夏井いつき先生の俳句生活

夏井先生のプロフィール

夏井先生のプロフィール

夏井いつき◎1957年(昭和32年)生まれ。
中学校国語教諭を経て、俳人へ転身。俳句集団「いつき組」組長。
2015年初代「俳都松山大使」に就任。『夏井いつきの超カンタン!俳句塾』(世界文化社)等著書多数。

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6月の兼題

「短夜」

11月の審査結果発表

兼題「山茶花」

 大変お待たせしました!11月「山茶花」の結果発表でございます。うっかり季重なりとなったり、木や葉を季語としてしまったりした投稿者のみなさま、さらなるステップアップのためにもぜひ夏井先生のひとことアドバイスを参考に復習なさってみてください。投句はじめとなる1月「寒し」も奮ってご応募ください!本年も俳句生活をどうぞよろしくお願いいたします。

「天」「地」「人」「佳作」それぞれの入選作品を発表します。

天
わけいればさざんくわさざんくわさんとうくわ

古賀

 美しい平仮名書きの一句。読み通してみれば種田山頭火への献辞であることが分かります。山頭火の名句「分け入つても分け入つても青い山」を踏まえての、上五「わけいれば」という詠い出し。どこに分け入っていくかというと、山茶花の道です。咲いている山茶花、散り敷いている山茶花、まるで山茶花の海中(わたなか)を歩いているかのような光景なのでしょう。そこに現れる「さんとうくわ」は、菅笠と法衣の姿。かつて「ふまれてたんぽぽひらいてたんぽぽ」と詠った山頭火は、思わず「さざんくわさざんくわ」と声に出して愛でたかもしれません。そして再び歩き出す後ろ姿に、こんな句が重なります。「うしろすがたのしぐれてゆくか」散りしきる山茶花時雨の中を行く山頭火。

地
過ぐる夜の風の単位として山茶花

イサク

 夜のうちにさんざん吹き荒れた風。その「風の単位」であるかのように、今朝の山茶花は嵩高く散り敷いています。下五の字余りの調べが、今、はらりと落ちた花びらもあるかのような、かそけき味わいの一句です。

山茶花の海やはらかに避難塔

綾竹ろびん

「山茶花や」ではなく、「山茶花の海」と続く措辞は、咲き広がり散り敷く山茶花と静かな海の光景を重ねているのではないかと。「避難塔」は、穏やかな日常における非日常の象徴として、そこに聳え立っています。

山茶花を掃いて正統なる庶民

長谷川水素

 山茶花の頃は、掃いても尽きないほど花びらが散り敷きます。「掃いて」いる己あるいは他者を「正統なる庶民」と詩的定義付け。それを自嘲と読むか悲哀と読むか、はたまた慈愛と読むかは、全て読者に委ねられます。

山茶花と思うの確かめてくるわ

倉岡富士子

 思わず呟いた言葉がそのまま俳句になりました。ふと目にした一樹でしょうか生垣でしょうか。椿のような侘助のような、でもあれは山茶花だと思うの。後半の台詞「確かめてくるわ」は、俳人の鑑のような好奇心です。

山茶花だ祖父の代わりに来た故郷

上野眞理

 上五の「山茶花だ」という口語の語りに、抜き差しならぬリアリティがあります。祖父の代わりに訪れた故郷。当に、祖父から聞いていた山茶花に遭遇したのか、自身の幼い頃の記憶の山茶花か。物語が動き出します。

