人生決算書の作り方

身の回りの決算

齢を重ねるほど、片づける力はなくなります。
「いつか」やろうではなく、「いま」始めましょう。

教えてくれる人

一般社団法人生前整理普及協会代表理事

大津たまみさん

片づけや清掃の現場経験は1万件以上にも及ぶ。著書に『「生前整理」で幸せな老いじたく』(PHP研究所)など。

Q5

物の片づけは済みました。ほかに整理しておかなければいけないものはありますか?(63歳・会社員)

A

定期購入しているものがあれば書き出しておきましょう。見られたくないデータはできる限り消去しておくこと。

 片づけの現場で、何種類もの健康食品の箱が次々と出てくることがよくあります。また、高齢者で習い事をしている方も多くいらっしゃいます。
 定期購入品や習い事など、毎月支払いが発生するものは、必ず紙に書き出して光熱費などの明細とともに保管しておきましょう。亡くなったあと、家族が気づくのが遅くなると、支払いだけが続いてしまいます。
 近年、遺された家族が困るものの1つに、パソコンやスマホのデータがあります。もしパソコンやスマホで知人の連絡先を管理していたり、紙の契約書がないネット銀行の口座を開設していたりする場合は、IDとパスワードを家族と共有しておいてください。
 家族に見られたくない動画や画像は消去しておくか、せめて「隠しておきたいデータ」として仕分けしておくことをおすすめします。機器そのものが不用になった時は、パソコンショップなどで物理的に壊してもらいましょう。
 書類の処分に困った場合は、ヤマトグループなどの業者に「溶解処理(※)」を依頼してください。

※処分したい紙を専用の箱に入れて送ると、開封せずに箱のまま溶解してくれる。詳しくは専門業者のホームページを参照。