夏井先生のプロフィール
夏井いつき◎1957年(昭和32年)生まれ。
中学校国語教諭を経て、俳人へ転身。俳句集団「いつき組」組長。
2015年初代「俳都松山大使」に就任。『夏井いつきの超カンタン!俳句塾』(世界文化社)等著書多数。
3月の審査結果発表
兼題「花見」
「天」「地」「人」「佳作」それぞれの入選作品を発表します。
大和しうるはし花見の酒のよき火照り
RUSTY=HISOKA
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夏井いつき先生より
「大和しうるはし」とは、大和の地は国中で最も素晴らしい地であるよ、という歌の最後の一節。倭建命(やまとたけるのみこと) の歌です。青い垣根のような山々に囲まれた大和は実に麗しい地であるよ。その地の花見で頂く酒のなんと美味いことか。心地よい体の火照りであるか。古事記の時代と今を一瞬にして繋ぐ、なんと悠々たる一句でありましょうか。
故郷の山は小さし夜の花見
赤尾てるぐ
久しぶりの故郷。実家から見える「故郷の山」は、こんなに小さかったのだと感慨に耽っているのかもしれません。折しも桜の頃。「夜の花見」を共に楽しんでいるのは旧友か家族か、はたまた一人の贅沢な時間でしょうか。
山伏の貝も浮かるる花見舟
猪狩鳳保
花見舟には、山伏も乗っているのでしょうか。遠くから届く法螺貝の音かもしれません。その音もどことなく浮かれているかのように聞こえる。そんな麗かな「花見舟」は、川岸の桜を楽しみつつゆっくりと進んでいきます。
退官の帰途を花人たらむとす
イサク
「退官」とありますから、官職を数十年勤め上げたのでしょう。退官の満足もあり淋しさもあり。いつもの帰途を辿れば、まさに桜の盛り。桜をゆつくりと愛で、しばし「花人」となってみようではないかと歩き出すのです。
つるかめつるかめ花見に父がゐる
伊予吟会 宵嵐
「つるかめつるかめ」とは、不吉を払う縁起直しの言葉。花見に来てみるとすでに「父」が……。酒癖が悪いのか、一人憂鬱そうに座っているか。父の表情をあれこれ想像すると、そこから起こるドラマも変わっていきます。
お釈迦さまぽい事言って花見酒
シュリ
「お釈迦さまぽい事言って」とは、どんなことでしょう。産まれてきた時の「天上天下唯我独尊」なのか、急に説教っぽいことを言い出したのかもしれません。花祭りも近い頃の「花見酒」の一場面を愉快に切り取りました。
お隣は同業らしき花見かなあみま
医学部を花見のままに通り抜く飯村祐知子
それぞれに楽器を背負ふ花見かな磐田小
横山が行くなら花見行こっかな朝霧さら
あの甲斐くんが課長にくだを巻く花見白猫のあくび
空缶は雲のつめたさ花戻眩む凡
衣擦れや花見戻の橋のうへ主藤充子
向き合うて花見戻の海苔茶漬足立智美
彫跡の粗き仏と花見かなEarlyBird
影をもつことば華やぐ花の宴愛燦燦
提灯を数えて吾子の花見かな青井晴空
一括で学費納入して花見青居舞
生前葬いつか花見の宴となる蒼空蒼子
調律のしてない声のする花見青空まる
花の酔佳人は歌をさびしめる青田奈央
空仰ぐ白き杖持つ花見客青砥転典
死者生者ともに花見の宵の頃あおのめ
妻は吾を忘れ行きける花見かな蒼鳩薫
たたら踏むホームの段差花見の日青水桃々@いつき組俳句迷子の会
