復活!ナンシー関の記憶スケッチアカデミー

K・T(16歳・学生)

何やらモダーンです。白と黒のバランスがしゃれています。放浪の吟遊詩人といった風情ですが、カマキリか否かということで判断すれば「否」。しかし、こうやって2本足で歩くには辛そうです。ずっと上体そらししながら歩いてるみたいで。

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ナンシー関

消しゴム版画家、コラムニスト。1962年、青森市生まれ。84年、消しゴム版画家としてデビュー。コラム執筆でも才能を発揮し、雑誌連載や著書も多数。02年6月12日逝去。享年39。

S・K(67歳・家庭菜園愛好者)

こんな虫いたらどうします? 2本足で歩くわけです。絹さやの端っこみたいな尻っぽと、触角の生え際が見どころでしょうか。農家の方々が精魂込めて育てている稲を食い荒らす害虫といったイメージです。

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ナンシー関

消しゴム版画家、コラムニスト。1962年、青森市生まれ。84年、消しゴム版画家としてデビュー。コラム執筆でも才能を発揮し、雑誌連載や著書も多数。02年6月12日逝去。享年39。

T・N(42歳・主婦)

あやふやな記憶、つじつまの合わないディテール(細かい所)、にもかかわらず自信満々。迫力すら感じます。これが「カ量」というものかもしれません。圧巻は前足とカマのつけ根である胸部でしょうか。目玉はどうくっついてるんでしょう。

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ナンシー関

消しゴム版画家、コラムニスト。1962年、青森市生まれ。84年、消しゴム版画家としてデビュー。コラム執筆でも才能を発揮し、雑誌連載や著書も多数。02年6月12日逝去。享年39。

N・S(62歳・自営業)

高枝切りバサミか? いやいや違う。カマの部分だけ象徴的に描いて全体像を表現しようという、ひとつの絵画的手法と思いきや、どうやらこれでカマキリー匹でした。うえにあるイボのようなものが目らしい。

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ナンシー関

消しゴム版画家、コラムニスト。1962年、青森市生まれ。84年、消しゴム版画家としてデビュー。コラム執筆でも才能を発揮し、雑誌連載や著書も多数。02年6月12日逝去。享年39。

O・Y(44歳・公務員)

あられもないおっぴろげです。大胆で挑発的なポーズと裏はらに、表情は地味。俗に言うアンビバレンツな魅力というやつでしょうか。昔見た松本ちえこの初ヌードを思い出しました。

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I・S(32歳・会社員)

何かを示唆しているのでしょうか。暗闇の中にたたずむ1匹のカマキリのシルエット。中途ハンパな足の数も、よく考えるとどっちが後なのか前なのかわからないところも、カマどこ? も全て何かの暗示かもしれません。

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K・E(53歳・主婦)

これはきっととても小さい生き物に違いありません。大きい訳がない。微生物、という気もします。肉眼では見えないでしょう。ふとんやたたみに生息していて、刺されると痒い。でも蚊とり線香の煙で死にます。

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ナンシー関

消しゴム版画家、コラムニスト。1962年、青森市生まれ。84年、消しゴム版画家としてデビュー。コラム執筆でも才能を発揮し、雑誌連載や著書も多数。02年6月12日逝去。享年39。

O・A(25歳・会社員)

奇をてらった確信犯か、それとも天然なのか。作品を選ぶ時に最も気にする点です。そういう意味ではこの作品、ギリギリです。あと何かもうひとつでもふざけたところがあったら落選でした。

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ナンシー関

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S・Y(50歳)

あちゃちゃー。何なのかわかりませんが、どっちにしてもダメでしょう。これ以上ないほどの情けない顔つき。昆虫とかそういうことと関係なく存在として弱気です。振り上げたカマも「お手上げ」の意味にしか見えません。

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M・R(65歳・歯科衛生士)

ワルですねえ。黒メガネのせいでしょう。それはそうと、カマキリにとって一番大切なカマがない。と思ったら足についているギザギザ。これは、この足がカマをも兼ねているということでしょうか。斬新です。

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M・K(49歳・会社員)

怖いっす。タチ悪そうっす。肩など無いのにいかり肩の印象です。卵を描き込んだ作品はたくさんありましたが、フンを描いたのはコレだけ。何かというと「うんこ」を持ち出すのは子供の常ですが、M・Kさん49歳会社員。何のつもりでしょうか。

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O・N(32歳・大学助手)

カマキリの持つ、鋭角的なイメージにはほど遠い生き物です。カマと見られる2本の長いものもペラペラです。何よりも福々しい丸顔、そしてムッチリとした4本の足。草むらで見つけたらプチッとつぶしたくなることでしょう。

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M・M(63歳・会社員)

さて、どこがカマキリでしょう。カマもなければ羽根もない。形状的には恐竜に似ている気もしますがみじんも「強さ」は感じません。小首をかしげたように曲っている頭部が、この生き物の気の弱さを表しています。顔立ちもとほほですね。

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T・S(62歳・無職)

カマキリはそのカマを威嚇のために振り上げたりしますが、この作品もその気は十分です。完全に立ち上っているし、カマを前へつき出して、目バリまで入れてます。しかし、昆虫の原則を完全無視。これ、ナマ足ってやつでしょうか。

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K・M(32歳・主婦)

寸分たりともカマキリじゃありません。何ですか、というより誰ですかこれは。鳥人間コンテストでおもしろ部門にエントリーし、滑走台からまっ逆さまに墜落して「測定不能」の成績を残した作品のようです。

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ナンシー関

消しゴム版画家、コラムニスト。1962年、青森市生まれ。84年、消しゴム版画家としてデビュー。コラム執筆でも才能を発揮し、雑誌連載や著書も多数。02年6月12日逝去。享年39。

Y・T(69歳・無職)

はかなげですね。何故か悲しい気持ちにさせられます。申し訳程度に生えた短い触角、おちょぼロ、妙に短い羽根(カマの可能性もあり)、今にもかき消えそうな下半身。虫の息という言葉が思い浮びます。

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今回のお題「カマキリ」の総評

さて今回のテーマ「カマキリ」は、記憶スケッチ界において「伝説のお題」と呼ばれているほどの大ネタです。ソツもスキもなく、他人から「あいつはデキる」と言われている人にカマキリを描かせてみましょう。その人がそれまで積み上げてきたものが、一瞬にして音を立てて崩れるかもしれません。カマキリを描くということはそれほどに危険なことなのです。カマキリと言えばもちろん「カマ」。わかってはいるが、そのカマすらどこにどう描けばいいのか。何故? 自分はこんなにデキないにんげんだったのか? 嗚呼……。そんな内的葛藤のあげくに、まるでヤケクソのようなカマキリを描いてしまうのです。理事長は「カマキリって何だろう」と呟きながら、夕陽を見てしまいました。

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ナンシー関

消しゴム版画家、コラムニスト。1962年、青森市生まれ。84年、消しゴム版画家としてデビュー。コラム執筆でも才能を発揮し、雑誌連載や著書も多数。02年6月12日逝去。享年39歳。