
フリーランスの編集ライターで1児の母でもある筆者が、マイバッグをきっかけに目覚めたサステナブルな暮し。どこか他人事な夫、物欲旺盛な子ども、時にはママ友や専門家と協力しながら、一緒に成長していく様子をお届けします。

選ぶことで意思表示!
「地球にやさしい買い物」

サステナブル意識の高い人はどんな買い方を?
「ママ、シリコンモールド買って〜。これがあれば、毎回クッキングシート使わないで済むから“サステナブル”です!」
と、最近お菓子作りにハマっている娘が意気揚々とプレゼンしてきた。ちなみに子どものお菓子作りは、「失敗作」という名の食品ロスを出しまくるため、私を毎度イラつかせています(笑)。
娘が珍しくサステナブルとアピールしてきたのは、我が家で先日ちょっとした「シャンプーボトル・バトル」があったからなのです。
シャンプーを変えたら、そのメーカーの容器を使いたいのが娘。一方私の方は、プラスチックごみを減らしたいので、違うメーカーの容器であっても詰め替えてほしい。散々話した挙句、「全部入らない」「飽きた」と、私を納得させられる理由を持ち合わせていなかったため、娘の申し出は却下された。
思えば、サステナブルな暮しを始めたいと思った時、真っ先に取り入れたのが「減プラ」だった。使い捨てプラスチックの使用を控え、それからゴミを減らす3Rにもチャレンジ。“減らす”ことに注力してきたのは、家計の節約になることが嬉しかったからだ。
しかし、普通に生活していれば、今回のように新しいものを買うというシーンも幾度となく巡ってくる。そこで今回は、“減らす”の対極の概念として位置づけられる、“買う”という行為について考えてみます。
日用品は手の届く価格で「脱プラ」にチェンジ
日常生活におけるスーパーでの買い物は、なるべくゴミとなるものを減らしつつ、リサイクルしやすいものをチョイスすることを意識している。でも日用品の中には、役目を終えたらどうしてもゴミになってしまうものもある。
「ねえ、これもう捨てていい?」
夕食の片付けをしている夫が、ボロボロになった食器洗いスポンジを手にしてそう言った。それは2週間前に買ったセルローススポンジだ。
キッチンスポンジの多くはプラスチック製であり、使い続けるうちに「すり減った破片が生活排水に紛れて海に流れ込む」ことを知って以来、天然素材のものを選ぶようにしている。
しかし、ひと月も持たないうちにゴミとなってしまってはあまりにもコスパが悪い。困った。こんな時は近所のママ友にLINE相談。するとこんな返信が。「うちは“ヘチマたわし”使ってるよ〜」
早速入手して使ってみるものの、スポンジのように折り曲げてお皿を挟んで洗うことができないため、100点満点とはいかなかった。そこで新たに見つけたのが、ヘチマたわしのついたセルローススポンジ!
硬いヘチマ部分は、こびりついた汚れを落とすのに適していて、柔らかなセルロース部分は繊細なガラスを洗うときも安心。そして何より嬉しいのは、ヘチマとセルロースが合体していること。そう、ボロボロになりにくいのです!
お金を払う=「賛同する」という意識
あれこれと試しながら、定番の一品を見つけるのは楽しい。我が家の場合、キッチンやお風呂など、家中の掃除を1本で担うアイテムとして「ホタテパウダー」を愛用中。
気の合う仕事関係の人から、「水1リットルくらいに対して、ホタテパウダー1gしか使わないからコスパ最強!」と薦められたのがきっかけだった。
夫は「浴槽の黒ずみが取れる!」と大絶賛し、娘は「(泡立たないから)洗いづらい!」と文句タラタラ。私はキッチンの油汚れがよく落ちるので気に入っている。人や環境にやさしいうえ、用途別に洗剤を買う必要がなくなったのが、主婦としては何より大助かり。
不要なものを断ったり、モノを長く使ったり、お金を掛けずに取り組める「サステナブルな暮し」は始めやすい。更にもう一歩踏み込むなら、無意識のルーティン的な買い物を辞め、ブレない視点でモノを買うことも大切だと思う。
「買い物は投票」と言われる時代になったからこそ、選んだモノにお金を払う本当の意味をしっかりと考えたい。
マイバッグをきっかけに、ゆるりと始まった私のサステナ・ライフは、すっかり習慣になったこともあれば、いまだ迷走中や手つかずの案件もある。サステナブルな暮しに正解はなし。そして完璧を目指す必要もない。
「できることから楽しく少しずつ」
これに尽きます。
(連載シーズン1おわり)
次世代洗剤として注目の
「ホタテパウダー」
ホタテパウダーとは、ホタテの貝殻を高温で焼いてパウダー状にしたもの。スプレーボトルに、ホタテパウダー少々と水道水を入れてシェイクするだけで、キッチンやトイレ、リビングの床、洗面所の鏡など、家中の拭き掃除に大活躍。残留農薬の除去や除菌もでき、重曹やクエン酸に代わるナチュラルな洗剤として注目を集めています。