サステナブルな暮し~サステナブルを学べる本

フリーランスの編集ライターで1児の母でもある筆者が、マイバッグをきっかけに目覚めたサステナブルな暮し。どこか他人事な夫、物欲旺盛な子ども、時にはママ友や専門家と協力しながら、一緒に成長していく様子をお届けします。

No.3

知識を広げ、理解を深めよう
「サステナブルを
学べる本」

イラスト/座間 寛子

サステナブルな暮し”は広い視野が必要!?

固形石鹸で肌を毎日洗うようになり、身の回りのプラスチックをできる限り減らしながらふと思ったのは、「サステナブルな暮しって減プラだけじゃないよね?」ということ。

そもそも言葉としての「サステナブル」が広く浸透した背景には、2015年9月に国連サミットで採択された「SDGs」という、持続可能な社会のための目標があった。そこには環境だけではない、貧困・人権・福祉などの問題も含まれている。

基本的に“サステナブルな暮し”には、「できることから楽しく少しずつ」の気持ちを大切にしているけど、最近は「もっと広い視野を持ってアクションを起こしてみたい」とも思うようになった。

私の場合、「新しいことを吸収したい」「深い知識を得たい」時は、どんなにインターネットやSNSが欠かせない世の中になっても、昔から本が何よりも強い味方。

そこで先日、いつものスーパーの買い出し帰りに本屋へ立ち寄ってみた。すると一角には「サステナブル」「SDGs」「エシカル」……私が知りたいキーワードの本で溢れていたのだ!

「サステナブルに興味はあるけどキッカケがなくて」という人のために少しでもお役に立てればと思い、今回は私が自腹で買って読んだ本を紹介します。

「ゼロ・ウェイスト」な暮し

ちなみに仕事・子育て・家事で一日の大半が埋まってしまう私は、もっぱらお風呂読書派。風呂蓋の上に乾いたタオルを敷いて、本を読む自分時間を確保する。

最初に目についた本は、『やるべきことがすぐわかる 今さら聞けないSDGsの超基本』(※1)。この“超基本シリーズ”はイラストや図が多く、難しいテーマもわかりやすく解説されているところがお気に入り。

SDGsの成り立ちから内容、普段の生活との関わりまでが理解でき、17のゴールについても目標ごとに網羅。まさにSDGsの基本を学び直すには適切な一冊。

中でも貧困や飢餓は気になるテーマ。「どこか遠い国の話」と楽観視していたのは昔のこと。近年は国内のニュースと海外での現実の温度差が激しいことに気づいてしまった私の脳は、「もはや日本も他人事ではない」。

まずは自分の行動が誰かに負担をかけていないかを考え、「食品ロスをなくそう」「資源の無駄遣いをやめよう」と意識すること。それからフェアトレードや寄付に関する知識を広げていき、近い将来リアルなアクションを起こせたらと思う。

二冊目は、プラスチックフリー生活をする中で気になっていた「ゴミを減らす」ということを深掘りするために購入。『ゼロ・ウェイスト・ホーム ごみを出さないシンプルな暮らし』(※2)。

著者は、家族4人が1年間で出すゴミの量をガラス瓶1本分(=1ℓ)に抑えるため、驚くべき暮しを実践。正直ここまではできそうにないけど、ゴミを減らすための「5R」は大きな刺激に!

最初に取り組むべき「Refuse(断る)」は、レジ袋やストロー以外に、ダイレクトメールやイベントで配られる無料グッズを断るなど、取り入れたいアイデアをたくさん得ることができました。

好きなもの、一番よく買うものから変えてみる

三冊目は『シンプルなクローゼットが地球を救う ファション革命ガイド』(※3)。なぜこの本を選んだかというと、一番よく買うものが洋服や靴であり、そこにサステナブルな視点を取り入れることで、楽しく続けられると直感したから(こんな人少なくないと思います)。

とはいえ、無類の服好きだけにいきなりファッションの方向性を変えることは難しい(笑)。

すぐにできそうなのは、買うものの素材をチェックし、マイクロプラスチックにつながる合成繊維の使用を避けること。そして多くを持たず、修理しながら大切に使い、自分にとって不要になったものは他者に譲ること。

最後に紹介するのは、サステナブルな本を読み漁る私に、ある日ママ友から届けられた『カオスなSDGs グルっと回せばうんこ色』(※4)という、何とも不思議なタイトルの本。

礼賛一色の「SDGs」をキレイゴトに感じている元京大教授・酒井敏さんが、「ほどほどに付き合うのが良い」と諭す内容。「突き進みがちな私の性格をよく分かっていらっしゃる」と有り難く思い、自分なりのブレない基準を持つこと、家族や周りに強要しないことを改めて肝に銘じた。

こうしてお風呂場で人知れず知識を蓄えた私は、再びワクワクし始めている。書物で得たアイデアを「できることから楽しく少しずつ」という信条のもと、SDGsの17のゴールから1つずつ選び、1ヶ月間チャレンジしてみることしたのだ。(vol.4につづく)

※1 『やるべきことがすぐわかる 今さら聞けないSDGsの超基本』泉美智子 著/佐和隆光 監修(朝日新聞出版)
※2 『ゼロ・ウェイスト・ホーム ごみを出さないシンプルな暮らし』ベア・ジョンソン 著/服部雄一郎 訳(アノニマ・スタジオ)
※3 『シンプルなクローゼットが地球を救う ファション革命ガイド』エリザベス・L・クライン 著/加藤輝美 訳(春秋社)
※4 『カオスなSDGs グルっと回せばうんこ色』酒井敏 著(集英社)

「5R」で
家庭ゴミを減らそう!

『ゼロ・ウェイスト・ホーム』では、次の順番で取り組むことを推奨しています。
① Refuse:リフューズ(断る)
② Reduce:リデュース(減らす)
③ Reuse:リユース(繰り返し使う)
④ Recycle:リサイクル(リサイクルする)
⑤ Rot:ロット(堆肥化)
日本では⑤をRepair:リペア(修理する)として、「5R」とする自治体が多く見受けられます。

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