人
  • 山茶花の啄まれては震へけり大岩摩利

  • 山茶花や泣いて生まれて凡の家笑笑うさぎ

  • どろだんご買ふ山茶花のなきがらで渡辺桃蓮

  • 山茶花ほろほろ折り鶴はもう折れぬアロイジオ

  • 山茶花さざんか雇つてもらへない石井一草

  • 山茶花や近づけば散る見れば散る草夕感じ

  • 山茶花にかなしいが入り交じってる花咲春

  • 山茶花にふれて寂しくなる風か綾竹あんどれ

  • 山茶花の生垣抜けるおすそ分けあ・うん

  • 山茶花や二番煎じの向う意気藍野絣

  • 山茶花や歩道に唾吐く抜歯の日あいのびふう

  • 山茶花や堀に刺す風まだ強し葵かほる

  • 山茶花や下校時間のドヴォルザーク青井晴空

  • 山茶花や仕分けきれいな集積所青居舞

  • 山茶花の家に年とる同級生蒼空蒼子

  • 山茶花の第一声は「ごきげんよう」青田奈央

  • 山茶花の花びらよせて鳥の墓あおのめ

  • 終の地と決めて惑ひぬひめつばき蒼鳩薫

  • 秒針が止む山茶花の垣のうち青花潜

  • 山茶花やばさりと届く合格書青水桃々@いつき組俳句迷子の会

  • 山茶花やバンドネオンに鳴らぬ音赤尾てるぐ

  • 山茶花や詩人くずれの老い独り赤馬福助

  • 山茶花の蘂より濃き香孤灯の香明惟久里

  • 山茶花満つ三月遅れの新刊よ空地ヶ有

  • 山茶花や実のある会議なんてない秋野しら露

  • 山茶花のこっそり散るいっぱい散る秋星子

  • 長女授かりし朝さざんか眩しアクエリアスの水

  • 月明かり宵さざんかの蕊撫でる芥川春骨

  • 山茶花や通院の日の薄化粧あくび指南

  • 安全靴は避く山茶花一片朝雲列

  • いくさまた起きてさざんかまた散つて朝月沙都子

  • どこからの山茶花軽トラの荷台に明後日めぐみ

  • 「山茶花の花咲きました」と追伸あさぬま雅王

  • 万歩計満つれば山茶花の我が家あさのとびら

  • 両の手に掬ふひかりよ山茶花よ芦幸

  • 山茶花や鬼は迷はず向かひます葦屋蛙城

  • 山茶花の前で迷子の母みつけ藍創千悠子

  • 山茶花や火葬炉出でし喉仏あたしは斜楽

  • 山茶花の垣の喫茶に読むAERA足立智美

  • 山茶花や母の骨片のごと萎ゆあたなごっち

  • 山茶花や馬搬に固き坂路行く新子熊耳

  • 見守りカメラ母が山茶花で塞ぐat花結い

  • LINE友だち数多落ちる山茶花天晴鈍ぞ孤

  • 山茶花や懐からぬるい媚薬渥美こぶこ

  • 山茶花にある貝の色海の音あなうさぎ

  • 濡れた山茶花十六cmの靴アニマル可秘跳

  • 山茶花や東京湾は明日も晴れ阿部八富利

  • 猫の眼は山茶花の紅写しをり天風月日

  • 山茶花の隣「売家」の青き文字あまぐり

  • さよなら山茶花明日には更地雨戸ゆらら

  • 山茶花さざんか骨になるのを待つてゐるあまぶー

  • 山茶花や離婚話しは後にして網野れいこ

  • 山茶花のわりと自由に咲きにけりあみま

  • 山茶花の垣根に透ける犬の陰雨霧彦@木ノ芽

  • ニ礼ニ拍一礼揺るる山茶花雨李

