K・I(34歳・主婦)作
ダーラー。ゆるー。もっとつめて背負った方が、荷物も軽く感じます。私が高学年の頃、こういう背負い方は、ちょっと不良でした。とは言え、5年にもなってランドセルを背負っている時点で不良じゃないわけですが。
K・J(47歳・主婦)作
どう見ても立っています。モノに「目」や「口」を描き入れて「ボク、ランドセル!よろしく!」などと擬人化することがありますが、目や口より「足」をはやした方がずっと生き物感が出ます。不気味ですらあります。横のえんぴつまで何故か直立。
ナンシー関
消しゴム版画家、コラムニスト。1962年、青森市生まれ。84年、消しゴム版画家としてデビュー。コラム執筆でも才能を発揮し、雑誌連載や著書も多数。02年6月12日逝去。享年39。
N・K(11歳・小5)作
自らを「現役小学生」と言い切っているところがミソです。プリクラやシールなど自分の現役ランドセルがモデルでしょう。と思ったら上履き袋に「上田」の名が。Nじゃない……。謎のランドセルだ。
ナンシー関
消しゴム版画家、コラムニスト。1962年、青森市生まれ。84年、消しゴム版画家としてデビュー。コラム執筆でも才能を発揮し、雑誌連載や著書も多数。02年6月12日逝去。享年39。
T・T(79歳・自営業)作
大きすぎるランドセルを一生懸命背負う新一年生の後ろ姿、ともとれますが、ランドセルに手足の生えた怪人かもしれないと思ったら、そうとしか思えなくなってしまいました。学校教育の歪みが生み出した怪人です。
ナンシー関
消しゴム版画家、コラムニスト。1962年、青森市生まれ。84年、消しゴム版画家としてデビュー。コラム執筆でも才能を発揮し、雑誌連載や著書も多数。02年6月12日逝去。享年39。
R・K(58歳)作
何だかよくわかりませんが、訴えるようなまなざしに気圧されました。妙に小さめのランドセル、フタの端が外にめくれているところなど、かなり背負い込んでる感じです。この人は本当に小学生なんでしょうか。
ナンシー関
消しゴム版画家、コラムニスト。1962年、青森市生まれ。84年、消しゴム版画家としてデビュー。コラム執筆でも才能を発揮し、雑誌連載や著書も多数。02年6月12日逝去。享年39。
K・A(14歳・学生)作
ものごとを真正面から見るのは大切な事です。でも、このランドセルは寸分の狂いもなく真正面から描いたら何だかわからなくなりました。そんなこともあります。
ナンシー関
消しゴム版画家、コラムニスト。1962年、青森市生まれ。84年、消しゴム版画家としてデビュー。コラム執筆でも才能を発揮し、雑誌連載や著書も多数。02年6月12日逝去。享年39。
K・K(11歳・学生)作
何とも不思議な作品です。いや、作品というより、この小学生が不思議です。妙にでかいランドセルと妙に小さい帽子。鋭い目つきにワシ鼻しゃくれアゴ。腰を落とした歩き方。そして、たて笛なのに「シー」。わかりません。
ナンシー関
消しゴム版画家、コラムニスト。1962年、青森市生まれ。84年、消しゴム版画家としてデビュー。コラム執筆でも才能を発揮し、雑誌連載や著書も多数。02年6月12日逝去。享年39。
ナンシー関
消しゴム版画家、コラムニスト。1962年、青森市生まれ。84年、消しゴム版画家としてデビュー。コラム執筆でも才能を発揮し、雑誌連載や著書も多数。02年6月12日逝去。享年39。
F・K(11歳・小5)作
今回、平均点のランドセルが多かったせいで、どうしてもランドセル以外のところに目がいってしまいました。あからさまに怪しいこの小学生。「ぴっかぴっか」と星まで光っているのに、ぴかぴか感皆無。つい選んでしまいました。
ナンシー関
消しゴム版画家、コラムニスト。1962年、青森市生まれ。84年、消しゴム版画家としてデビュー。コラム執筆でも才能を発揮し、雑誌連載や著書も多数。02年6月12日逝去。享年39。
T・N(60歳・主婦)作
ランドセルは明るい未来の象徴です。しかしこのランドセルには哀愁が漂っています。寂しさに耐えられず、上にもう一つ描いてみても、寂しさを倍増させただけでした。
ナンシー関
消しゴム版画家、コラムニスト。1962年、青森市生まれ。84年、消しゴム版画家としてデビュー。コラム執筆でも才能を発揮し、雑誌連載や著書も多数。02年6月12日逝去。享年39。
Y・Y(13歳・学生)作
問題作です。テーブルの上に置かれたランドセルですが、今にも落ちそうなほど端っこにあるのは何故でしょう。転げ落ち、フタが開いて中身が飛び散らかるという大惨事を予感させます。不安に満ちた作品です。
ナンシー関
消しゴム版画家、コラムニスト。1962年、青森市生まれ。84年、消しゴム版画家としてデビュー。コラム執筆でも才能を発揮し、雑誌連載や著書も多数。02年6月12日逝去。享年39。
Y・H(40歳・自営業)作
今回、ほとんどがランドセルに見える作品ばかりの中、これだけは基本を無視。新しい消火器かと思いました。背負う気を起こさせない、そっとしておきたい一品です。
今回のお題「ランドセル」の総評
この「ランドセル」というテーマは少々簡単すぎたようで、寄せられた作品の記憶のばらつきというか突飛のバリエーションが少なく、選考に苦労しました。可もなし不可もなし、70点前後の無難なランドセルがほとんどで、皆さんにぜひ見せたい、公表して世に問いたいと思わせる作品はわずか。基本的な形だけではそれほど差はなく、従ってそれ以外の描き込みや雰囲気で「妙」なものを選ばざるを得ませんでした。人間の記憶の謎を白日の下に、というダイナミズムには少し物足りないテーマでした。私はランドセルをもう20年以上間近に見ていなかったのですが、けっこう身近なものなのでしょう。
ナンシー関
消しゴム版画家、コラムニスト。1962年、青森市生まれ。84年、消しゴム版画家としてデビュー。コラム執筆でも才能を発揮し、雑誌連載や著書も多数。02年6月12日逝去。享年39歳。
ナンシー関
消しゴム版画家、コラムニスト。1962年、青森市生まれ。84年、消しゴム版画家としてデビュー。コラム執筆でも才能を発揮し、雑誌連載や著書も多数。02年6月12日逝去。享年39。