サステナブルな暮し~サステナブルを学べる本

フリーランスの編集ライターで1児の母でもある筆者が、マイバッグをきっかけに目覚めたサステナブルな暮し。どこか他人事な夫、物欲旺盛な子ども、時にはママ友や専門家と協力しながら、一緒に成長していく様子をお届けします。

No.6

3Rチャレンジ ③
「ゴミを正しく分別する」

イラスト/座間 寛子

循環型社会の最後の砦
「リサイクル」

今年は年明けから心が痛む災害や事故が相次いだ。以前はSDGsのことを「エスディージーンズ」と茶化していた小学生の娘でさえ、ご飯を残さず食べようとしたり、自分の少ないお小遣いから寄付を考えたり、子どもながらに何かを感じ取り、動かされるものがあったようだ。
一人ひとりの小さな意識の変化が、現状を変える大きな一歩になる。言い換えれば、一人ひとりが危機感を持ちながら行動に移すことでしか、現状を変えることはできない。
ニュースを見ながらそのことを実感した私は、引き続き、地球環境や私たちの未来を守るために「できることから楽しく少しずつ」やっていこうと強く思った。もう何度も書いていることだけど、私にとって大切なテーマなのだ。
そこで今回は最後の3Rチャレンジとなる、Recycle(=リサイクル)に取り組みます。でも、このリサイクルは分類が細かいうえに、自治体によってルールが異なるため、「難しい」「面倒」と感じている人も少なくない。
ちなみに我が家ではペットボトルや缶は分別できても、紙類であれば何の迷いもなく可燃ゴミとして捨てる子どもや夫がいるため、私は日々ゴミ箱を漁り、再利用可能な「資源」を救出している。
そう、もっとも難解で煩わしいのが、この「資源」の分別なのです!

実は間違っているかも?
意外と知らないゴミの分別

私が住んでいる地域のごみ集積所で「資源」として回収しているのは、大きく分けて「古紙」「ガラスびん」「缶」「ペットボトル」の4つ(残念ながらプラスチックは可燃ごみ)。肉や魚などの食品がのった発泡トレイは、買い出しついでに近所のスーパーで回収してもらっている。
「雑がみを資源に出すと、家庭の可燃ゴミが大幅に減るよ」
きっかけは回収ボックスの前でばったり遭遇したママ友の一言だった。家に戻った私は、さっそく資源用の紙袋を用意し、紙であれば何でもかんでも放り込むことにした。
しかしある日、自宅のポストに投函された“資源とゴミの収集カレンダー”を何気なく見ると衝撃の事実が発覚。「え? レシートの紙ってリサイクルできないんだ!?」「え? ヨーグルトの紙カップもできないの!?」。段ボールについたガムテープや伝票を剥がすことはしていたけど、そもそもリサイクルできない紙類というものがあるとは。
「このカレンダー付きの無料冊子なかなか侮れない」と隅々まで熟読していると、「DVDって燃やせるんだ〜」「使い捨てカイロって不燃ゴミだったのか〜」と、正しいゴミの分別をけっこう知らない自分がいた。
資源の無駄遣いが深刻化する今。日常生活におけるリサイクルに学びやルールを取り入れることが、「できることから楽しく少しずつ」の秘訣なのかしれない。

リサイクルできるか、
処分する時のことを考えて買う

ゴミの分別が徹底してくると、「できる限り多くのものをリサイクルに回したい」という思いが強くなる。
ところが調味料はガラス瓶入りのものを選ぶなど、ちょっと割高でもリサイクルしやすい素材を買っているにもかかわらず、油が付着しただけで不燃ゴミになってしまうのは何とも悲しい。
「熱湯と洗剤で油汚れをきちんと落とすと、資源になるの?」と疑問が沸いた私は、この機会に日本容器包装リサイクル協会に問い合わせてみることにした。すると丁寧かつ嬉しい回答があった。
「資源として出していいかは、お住まいの自治体のルールに従っていただくことになりますが、当協会では油が付着したガラス瓶であっても、水で洗えば引取対象になり、ガラス瓶にリサイクルされます」
その後、自分の住んでいる自治体にはチャットボットによる資源・ゴミの分別案内があることを知り、疑問に思うことは都度解決するようにしている。判断に迷う時は、専門家に尋ねてみるのがベターなのだ。
「リデュース」「リユース」「リサイクル」の3Rチャレンジを終えて思ったのは、まず不要な消費をなくし、ゴミを減らすこと。そして購入する場合は、それはリユースやリサイクルできるかなど、手放す時のことまで考える。そして、何よりチャレンジしてきたことを三日坊主で終わらせず、日々の暮らしの中でコツコツと習慣化させることが大事なのだ。

「日本容器包装
 リサイクル協会」って?

家庭から出るゴミの6割(容積比)を占める容器包装廃棄物の有効利用を図るため、2000(平成12)年4月完全施行された「容器包装リサイクル法」。その法律に基づいて設立された国の指定法人が「公益財団法人 日本容器包装リサイクル協会」。家庭から出た容器包装の資源である、プラスチック製容器包装、紙製容器包装、ガラス瓶、PETボトルのリサイクルをしています。
https://www.jcpra.or.jp(外部サイト)

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