  • 山茶花や山迫りきて村黙すあらあらかしこ

  • 悪役終えて山茶花の公園にあらい

  • 山茶花や出島に残る医師の妻淡湖千優

  • 山茶花や延命治療拒否に○アンサトウ

  • 山茶花や古寺天井の龍の絵図安春

  • 手術あと裸眼の山茶花気迫あり杏っ子

  • 山茶花にわずかに触れて区民バス飯田淳子

  • 山茶花の踏まれて色のまさりけり飯村祐知子

  • 山茶花につばめタクシー来てをりぬいかちゃん

  • 山茶花の絞りに朝日透けてをり郁松松ちゃん

  • 山茶花やまな板の傷陽に光る池田悦子

  • この窓の山茶花も遂に見納めか池田華族

  • 山茶花は散り敷き土はもう見えず池田桐人

  • 山茶花や齊垣に祖父と父の名と石垣ようせい

  • 山茶花ちる死にたくないと母のいふ石垣エリザ

  • 山茶花や玄関先の忌中札石塚碧葉

  • 山茶花や星のきれいな夜の猫石塚彩楓

  • 山茶花や箱一つ遺し逝きし叔父石堂多聞

  • 路地に山茶花風睨む我と犬石の上にもケロリン

  • 豆腐売りひとひら山茶花散らし行き石本美津

  • 山茶花や淋しき人へ火を点す泉晶子

  • 山茶花の下山茶花の咲きこぼれ磯野昭仁

  • 山茶花の嵩しづもるや禁足地石上あまね

  • さざんかさざんか家系図に足す名前板柿せっか

  • 山茶花の赤読みかけの本ばかりいたまき芯

  • 山茶花や家に帰れぬ母の黙無花果邪無

  • 山茶花やオルガンの息の音多し一久恵

  • 言い返さなかった山茶花ひりひりさく一斤染乃

  • 山茶花や犬が見上ぐる立ち話一秋子

  • 山茶花やあと二時間は警備員一愼

  • 桃色の山茶花以外欲しくない伊都

  • 山茶花や袋小路に招く猫伊藤薫

  • 山茶花は詩になりかけてゐる光伊藤映雪

  • 往診の礼や山茶花分くる祖母伊藤恵美

  • 出不精は庭の山茶花だけでいい伊藤テト

  • 山茶花の家の噺家還暦に伊藤なおじい

  • 山茶花の例祭の杜通りけり伊藤正規

  • 山茶花崩れ落つ被弾やもしれぬ伊藤柚良

  • 山茶花の艶予定調書かさかさ伊藤小熊猫

  • 山茶花は月の光を零しをり糸川ラッコ

  • 山茶花や結納の日も遠からずいとへん製作所

  • 山茶花の垣を女優のやうに猫井中ひよこ号

  • 山茶花や渡り廊下に光る釘いなだはまち

  • 山茶花やみな灰色の街と言ふ稲畑とりこ

  • 山茶花や針金ハンガ海女の小屋いなほせどり

  • 山茶花の全て裏なる卒哭忌居並小

  • 山茶花に聞かせるつもりだったのに犬山裕之

  • 山茶花や借りた春樹が読みにくい井上鈴野

  • 山茶花やバッシュの響く体育館井上れんげ

  • 山茶花や書斎の祖父の丸眼鏡井納蒼求

  • 山茶花や仏蘭西人の神父様井原昇

  • 山茶花やこぼす花弁に月白し今井淑子

  • 山茶花や下校の子らの手話弾むいまいやすのり

  • 山茶花やバス運転士募集中伊予吟会宵嵐

  • 山茶花や骸に添ふる石まろし伊予素数

  • 「おしていい?」山茶花見えてバスブザー彩人色

