人生決算書の作り方

身の回りの決算

齢を重ねるほど、片づける力はなくなります。
「いつか」やろうではなく、「いま」始めましょう。

教えてくれる人

一般社団法人生前整理普及協会代表理事

大津たまみさん

片づけや清掃の現場経験は1万件以上にも及ぶ。著書に『「生前整理」で幸せな老いじたく』(PHP研究所)など。

Q4

20冊以上の大量のアルバムと写真の保存方法に困っています。(70歳・男性)

A

各アルバムの中から30枚に厳選した「マイ・ベストショットアルバム」をつくりましょう。

 片づかない物の第1位が写真です。写真は思い出そのものですから、整理しづらいのも仕方ありません。
 質問者と同じく、私のお客様の中にも、結婚した時にお父様から15冊のアルバムを譲り受けたという女性がいらっしゃいました。しかしその方は結婚して15年以上経つのに、一度もアルバムを開いていないとのこと。そこで私が提案したのが「マイ・ベストショットアルバム」です。
「マイ・ベストショットアルバム」とは、その名の通り、人生の中でベストだと思うシーンの写真だけを収めたアルバムです。枚数は限定30枚。そこまで絞り込むことで、アルバムの中身がとても充実したものになります。
 厳選した写真を見返し、やり残したことに気づく場合もあれば、「がんばって生きてきたな」といまの自分の励みになることもあるでしょう。
 15冊のアルバムを譲り受けた女性も「マイ・ベストショットアルバム」をつくってからは「元気になるから毎日眺めている」とおっしゃっていました。

大津さんの「マイ・ベストショットアルバム」。表紙から中面のデザインまですべて手づくり。最後のページには、遺影に使ってほしい写真も収められている。

写真を選ぶポイントは輝いている私かどうか

 アルバムのサイズは「思い出箱」に収まるくらいの大きさがいいでしょう。台紙に書き込みができるタイプがおすすめです。写真にコメントを加えることで、思い出をより鮮明に残すことができます。
 写真は最初から30枚に絞る必要はありません。まずは家にあるすべての写真を集めて、ざっくり100枚くらいを選びます。その次に50枚ほどに絞り込み、最終的に30枚にします。
 写真選びのポイントは「輝いている私」。よくお子さんの写真を選んでしまう人がいますが、そうではなく、あくまでも「私」の写真です。
 例えば、小学校の時に運動会で一生懸命走っている姿や結婚式でのうれしそうな表情など、これまでの人生で輝いているシーンの数々を選びましょう。選び終えたら、30枚を時系列に沿ってアルバムに貼ります。各シーンにコメントを添えることも忘れないでください。