
断筆宣言をしていた90年代中頃、かみさんが通販生活を読んでいて、これを見つけてくれたんだ。当時のぼくは寝つきが悪くて、羽根枕、そば殻枕、パイプ枕といろいろ試して、どれもしっくりこなかった頃だ。
使い始めてまもなくすっと眠れるようになって、いま使っているのは5代目。頭をのせると全身からスーッと力が抜けて、首や肩に力のかからないラクな姿勢になり、すこぶる寝心地がいい。この枕、齢を重ねて柔軟性がなくなってきたぼくの首にちゃんと対応してくれている。おかげで、89歳になった今でも10時間眠れることがある。

朝起きると首がガチガチに凝っている。寝違えたような状態がふつうで、首が曲がらないこともありました。
この枕を試してみたら、私の頭にピタッと合ったのでおどろきました。ちょうどよく沈んで、高さも柔らかさも私の好みです。褒めっぱなしでつまらない?でも、不満はまったくありません。この齢だし、首の凝りが完全に消えることはないけれど、朝起きたときには首に何も感じなくなりました。
あえて言うなら幅がありすぎる。私なんかは活力がなくなって寝返りを打たないから、この半分の長さでもお行儀よく寝ていられます(笑)。

夢が作品のヒントになる作家もいると聞きますが、私は夢をほとんど見ません。かわりに、夜、眠る前に枕に頭をのせてぼんやり心地で考えをめぐらせるのが習慣で、その日に取り込んだことを熟成させる大切な時間になっているのですが、頭が冴えて「寝こじれて」しまい、寝つけなくなることがよくありました。
2年前に枕をこれに変えてから、この「寝こじれ」があまり起きなくなった。以前の低反発枕よりも柔らかいのに、内側にハリがあって頭と首の重さを安心して預けられるところがいいんでしょうかね。くぼみに頭をのせると首と肩の緊張がスッとほぐれて、間を置かずにぼんやり心地に入っていける。うつらうつらしながら形にならない考えをぐにょぐにょ思考しているうちに、ストンと眠りに落ちてしまう。ありがたい枕です。

私の場合、この枕で寝ると熟睡の深さが違います。もっと寝ていたいということがなくて、朝、スッと起きられる。
初代の枕は8年前にペシャンコになって、朝起きたときにスッキリしなくなってきたので、2代目に買い替えたら、また眠りが深くなりました。こうなると、ほかの枕を使う気になりません。

頭部は真ん中の柔らかいウレタンフォーム芯の凹部におさまりますが、弾力性のあるウレタンフォームはそれぞれの人の頭の重さによって、その人にあった適度な深さ(高さ)に変化してくれます。
首すじから肩部にかけての硬めのウレタンフォーム凸部(ふち)も高く評価されています。この凸部がしっかり支えてくれることで、朝まで首と肩の筋肉を緊張させない理想的な体圧分散状況がつくれます。


私たちは眠っている間も寝返りを打ったりしてモゾモゾと体を動かしていますが、これはそのときどきの「熟睡ポイント」を体が無意識に求めている現象です。
ごらんのように、本品のジャンボサイズなら、いくら寝返りを繰り返しても頭が枕からこぼれる心配はありません。
さらに、「今夜はもう少し首の位置を高めにしたい」とか、「肩を少し枕にのせて首の付け根を密着させたいな」「いや、密着させたくない」といったさまざまな頭の置き方に対応できます。


メディカル枕の「安眠構造」を考案したのはイタリアの整形外科の権威、パウロ・ベルダッチ博士。もともとは長期入院患者さんの首の負担軽減用に開発したものをイタリアの枕専門メーカー、ファベ社(1980年創業)が85年に製品化して、各病院の整形外科病室に特別納入するようになりました。








肝心の芯材を綿で包む作業は4人の熟練職人さんの手作業によるものです。現在ファベ社は6種の枕を製造していますが、最上位枕は「エリオセル23」という高品質高反発ウレタンフォームを使用している「病院特別納入用」の本品です。


2016年1月にシート型の体圧分布測定器を使用して、愛用者の角田光代さんの頭部圧分布測定を実施しました。
赤色は、体圧がいちばんかかっている状況(約30㎜Hg)、ついで黄色(約21㎜Hg)、緑色(約15㎜Hg)、濃い青(約9㎜Hg)、薄い青(約6㎜Hg)。


薄い青や白い部分が多いほど<圧力が頭部に集中して首が浮いた状態>を表します。角田さんの場合、左下のメディカル枕のほうが首はしっかりつながっていますね。頭部に集中していた赤や黄色の面積も小さくなっている。後頭部に集中する頭部圧を分散できている証拠です。首がしっかり支えられて寝返りの打ちやすいリラックスした状態にあると言えます。

