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第2回 前編 フードバンク山梨

「困窮の理由もさまざま。
でも、私たちはあなたの近くにいて、
いつも応援しています」

米山けい子さん
認定NPO法人「フードバンク山梨」理事長(山梨県南アルプス市)

1953年、山梨県生まれ。生活協同組合パルシステム山梨理事長を経て、フードバンク山梨を設立。
全国フードバンク推進協議会代表。

破棄される食品を有効活用できないか――そんな想いから始まった米山さんの活動は貧困支援と結びつき、「フードバンク山梨」の食のセーフティネット事業に結実しました。 現在、活動は学習支援などにも広がっていますが、根幹をなす食糧支援では今なお多くの支援が必要です。
取材・文=神尾京子(通販生活編集部)

「段ボールいっぱいの食品をありがとうございました。小5の娘は大好きなお菓子を次々と手にとり、『お父さんがいなくても、こんないいことがあるんだね。食べていい?』と大喜びでした」

「箱を開けたとき『お菓子だ。ジュースもある!』と子どもが大喜び。ふだん買い与えていないことを反省しました。食べたい盛りの子どもはいつも『おなか空いた』と言い、それを黙って聞くしかない毎日でしたから」

「子どもが箱の開封をしました。『パパ、すごいよ、すごいよ』と何回も繰り返し、ニコニコしていました。2人で料理をしておいしくいただきました。『お菓子はぼくのだよ』とうれしそうでした」

喜ぶ家族

食品の詰まった箱が届くと、子どもたちは大喜び。支援を受けたある家庭のひとコマ

これらはすべて、支援の食品を受け取った方からのメッセージです。

私たちフードバンク山梨は、企業や農家、一般の方から寄付していただいた食品を、困窮家庭に配布する取り組みを行なっています。

約100世帯、半数は子どものいる家庭に対して月2回発送する「食のセーフティネット事業」と、夏休みと冬休みに約600世帯に発送する「フードバンク子ども支援プロジェクト」が食支援の2本柱です。 この取り組みでは、山梨県内6市(※)の78の小中学校と連携することで支援が拡大しました。(※中央市、笛吹市、南アルプス市、都留市、山梨市、大月市)

どちらの事業も箱詰め作業の流れは同じです。

まず、お米や調味料などの「基本セット」を箱に入れ、さらに家庭ごとに適した食品を選んで足していきます。

家族構成や年齢、家庭の事情が書かれた個々のファイルを見ながら、

「小さい子がいるからお菓子やジュースを多めに」

「食べざかりの男の子がいるから乾麺やレトルトを入れよう」

「この家には電子レンジがないのでレンジ調理が不要な缶詰を」

といった具合に、びっしりとすき間なく、丁寧に詰めていきます。

季節によっては、クリスマスプレゼントやバレンタインデーのチョコレートをプラスするサプライズも。

受け取る人の顔は見えませんが、何が喜ばれるかを考えながら箱詰めする作業は、ボランティアの方々も楽しんでいるようです。

家庭ごとに適した食品を選んで足していきます。

箱の中身はさまざま。各家庭の事情に照らし合わせて内容を決めているからだ

月2回の「食のセーフティネット事業」では、隔週の木曜日と金曜日に借りている倉庫にボランティアが集まって、スタッフと一緒に約100件分の発送作業をします。

空調設備がない倉庫の冬は寒く、夏は暑くてたいへんなのですが、毎回10人以上のボランティアが参加してくださいます。

支援している家庭は、家族構成も困窮の理由もさまざまです。

お孫さんとふたり暮らしのAさん。収入はわずかな年金のみです。福祉課も生活保護の申請をすすめたそうですが、お孫さんとご両親の間に複雑な問題があり、生活保護は受けたくないと断っているそうです。

「1日に豆腐一丁しか食べさせることができない日がありました。体の大きな孫は空腹で眠れずに、夜中にふと気づくと台所でボーッと立ちすくんでいました」と話してくれました。

11歳、10歳、7歳の3人の男の子を育てる30代のシングルマザー・Bさんは、非正規の仕事に就いていて月収は多くても15万円ほど。子どもの病気や学校の行事で休むことが多く、収入は不安定です。

2016年にお会いしたとき、「子どもたちにおなかいっぱい食べさせたいから、自分は夕食を食べていない」と打ち明けてくれました。

食料を受け取った家庭からのメッセージ

支援を受けた家庭からのアンケートハガキ。よろこびの言葉にあふれている

生活に困窮している親御さんたちを精神面でも支えるために、箱詰めされた食品のいちばん上にはフードバンク山梨からのお便りを入れています。

「あなたの近くに私たちはいて、いつも応援していますよ」と伝えることはとても重要だと思うからです。

「食品だけでなく力になってくださる方がいると思うと、不安、孤独感も少し減ったように思います。いつか、いつか恩返しできるように、子どもが独立できるまでもう少し親子でがんばります」

最近、あるお母さんからメッセージをいただきました。

ああ、想いはちゃんと届いているなとうれしくなりました。

後編レポートを読む

活動を応援したい方は、ぜひ下記へ
ご支援をお寄せください。

認定NPO法人「フードバンク山梨」

山梨県南アルプス市百々3697-2
電話055-298-4844(平日8時30分~17時30分)
http://fbyamana.fbmatch.net/

郵便振替口座

口座番号:00220-0-100567
口座名義:フードバンク山梨

銀行口座

山梨中央銀行 県庁支店
普通 671338
特定非営利活動法人フードバンク山梨
理事長 米山恵子

支援金300万円の内訳

・宅配費  180万円

・ダンボールなど消耗品代 30万円

・倉庫家賃  90万円

毎月200世帯に、夏休みと冬休みは600世帯に、食糧支援を実施する。食品を届けるための宅配費とダンボールなど消耗品費に加え、食品を集めて保管し、発送作業を行なう倉庫の維持費が必要となる。

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