屋号入りポルシェで君と花見せり赤馬福助
あえかなる祖堂に介す花見かな赤目作
墓参り兼ぬる花見となりしかな明惟久里
お花見や紙コップ黄の鏡文字空地ヶ有
花見列車や津軽訛りのアナウンス秋月あさひ
母に花見せるついでの花見かな秋野しら露
重箱の蓋の閉まらぬ花見かな秋星子
菜箸の手がおぼつかぬ花見かな秋山らいさく
お互いを呼ぶ声消える花見かな芥茶古美
遺影抱きべろんべろんの花見かな淺井翠
はじめてのSuicaはじめての花見朝雲列
術創を庇ひ花見の波を縫ふ朝月沙都子
誰にも知られない花見屋上へ明後日めぐみ
ゆるキャラの馘と花見の仕舞ひ酒あさのとびら
秀吉の花見の跡を辿りけり麻場育子
助六をひとつ分け合ふ花見かな芦幸
お花見だ巻き簾だ海苔だ干瓢だ飛鳥井薫
花の宴君の奏でるアパッシオナートあすなろの邦
語尾はみな風にさらわれ花の酔藍創千悠子
苔深き胴吹きめでる花見酒あたしは斜楽
伐採告知か此処も最後の花見ならむあなうさぎ
道場の解錠を待つ花見かな阿部八富利
花見客連れて花嫁三組目あまぐり
手振る尻尾振る花見船通るよ雨戸ゆらら
愛犬とあんぱん分けて花見かな天鳥そら
昼は昼夜は夜の貌の花見かなあまぶー
お花見の弁当はこぶベビーカー雨乙女
成田着時差調整の花見かな雨霧彦(木ノ芽)
口紅をなほす手鏡花の茶屋彩香
手鏡に花見の顔を覗きたる綾竹あんどれ
全身の緩む音して花見酒綾竹ろびん
遠く近くそして遠くより花見あらかわすすむ
靖国の標本木の花見かな有本としを
風を見にあの日に会いにゆく花見在在空空
セロ弾きの小指伸び切る花見かなアロイジオ
雨音と人の嘆きを聞く花見アンサトウ
やはらかに水脈重なるや花見船安春
いま空けし瓶を楽器に花の宴いかちゃん
人来ればまた乾杯となる花見生野薫
砂山を積んで崩して花見の子池田悦子
帰らない。花見の横で踏んばる犬池田華族
花見まづ長き黙祷より始む池之端モルト
幾度書き損じ花見のお誘いを池ノ村路
廃城を独り逍遥する花見伊沢華純
自治会の花見議員が握手する石井久次
野球帽花見の帰りに買ってみる石井秀一
スタバのコーヒー夜勤明けの花見いしいるぴなす
飛鳥山の花見の喧噪が窓から石垣エリザ
花見客みな御仏の顔に見ゆ石垣ようせい
花見酒あの木はついに切り株に石川巴里
出羽富士やゆるりゆるりと花見舟石塚碧葉
機嫌よく生きると決めて花見酒石堂多聞
新任地新幹線の花見酒石の上にもケロリン
主婦の枷ほぐし華やぐ花見月石原花野
抱けば子の乳の匂ひや花見船石原由女
仁王にもまずは一献花見かな石本美津
始末書や夜の花見こそおもしろき泉晶子
ポケツトの百円玉と行く花見磯野昭仁
磐座に坐して百年めく花見石上あまね
どこまでも十勝晴れなる花見かな板柿せっか
水筒のコーヒーの濃き花見かないたまき芯
吹上げし風追う顔や花の宴市川りす
窓越しの手鏡越しの花見かないちご一会
影に香に声に濃淡ある花見一斤染乃
不採用なりし企業の花見の輪一秋子
下顎を力ませ花見やり過ごす一愼
迷ひ猫拾ふ花見の帰りかな伊都
花人に逆らいて行く道のあり伊藤亜美子
花の句を誰も詠まざる花見かな伊藤映雪
猿回しを横目に花見の場所取り伊藤恵美
感染を話の種に花見会伊藤なおじい
デッサンはさておき花見の刻とする伊藤柚良
居酒屋の二次会長き花見かな井中ひよこ号
牛すじをお裾分けされ花見酒稲所恵
