
フリーランスの編集ライターで1児の母でもある筆者が、マイバッグをきっかけに目覚めたサステナブルな暮し。どこか他人事な夫、物欲旺盛な子ども、時にはママ友や専門家と協力しながら、一緒に成長していく様子をお届けします。

3Rチャレンジ ①
「家庭ゴミを減らす」

サステナブルな暮しに欠かせない「3R」
前回のオススメ書籍でご紹介した『SDGsの超基本』は、初心者の人がサステナブルな暮しをスタートさせるのに良きガイドとなる一冊。私の場合、17のゴールについて目標ごとに解説されたページに繰り返し目を通しては、個人でもできる具体的なアクションに落とし込むなど、ちょっとしたバイブル的存在になっている。
これまでプラスチックゴミを減らすことに注力してきたので、14の「海の豊かさを守ろう」はクリアしました。そして「海の次は陸を制覇するぞ!」と意気込んでみたものの、15の「陸の豊かさも守ろう」は、森にゴミを捨てないこと(当たり前だし、そもそも森に行く機会がない)以外に、森を守るFSCマークや間伐材マークがついた商品を選ぶことくらいしか実生活ではできそうにない。
そこで再度マイ・バイブルを読み返してみると、12の「つくる責任、つかう責任」のゴールが目に留まった。
持続可能な生産と消費のバランスを形成することを目指しており、そのために必要なのが、限りある資源を有効活用する「3R」だという。これはまさに、「無駄を省き、モノを長く大切に使う」という母から受け継いだDNAに直結する! (第1回に詳細)
最初に目をつけた、陸地の自然と生物を守るためにも、過度な消費は減らす必要がある。まずは1ヶ月間、目標12のキーワードでもある「3R」にチャレンジしてみることにした。
ゴミを減らす第一歩は普段の買い物から
3Rとは、ゴミを減らすReduse(リデュース)、不用品を再利用するReuse(リユース)、繰り返し使うRecycle(リサイクル)の3つの総称。
ゴミを減らすことにおいては、マイバックやマイボトルを持ち歩いたり、詰め替え用品を利用したり、すでに取り組んでいることもあるけど、食品ロスについては真剣に向き合ってこなかったように思う。
農林水産省の調査によると、日本の1年間の食品ロスは約523万t。これは国連WFP(World Food Programme/国連世界食糧計画)が、貧困や被災地に送っている1年間の食糧支援量よりも多い。約523万tを国民1人当たりで換算すると、毎日おにぎり1個分の食品を捨てて続けている計算になるという。
食品ロスを減らすために個人でできることは、買い過ぎず、買ったものは使い切り、そして食べ切ること。恥ずかしい話、スーパーでは割引していない限り、消費・賞味期限が一番長いものを率先して選んでいたし、娘にも「棚の奥から取って!」と伝えていた。
そこでサステナブルな消費行動の第一歩として、「てまえどり」を意識してみることにした。一緒に買い物に出かけた娘も、最近では「はいはい、サステナブルね」と半ば呆れ顔で、自分が食べたいヨーグルトを「商品棚の手前」から取るようになった。私は「これは決して強要ではない。教育の一つなのだ」と思うようにしている。
「食べ切るまで捨てない」で食品ロス削減
毎日残る夕飯のおかず。以前、酒飲みの父がいる実家では常に5〜6種類のおかずが食卓に並んでいた。そのせいかおかずが少ないとどこか詫びしさを感じてしまう私は、毎晩食卓をおかずで埋め尽くしてしまう癖がある。翌日になって仕方なく私が残り物を食べる羽目になるけど、それでも余ったものは「もったいない」と思いながらも捨ててしまっていた。
「おかずが足りなかったらどうしよう」という強迫観念にかられてしまう私は、どうしてもおかずの数を減らすことができない。そこで「食べ切るまで捨てない」ことを決意。食卓に並べる際には毒味をし、「こちら(消費期限)ギリギリ案件です」と伝えて、旦那にも優先的に食べてもらうことにしました。
ちなみに、「これはもうペ案件だろ」(ペッと吐き出してしまうほどのレベル)と、強めに指摘されることもあります(笑)。また、時には「残り物ブッフェ」と題し、残り物を楽しげに並べた昼ごはんを開催。そこには、料理のジャンルも栄養のバランスも全く取れていないおかずたちが一堂に揃う。普段は残り物に手をつけない娘も、この時ばかりは残飯処理班として活躍する。
こうして我が家の食品ロスは、ほぼゼロになった。さて、次は不用品を再利用するReuse(リユース)に取り組んでみようと思う。(vol.5につづく)
新しい買い物習慣
「てまえどり」
2018年頃、神戸市から広まった説がある「てまえどり」は、消費者が食品を購入してすぐに食べる場合に、商品棚の手前にある販売期限の迫った商品を積極的に選ぶ購買行動。
これにより、販売期限が過ぎて廃棄される食品ロスを削減する効果が期待されています。2022年には「現代用語の基礎知識選ユーキャン新語・流行語大賞」のトップ10にも選出されました。