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『NHK俳句』『プレバト』でおなじみ夏井いつき先生の「俳句生活 よ句もわる句も」

夏井いつき◎1957年(昭和32年)生まれ。
中学校国語教諭を経て、俳人へ転身。俳句集団「いつき組」組長。
2015年初代「俳都松山大使」に就任。
『夏井いつきの超カンタン!俳句塾』(世界文化社)等著書多数。

今月の兼題はこちら

6月の審査結果発表

兼題「向日葵」

※傍題でも可

6月の兼題「向日葵」には過去3回で最多の1,636句も投稿をいただきました。
投稿数が多かった分、「季重なり」の句や、季語としての「向日葵」ではない句など、選外になる投稿句もありました。
ぜひ、『夏井先生からの一言アドバイス(今月のアドバイス)』をよく読んでからご投稿くださいね(編集部より)。

「天」と「地」の入賞者には、夏井いつき先生イラストつきのクリアファイルをお送りいたします。

入選作品

※「兼題が入っていない」「短歌である」等、
 以上に該当する投稿句につきましては入選外となります。

天
多産系の向日葵たちが立ちあがる

中原久遠

夏井いつき先生より

「多産系」の一語で、太い腰と健康的な笑顔を持ったイタリア人のお母さんを想像したものですから、中7「向日葵たち」という擬人化が気持ちよく飛び込んできました。
「向日葵」の芯にはびっしりと種が犇めいています。一本の「向日葵」に育つ種の数。「たち」の一語によって広がる向日葵畑。「多産系の向日葵たち」という詩語は、圧倒的に豊かで明るい光景を読者の眼前に立ち上げます。太陽の恵みと大地の熱によって種は熟していきます。「多産系の向日葵たち」をさらに力強くしているのが、下五「立ちあがる」という複合動詞。むくむくと、めりめりと育っていく「向日葵たち」の生きる力が眩しく逞しい作品です。

地
向日葵や褌干した山頭火

ぐずみ

「向日葵や」の黄色から、カットが替わったとたんに出現する「褌」の白。それを干しているのは放浪の俳人「山頭火」。久々の宿での洗濯か、はたまた川原の野宿か。何日ぶりに洗う褌でしょうか。

向日葵に沿ひたる機動隊の列

可笑式

「向日葵」の列に沿っているのは「機動隊の列」。並んだ盾も見えてきます。デモ隊か、右翼の街宣車か、海外からの賓客か。無機質無表情な「機動隊」と「向日葵」の色彩的対比も確かな作品。

必ずっていつよひまわり強すぎる

野胡のこ

言い訳する時ついつい「必ず」と言ってしまうことがあります。「必ずっていつよ」は声となって出た反論か、心の中に飲み込んだ言葉か。「ひまわり強すぎる」の呟きが、眩しく切ない一句です。

向日葵や尋問されるよな日差

野地垂木

ジリジリと痛いように照りつける太陽。「尋問される」という負の感情と「尋問されるよな日差」という比喩に実感があります。「向日葵」も上からこちらを睨み付けているような咲きっぷりです。

向日葵の空裂けし音ティンパニー

サイコロピエロ七変化

「ティンパニー」の音を「空裂けし音」と比喩した点に詩的リアリティがあります。ただの空ではなく「向日葵の空」がいいですね。「向日葵」の黄色と背後の青空とのコントラストが実に鮮やか。