「60代になって体調が優れない日が増えた……」と悩む方は多いのではないでしょうか。加齢に伴う不調を和らげるために必要なのは、からだの働きをスムーズに動かすこと。ツボをほぐして東洋医学でいう「気」を動かすことが大切です。今回は肩・腰・首に効果的なツボに加え、60代以上に多い症状に効くツボを紹介します。
柳本真弓さん/目白鍼灸院院長。だれでも実践できる東洋医学の治療法をテレビや雑誌などで紹介。『なんとなく疲れる・つらい・痛いを解消する「ツボ」図鑑 自律神経ひとりメンテ』(中央公論新社)ほか著書多数。
症状別ツボリスト
まずは気になる症状を選んでみましょう。
自律神経を整えるツボ
からだの中で一番の働き者の「手」。実は足裏よりツボの数が多いんです。気が滞りやすい部位ですから、しっかりほぐして、からだの末端から気を動かしましょう。
肩こりに効くツボ①
ひじ骨のすぐ上にあるくぼみが天井です。ひじを曲げるとくぼみが見つけやすいでしょう。関節痛や耳鳴りにも効果が期待できるツボです。
肩こりに効くツボ②
すねの真ん中から親指1本分下がったところの、骨の外側にあります。五十肩に効果的なツボです。足をほぐして上半身の詰まった気を循環させましょう。
腰痛に効くツボ①
内くるぶしとアキレス腱の間のくぼみにあります。「腎」とは気を生成して貯蔵する場所で、骨を丈夫にする役割も担っています。更年期障害やアンチエイジングのツボとしても使われています。
腰痛に効くツボ②
鼠径部(足の付け根のライン)の真ん中で、押すと拍動を感じるところです。リンパの詰まりを流し、足のむくみを軽減することで腰への負担を減らします。
首こりに効くツボ①
小指と薬指の間を指で辿ってみましょう。くぼんでいてジーンと響いた場所が足臨泣です。頭痛を伴う症状の方、首の横がこっている方におすすめです。
首こりに効くツボ②
親指と人差し指の水かきに片方の親指の第一関節を当てます。そのまま折り曲げたところのくぼみです。眼精疲労やストレス解消にも効果的です。
不眠に効くツボ
耳たぶの後ろにある骨を乗り越えたら現れるくぼみが安眠です。頭にのぼった気を流して、心もからだもリラックスさせます。
腰痛に効くツボ・太渓とセットでやると効果的です。
頻尿に効くツボ
内くるぶしを始点に指8本分上がったところの骨の内側です。冷え性のほか、膀胱炎などの尿のお悩みに働きかけるツボです。
肩こりに効くツボ・下巨虚とセットでやると効果的です。
変形性膝関節症に効くツボ
膝を曲げると膝裏の内側に現れるしわの端が陰谷です。膝関節まわりの血流を動かし、足のむくみや重だるさを改善します。
肩こりに効くツボ・天井とセットでやると効果的です。
便秘に効くツボ
手首を反らして出たシワから指4本分上がったところの中央にあります。便秘解消のほか、ストレス解消も期待できます。
首こりに効くツボ・合谷とセットでやると効果的です。
めまいに効くツボ
耳の穴に親指を添え、手のひらで頭を包み込んだときに両中指が当たったところです。立ちくらみのめまいに効果的です。
首こりに効くツボ・足臨泣とセットでやると効果的です。
冷え性に効くツボ
おへその延長線上に指4本分下がったところです。エネルギーを生み出す五臓六腑の一種、「腎」を活性化させます。生理痛などの婦人科系のお悩みにも効果が期待できます。
腰痛に効くツボ・衝門とセットでやると効果的です。