地上波にBS・CS、ネット配信と、観られるドラマの数がどんどん増える昨今、本当に面白いドラマはどれなのか──。ドラマ批評の専門家や各界のドラマ好きの方々が、「これは見るべき!」というイチオシ作品を紹介します。あなたの琴線に触れるドラマがきっと見つかるはず。
※紹介する作品は、コラム公開時点で地上波・BS/CS・ネット配信などで見られるものに限ります。
バッドインフルエンサー
2026/1/26公開
偽ブランドを巡る危険な共闘、注目の南アフリカドラマ

Netflixシリーズ「バッドインフルエンサー」独占配信中
シングルマザーとインフルエンサーが偽物の高級ブランドバックを売るためにタッグを組む…、そんなあらすじに惹かれてドラマを見始めたら、お金の通貨名が「ランド」で「???」。
台詞が英語だったのでアメリカの作品だと思い込んで見始めたらなんと南アフリカ。仕事柄、欧米からアジアまで海外ドラマをチェックしていますが、南アフリカのドラマを見るのは初めてのこと。
こんなふうに全く興味のなかった国の作品を偶然観られるようになったのは、まさに世界的な配信ネットワークの恩恵といえます。
ニュースを読むより日常生活を描くドラマを観る方がその国のことがよくわかる……が、私の持論なのですが、今回、南アフリカの作品から現地の凄まじい貧富の差や治安の悪さをヒリヒリするほど感じられました。
ちなみに南アフリカは世界的に見ても犯罪発生率が高い国の一つ。特に大都市や観光地では、強盗や窃盗などの犯罪が頻発。外務省の危険情報では、南アフリカ全土が「レベル2:不要不急の渡航は止めてください。」 に指定されているのです。
貧しいシングルマザーのBKは、ひとり息子リオを良い学校に入れるために、バッグ作りの腕を活かして高級ブランドの偽物バッグを制作。ツテを頼って富裕層マダムに中古と偽り訪問販売するはずが失敗。そこでインフルエンサーのピンキーと手を組み、ネット販売に手を染めるのですが、偽造品組織と警察の特別捜査班の両方から目をつけられることになってしまいます。

Netflixシリーズ「バッドインフルエンサー」独占配信中
(ここからネタバレありです)
もうBKの負のスパイラルにハラハラが止まらない。借金の取り立てに追われることから始まり、偽造品組織のボスに追い詰められ、最後はラスボスと対峙で絶対絶命!
でも、最初は脅されて小鹿のように震えていたBKが犯罪組織のボスと交渉するまでに肝が座り、偽物バッグを売るために素性を隠し謎めいたインフルエンサーになるまでに変貌。
そんな逞しいサバイバルも見どころのひとつですが、息子は「ママは変わった」と悲しげに呟きます。息子のために犯罪に足を踏み入れたはずなのに……。

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現代はネット上の名声や外見が過度に重要視される世界。成功が「いいね」や高級ブランドの持ち物で測られる環境の中では、嘘や偽物、詐欺を働いてでも、目立つが勝ち、稼ぐが勝ちという思考の人も少なからず存在します。
そんなSNS上の承認欲求を追い求めてもがく人たちの成功は、華やかでありながらとても脆い。
ピンキーもそのひとりでした。インフルエンサーとして華やかな生活をネットに公開するために、パパ活で金持ちの男から援助を受けていたのです。ところが捨てられてお先真っ暗。
そんなときシングルマザーで苦労しているBKがピンキーに「男に頼らない生き方をすべき」と助言します。このふたりの紆余曲折ありながらのシスターフッド関係にも心を掴まれずにはいられません。
インフルエンサーとなっても何度もBKが繰り返すのは「男に頼らない生き方をすべき」という女子への前向きなアドバイスなのですが、BK自身は自立するはずが極悪な男たちに搾取され続けるという皮肉な展開に。

Netflixシリーズ「バッドインフルエンサー」独占配信中
ラストは続きがありそうな終わり方だと思ったら、すでに続編が決定。シーズン2ではBKのしっかり自立する姿を観られることを期待したいです。
今回ご紹介した作品
Netflixシリーズ「バッドインフルエンサー」
- 配信
- Netflixにて独占配信中
情報は2026年1月時点のものです。














