通販生活の1話だけ観て2025冬ドラマ採点

イラスト/辛酸なめ子

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今週は6本の新ドラマを紹介。救急・医療、不動産、法廷、学園モノとバラエティ豊かなラインナップがそろっています。

採点表

相田 影山 田幸
119エマージェンシーコール (フジ) 0.5 1.5 1.5
まどか26歳、研修医やってます!  (TBS) 1.5 1.5 1.5
問題物件 (フジ) 1 1.5 2.5
法廷のドラゴン (テレ東) 1 1 2
アンサンブル (日テレ) 2 2 1.5
御上先生 (TBS) 2.5 2.5 3
  • 3 絶対見るべき
  • 2 時間があれば
  • 1 んー……

私のイチオシ

  • 相田冬二
    相田冬二

    御上先生

    TBS系 日 21:00~

    我々視聴者も「宙わたる教室」以後を生きねばならない。TBSがアクチュアルな勝負を挑んでいる様に胸打たれる。が、大敗する可能性も。その命がけ感も◎。

  • 影山貴彦
    影山貴彦

    御上先生

    TBS系 日 21:00~

    松坂桃李の存在感が際立つ。十分過ぎる食い応えは、詩森ろばの脚本によるところ大。重厚感が些か過ぎる気もするが、今期ドラマ中で異色さはピカイチ。緊張と緩和のバランスが緊張に傾く為、視聴パワーが必要。

  • 田幸和歌子
    田幸和歌子

    御上先生

    TBS系 日 21:00~

    TBS日曜劇場が二期連続意欲作を投入。飯田Pが詩森ろば脚本×松坂桃李の『新聞記者』タッグを迎え、「個人的なことは政治的なこと」を軸に教育格差や経済格差、選民意識や誤った正義漢、社会構造の歪みを描く力作。期待!

ひとこと批評

消防局の通信指令センターの指令管制員たちの“現実”を描く

119エマージェンシーコール

フジテレビ系 21時
出演

清野菜名、瀬戸康史、見上愛

  • 相田

    0.5 主人公の濡れたようなヘアスタイルに違和感。あらゆる意味で。
  • 影山

    1.5 清野菜名の凛々しい熱演光るものの、展開が若干単調。地震速報による中断はやむなし。
  • 田幸

    1.5 特殊能力の耳の良さ×緊急という設定は『ボイス110』に酷似。若手俳優陣が良い。

令和の働き方改革で変わる医療現場で働く研修医の成長物語

まどか26歳、研修医やってます!

TBS系 22時
出演

芳根京子、鈴木伸之、髙橋ひかる

  • 相田

    1.5 類型ドラマではあるが、芳根京子の途方に暮れる演技が素晴らしい。
  • 影山

    1.5 想定内の展開ではあるが、芳根京子のお仕事ドラマでの新人役はハマり役で爽快感あり。
  • 田幸

    1.5 研修医ならではの呑気さ未熟さ悩みなど、描写の温度が令和的。芳根京子の芝居に尽きる。

不動産物件で起こる奇々怪々な事件の謎を鮮やかに解く

問題物件

フジテレビ系 22時
出演

上川隆也、内田理央、宮世琉弥

  • 相田

    1.5 永遠に刷新されないジャンルが連ドラには存在する。天然記念物。
  • 影山

    1.5 上川隆也と内田理央のコンビがなかなかいい。振り切った面白さの新味を継続できるか?
  • 田幸

    2.5 熱演の上川隆也、内田理央はじめ、クセ強キャラ揃いで、客を選ぶぶっとんだ作品で◎。

弁護士に転向した天才棋士が百手先を読んで事件を解決

法廷のドラゴン

テレビ東京系 21時
出演

上白石萌音、高杉真宙、白石麻衣

  • 相田

    1 すべての演技が立派。しかしビックリするほど想定通り。プロデュースが雑。
  • 影山

    1 安定の配役で見やすい展開だが、惹きつけられる要素薄め。将棋を絡める必要あるか?
  • 田幸

    2 上白石萌音、高杉真宙、小林聡美など俳優陣が◎。将棋×弁護士は新鮮だが、やや冗長。

川口春奈×松村北斗主演のリーガルラブストーリー

アンサンブル

日本テレビ系 22時
出演

川口春奈、松村北斗(SixTONES)、長濱ねる

  • 相田

    2 強引で甘いところもあるが、川口春奈と松村北斗のアンサンブルは誠実。
  • 影山

    2 些か強引な展開ながら、川口春奈、松村北斗、田中圭の組み合わせの妙で見せられた。
  • 田幸

    1.5 役者は良いが、恋愛、事件、トラウマ、どの描写も薄味でもったいない。

文科省のエリート官僚が教師に! 異色学園ドラマ

御上先生

TBS系 21時
出演

松坂桃李、吉岡里帆、北村一輝

  • 相田

    2.5 生徒役の役者を毎回「試していく」ガチバトル的な松坂桃李劇場に期待。
  • 影山

    2.5 刺激的な重厚さで十分惹きつけられたが、今後の展開次第では脱落者が出てくるかも?
  • 田幸

    3 飯田Pが冤罪の次に手掛けるのは「教育」と「省庁・メディア」の闇。覚悟を感じる作品。

採点担当

相田冬二

影山貴彦

田幸和歌子

>選者のプロフィールはこちら
  • 相田冬二

    あいだ・とうじ●映画批評家。雑誌、ネット、劇場用パンフレットなどで執筆中。zoomトークイベント「相田冬二、映画×俳優を語る。」は通算220回を突破。2023年は、『町中華の宝石 きくらげたまご』(東京ニュース通信社)のメインライター、行定勲『映画女優(ヒロイン)のつくり方』(幻冬舎)の取材・構成を務めた。2024年は2冊の著作を刊行。
    相田冬二さんのコラム一覧
  • 影山貴彦

    かげやま・たかひこ●同志社女子大学メディア創造学科教授・コラムニスト。元毎日放送(МBS)プロデューサー。専門は放送を中心としたメディア研究。朝日放送(ABC)ラジオ番組審議会委員長、ギャラクシー賞テレビ部門委員、日本笑い学会理事。著書に『テレビドラマでわかる平成社会風俗史』(じっぴコンパクト新書)『テレビのゆくえ』(世界思想社)など。
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  • 田幸和歌子

    たこう・わかこ●ライター。出版社、広告制作会社勤務を経てフリーランスのライターに。雑誌、ウェブ媒体等で俳優やタレントなどのインタビューを手掛け、ドラマコラムを様々な媒体で執筆中。著書に『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』(太田出版)、『脚本家・野木亜紀子の時代』(blueprint、共著)など。
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