これだけは知っておきたい乳酸菌の知識

「腸内環境を整える乳酸菌は毎日摂り続けることが大切です」
後藤利夫先生

ごとう・としお/医師・大腸内視鏡医東京大学医学部卒。独自の無麻酔・無痛大腸内視鏡検査法を開発。

 人の腸にはもともと100兆個以上の細菌が「常在菌」として存在します。常在菌は、ビフィズス菌に代表される善玉菌、ウェルシュ菌に代表される悪玉菌、食べ物や体調によってどちらにも傾く日和見菌の3つのグループに大別されます。
「腸内環境が良い」とされるバランスは善玉菌が20%、悪玉菌が10%、日和見菌が70%ですが、50歳を過ぎると悪玉菌が増加して、腸内環境のバランスが崩れ始めます。すると、身体に様々な不調が表れます。その代表が便秘です。

光岡知足『腸内細菌の話』(岩波新書)をもとに編集部で作成。

 便秘になると、便の腐敗が進み、体に害を及ぼすガスを発生させます。おならや便が異臭を放つ、お腹が張るといったことは、このガスが原因です。
 腐敗した便が一番たまりやすく、ガスの影響を受けやすい場所が、直腸部分とS状結腸部分です。この2ヵ所は大腸がんが最も多く発生する場所。つまり、便秘による腐敗した便が、がんの発生に大きく関わっているということです。
 便秘を防ぎ、腸内環境のバランスを正常にするには、「助っ人善玉菌」として「乳酸菌」を摂ることです。ただし、乳酸菌が常在善玉菌と同じ働きをするためには、「生きたまま腸に届くこと」。そうでないと、悪玉菌を抑制し、善玉菌が活躍できる酸性の環境を生み出す「有機酸」が生成できません。
 また、乳酸菌には「IgA抗体」という免疫抗体を増やす働きが確認されており、風邪や肺炎などの対策にも役立ちます。
 まさに万能といった乳酸菌ですが、あくまで助っ人なので常在できず、便とともに排出されてしまいます。乳酸菌は毎日摂り続けることが大切なのです。

あなたは乳酸菌、しっかり摂れていますか?

植物乳酸菌を生きたまま腸まで届ける『毎日千億』を見る