顔の肌のケアはしていても、
頭皮のケアまでしていない人は多いかもしれません。
「顔の肌の延長上にある頭皮のことも 『肌』 ととらえましょう」
と話すのは、毛髪診断士の伊熊奈美さん。
頭皮の状態を良好にするセルフケアを紹介します。
教えてくれる人
伊熊奈美さん
美容ジャーナリスト・美容エディター・毛髪診断士
伊熊奈美さん
いくま・なみ●日本毛髪科学協会毛髪診断士指導講師、国際毛髪皮膚科学研究所毛髪技能士の資格をもつ。25年以上にわたり、女性誌や新聞などで美容分野の記事を編集、執筆、監修。特に毛髪科学に詳しい髪と頭皮のスペシャリスト。著書に『脱白髪染めのはじめかた 〜でもいきなりグレイヘアは無理!』(グラフィック社)など。
酷使しがちな頭皮。あなたの頭皮は何色?
全身の皮膚はつながっているため、最上部にある頭皮は他の部分に引っ張られ、薄くなりやすくなっています。さらに、紫外線やカラーリングなどによる負荷で、現代人の多くの頭皮は健やかな状態ではなくなっているのです。
血行がよく潤いのある頭皮は、透明感のある白色や青白っぽい色をしています。一方、血行が悪かったり、乾燥や炎症がある頭皮は黄ぐすんで見えたり、赤みがあったりします。あなたの頭皮は今、何色ですか?
頭皮の皮脂汚れが残ると、臭いや薄毛の元に
実は、頭皮の毛穴は顔の肌の毛穴より大きいため、皮脂を分泌する皮脂腺も大きく、皮脂がより出やすくなっています。排出された皮脂は、数時間で酸化し、ある程度は洗髪で落とせても毛穴に残ったままになることもあるのです。すると、臭いの元になったり、髪の成長を妨げる原因になったりします。
美頭皮&美髪を目指す「頭皮のセルフケア」
頭皮ケアの第一歩は酸化した皮脂による毛穴詰まりや、頭皮の汚れを落とすことから始まります。もしかゆみや細かいフケがある場合は、頭皮が乾燥しているので、洗浄や洗髪後に保湿もしましょう。頭皮用の化粧水や美容液、顔用のとろみのない化粧水で保湿するのがおすすめです。
頭皮の毛穴に詰まった皮脂を取り除くと、髪が根元からグッと立ち上がります。余分な皮脂が取り除かれ、水分と油分のバランスがいい弾力のある頭皮になると、健康的で美しい髪を育む土台になります。触ったとき、頭皮がカチカチで硬すぎたり、ブヨブヨで柔らかすぎたりするのはNG。頭皮がスムーズに動き、弾力を感じられることが目安です。
特に、ゲルタイプのディープクレンジング料を使うと、伸びるので浸透前に隅々まで広げやすく、皮脂汚れを一掃できます。クレンジング料を使ったケアを紹介します。
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1
髪は通常上から下に流れていることが多く、毛穴に一方向の負荷がかかっているため、毛穴周辺の毛細血管の血行が停滞しがちです。血行を改善するのにおすすめしたいのがブラッシング。頭皮や髪が乾いた状態で、下から上に向けて、襟足、耳の上、後頭部にブラシを入れます。最後に頭頂部をブラッシングしましょう。
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2
髪を濡らしてから、クレンジング料をつけます。髪の分け目は紫外線で日焼けしていることが多いので、分け目の頭皮に直接クレンジング料を少量ずつ数箇所に垂らします。それを1線とし、分け目から少し左右にずらした部分でも、髪を分けて垂らし、合計5線ほどにクレンジング料をつけます。
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3
髪の下から指を入れ、クレンジング料を頭皮全体になじませます。
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4
下から手を入れて、ギザギザと指を上に動かしながらクレンジング料を頭皮に揉み込みます。頭皮全体に行います。
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5
シャワーで一旦流したら、いつも通りシャンプーをします。