地上波にBS・CS、ネット配信と、観られるドラマの数がどんどん増える昨今、本当に面白いドラマはどれなのか──。ドラマ批評の専門家や各界のドラマ好きの方々が、「これは見るべき!」というイチオシ作品を紹介します。あなたの琴線に触れるドラマがきっと見つかるはず。
※紹介する作品は、コラム公開時点で地上波・BS/CS・ネット配信などで見られるものに限ります。
VIVANT
2026/9/18公開
世界規模のスケールで展開する話題のドラマ

©TBS
日曜劇場(TBS系日曜夜9時枠)で放送されている『VIVANT』が、毎週大きな反響を呼んでいる。
本作は2023年に放送された人気ドラマの第2シーズンで、日本国内に実在すると噂される自衛隊の極秘諜報組織・別班に所属する乃木憂助(堺雅人)が、日本の治安を守るために世界各国を飛び回る姿を描いた冒険譚となっている。
原作・演出・プロデュースを担当する福澤克雄は、『華麗なる一族』や『半沢直樹』といった2000年代以降の日曜劇場の代表作を手掛けてきたベテラン演出家。
『半沢直樹』の堺雅人を筆頭に、阿部寛、役所広司といった日曜劇場のドラマで主演を務めた俳優が勢ぞろいしている。その意味でも、これまで日曜劇場が描いてきた日本人の物語を、世界規模のスケールで展開したのが『VIVANT』だと言えよう。
国際テロ組織・テントをめぐる任務から帰還した乃木は、別班本部から乃木の弟分の黒須駿(松坂桃李)を含めた工作員6人が何者かによって拉致されたと知らされる。テントのリーダー、ノゴーン・ベキ(役所広司)の脱獄を手引きした元公安の新庄浩太郎(竜星涼)が怪しいと聞かされた乃木は、新庄を捕まえるために、世界中を飛び回る。
第1シーズンでは、モンゴルでロケした壮大な砂漠の風景や、派手なアクションシーンやモブシーンが話題になったが、第2シーズンはよりスケールアップしており、アゼルバイジャンやタイといった様々な国が舞台となっている。
第15話では、工作員6人を拉致した犯人は、前作で乃木の仲間だった公安の刑事・野崎守(阿部寛)だと思われたが、実は野崎の目的は中国の別班とも言われる諜報組織「シンシー」の潜入捜査だったことが明らかとなる。
では、シンシーが黒幕かと言うと、まだわからない。
とにかく謎が謎を呼ぶ展開が続き、壮大なスケールの物語が複雑な人間模様の中で展開されているというのが、現時点での印象だ。

©TBS
『VIVANT』のキャッチコピーにある「敵か味方か、味方か敵か」ではないが、敵だと思った人間が実は味方だったり、味方だと思っていた人間が実は敵だったといった、裏切りに継ぐ裏切りが第1シーズンから続く『VIVANT』のストーリーの流れだ。
この「裏切り」は、第1シーズンの時は、主人公の乃木に集約されていた。
乃木は当初、うだつが上がらない弱々しい商社マンとして登場するが、実はそれは仮の姿で、本当の乃木は別班の工作員だったことが、第4話で判明する。捕まえたテントのモニター(仲間)だった同期の山本巧(迫田孝也)を尋問した末に自殺に見せかけて殺害する乃木の豹変した姿は堺雅人の怪演もあってか、凄まじい迫力で見応えがあった。
乃木が別班であることは第4話まで伏せられていたのだが、その他にも、彼には別人格らしき存在が宿っていることや、実はテントのノゴーン・ベキの息子であることが判明し、終盤まで彼が別班の工作員として日本を守る側なのか、日本を裏切ってテントの側に付くのかがわからない展開が続いた。
実は主人公の乃木の考えこそが本作最大の謎で、彼が敵か味方かわからないことが、第1シーズンの面白さだった。
対して第2シーズンでは、乃木以外の人物の行動が怪しく「敵か味方か、味方か敵か」状態になっているため、第1シーズンで味方だった人間が敵に回ったり、意外な人物が実は別班だったという展開もあり得るのではないかと思う。
第2シーズンは2クールの放送であるため、物語はまだ折り返し地点だが、この壮大で謎に満ちた物語は一体どこに着地するのだろうか?
連続ドラマならではの続きが気になって仕方がない「引き」の興奮は、年末まで続きそうだ。
今回ご紹介した作品
VIVANT
- 放送
- TBS系にて毎週日曜21時~放送中
- 配信
- U-NEXTにて配信中
情報は2026年9月時点のものです。