花の客ひと山ひとり失せにけり犬山裕之
戦争は終わらず盆栽の花見井上鈴野
古都埋む花の数ほど花の客井納蒼求
人波は大手門へと花見へと井原昇
うかうかと花見の枝に頬を打ちぬ妹のりこ
戦後長くながくながくながく花見いりこのにゃらつめ
花見へと誘う風のほの白し岩木順
君の背に頬冷ましたる花見かな岩清水彩香
酔いもせず君ばかり見る花見かなういろ丑
花見せむさながら君のあるごとく植木彩由
満員の電車花見の駅は次植田かず子
背に枕重ねて病窓の花見うえともこ
来ないかもしれぬ人待つ夜花見上野眞理
デイルームより無言なる花見かなうからうから
うそついて花見や夜の通り抜けうた歌妙
花見茶屋手作りらしき小座布団空木眠兎
花見して我が街となる転居かなうつぎゆこ
七日後はこの輪の外にゐる花見靫草子
猫缶もレジへ今宵の吾の花見宇野翔月
吾の写生花見の人は覗きけり海口竿富
花見酒ガードレールに腰掛けて海月のあさ
仄しろき花見の孤独もて余す海野青
ゲーテなど携え独り花の茶屋うみのすな
尋ね人放送さるる花見かな梅里和代
お花見や銀鼠の空抱くごと梅朶こいぬ
昇給を社長にねだる花見酒梅田三五
思春期の子に声かけずゆく花見梅野めい
五台目の選挙カー来る花の宴うめやえのきだけ
根拠なきこといふ母と花見かな浦野紗知
掃き出しの硝子を磨く花見かな粳としこ
再発を告げられ夫と花見かな麗し
豊饒の孤独を泳ぐ花見かな蝦夷野ごうがしゃ
洋楽の出どころはあの花見茶屋蝦夷やなぎ
死に様は三者三様花見酒越冬こあら@QLD句会
好きなもの全員違ふ花見かな絵十
錆びる郷鉄紺の宵のお花見榎美紗
「参加」にマル「日本人会花見の日」笑姫天臼
旧友と安否確認てふ花見えりいも
お花見は仕立ておろしの黄八丈えりべり
五丁目のひと巡りにて足る花見遠藤千草
降り止まぬ一樹見上ぐる花見かな円美々
お花見や四光七短猪鹿蝶旺上林加
花見酒輪島の市の一夜干近江菫花
赴任地の遅き花見の中をゆくおおい芙南
爛漫といふ退屈にゐる花見大岩摩利
もう疎遠の友を見かける花見かな大澤眞
窓灯り消して二人の花見かな大嶋宏治
歩く歩く土手の上これが花見ぞ大竹八重子
ボブとサムおにぎり買い占めて花見大槻税悦
花見してゴジラフィギュアの目が赤い大友さち
渡り来よ此岸で我と花見せむ大矢香津
真つ白な余生に一歩づつ花見大和田美信
夫の法螺笑ひて許す花見酒岡井稀音
輪の中の遺影ほほえむ花見かなおかえさき
川面へ鳥一直線や花の宴おかげでさんぽ
ふるさとの校歌ひと節花見酒可笑式
一本でも千本でも花見岡田ひろ子
潮の香の城址にのぼる花見かなオカメインコ
後輩引連れ花見の買出しへ小川さゆみ
仰ぎ見る顔やはらかし花見人小川しめじ
外つ国へ出立前の花見酒小川都
青江なる太刀見て城の花見かなおきいふ
投薬を待つ間の公園へ花見オキザリス
ラヂオ止めしばし静謐のまま花見沖庭乃剛也
思うさま現を抜かす花見かな沖らくだ@QLD句会
上機嫌の花見の杖を拭く私荻原湧
人づてに友の訃を聞く花見の夜奥寺窈子
花見客の野次やゴールへあと二周小倉あんこ
何となく楕円に座る花見かな小島やよひ
花見する老の身体は揺れ易くおだむべ
薄青の空へ黙祷して花見越智空子
ほぼ散れる頃合と喪の花見かな落句言
人の踏むあとを踏みゆく花見かな音羽凜
鵯と異国語が飛ぶ花見酒鬼弦千枝子
月一人花見の後の公園に小野ぼけろうじん
