
フリーランスの編集ライターで1児の母でもある筆者が、マイバッグをきっかけに目覚めたサステナブルな暮し。どこか他人事な夫、物欲旺盛な子ども、時にはママ友や専門家と協力しながら、一緒に成長していく様子をお届けします。

3Rチャレンジ ②
「不要品をゆずる」

モノを捨てる前に
「リユース」の可能性を探ろう
サステナブルな暮しを送るうえで意識したい「3R」。先月、食品ロスの削減を中心に「リデュース(Reduce)」に取り組んだ私の次なるチャレンジは、モノを捨てずに繰り返し使う「リユース(Reuse)」。
3Rではこの順番が実は大事で、優先順位が高いとされるリデュース→リユース→リサイクルの順に、できることを増やしていくのが良いと言われている。
「リユース」という言葉から真っ先に浮かぶのは、私の場合、リサイクルショップやフリーマーケットの利用。
モノを長く愛することや、ユーズドのアイテムを選ぶことが、サステナブルなアクションの一つとして注目が高まる中、古着や中古家具は「1点ものを自分らしく取り入れたい」感度の高い大人を中心に支持を集めている。
でも、ちょっと待って。
モノを増やす“買う”行動の前に、モノを減らすための“ゆずる”ことはできないの?
今時、不要になったモノを手軽に売る手段としてフリマアプリがある。ただ、仕事と育児に追われる日々の中で、ちまちま写真を撮って、コツコツ発送なんてことは私には到底できない。
なので、我が家では春と秋の年2回、「不要になったモノをまとめてフリマで大放出する!」のが恒例行事になっている。
ということで、今回は秋のフリーマーケットへ出店しました。
自分が使う立場になって
キレイな状態でゆずろう
フリマの参加方法は簡単。区や市のホームページでフリーマーケット情報をチェックしてエントリーするだけ。大きな公園では頻繁にフリマが開催されていることが多く、参加しやすいのが嬉しい。
そして日程が決まったら出店準備。でも、これが意外と大仕事。なぜなら、我が家の不要品のほとんどは自宅でなく、私の実家に置いてあるから(苦笑)。「1LDKに家族3人暮し」を言い訳に、車で15分離れた実家を倉庫代わりに使っている私は、フリマ準備のために毎度往復する羽目に。
かつての自分の部屋に立てこもり、売れそうな物品をまとめていると、70代のアクティブシニアの母がやって来て、「アレも出して」「コレ持ってって」とありとあらゆるものを押しつけてくるのも恒例。終活向けの片付けを始めたくなるのも分かるけど、そんなにたくさん持って帰れません(泣)。
自分の家に戻ったら、今度は子どものオモチャの整理。使っていないのに処分することを許さない娘には、いい制度が閃いた。「オモチャの売上金をお小遣いにする」こと。これでかなり自ら整理してくれるようになったし、フリマ当日も売り子として多少は働いてくれる。
値札をつけながら検品するのも大事な作業。シミがついていたらしっかり落とし、シワシワだったらビシッとアイロンをかけ、靴はピカピカに磨く。実はフリマは準備が一番大変なのです。
フリーマーケットは立派な
サステナブルアクション
いよいよフリマ当日。受付は朝8時半と早い。この早朝の時間帯には、私たち家族の間で「ハイエナ」と呼んでいるプロの買付け集団がやって来る。「メンズある?」「ブランドある?」と威嚇の声を上げながら私を取り囲み、スーツケースを開けた瞬間、一斉に群がる。
土足でレジャーシートにあがり、法外な値引きをしつこく繰り返す「ハイエナ」たち。その言動に時々イラッとするけれど、こうなったら私のブランド服を高値でお買い上げいただきます。そんな調子で開始30分くらいは、このバトルに母一人で立ち向かうのだ(夫と娘は遠くからそっと見守るだけ)。
その後は子育て家族をターゲットにしたピースフルなお店に変身。1ブース2.5m×2m程度の広さなので、有効利用するコツはダンボールを使うことだと気づいた。蓋を開ければすぐに売れる状態になり、値札も不要。フリマならではの“掘り出し感”も楽しんでもらえる。
私の目的はあくまでも「不要品を欲しい人に安価でゆずる」ことなので、値段も100円がほとんど。誰かが使って捨てずに済むのなら、無料だって構わない。
そんな気持ちでフリマも無事に終了。結果は3万5,000円以上の売り上げに。サステナブルな社会に貢献できて、家計の足しにもなる。それにお客さんと対面しながらのやり取りも楽しい。やっぱりフリマはリアルに限るのです。
次回は最後のR=「リサイクル」にチャレンジします。

あなたはやってますか!?
フリマアプリ
フリマアプリとは、「フリーマーケット・アプリ」の略称。ネット上でフリーマーケットのように、個人同士で商品の売買が行えるサービスのこと。2012年、日本で初めてのフリマアプリ『フリル(現ラクマ)』が誕生。翌年に創業して最大手に成長したのが『メルカリ』で、月間利用者数は2023年現在で2,200万人以上。近年は60代以上の利用者も増加中。