  • 山茶花散るこの道は行き止まりです岩木順

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  • 山茶花の道哲学の古書重し神島六男

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  • 赤い塵掃けよ山茶花恋敵神谷たくみ

  • 山茶花や正客まねて飲む抹茶紙谷杳子

  • 山茶花末期アミーバへ再起動神谷米子

  • 山茶花や首無きものら陰に這ふ亀田荒太

  • 山茶花や金継茶器へ落ちる茶葉亀田かつおぶし

  • 山茶花や東京に来て歌舞伎譚亀山酔田

  • 山茶花やひいき力士の勝ち名乗り鴨の里

  • 山茶花や絵の具で塗ったような空かもめ

  • 山茶花に雨手根管症候群花紋

  • 山茶花のくしゃりと一つほころべり加裕子

  • 涙痕のほとぼり山茶花のなごり加良太知

  • 江ノ電の山茶花を過ぎトンネルへかりかり久助

  • 山茶花の窓より漏れるラジオかな刈屋まさを

  • 山茶花や唐破風の梁骨めいて狩谷わぐう

  • 泣くときは泣いて山茶花よう散つて川越羽流

  • 塵取りの山茶花匂ひたつ夜明け翡翠工房

  • 財閥の家のさざんくわ朽ちる音川端芙弥

  • 山茶花や百年前のサナトリウム川村湖雪

  • 卵巣は萎縮山茶花咲き乱れ河村静葩

  • 血抜くやうに排尿山茶花が色濃い川村ひろの

  • 空堀へ導く山茶花のひかり邯鄲

  • 山茶花や始発電車の塩むすび看板のピン

  • 山茶花や百年は使えぬ体喜祝音

  • 山茶花や仏語ささめく詩仙堂季々諧々

  • つけ爪がべりり山茶花はじつとり木佐優士

  • 山茶花や恐竜の背に五弁降り岸本元世

  • 山茶花や団地のすべり台に錆岸来夢

  • 負け競馬はらりと落ちる山茶花よ酒暮

  • 山茶花に光や突然の晴れ間北大路京介

  • 山茶花や片減りしたる竹箒喜多丘一路

  • 山茶花のちりて鳥の目あかるうす北藤詩旦

  • さざんくわの僚友ばかり逢ふ日かな北村崇雄

  • 山茶花や双子の姉と比べるな貴田雄介

  • 手切れ金ぶあつし姫椿淡し着流きるお

  • 山茶花やキリンの太き咀嚼音きなこもち

  • 山茶花や今日つく嘘の数かぞえ木下桃白

  • 山茶花や歩きつつ聴くクラシック木下美樹枝

  • 山茶花や隣家出奔とふ噂木ぼこやしき

  • 山茶花の径防人も花嫁も木村修芳

  • 議事堂の残照淡し姫椿木村隆夫

  • 大笑いして山茶花の白く散り木村弩凡

  • 山茶花や祖母の大島紬着るQ&A

  • 山茶花や使いの豆腐崩れをり久えむ茜咲

  • 山茶花やベンツすれすれ垣根かなQさん

  • 山茶花や弾道ミサイル無音の天きゆうもん@木の芽

  • 争いが山茶花の垣の先の先鳩礼

  • 山茶花や船へ岬の常夜燈杏乃みずな

  • 山茶花や城跡に立つ裁判所清瀬朱磨

  • 山茶花や廃線跡のさんぽ道清鱒

  • サドル上ぐれば山茶花の径選びけり霧賀内蔵(かりそめのビギン改め)