秘密一つ灰となるまで又花見おぼろ月
鐘の音や花見の宴を通りぬけ沢瀉
けばの立つ安全靴の花見かな海音寺ジョー
花見客引いてズックの跡の原海瀬安紀子
円安の見出しに坐る花見かな海峯企鵝
手作りのおにぎり減らぬ花見かなかえるゑる
約束の花見へ屋根のない車火炎幸彦
能登さくら駅の花見を病み上がり加賀くちこ
花見で乾杯友は青空から柿野宮
知り合いと知らない人と花見酒風花美絵
牛飼いに焼きまで任せ花見酒風早杏
花見する嬰の白目の深さかな加座みつほ
乾杯を抜けて古木と花見酒かしくらゆう
他人の靴履いて帰りし花見かな樫の木
山漢引きづる脚の花見かな梶原菫
唐揚げは上出来二分咲きの花見風薫子
恋が今始まるやも知れぬ花見帷子砂舟
しわくちゃと小さき手と手の花の友花鳥風猫
淋しいは言えぬ花見の父の背はひだまりえりか
職業欄空白のまま花見かな桂子涼子
あれほどの酒が呑めるか花見なら加藤水玉
配分の雑な水割り花見唄仮名鶫
孫に手を引かれ花見の五稜郭金子あや女
再就職できて花見もできて酒かねつき走流
目の見えぬ母と叔母との花見かな加納ざくろ
校庭の花見や焼きおにぎりの香花星壱和
佳き知らせ届きし今宵花の酔釜眞手打ち蕎麦
冷めたピザ届く許容値花見なら花蜜伊ゆ
酔ひ会ひて花見の客の客の客神谷たくみ
少年の手を振る丘の花見かな亀田かつおぶし
花の宴持参の薬飲める老い亀山酔田
死生学最終講義として花見加良太知
立ち漕ぎの太腿笑ふ花見かな刈屋まさを
ロープウェイ越しにはじまる花見かな河上摩子
車椅子の母に花見の靴を選る川越羽流
花見船流れに逆らうビルの影川崎ルル
花見客ぎうぎう詰めるメトロかな翡翠工房
監督のひとこゑ部活は花見らし川端芙弥
徒歩十分花見できます月五万河村静葩
新入りのあだ名大喜利する花見川村ひろの
ロケバスの二社いや三社ゐる花見干天の慈雨
指先より甘酢の匂いして花見神無月みと
リコーダー吹く子歌う子花見の子菅野まこ
米も水も杜氏も地のもの花見酒閑酉
歌声の輪郭濃かりけり花見喜祝音
一人来て一人酔いたる花見かな岸野孝彦
川沿ひの優しき浮力花見船岸来夢
炒飯を持ち寄っている花見かな北大路京介
甘やかに沈黙囲みたる花見北野きのこ
開園日の花見や檻の猿せはし北藤詩旦
左手のギプスにこぼす花見酒ギックリ輪投げ
お花見や昭和の話長い長いきつネつき
栄転も左遷も花見酒美味しきなこもち
立てば触れ座れば遠き花見かな城内幸江
花見の子リボンのやうに飛び跳ねりきのえのき
ハンドルにヘルメット掛け花見かなきべし
花の酔もう現には返れない木ぼこやしき
手話の子の顔がほころぶ花見船木村隆夫
花見酒甘し恩師に告ぐる婚Q&A
お堀端ガイドが歌う花見かな久えむ茜咲
選挙カー花見の土手におらびたるQさん
弘前を語り尽くしたあとの花見きゅうもん@木の芽
絶景の席取りに沸く花見かな鳩礼
昇段を祝ふ花見の剣と酒京秋水
お花見の花入れて撮る遺影かな杏乃みずな
畳屋の二階に挙る花見かな清瀬朱磨
朗らかな相席得たり花見バス霧賀内蔵
花人をどつと吐き出す臨時便菫久
明日からはがんの治療や花見酒くぅ
真夜中の花見や千鳥ヶ淵しずかくつのした子
シート手にさまよつてゐる花見かな久保田凡
夫の名をつけし古木と花見酒熊谷温古
三つ編みの泣く子のひとりいて花見九萬太郎
