのレシピ(夫婦2人分)を、4人の料理研究家の方々につくっていただきます。

10月20日(土)にんじんは腫瘍の発生を抑制すると言われるβ-カロテンの宝庫。削り節で香りよい煮物に。「にんじんの土佐煮」
材料(2人分)
にんじん…1本(160g)
牛切り落とし肉…100g
生姜…1かけ
こんにゃく…1/2枚
だし汁…2カップ
砂糖、みりん、醤油…各大さじ1
削り節…1/2カップ
  • 塩分(1人分):1.7g
  • アレルギー:なし
つくり方
にんじんは3〜4cm長さの4つ割りにする。牛肉は2〜3cm長さに切り、生姜は薄切りにする。
こんにゃくは両面に格子に切り込みを入れ、横半分に切ってから2cm幅に切り、1〜2分ゆでてざるに上げる。
鍋にだし汁、1のにんじん、2のこんにゃくを入れ、ふたをして弱めの中火で5分ほど煮る。砂糖、みりんを加えてさらに10分煮て、醤油を加える。
3に1の牛肉、生姜の薄切りを加え、5分ほど煮てから削り節の半量を加える。煮汁がほとんどなくなるまで煮詰め、残りの削り節を最後に散らす。
今週のレシピは城戸崎愛さんが担当。
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