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  • 山茶花や火は雨を乞うかに揺らぐさくさく作物

  • ポッキーの日の山茶花憂鬱そう桜月夜

  • 山茶花の重ならぬよに咲きにけり雑魚寝

  • 山茶花の窓辺よ歌は歌うふりさざなみ葉

  • 山茶花の山道けふも妊婦下るさち今宵

  • 山茶花やほろ酔い覚ます池の亭佐藤恒治

  • 山茶花を見知らぬ人が見つめてる佐藤しのぶ

  • 山茶花や雨戸重たき祖母の部屋佐藤志祐

  • 山茶花よ表日本のまぶしさよ佐藤儒艮

  • 山茶花や古刹の茶屋の痴話喧嘩佐藤俊

  • 山茶花は活火山より整然とさとう昌石

  • 父死去の報山茶花を浴びにけり佐藤浩章

  • 寄席文字の艶めく黒やひめつばき佐藤レアレア

  • 目印の山茶花残し家は朽ち里こごみ

  • 衝突のミニカー跳んで山茶花まで里山子

  • 山茶花のあれは飛ぶはずだつた羽根錆田水遊

  • 山茶花や余命宣告疾うに過ぎ彷徨ういろは

  • 山茶花を踏みしめてゆく扉ありさむしん

  • 山茶花や女主人の花鋏紗藍愛

  • プロパンを据える山茶花散らしつつさるぼぼ@チーム天地夢遥

  • 別なる猫またとほす山茶花の垣沢井如伽

  • 山茶花や道を聞かれること三度沢胡桃

  • 山茶花やとっぴんぱらりの吾子は寝ず沢拓庵@いつき組カーリング部

  • 山茶花や博多うどんは牛蒡天澤野敏樹

  • 山茶花や刻ふえてゆく砂時計三月兎

  • 山茶花と猫と小鳥と病む一人三休

  • 山茶花や誰にも吠ゆる犬の家三休

  • 山茶花や山羊におやつをあげにゆく山月

  • 言霊やまた山茶花で逢う契り珊瑚霧

  • 山茶花の寺で通じし村の民三水低オサム

  • 山茶花や祖父が小さきくつを干す潮風の台所

  • 山茶花や鉄瓶のみぞ錆びてをり塩沢桂子

  • 山茶花や夕影まとひ白重ね塩原香子

  • 山茶花や純烈のひといま四人歯科衛生子

  • 山茶花やつい声かけてしもたんよじきばのミヨシ

  • 山茶花や白衣に硫酸銅の染み四條たんし

  • 山茶花や写真の妻は四十前信濃のあっくん

  • 吹き溜まり山茶花ひとひらの灯り篠雪

  • 突つ伏した背中さざんか散るばかり渋谷晶

  • 累々と白燦々と赤山茶花散るしぼりはf22

  • 地球にはうんざり山茶花咲いて散る島田あんず

  • 山茶花の一重うてなのそぞろかな島田ユミ子

  • 山茶花や人待つこころ昂れり清水容子

  • 山茶花をよつこらせいと牛の立つ清水縞午

  • 山茶花やジャングルジムも小さくなり清水三雲

  • 山茶花や生きて迎える誕生日志村狂愚

  • 給食の居残り窓の山茶花よ下丼月光

  • 山茶花や男爵夫人の出奔芍薬@独逸

  • 地を白き淋しさで増せ山茶花よ洒洒落落

  • 山茶花の風を数へつ磨く窓じゃすみん

  • 山茶花の垣根を壊す日の蒼穹沙那夏

  • 床の間の山茶花散らせ置く畳柊二

  • 山茶花は山洗われた心づけ種種番外

  • 山茶花に触れんと右の袂持つ寿松

  • 山茶花や心の襞の散る紅さシュリ

  • 山茶花の散るふりかへりふりかへりじゅんこ

  • 山茶花に囚はれ団地ねむるねむる常幸龍BCAD

  • 山茶花や夜行列車に滑り込む白井百合子

  • 山茶花や肩入れをして聞く話白玉みぞれ

  • 山茶花や逝く子の名と遭う外来四郎高綱

  • 山茶花やラブホの裏に墓場あり白猫のあくび

  • 山茶花の裏手に施主と落ち合うて白プロキオン

  • 山茶花の炎の弛まざる歩道かな白よだか

  • 山茶花や畳表を干す門徒ジン・ケンジ

  • 門限は十時結界は山茶花新城典午

  • 山茶花や隣名うての接骨医新濃健

  • 山茶花や紙せつけんはたからもの水きんくⅡ

  • 曇天写真ハイライトは山茶花瑞々

  • ひめつばき灯ともし頃は神隠しすがりとおる

  • 山茶花美し百ニ歳なる画家の家杉本果ら

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  • 山茶花の盛りを言ひて友誘ふ望月ゆう

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  • 背伸びして椿を越える山茶花よ元村幸月

  • 髪飾る山茶花嬉し散歩道樅山楓

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  • なにかを覆うかに山茶花の花散る森日美香