お花見やけふはゆつくり上る坂熊の谷のまさる@いつき組俳句迷子の会
素数なり花見のベビーカステラは蜘蛛野澄香
お花見の間の全身の軽さったら倉岡富士子
花見客花の形のハムをはむ栗田すずさん
挨拶をかねて実家へゆく花見空流峰山
花見舟動物園の柵まわる久留里61
借景の花見の記憶砂時計黒田良@しろい
千の尻預け花見の民である恵勇
花見客 吾 花見客花見客けーい〇
宿下駄の音のまあるき花見かなげばげば
反戦のデモの流れでお花見へケンG
財布忘れたり花見を二往復剣橋こじ
さて花見けふはどこまで歩こうか小池令香
名刹の花見賽銭箱は空恋瀬川三緒
お花見やサヨナラヒットの子に集ふ剛海
陰謀論朗らかにぶつ花見かな公木正
三度目はわざと遅れてゆく花見幸田梓弓
異形なる風吹き抜けて花の幕ごーくん
ほろほろとシネマを出でて花見かな郡山の白圭
とく起きて花見遊山のいなりずし古烏さや
前線を追って車中の花見かな小笹いのり
夫に靴履かせてもらふ花見かなコスモス
一片は花見に来れぬ友の為小薗紀彦
花の茶屋見知らぬ人と椅子を分く木染湧水
七曜の余白ようやく花見の夜後藤周平
退院の友と花見の六千歩後藤三梅
登校のついでに花見できる道古都鈴
救急隊員の一瞥の花見粉山
放水へ傘ひらきゆく花見舟このみ杏仁
身の丈の花見の呉座を担ぎたり駒形さかつ
神と居て白めく木々の花見かな駒川義輝
カーテンのまだない部屋の花見かな駒野繭
お花見や笑ふ人生一年目駒村タクト
戦争を起こさぬ国の花見かなGONZA
チマチョゴリの一人加はる花見かな彩汀
この無駄は必要な無駄花見酒齋藤鍵子
発電機先輩照らす花見かな齋藤鉄模写
いち推しの木に逢いに行く花見かな宰夏海
亡き友と二人きりの花見酒さおきち
お花見や首から下げるピルケースさ乙女龍チヨ
復縁の家族一同花見せり酒井春棋
お花見やミサイル通過した日こそさかえ八八六
お花見の堀に見つけし屍かな坂口いちお
元の名は知らぬ犬らし花の友坂島魁文
目の奥に風吹き抜ける花見かな坂野ひでこ
荷ほどきはまあ置いといてまず花見坂まきか
花見行くぶつからぬよう人を見る相良まさと
トランプで払う枝切れ花見酒さくさく作物
とき色の風に吹かれてはなみへと桜姫5
走り根を辿り花見の空近し雑魚寝
厠への道もあかるき花見かなさざなみ葉
護送車と救急車来し花見かな佐藤茂之
永遠はなんとみじかし花見終へ佐藤綉綉
下総の花見は魚籠を提げて行くさとうナッツ
花見まづ四隅に重し選つてよりさとうゆうき
外海を花見の贄とする真昼佐藤レアレア
畦道のおにぎりだけの花見かな里こごみ
花見花見都営地下鉄浅草線里山子
寛解の父よ花見を撮す手よ錆田水遊
花の酔酌む度歪む紙コツプさぶり
虚なり体は花見の中にゐる彷徨ういろは
新駅を容れて花見客写すさむしん
どの顔も少し熱帯ぶ花見客紗羅ささら
ふがふがと風に花見のアコーディオンさるぼぼ17
花見客かき分け救急救命士沢唯果
頭振り頭痛確かめてる花見澤田紫
踊り場の階を上げたる花見かな沢拓庵◎いつき組カーリング部
傘傾げ花見の橋にすれ違ふ三月兎
片恋の本命だけを見る花見三休
お花見のピエロ猫背で去りし後珊瑚霧
再婚す花見は市立図書館で三尺玉子
お花見の粉々になるうまい棒三水低オサム
駅弁の包で巡る花見かな四王司
薄紅の波が寄せ来る花見かなしかの光爺
注文書後回しやで花見行こじきばのミヨシ
