イラスト/辛酸なめ子
第1週
新年からスタートする新作ドラマは、まず2本。NHK大河ドラマは、華やかな江戸中期。大河ドラマでこの時代を描くのは初めてです。
採点表
相田 | 影山 | 田幸 | |
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最高のオバハン中島ハルコ~マダム・イン・ちょこっとだけバンコク~ (東海テレビ、フジ) | |||
べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~ (NHK) |
- 絶対見るべき
- 時間があれば
- んー……
私のイチオシ
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相田冬二相田冬二
べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~
NHK 日 20:00~横浜流星の腹の据わった芝居は、鍛錬と淡麗が直列しており魅せる。つまりは無骨と洗練が同時に押し寄せてくる域にして粋。町人による情報化社会の曼荼羅模様に今後、期待が高まる。
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影山貴彦影山貴彦
べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~
NHK 日 20:00~「光る君へ」に続いて戦国時代もの大河にしなかった点に好感。蔦屋重三郎の人物造形の今後の膨らみに期待。主役の横浜流星と共に小芝風花が熱演。渡辺謙は風格。綾瀬はるかの語りが物語に厚みを持たせていた。
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田幸和歌子田幸和歌子
べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~
NHK 日 20:00~遊女たちの悲惨な末路、格差社会と搾取される者たちの苦しみ・閉塞感を背景に、現代に通じる物語を描くのが森下佳子の巧さ。インティマシーコーディネーター(注1)やリスペクトトレーニング(注2)を入れた制作サイドの配慮も◎。
(注1)映画やドラマなどの映像作品で、性的なシーンやヌードシーンの撮影をサポートする専門職。
(注2)映像作品や職場において、相互リスペクトやハラスメント防止を目的としたワークショップ型の研修。
ひとこと批評
土
林真理子原作、名古屋マダムが日本とタイで大暴れ!?
最高のオバハン中島ハルコ
~マダム・イン・ちょこっとだけバンコク~
出演
大地真央、松本まりか、合田雅吏
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相田
「コンフィデンスマンJP」の超劣化版。設定、展開、演出すべてがC級。 -
影山
第3弾の安定感はあったが、タイ・バンコクをスパイスにして面白さが増したかは疑問。 -
田幸
ビジュアル・キャラの強さと安定感の一方、話が単調。海外ロケの羽振りの良さに呆然。
日
江戸で出版事業を興した蔦屋重三郎の波乱万丈人生
べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~
NHK総合 20時
出演
横浜流星、渡辺謙、染谷将太
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相田
横浜流星の風格だけで見せ切る。時代劇の渡辺謙はやはり生き生きしている。 -
影山
「江戸のメディア王」を主役に設定し業界内外の話題を呼びそう。横浜流星の熱演が光る。 -
田幸
森下佳子脚本×藤並英樹P×大原拓Dの『大奥』チームの信頼感に横浜流星の新鮮味をプラス。
採点担当
相田冬二
影山貴彦
田幸和歌子
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相田冬二
あいだ・とうじ●映画批評家。雑誌、ネット、劇場用パンフレットなどで執筆中。zoomトークイベント「相田冬二、映画×俳優を語る。」は通算220回を突破。2023年は、『町中華の宝石 きくらげたまご』(東京ニュース通信社)のメインライター、行定勲『映画女優(ヒロイン)のつくり方』(幻冬舎)の取材・構成を務めた。2024年は2冊の著作を刊行。
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影山貴彦
かげやま・たかひこ●同志社女子大学メディア創造学科教授・コラムニスト。元毎日放送(МBS)プロデューサー。専門は放送を中心としたメディア研究。朝日放送(ABC)ラジオ番組審議会委員長、ギャラクシー賞テレビ部門委員、日本笑い学会理事。著書に『テレビドラマでわかる平成社会風俗史』(じっぴコンパクト新書)『テレビのゆくえ』(世界思想社)など。
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田幸和歌子
たこう・わかこ●ライター。出版社、広告制作会社勤務を経てフリーランスのライターに。雑誌、ウェブ媒体等で俳優やタレントなどのインタビューを手掛け、ドラマコラムを様々な媒体で執筆中。著書に『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』(太田出版)、『脚本家・野木亜紀子の時代』(blueprint、共著)など。
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