地上波にBS・CS、ネット配信と、観られるドラマの数がどんどん増える昨今、本当に面白いドラマはどれなのか──。ドラマ批評の専門家や各界のドラマ好きの方々が、「これは見るべき!」というイチオシ作品を紹介します。あなたの琴線に触れるドラマがきっと見つかるはず。
※紹介する作品は、コラム公開時点で地上波・BS/CS・ネット配信などで見られるものに限ります。
寧安如夢~宮廷にふたたび舞い降りる愛~
2026/8/17公開
悲劇の運命にあらがう皇后との愛憎を描く宮廷転生時代劇

© WATER BEAR MEDIA PTE.LTD.
あの作詞家・松本隆氏も大絶賛の『逐玉:翡翠の君』で満身創痍で復讐に燃える麗しき将軍、ジャン・リンホーにハマった人にお勧めしたいのが本作です。
2023年の『寧安如夢(ねいあんにょむ)~宮廷にふたたび舞い降りる愛~』より以前の作品では、戦神と呼ばれる仙人や元将軍の王子など高貴な役が多かったリンホーがかなりアクが強く捻りが入った役柄に挑戦。
数々の人気作に主演している美貌と実力を兼ね備えたヒロインのバイ・ルーとがっぷり組んで俳優として飛躍した作品です。本作を観ると、2026年の『逐玉:翡翠の君』で演技もルックスもいかに洗練されたかがわかります。
タイムスリープやヒロインが作家の設定が珍しくなくなった中国ドラマ界。本作も始まりは現代で作家が執筆中の時代小説の中身を変更して、主人公・姜雪寧(きょうせつねい)を転生させるストーリーです。作家も雪寧もバイ・ルーが演じます。
雪寧は、野心のために策を弄し皇后の座に上り詰めますが、皇帝の死後、ジャン・リンホー演じる謝危(しゃき)らの反乱によって引導を渡され自害に追い込まれます。しかし、目覚めると前世の記憶を持ったまま4年前に逆戻りしていました。
過去の自分の人生の過ちを修正すべく今世では権力から離れて平穏に生きようとするものの、謝危らと再び関わることになるのですが……。
謝危は皇帝の信頼も厚い側近で皇族や雪寧たち貴族の教育係でもありながら冷酷な策士。非常に複雑なキャラで後半まで正体が不明です。朝廷にいるときは沈着冷静ですが“離魂症”のときは、飢えた狼のように暴走します。ここからネタばれありです。
謝危は訳あって出自を隠しています。20年前、ある悲劇により先帝の弟、平南王の元で育つことに。平南王が送り込んだ間者として朝廷に入り込んでいるように見せかけて、本当は逆の立場。平南王と薛家に恨みを持ち、薛家と対立している母親の実家である燕家を守ろうとしています。
リンホーはそんな謝危の複雑な生い立ちや心理を笑顔を封印し繊細な表情で表現しているのです。

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その一方で過去に雪寧に離魂症のときに命を助けられ自分の秘密を知られたことに対する警戒と感謝、今世での利発さにしだいに深く濃い愛情へと変化していきます。
まっすぐな想いを相手に押し付けて、自分の方を向かないと詰め寄っていく強引さで一途な思いが空回り。
雪寧が心をときめかせる清廉潔白な官吏のワン・シンユエ演じる張遮(ちょうしゃ)に対しては、わかりやすくメラメラと嫉妬してしまうのす。
しかし、雪寧は 謝危がどんなに強硬手段に出ても怯まない。断固、NOとはっきり言って、結果、謝危を振り回すことに……。後半に入るまで言い争いが続き、甘いムードが一切ないというのも稀有な設定です。
だからこそ2転3転する謝危の正体、宮廷の陰謀や人間関係の複雑でスリリングな展開に重点が置かれストーリーにぐいぐい引き込んまれるサスペンス感が本作の見どころとなっています。
また、最後の最後まで、恋敵に対してジェラシーを隠さない設定が雪寧への愛の深さのダメ押しでした。
ラスト、現代のシーンで洋服に眼鏡のリンホー登場にもニンマリさせられます。
今回ご紹介した作品
寧安如夢~宮廷にふたたび舞い降りる愛~
- 配信
- U-NEXTにて配信中
情報は2026年8月時点のものです。