新品の靴は黒ずむ花見かなしげとし
宿直のだぁれも居ない花見かなじじょう庵一口
講釈は聴き飽きやっと今花見四條たんし
花見せん母の歩行器新たなる四條たんしの母
基次郎安吾を読まで花の宴じつみのかた
面接のメール見ている花見かな実本礼
恋がたき同士てくてく花見かな渋谷晶
ボートみな男漕がされ花見かなしぼりはf22
花の幕静もる大使館の密縞子勾苑
だるいけど行くよ青空だし、花見島田あんず
花見てふ時間の軸に埋もれ腐す清水縞午
恩師住む修道院に花見かな霜月ふう
中継の端に不倫の花見かな芍薬
佐渡おけさの手拍子の波花見酒じゃすみん
あなたより水面の近き花見船沙那夏
花見客かきわけてピザ配達来十月小萩
削がれをるケバブ眩しき花見かな樹海ソース
花見映ゆ能登の沈金黒漆器種種番外
橋五六越えつ戻りつ花見客じょいふるとしちゃん
新しき友と花見を抜けて墓地常幸龍BCAD
軽トラの荷台に座る花見かな白井百合子
診察をずる休みして花見かな白玉みぞれ
総代継承父子は花見の芯を征く白プロキオン
お花見の特等席に座す遺影白よだか
帰去来の辞や高楼の花見酒杉岡ライカ
げんえきをすらりと終へて花見かな杉尾芭蕉
お花見のブルーシートはよく捲れ杉柳才
屋上の花見病衣を合はす間の鈴木由紀子
もののけも花見か箸の数合はず鈴白菜実
ダム湖の形なぞり花見や小型バス清白真冬
お花見の歩幅違いし四姉妹鈴野蒼爽
本殿の裏の木神様が花見鈴野冬遊
住職のたつた一人の花見かな砂山恵子
花見なら明るき雨と受け給へすりいぴい
面接の合間合間の花見かな瀬央ありさ
花見船皆いつせいに松江城千広ブロ俳句部
枝の間に東寺聳ゆる花見かな草夕感じ
お花見の孫やコチュジャン足している想レベル7
豪勢な営業二課や花見舟ソフィ
割り箸の一膳たりぬ花見舟そぼろ
先生と神を語らふ花見かなぞんぬ
花見酒モツ煮のカップへにょへにょんたーとるQ
退院の祖父と夜風の花見酒太閤検地郎
酔うてきたような花見の紙コップ平良嘉列乙
花見する山門仁王光り満つたか&ひろ
蕾固し花見の屋台立ってをりたかはし千百
花見客どもの旋毛を見放題高橋寅次
花見するひとを肴の花見かなたかみたかみ・いつき組広ブロ俳句部
みづの色消して過ぎゆく花見舟高山佳風
二階から花見一限目の古文滝川橋
朝揚げたドーナツ下げてお花見へたきるか
不採用通知見せびらかす花見多喰身・デラックス
介護者となりて花見の空深し竹田むべ
花見してチャンネル登録者一人たけろー
境内のそこのあそこは花見客たすく
明日から扶養外れる子と花見多数野麻仁男
靴下に穴や花見の音頭取る多々良海月
花見酒会話なくてもいい友と立川茜
円山のライトの下の花見酒立花かおる
びょうびょうたる身過ぎを思ふ花見かなだっく
花の宴寂しき人の交じりをり立田鯊夢@いつき組広ブロ俳句部
花見する枝の間に間に竹生島たていし隆松
花見酒独りになっただけのこと田中恭司
唐揚を山とこさえる花見の日田中紺青
山の神宿る一樹の花見かな玉家屋
この店の穴場は便所花の宴玉木たまね
声掛ける理由なだけの花見かなたまのねこ
晩酌の半量に酔う花見かな玉響雷子
東京の森の百年花見せり田村ヒロミ
太棹やよされを紡ぐ花の宴竹庵
花の幕箸と正座の留学生千鳥城@いつき組広ブロ俳句部カナダ支部
お花見やベンチに残るワンカップ千葉睦女
