イラスト/辛酸なめ子
第2週
キムタク9年ぶりの「月9」主演『風間公親−教場 0−』が話題性では一歩リード? いやいや他にも実力派俳優ぞろいの注目作が目白押し!
さあ2回目となりました「1話だけ観て採点」特集。月9から深夜ドラマまで粒ぞろいの顔ぶれですが、今回も評価はけっこう割れました。3人の選者の辛口コメント、愛あるコメント、ぜひぜひお読みください。(編集部)採点表
相田 | 影山 | 田幸 | |
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風間公親−教場0− (フジ) |
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それってパクリじゃないですか? (日テレ) |
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わたしのお嫁くん (フジ) |
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隣の男はよく食べる (テレ東) |
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あなたがしてくれなくても (フジ) |
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ケイジとケンジ、時々ハンジ。 (テレ朝) |
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絶対見るべき
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時間があれば
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んー……
私のイチオシ
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相田冬二
相田冬二
隣の男はよく食べる
テレ東 水 24:30~手垢のついた、ありきたりの設定も、シンプルを極めれば、ここまで美味しくなる。とにかく菊池風磨の風情が未知のスパイスとなり、展開に新鮮な息吹きを呼び込む。グルメドラマが新たな段階に突入。天晴れテレ東。
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影山貴彦
影山貴彦
隣の男はよく食べる
テレ東 水 24:30~おっさんの私が見ても「キュン」とできるラブストーリー。倉科カナと菊池風磨がいい。プロデューサーが「これからますますキュンキュンできます」と教えてくれた。30分の尺も◎。
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田幸和歌子
田幸和歌子
あなたがしてくれなくても
フジ 木 22:00~雨に濡れた奈緒のびろびろパンツ、瑛太のリアルなゲップ、緊張感がない関係なのに性行為の義務感にのみ緊張が走るセックスレスの心理・背景描写があまりに生々しい。岩田剛典は『金魚妻』に続き不倫の優男が似合う。
ひとこと批評
月
木村拓哉主演人気シリーズが連ドラ化
風間公親−教場0−
フジテレビ系 21時
出演
木村拓哉、赤楚衛二、新垣結衣
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相田
敏腕塾講師が家庭教師に転職したような馬鹿丁寧さ。木村拓哉に「圧」が欠けている。
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影山
キムタク劇場を豪華な共演陣が支える。さんまさん、枯れた演技ができる年齢になった。
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田幸
無理やりなトンチキ脚本を役者と演出で見せるスタイル。SPドラマは面白かったのになぜ…。
水
「知的財産」がテーマのお仕事コメディ
それってパクリじゃないですか?
日本テレビ系 22時
出演
芳根京子、重岡大毅(ジャニーズWEST)、常盤貴子
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相田
登場人物が多すぎ。豪華なキャストを捌ききれぬ演出が、主人公のようにオタオタ。
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影山
「知的財産」という硬めのテーマを上手く料理している。笑いのセンスもいい。
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田幸
「知財」テーマも芳根京子のオドオド笑顔も良いが、前半が冗長で弁理士が怠慢に見えた。
水
ズボラ女子×家事男子の社会派ラブコメ
わたしのお嫁くん
フジテレビ系 22時
出演
波瑠、高杉真宙
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相田
家事能力の優劣を、お花畑ファンタジーに連結させた適当さは、ただただ不快。
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影山
もう少し食い応えが欲しい。ヒロインの両親の配役が「逃げ恥」と同じは悪ノリでは。
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田幸
高杉真宙演じるお嫁くんが最高に魅力的。波瑠も高杉も欠落した愛すべき人物がハマる。
水
いっぱい食べる年下男子にキュン!
隣の男はよく食べる
テレビ東京系 24時30分
出演
倉科カナ、菊池風磨(Sexy Zone)、山田真歩
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相田
テレ東深夜ドラマが挑むミニマルの極北。菊池風磨の風情で、実験を軟着陸。
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影山
倉科カナと菊池風磨のやり取りが魅力的だ。中年の私もちゃんとハマれる恋愛物語。
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田幸
キャラ造形がテンプレ。冷たい缶を頬にピトッ、バックハグなどの胸キュン描写も古い。
木
『昼顔』スタッフが夫婦のタブーに踏み込む
あなたがしてくれなくても
フジテレビ系 22時
出演
奈緒、岩田剛典、田中みな実
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相田
永山瑛太の沈黙と、岩田剛典の語りは秀逸。音楽がやかましいのが残念。
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影山
難しめなテーマを繊細にユーモアも一匙交え描く。悪くはないが。少しモヤモヤ。
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田幸
夫婦の性の話を、深夜でなくGP帯連ドラでここまで赤裸々に描くのは稀有。攻めた挑戦作。
木
元教師の異色刑事が横浜を疾走!
ケイジとケンジ、時々ハンジ。
テレビ朝日系 21時
出演
桐谷健太、比嘉愛未、磯村勇斗
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相田
北村有起哉が出てくると途端に面白い。彼だけが役に縛られない自由な芝居。
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影山
安心して観られるキャストにストーリー。ただ逆にそれがいささか冗長にも感じる。
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田幸
シーズン1の配役・配置が絶妙だっただけに、若干の物足りなさが。東出で観たかった。
採点担当

相田冬二

影山貴彦

田幸和歌子
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相田冬二
あいだ・とうじ●雑誌、ネット、劇場用パンフレットなどで執筆中。著書に「作家主義 レオス・カラックス アートシアター時代1988×2022」(A PEOPLE)「さよならくちびる」(徳間文庫)など。
相田冬二さんのコラム一覧 -
影山貴彦
かげやま・たかひこ●同志社女子大学メディア創造学科教授/コラムニスト。元毎日放送(MBS)プロデューサー。専門は放送を中心としたメディア研究。著書に「テレビドラマでわかる平成社会風俗史」「テレビのゆくえ」「おっさん力」など。
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田幸和歌子
たこう・わかこ●出版社、広告制作会社勤務を経てフリーランスのライターに。著書に『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』(太田出版)や、共著に『脚本家・野木亜紀子の時代』(blueprint)など。
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