N・N(41歳・主婦)作
大阪のオバちゃん。パーマはきつくかけてな、同じ値段やろ、まだ流すの早いんとちゃうの? ま、これやったら3ヵ月は保つか……。オッケーや、お世話さま。のOKマークの瞬間です。
U・N(56歳)作
仏像の乗っている台座は神聖なもの。こんなおざなりな台座では、表情も不満顔。ペプシに付いてきたスターウォーズのボトルキャップのひとつにも見えます。いませんでしたか、こんなの。
ナンシー関
消しゴム版画家、コラムニスト。1962年、青森市生まれ。84年、消しゴム版画家としてデビュー。コラム執筆でも才能を発揮し、雑誌連載や著書も多数。02年6月12日逝去。享年39。
T・Y(23歳・自由業)作
ありがたくないこともありませんが、やはりこれは「地蔵」でしょう。立っている大仏もありますが両手を後ろに組んでのこのポーズは、道ばたにこそふさわしい。あと、前掛けがねぇ。致命的。
ナンシー関
消しゴム版画家、コラムニスト。1962年、青森市生まれ。84年、消しゴム版画家としてデビュー。コラム執筆でも才能を発揮し、雑誌連載や著書も多数。02年6月12日逝去。享年39。
M・T(42歳・会社員)作
さわやかな笑顔ですねぇ。これが「アルカイックスマイル」というやつでしょうか。違うかもしれませんが。ま、身も蓋もないことを言ってしまえば、ただの座禅を組んでいるゴキゲンな人、ですが。
ナンシー関
消しゴム版画家、コラムニスト。1962年、青森市生まれ。84年、消しゴム版画家としてデビュー。コラム執筆でも才能を発揮し、雑誌連載や著書も多数。02年6月12日逝去。享年39。
M・T(37歳・エンジニア)作
大仏といえばあのパンチパーマ風の独特な髪型。あれは「螺髪(らほつ)」と言います。これにこだわったがゆえに、錯乱してしまった作品多数。これはその代表作。「病み上がり」という言葉が浮かびます。
ナンシー関
消しゴム版画家、コラムニスト。1962年、青森市生まれ。84年、消しゴム版画家としてデビュー。コラム執筆でも才能を発揮し、雑誌連載や著書も多数。02年6月12日逝去。享年39。
F・T(58歳・自営業)作
これもまた「螺髪」にとらわれたがゆえの悲劇でしょう。顔のぶつぶつは、勢い余って顔中に螺髪をくっつけてしまったせいではないでしょうか。なで肩にもなろうというものです。
ナンシー関
消しゴム版画家、コラムニスト。1962年、青森市生まれ。84年、消しゴム版画家としてデビュー。コラム執筆でも才能を発揮し、雑誌連載や著書も多数。02年6月12日逝去。享年39。
M・D(27歳・公務員)作
木だったり金属だったり、いずれにしても大仏は堅牢なものでできているもの。しかし、この大仏は柔らかい布、おそらくフェルトでできています。頭はもちろん毛糸。ついでに言えば、目はボタン。
ナンシー関
消しゴム版画家、コラムニスト。1962年、青森市生まれ。84年、消しゴム版画家としてデビュー。コラム執筆でも才能を発揮し、雑誌連載や著書も多数。02年6月12日逝去。享年39。
N・H(50歳・会社員)作
キャミソール風の肩ヒモのせいで全てが台無しです。どことなく大きさを感じさせる美丈夫が、一気に出勤前のゴツいオカマになってしまいました。ただいまメイク中。カツラは最後の仕上げです。
ナンシー関
消しゴム版画家、コラムニスト。1962年、青森市生まれ。84年、消しゴム版画家としてデビュー。コラム執筆でも才能を発揮し、雑誌連載や著書も多数。02年6月12日逝去。享年39。
S・H(13歳・中学1年)作
サウナに入っている人、というところでしょうか。大仏とは文字通り「大きい仏像」ですが、この作品から「大きい」ということは伝わりますが「仏像」ということに関しては伝える気すらありません。
ナンシー関
消しゴム版画家、コラムニスト。1962年、青森市生まれ。84年、消しゴム版画家としてデビュー。コラム執筆でも才能を発揮し、雑誌連載や著書も多数。02年6月12日逝去。享年39。