曳き波の広がり静か花見船千代之人
迷い子に飴ちゃん二つ花の宴ちょうさん
花見して社殿も幹も古き玄月岡方円
劇団の稽古終わりに花見の輪ツキミサキ
花見客どこかに歌のうまい人月夜田しー太
母といふ覚悟無き間の花見かなつくも果音
神おわす国に生まれて花見かな辻野花
酔漢をいなしてひとり花見かな津島野イリス
お花見やこの村唯一なる赤子つちや郷里
花見かな月の香零す大きな木津々うらら
花の幕メロディペットに二百円綱川羽音
花見とは空の青さを知る手段翼つばさ
八本の空瓶暮れなずむ花見坪田恭壱
浪人が一人花見のようなこと坪山紘士
龍臥せし山に花見のラグビー部丁鼻トゥエルブ
佳き顔のあまた行き交う花見かな徹光よし季
五年目の花見手術は武勇伝てつねこ
花見客邪魔さうな皇居ランナー天雅
てんでんの水脈光らせて花見舟天陽ゆう
子の町を知ったつもりの花見かな苳
ヨガマットかかふ今年の花見なり時まる
お花見や技能実習生五人Dr.でぶ
花の宴いまだ開かぬビンゴ手に戸口のふつこ
お花見のシートをずらす木の根っ子どこにでもいる田中
風の淀みたる花見の舟二葉としなり
病室のベッドを起こす花見かな十津川ポロ
薄闇をナウマン象の来る花見富野香衣
藍色の空へ呑まれる花の酔登盛満
花見船漕ぐ後継者居らぬのか鳥田政宗
生酒とウクレレ提げて行く花見豚々舎休庵
微熱ある妻を連れ出す花見かな内藤羊皐
花見する気分ではないはずなのになかかよ
蕎麦処花見の後の暗さかな中十七波
お花見ややがてさみしき紙コップ中岡秀次
母の写真特等席の花見かな中島走吟
役員の任期も切れて花見かな中嶋緑庵
東京に空はあつたよ花戻中原柊二
肺の水抜いて暫しの花見かな仲間英与
呼ばれてもいない花見の中にいる中村すじこ
ローカル線左肘越し花見客那須のお漬物
お花見や記憶は砂塵まで美味い夏風かをる
地震知らぬ子もみちのくの花見かな夏草はむ
仮面ライダーの剥げた水筒花見酒夏雲ブン太
つと仰ぐ盲目の犬も花の客夏雨ちや
肩書きの取れしふたりの花見かなななかまど
先生の花見巣箱を訪ふやうに七瀬ゆきこ
盃に星一人キャンプの花見かな七森わらび
春慶を拭きあげ明日は花見かなにえ茉莉花
あひびきをあつけらかんと花見かな西尾至雲
失注や花人となる缶コーヒー西川由野
天守閣に三味の音とどく花見かな西郡うり
痩せ池をごしごし櫂の花見かな西田月旦
ラ・カンパネラの高音を見ている花見二重格子
お花見の買い出しレジ横の募金二城ひかる
ふたなぬか過ぎてひとりの花見かなにゃん
花見酒茣蓙を溢れし者同士仁和田永
腎臓に手をあてて今花見かな庭野環石
石垣の残る城址の花見かな布村柚子
鉄門扉開き花見や駐屯地沼沢さとみ
根は千年花見の足を崩したり沼野大統領
桜鼠画板はみ出し花見かなねがみともみ
精霊の泳ぐ右眼の花見かな猫またぎ早弓
堀の橋抜けて花見の舟に声野地垂木
終電の窓うたかたの花の幕ノセミコ
花見あと花の小路を帰りませう野点さわ
欄干に鷺の立ちたる花見かな野々かおり
胎の子に話しかけつつ花見かな野ばら
登りきるや竹田城址は花見時則本久江
チェルシーを噛んで花見の佳境かな白庵
青空も画角に入れて花見かなはごろも856
踏むまじと歩く花見のござの数橋本有太津
四肢の水蒸留されて花の酔蓮井理久
缶チューハイ座礁のやうな花見かな長谷川水素
昨春と連れは別人花巡り葉月けゐ