  • 白無垢のごとき山茶花灯りけり森佳三

  • 山茶花や露地門脇で客を待ち森茂子

  • 山茶花や見守り宅の宅図は白森田祥子

  • 山茶花に握って歩くは母の裾森茉那

  • 山茶花を散らさぬように老猫はもりやま博士

  • 山茶花や白い花弁が道標諸岡萌黄

  • 山茶花や白砂の庭に花一輪焼津昌彦庵

  • はらはらと散る山茶花に母想う矢車草

  • 山茶花や主婦のおしゃべり傍聞き矢澤瞳杏

  • 山茶花や人気ロケ地の廃校舎野州てんまり

  • 山茶花や師の家まではあと半里痩女

  • 日暮れ路に探す山茶花はなたれし八手薫

  • 両手上げ反らした先に山茶花よ柳井るい

  • 山茶花を斬りて深紅の海に死す簗瀬玲子

  • 山茶花の葉に紅一点手に触るやのかよこ

  • 山茶花の影黒黒と久女の碑八幡風花

  • 山茶花の歌口ずさむ散歩道山内泉

  • 歯磨きの窓の外に山茶花山内文野

  • 便箋の拝啓と書く山茶花よ山尾政弘

  • 山茶花や鬱蒼として迷ひ猫山河穂香

  • 山茶花のこぼるる小径むら雀山川腎茶

  • 山茶花を満開にして母逝きぬ山川たゆ

  • ランドセル山茶花のせて教室へ山口笑骨

  • 風下に口堅きかなひめつばき山口絢子

  • 山茶花を染める絵筆が震えおり山口雀昭

  • たくましう山茶花野辺にやぶれ咲く山口愛

  • 山茶花はまだ蕾なりさざ鳴くや山崎鈴子

  • 山茶花と目の合いて足止まりけり山崎力

  • 山茶花の道大声で歌った道山育ち

  • 山茶花や嬉し寂しき新天地山田翔子

  • 山茶花や下校歩きの黄色帽やまだ童子

  • 山茶花や曲がり角にて口ずさむ山田はつみ

  • 山茶花のふところ小動物の墓所山田蚯蚓

  • 山茶花の七福神によろしくと山田文妙

  • 白い手が山茶花手折る垣根路大和杜

  • 仏前に枝の山茶花活けてあり山野花子

  • 山茶花よ今リンクのスタートライン山村楓

  • 山茶花や背むきたくなる曲がり角山本康

  • 花散りて椿やのうて山茶花か山本たか祥

  • 街道の山茶花散りて魚の塩山本八

  • 山茶花は咲くも良し散るもなほ良し山本蓮子

  • 山茶花や亭主設ふ路地垣根宥光

  • 山茶花や子に伝わらぬもどかしさ雪子

  • ケセラセラ山茶花やためらはず散る柚子こしょう

  • ふつふつと赤の湧く道山茶花やユリノイロ

  • 道ならぬ恋の泥濘ひめつばき陽介山

  • 山茶花や歌の焚火はいつの事夜香

  • 山門に散った山茶花避ける僧吉岡幸一

  • 山茶花の赤を頼りに訪ねをり吉田蝸牛

  • 山茶花に似せて「心」を書きなおすよしぴこ

  • 山茶花や街の開発生き残る吉藤愛里子

  • 山茶花のはらはら散りて尚美しYoshimin空

  • 機関銃のごとひめつばき咲きつぐ余田酒梨

  • ただいまと言ふひともなし姫椿よみ、ちとせ

  • 詫ぶことば探しつつ山茶花の道ららら句らら

  • 山茶花や今日有給の布団干し六星菴

  • 山茶花の垣根犬のワルツ聞こゆルージュ

  • 山茶花に柔らかなひかり将棋さす瑠璃あさがおT

  • 山茶花をあの日の影の駆け抜ける蓮花麻耶

  • 山茶花や砂かけふんの在りどころ煉獄佐保子

  • 山茶花の一輪零れ花手水連雀

  • 山茶花の路地に惑ひつ神楽坂わかなけん

  • 山茶花の初孫産まれ心和むわきのっぽ

  • 山茶花へ目もくれぬのか若人は海神瑠珂

  • 山茶花や散歩の子等の手を振りてわたなべすずしろ

  • 山茶花の零るる庭や鳥の声渡邉花

  • 代替わり古屋と果つる山茶花やわたなべいびぃ

  • 山茶花のこぼるる道の立ち話渡辺陽子

  • 山茶花や庭にシーツの小宇宙渡邉わかな

  • 山茶花の落つる一片友の訃報水越千里

  • 山茶花や姉の遺しピクルス漬紅さやか

今月のアドバイス
夏井いつき先生からの一言アドバイス

●俳号のお願い二つ

①似たような俳号を使う人が増えています。
 俳号は、自分の作品をマーキングするための印でもあります。せめて、俳号に名字をつけていただけると有り難く。共に気持ちよく学ぶための小さな心遣いです。

②同一人物が複数の俳号を使って投句するのは、堅くご遠慮下さい。
「いろんな俳号でいっぱい出せば、どれか紹介されるだろう」という考え方は、俳句には馴染みません。丁寧にコツコツと学んでまいりましょう。

※同一アドレスからの投句は、同一人物と見なしております。


●俳句の正しい表記とは?

