イラスト/辛酸なめ子
第1週
NHKの朝ドラ、夜ドラの新シリーズがスタート。日テレの日曜夜枠には、あの人気芸人2人の半生を描いた異色作が登場します。
いよいよ始まりました「1話だけ観て採点」特集。こんな無謀な(?)企画を快くお引き受けいただいた3人の筆者には感謝しかありません。第1回は4作品のラインナップ。NHKの朝ドラ、夜ドラの評価、割れましたね~。(編集部)採点表
相田 | 影山 | 田幸 | |
---|---|---|---|
らんまん (NHK) | |||
おとなりに銀河 (NHK) | |||
何かおかしい2 (テレ東) | |||
だが、情熱はある (日テレ) |
- 絶対見るべき
- 時間があれば
- んー……
私のイチオシ
-
相田冬二相田冬二
だが、情熱はある
日テレ 日 22:30~過剰な自意識。勘違いのポジティヴィティ。芸人の出発を明るい自虐で紡ぐが、微に入り細に入りの筆致で普遍的な清々しさを呼び込む。髙橋海人の不敵なコンプレックス。森本慎太郎の打たれ強い純真。演技の交錯も秀逸。
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影山貴彦影山貴彦
だが、情熱はある
日テレ 日 22:30~芸人はとても繊細な人間が多い。オードリー若林と南海キャンディーズ山里の半生を演じる髙橋海人(King & Prince)と森本慎太郎(SixTONES)が、細やかな感情を今後どこまで表現することができるか注目したい。
-
田幸和歌子田幸和歌子
らんまん
NHK 月-土 8:00~変人主人公なのに久しぶりの正統派朝ドラに安心感。子役3人が非常に上手く、初週で退場となる母・広末涼子とワンポイント登場の坂本龍馬、ディーン・フジオカが、物語の根幹を担う存在に。松坂慶子の存在感も見事。
ひとこと批評
月-土
天才植物学者・槙野万太郎の半生
らんまん
NHK 8時
出演
神木隆之介、浜辺美波、志尊淳
-
相田
時代的な不条理を牧歌的に描く鈍感力に唖然。 -
影山
主人公幼少期の1週目だったが熱演に引き込まれた。ライバルはBS再放送の「あまちゃん」? -
田幸
『ゲゲゲの女房』『あさが来た』『まんぷく』等の空気も漂わせつつ、上々の初週に。
月-木
今季夜ドラはやさしい恋の物語
おとなりに銀河
NHK 22時45分
出演
佐野勇斗
-
相田
全てが主人公に都合よく進む醜悪さは拷問。 -
影山
注目度No.1八木莉可子の存在感が、今後どう開花していくか。2週目からに注目したい。 -
田幸
『舞いあがれ』で注目された八木莉可子の目力と透明感はファンタジーにも相性抜群。
火
些細な違和感がやがて恐怖に変わる
何かおかしい 2
テレビ東京系 24時30分
出演
浅利陽介、津田寛治、松尾諭
-
相田
新味はないが手練手管を駆使して快適に進行。 -
影山
出演者の一部変更で、パート1の恐さをどれくらい踏襲できるか。第1話は無難なスタート。 -
田幸
小さな違和感の正体がわかった瞬間の恐怖が肝だった前作。続編は「明確に」おかしい。
日
若林&山里、人気芸人2人の前日譚
だが、情熱はある
日本テレビ系 22時30分
出演
髙橋海人(King & Prince)、森本慎太郎(SixTONES)、薬師丸ひろ子
-
相田
丁寧に丁寧に屈折の息吹きを掬い取る誠実。 -
影山
魅力あふれる芸人の心のひだをどこまで描き切ることができるか。今後が楽しみ。 -
田幸
森本慎太郎と高橋海人は芸達者で脇も良く、面白そうな空気だが、水卜アナのナレが…。
採点担当
相田冬二
影山貴彦
田幸和歌子
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相田冬二
あいだ・とうじ●雑誌、ネット、劇場用パンフレットなどで執筆中。著書に「作家主義 レオス・カラックス アートシアター時代1988×2022」(A PEOPLE)「さよならくちびる」(徳間文庫)など。
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影山貴彦
かげやま・たかひこ●同志社女子大学メディア創造学科教授/コラムニスト。元毎日放送(MBS)プロデューサー。専門は放送を中心としたメディア研究。著書に「テレビドラマでわかる平成社会風俗史」「テレビのゆくえ」「おっさん力」など。
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田幸和歌子
たこう・わかこ●出版社、広告制作会社勤務を経てフリーランスのライターに。著書に『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』(太田出版)や、共著に『脚本家・野木亜紀子の時代』(blueprint)など。
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