通販生活の一話だけ観て2025春ドラマ採点

イラスト/辛酸なめ子

4

最終週は、4本の新ドラマを紹介。さらに、2025年春ドラマの総評も。今春、最後まで見たいオススメのドラマは?

採点表

相田 影山 田幸
あなたを奪ったその日から (カンテレ・フジ) 2 2 2
天久鷹央の推理カルテ (テレ朝) 0.5 1.5 1
PJ ~航空救難団~ (テレ朝) 0 1.5 1
波うららかに、めおと日和 (フジ) 2 2.5 3
  • 3 絶対見るべき
  • 2 時間があれば
  • 1 んー……

ひとこと批評

子どもの命を奪われた復習から、相手の子どもを誘拐し…

あなたを奪ったその日から

カンテレ・フジテレビ系 22時
出演

北川景子、大森南朋、仁村紗和

  • 相田

    2 あり得ないをあり得るに成立させる。北川景子は芝居の基本に忠実だ。
  • 影山

    2 北川景子の鬼気迫る演技に引き込まれたものの、正直観るのがやや辛くもあり。
  • 田幸

    2 初回は駆け足感があるが、憎しみから人間らしさが溢れる瞬間の北川景子の熱演は◎

天才ドクターが難事件の謎を解明する医療ミステリー

天久鷹央の推理カルテ

テレビ朝日系 21時
出演

橋本環奈、三浦翔平、柳葉敏郎

  • 相田

    0.5 主演以下全員が類型に邁進する中、涼しい顔でそれをかわす佐々木希の清涼よ!
  • 影山

    1.5 橋本環奈にはこうしたぶっ飛んだ役がよく似合う。「おむすび」よりハマっている。
  • 田幸

    1 上滑りしたコント。求められる役割を懸命にこなす橋本環奈が気の毒にも思える。

航空自衛隊航空救難団の壮絶な訓練に立ち向かう姿を描く

PJ ~航空救難団~

テレビ朝日系 21時
出演

内野聖陽、神尾楓珠、石井杏奈

  • 相田

    0 どんな力演も、この脚本の陳腐さをカムフラージュすることはできない。
  • 影山

    1.5 ひと昔前なら感動したであろう熱血ものも、令和の今では、正直少し暑苦しいか。
  • 田幸

    1 数々のヒット作を出した平川雄一朗作品だが、男臭さ、自衛隊PR臭に食指が動かない。

昭和11年を舞台にピュアな妻と硬派な海軍夫が愛を育む

波うららかに、めおと日和

フジテレビ系 22時
出演

芳根京子、本田響矢、和久井映見

  • 相田

    2 芳根京子劇場。こうしたシチュエーションを嫌味なく乗りきる初々しい非凡。
  • 影山

    2.5 原作漫画の魅力がうまく投影されている。芳根京子がチャーミング。本田響矢も好演。
  • 田幸

    3 原作に忠実で朝ドラ的。芳根京子の自然な芝居と活弁士視点で時代錯誤にならない巧さ。

2025春ドラマ
「1話だけ観て」総評

  • 相田冬二
    相田冬二

    最も印象に残るのは「いつか、ヒーロー」。

    総合力では「ダメマネ!」だが、「続・続・最後から二番目の恋」の安定感はもはや稀少価値。だが、最も印象に残るのは珍作「いつか、ヒーロー」。野心も志も実は高いのでは。

  • 影山貴彦
    影山貴彦

    「キャスター」の今後が気になる。

    「続・続・最後から二番目の恋」と「対岸の家事」が2大推し。永野芽郁問題で?「キャスター」の今後も俄然気になる。

  • 田幸和歌子
    田幸和歌子

    配信意識の刺激物が多い。

    全体に低調な中、NHKと、小泉&中井ドラマはやはり強い。配信意識の刺激物が多い中、「波うららかに~」が新鮮。

採点担当

相田冬二

影山貴彦

田幸和歌子

>選者のプロフィールはこちら
  • 相田冬二

    あいだ・とうじ●雑誌、ネット、劇場用パンフレットなどで執筆中。著書に「作家主義 レオス・カラックス アートシアター時代1988×2022」(A PEOPLE)「さよならくちびる」(徳間文庫)など。
    相田冬二さんのコラム一覧
  • 影山貴彦

    かげやま・たかひこ●同志社女子大学メディア創造学科教授/コラムニスト。元毎日放送(MBS)プロデューサー。専門は放送を中心としたメディア研究。著書に「テレビドラマでわかる平成社会風俗史」「テレビのゆくえ」「おっさん力」など。
    影山貴彦さんのコラム一覧
  • 田幸和歌子

    たこう・わかこ●出版社、広告制作会社勤務を経てフリーランスのライターに。著書に『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』(太田出版)や、共著に『脚本家・野木亜紀子の時代』(blueprint)など。
    田幸和歌子さんのコラム一覧