ビタミンC誘導体で
シミ・シワの進行を
抑えましょう。
「あっ、日焼けしちゃった!」というときこそ素早くケアするのが、
シミ・シワの進行を抑えるコツです。
今回は、日焼け後に効果的なケアと紫外線対策について、
「美科学研究室」を担当する
前田憲寿先生(大学教授・化粧品学専攻)にお聞きしました。
教えてくれる人
前田憲寿先生
まえだ・かずひさ●医学博士。20年以上にわたり大手メーカーで化粧品を研究開発。美白剤の特許取得をはじめ、皮膚科学に基づいた抗老化成分に明るい。
紫外線は浴びないのが大原則ですが、浴びてしまったあとも、ケア次第で十分に回復が見込めます。まずは化粧水などでほてった肌を冷やしてください。トラネキサム酸やアロエエキスなど、炎症をしずめる「肌荒れケア」成分が配合されているとなおいいでしょう。
肌の赤みが引いたら「ビタミンC誘導体」を配合したパックや化粧水の出番です。ビタミンCは、メラニンの過剰な生成を食い止めてくれるだけではありません。肌のハリをつくるコラーゲン繊維やエラスチン繊維の生成を促したり、活性酸素を抑えたりする働きを持っています。最新の成分に比べると効き目はおだやかですが、皮膚外用剤としても長年用いられている成分ですから、安全性は高いと言えます。
「ビタミンC誘導体」とは
「ビタミンC」の安定性を高めた成分です。厚生労働省から化粧品への配合が認められている「美白有効成分」のなかでも30年以上の歴史を持ち、皮膚外用剤にも用いられています。(編集部)
日焼け止めも〝肌に刺激がないか〟を基準に選んでください。カット力を重視して肌に合わない日焼け止めを塗るくらいなら、素肌でいる方がいい。肌を守るつもりが刺激を与えて、かえって表皮の下に眠る「隠れシミ」を表面化させてしまいます。
「敏感肌用」「赤ちゃんでも使える」とうたっていても、各メーカーの基準であって公的な指標ではありません。ご自身の肌との相性が第一ですが、酸化チタンや酸化亜鉛などの鉱物で紫外線をはね返す「散乱剤」は刺激が少ないと言われています。
こすり洗いもシミやシワを招くので、石鹸で簡単に落とせるものがいいでしょう。
最後に、保湿を心がけることです。乾いた肌は炎症を起こしやすく、紫外線のダメージを増幅させます。シワが深くなるのはもちろん、シミのリスクも跳ね上がってしまうのです。とくに40代以降は肌の水分量が低下しますから、今日から保湿を徹底してください。
潤いは肌のバリア。紫外線などの外部刺激を防ぐ。
肌が乾燥すると紫外線やアレルゲンに弱くなり、炎症を招く。
頭皮の保湿もお忘れなく。
UVカット力が高いほど肌への負担は大きくなる?
「SPF」はシミをつくるB波のカット指数(国内最高値はSPF50+)、「PA」はシワをつくるA波のカット指数(国内最高値はPA++++)……もうご存知ですね。
ここで、次の心配が生れてきます。
「山や高原のように太陽がギラギラ照りつける場所ならSPF50+は最適でしょうが、街中でSPF50+をつけたら肌に負担がかかって逆効果では?」
肌への負担を軽くしたいなら、カット指数よりUVカット成分の種類(下図)にご注目。敏感肌には天然鉱物系の「散乱剤」がおすすめです。
紫外線「散乱剤」
天然鉱物系の日焼け止め
酸化亜鉛、酸化チタンなどの天然鉱物を微粒子化したもの。紫外線を物理的にはね返すため、肌の負担が少ないとされる。
紫外線「吸収剤」
石油系の日焼け止め
石油系の日焼け止め紫外線を吸収して化学変化で無害な熱エネルギーに変換。肌の上で化学反応を起こすため、刺激を感じやすいのが難。