通販生活の1話だけ観て2025冬ドラマ採点

イラスト/辛酸なめ子

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最終週は、5本の新ドラマを紹介。5本中4本は、ミステリー・サスペンス系ドラマです。中でも「このマンガがすごい!2024」にランクインの「クジャクのダンス、誰が見た?」に期待!?

採点表

相田 影山 田幸
秘密~THE TOP SECRET~ (カンテレ・フジ) 0.5 0.5 1.5
バニラな毎日 (NHK) 1.5 2.5 2
アイシー~瞬間記憶捜査・柊班~ (フジ) 0.5 2 1.5
クジャクのダンス、誰が見た? (TBS) 1.5 2.5 3
相続探偵 (日テレ) 1 1.5 1.5
  • 3 絶対見るべき
  • 2 時間があれば
  • 1 んー……

ひとこと批評

死者の生前の記憶をたどり未解決事件の真相を追う

秘密~THE TOP SECRET~

カンテレ・フジテレビ系 22時
出演

板垣李光人、中島裕翔(Hey! Say! JUMP)、門脇麦

  • 相田

    0.5 主人公ふたりの身長差があまり活きていない。そしてキャラに驚きも魅力もない。
  • 影山

    0.5 スタッフ、キャスト共に悪くないが原作の良さがドラマに十分反映されていない感じ。
  • 田幸

    1.5 死体の脳を読むエグい設定だが、全体に幼い印象が否めない。ゲストの夏子は◎。

月~木

孤独な人々の心をお菓子が癒やす心温かいヒューマンドラマ

バニラな毎日

NHK総合 22時45分
出演

蓮佛美沙子、永作博美、木戸大聖

  • 相田

    1.5 永作博美が水を得た魚のよう。だが、15分にしてもテンポがスロウすぎる。
  • 影山

    2.5 お菓子教室が舞台の人生の処方箋。柔らかな雰囲気に癒される。蓮佛・永作がいい。
  • 田幸

    2 蓮佛美沙子×永作博美というキャスト、お菓子×癒しというテーマは良くも悪くもNHKらしい。

瞬間記憶能力を持つ女性刑事が凶悪事件解決に奮闘

アイシー~瞬間記憶捜査・柊班~

フジテレビ系 21時
出演

波瑠、山本耕史、森本慎太郎

  • 相田

    0.5 ザ・伝統芸能、底なしの退屈感。佐藤祐市とは思えぬ怠惰な演出にがっかり。
  • 影山

    2 主人公・波瑠に凄み。「瞬間記憶能力」というスパイスに入り込めるかがポイント。
  • 田幸

    1.5 特殊能力とトラウマある主人公など『ストロベリーナイト』を彷彿とさせ、何かと既視感。

広瀬すず×松山ケンイチ主演のクライムサスペンス

クジャクのダンス、誰が見た?

TBS系 22時
出演

広瀬すず、松山ケンイチ、リリー・フランキー

  • 相田

    1.5 広瀬すずの言霊の扱い方、松山ケンイチの間の詰め方はさすが。が、脚本があまりに陳腐。
  • 影山

    2.5 期待値高く今後が楽しみ。ドラマオリジナルの展開が鍵を握りそう。磯村勇斗がいい。
  • 田幸

    3 原作も面白いが、脚本・キャスト・演出いずれも死角なく、高クオリティかつ万人向け。

世に蔓延る相続トラブルをを解決するミステリー

相続探偵

日本テレビ系 21時
出演

赤楚衛二、桜田ひより 、矢本悠馬

  • 相田

    1 「毎度おなじみの」といった体の世界観だが、そこかしこに工夫は見られる。
  • 影山

    1.5 斬新さに欠けるが、テンポ良く明るい物語展開は救い。橋爪功の他局との被りが残念。
  • 田幸

    1.5 脚本は漫画原作を手掛ける西荻弓絵。誠実イメージの赤楚衛二のギャップが最大の見所。

2025冬ドラマ
「1話だけ観て」総評

  • 相田冬二
    相田冬二

    連ドラ全体に喝を入れる「御上先生」。

    「ホットスポット」には孤高の輝きがあるが、「御上先生」には連ドラ全体に喝を入れる野心がある。どちらを選ぶかと問われれば、後者。たとえタイタニック号のように沈没しても、航路を変えずに突き進んでほしい。

  • 影山貴彦
    影山貴彦

    冬ドラマの四天王は!?

    「東京サラダボウル」、「ホットスポット」、「バニラな毎日」、「クジャクのダンス、誰が見た?」を今期の四天王に挙げたい。

  • 田幸和歌子
    田幸和歌子

    各局で力作が揃った2025年冬ドラマ。

    「ホットスポット」(日テレ)「クジャクのダンス、誰が見た?」・「御上先生」(TBS)「東京サラダボウル」(NHK)「日本一の最低男」(フジ)と各局力作揃い。

採点担当

相田冬二

影山貴彦

田幸和歌子

>選者のプロフィールはこちら
  • 相田冬二

    あいだ・とうじ●映画批評家。雑誌、ネット、劇場用パンフレットなどで執筆中。zoomトークイベント「相田冬二、映画×俳優を語る。」は通算220回を突破。2023年は、『町中華の宝石 きくらげたまご』(東京ニュース通信社)のメインライター、行定勲『映画女優(ヒロイン)のつくり方』(幻冬舎)の取材・構成を務めた。2024年は2冊の著作を刊行。
    相田冬二さんのコラム一覧
  • 影山貴彦

    かげやま・たかひこ●同志社女子大学メディア創造学科教授・コラムニスト。元毎日放送(МBS)プロデューサー。専門は放送を中心としたメディア研究。朝日放送(ABC)ラジオ番組審議会委員長、ギャラクシー賞テレビ部門委員、日本笑い学会理事。著書に『テレビドラマでわかる平成社会風俗史』(じっぴコンパクト新書)『テレビのゆくえ』(世界思想社)など。
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  • 田幸和歌子

    たこう・わかこ●ライター。出版社、広告制作会社勤務を経てフリーランスのライターに。雑誌、ウェブ媒体等で俳優やタレントなどのインタビューを手掛け、ドラマコラムを様々な媒体で執筆中。著書に『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』(太田出版)、『脚本家・野木亜紀子の時代』(blueprint、共著)など。
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