T・J(39歳・銀行員)作
「仏つくって魂入れず」ということわざが浮かぶ、虚無感あふれる作品です。あと「大仏」の威厳はその大きさによる効果もあるはずですが、これは小っちゃいっす。推定せいぜい45センチってとこ。
ナンシー関
消しゴム版画家、コラムニスト。1962年、青森市生まれ。84年、消しゴム版画家としてデビュー。コラム執筆でも才能を発揮し、雑誌連載や著書も多数。02年6月12日逝去。享年39。
F・Y(51歳・会社員)作
降り注ぐ後光がまぶしくて、目も開けていられない、ぼんやりと浮かび上がるシルエットだけでも十分にありがたい。そういう気持ちで見てみようと努力してみましたがだめでした。
ナンシー関
消しゴム版画家、コラムニスト。1962年、青森市生まれ。84年、消しゴム版画家としてデビュー。コラム執筆でも才能を発揮し、雑誌連載や著書も多数。02年6月12日逝去。享年39。
A・S(88歳・無職)作
「自由の女神」がお題の時にこんな作品を大量に見ました。被りものからぐるりと生えた鋭いものが、あの女神のやつと似てる。いや、たとえ「自由の女神」だとしても、どうでしょうってことですが。
ナンシー関
消しゴム版画家、コラムニスト。1962年、青森市生まれ。84年、消しゴム版画家としてデビュー。コラム執筆でも才能を発揮し、雑誌連載や著書も多数。02年6月12日逝去。享年39。
I・K(32歳・会社員)作
尊いはずの仏像なのに、何か哀れな感じです。頭の螺髪ができものに見えるせいでしょうか。ご利益があるとは思えませんし、小さい子に見せたらその夜なかなか寝付かないでしょう。
ナンシー関
消しゴム版画家、コラムニスト。1962年、青森市生まれ。84年、消しゴム版画家としてデビュー。コラム執筆でも才能を発揮し、雑誌連載や著書も多数。02年6月12日逝去。享年39。
E・K(41歳・主婦)作
お子さんも読んでいるかもしれないこんなところでなんですが、これはストリップでしょう。それも特出しってやつ。しかも踊り子のおねえさんはかなりベテラン。目の下のクマに芸歴が表れてます。
ナンシー関
消しゴム版画家、コラムニスト。1962年、青森市生まれ。84年、消しゴム版画家としてデビュー。コラム執筆でも才能を発揮し、雑誌連載や著書も多数。02年6月12日逝去。享年39。
M・N(60歳・主婦)作
かなりちゃんとした作品です。タイやインドに行けば、きっとこんな大仏もいるでしょう。しかし、なぜか威厳に欠けるのは「えっ?オレ?」と言っているようにしか見えないその人差し指のせい。
ナンシー関
消しゴム版画家、コラムニスト。1962年、青森市生まれ。84年、消しゴム版画家としてデビュー。コラム執筆でも才能を発揮し、雑誌連載や著書も多数。02年6月12日逝去。享年39。
M・H(54歳・パート勤務)作
仏像の表情には「瞑想」や「慈悲」、「憤怒(ふんぬ)」などいくつかの種類があるようです。が、この表情はどこに分類されるのか。新しく「悪だくみ」という項目を増設するしかなさそうです。
今回のお題「大仏」の総評
仏像は、その表層的な形状の美しさと同時にあらゆる部分に意味を持っています。まさに芸術性と宗教性の完璧な融合。と、そんなもっともらしいことなど言っていても始まりません。確かに難易度の高いお題ではありました。細かいところには目をつぶるつもりでした。しかし一番の問題は、明らかに生き物然とした「あぐらで合掌する人」の多いこと。根幹的な意識改革が必要かもしれません。
ナンシー関
消しゴム版画家、コラムニスト。1962年、青森市生まれ。84年、消しゴム版画家としてデビュー。コラム執筆でも才能を発揮し、雑誌連載や著書も多数。02年6月12日逝去。享年39歳。
ナンシー関
消しゴム版画家、コラムニスト。1962年、青森市生まれ。84年、消しゴム版画家としてデビュー。コラム執筆でも才能を発揮し、雑誌連載や著書も多数。02年6月12日逝去。享年39。