  • 山茶花の 零れる雫 涙みたいギザギザ仮面
  • 山茶花の 宿を尋ねりゃ チーパッパ内藤雲國斎

「五七五の間を空けないで、一行に書く」のが、俳句の正しい表記です。まずは、ここから学んでいきましょう♪


●季重なり

  • 初冬にて山茶花咲きし雪被り野崎文明
  • 枯葉散り山茶花だけ温もりを冬温花
  • 山茶花が咲いて知らせた冬便り大村明
  • 家を出て山茶花を見て寒さ知る風鈴
  • 山茶花の紅鮮やかに寒ゆるむ皆川徳翁
  • 山茶花や上京の朝息白し秋月あさひ
  • 山茶花の垣根越しには焼き芋屋しんなが新月
  • 山茶花や庭の飛び石しぐれけりみちむらまりな
  • 我が家庭山茶花が咲き蜂が来る奥原邦敏
  • 重ね着し外出楽し山茶花よ昭和かぐや
  • 山茶花の散りぬる庭で布団干し田中美蟲角

 一句に複数の季語が入ることを「季重なり」といいます。季重なりはタブーではなく、高度なテクニック。季重なりの秀句名句も存在しますが、手練れのウルトラ技だと思って下さい。まずは「一句一季語」からコツコツ練習していきましょう。「山茶花」以外のどれが季語なのか、歳時記を開いて調べてみるのも勉強です。


●兼題とは

  • 関門橋和む会話に冬の虹いとがのまご
  • 菊供え底抜け愛の母偲ぶ
  • 花落ちてその色の意味野辺の径窪田睡鯨
  • 茶の花や子供遊びの見えかくれ 若林鄙げし

 本俳句サイトでは兼題が出題されています。今回は、季語「山茶花」での募集でした。次回の兼題を確認して、再度挑戦して下さい。


●「山茶花」ではあるけど……

  • 山茶花の歌を歌いぬ幼少期石川明世

「山茶花」という言葉は入っていますが、これは「歌」の題名ですね。歌となれば、季語としての鮮度は落ちます。

  • 山茶花を茶に浮かべしや凍る風あいあい亭みけ子

乾燥した花弁は茶葉として使えるようですが……、これが季語として機能するのか。花をそのままお茶にしているとしても、季重なりではあります。

  • 正平の脇飛び行くはサザンカかあややDC
  • 窓越しの白いサザンカ一人宿松永佳子

 一句目の「正平」とは、火野正平さんのこと? 誰だろう。
 それはさておき、二句ともに「山茶花」が片仮名書きになっています。植物や動物の季語は特別な意図がない限り、片仮名にしないのが定石。
 勿論「カサブランカ」「チューリップ」など、基本的に片仮名書きする季語もありますので、不安な時は歳時記を調べましょう。

  • 山茶花の艶めく色葉オモテウラ樺山鴻春
  • 山茶花の葉の艶犬の鼻の照り綿鍋雪
  • 嫁入りや持参品の山茶花の木椿律
  • 山茶花の一樹ありきの我家かな鶴富士

「山茶花」の「葉」や「樹」を、季語として扱うのは微妙です。基本的には、「山茶花」とあれば「花」を意味します。だから、季語として機能するわけです。


●復習のススメ

①自句が掲載されてないことに落胆するのではなく、なぜ、どこに問題があったのだろう? と自問自答することが、次への力となります。

②自句が「佳作」に入った! と喜ぶのではなく、他の人の作品を一句一句読んでみましょう。自分の句と似ている句、似た発想の句(類想類句)が沢山あることに気付くはずです。それこそが、ステップアップのための大切な復習です。

入選している、していないに一喜一憂するのではなく、そこから何を学ぶか。丁寧な復習をオススメします。

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6月の兼題

「短夜」

過去の審査結果

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