10月7日からの証言

国境なき医師団が目撃した
ガザ地区。

アル・アウダ病院に書き残されたメッセージ

「私たちはできる限りのことをした」と
最後まで残った人が伝えるんだ。
私たちのことを忘れないで。

マフムード・アブ・ヌジャイラさん

23年10月20日、
ガザ地区北部のアル・アウダ病院。
国境なき医師団のパレスチナ人医師、
マフムード・アブ・ヌジャイラさん(写真左・38歳)(写真上・38歳)は、戦闘で負傷した人たちの対応に追われながらホワイトボードにこう書き残しました。そして11月21日。アル・アウダ病院は攻撃を受け、マフムードさんは亡くなりました。

ガザ地区で国境なき医師団が支援する主な病院

地中海に面した東西約10キロ、南北約40キロの狭い土地。
イスラエルによって壁やフェンスで囲まれ「天井のない監獄」と形容されるガザ地区には、およそ230万人が暮していました。

23年10月7日から始まった戦闘や空爆で、ガザ地区に住む2万8340人が亡くなり、6万7984人が負傷。
その多くが、戦闘に関係のない子どもと女性たちです。

人やモノの出入りが制限され、国際社会からの支援が届きづらいこの地域で、1989年から医療支援を続けているのが「国境なき医師団」です。スタッフたちはガザ地区でどんな“現実”と向き合ったのでしょうか。戦闘開始前後に派遣された日本人スタッフの証言をお聞きください。
死傷者数は「国連人道問題調整事務所」発表(2月12日時点)。