左遷とか退職だとか花見とか葉月庵郁斗
お花見の日取りは明日の会議にてはっしー
飛び入りのやつが花見の真ん中に八田昌代
花見酒山神様もほがらほがら花岡淑子
家出とは言へず花見と言つておく花咲めだ香
救命具重しお堀の花見舟花南天あん
奉納の舞は花見の濃きところ英凡水
花人となりて一日乗車券花見鳥
神樹より被く花人てふからだ葉村直
花見団子死ぬる話をゆるやかに林省造
バスガイド右手左手繰る花見林田リコ
社長からシャンパン届く花見かな原島ちび助
パソコンを膝に青山墓地花見巴里乃嬬
軽トラに家族と座る花見かな春あおい
花見舟漕ぐはつ恋の河川敷晴田そわか
さくら色のビー玉窓辺の花見パンドラみかん
お花見や提灯にみる母校の名万里の森
耳底で鈴鳴り続くやに花見ピアニシモ
水門をゆつたりと閉づ花見の夕東田一鮎
今日見頃村の薬師の花見会東山たかこ
葡萄酒を伊太利亜人と酌む花見樋口滑瓢
やはらかにつめたき色の花見かなひすい風香
ポリープの喉や花見の黙もまた日向こるり
市民課は二時間待ちぞ花見せむひなた和佳
鶏モモを揉んで始める花見かな樋ノ口一翁
今生もやがて他生や花見舟比々き
あの乾杯何度目かしら花見客ヒマラヤで平謝り
肉十キロ町内会の花見かな平岡梅
黙祷に花の宴を始めけり比良田トルコ石
吹き溜り掃除夫さいごの花見客平野純平
しばらくは瞼おもたき花見かな平本魚水
お花見にデゴイチファンがあまたをり浩子赤城おろし
目礼の花見のなじみ名は知らず広野光
うち靡く臥の玻璃を花の友広ブロ&新蕎麦・摂田屋酵道
点滴をコロコロ窓からの花見ひろ夢
新歓の花見手書きの案内図フージー
お花見の眩しき街にまだ慣れず風慈音
あの世でもこの世でもない花見の夜深町明
大楠の下が空いてた花見酒ふくじん
花見の宵を赤色回転灯福間薄緑
さっきからピザだけ食べる花見客ふくろう悠々
横顔の淋しさもちて花の客ふじこ
復興の花見へブルーインパルス藤咲大地
帰り道髪をほどいて行く花見藤永桂月
ギプスの手疼き隠して花見かな藤原涼
写真立て少し上向け花見酒伏見レッサーレッサー
裁判の行方気になる花見かな藤本だいふく
六甲山花見は川を跨ぎけり藤原素粒子
白に漂ふ花戻のデスク風友
花見茶屋父の決まりの汁粉吸ふ古川しあん
辻馬車のカポンカポンと行く花見古庄萬里
ふだん着の師長を芯として花見古瀬まさあき
競艇の負け金言い合える花見ふるてい
三十分過ぎて集まりだす花見碧西里
キーはC花見を音に変換すヘッドホン
鳩たちにポテト花見に戻らずにへな☆けん
陰膳に酒なみなみと花の宴べびぽん
お花見やひかりこぼれるガレの壺ほこ
同じ歌ばかり歌うや花見酒星鴉乃雪
お花見やあれは昭和に建つた城星月彩也華
はだ色と云はぬ令和や花見せむ星詩乃すぴか
墓守のはなし生返事の花見ほしの有紀
紙コップ傷付けながら花見かな細川鮪目
花戻自伝の仕舞ひ余白なほ堀邦翔
船頭の白秋の唄旅の花見牧茉侖
碁盤にも影ゆらゆらと花見かな牧場の朝
名画観た後に花見の客となる増山銀桜
花の酔魂は浮くのか落ちるのか松岡玲子
喪服の輪朗らか爛漫の花見まっちゃこ良々
母乗せて百メートルの花見かな松本厚史
櫓を上げて水面揺蕩う花見かな真理庵
船の窓へばりつきたる花見かなまりい@木ノ芽
対岸の花見仕出しはカブに揺れ三浦海栗
虐待の次のニュースはお花見です三浦にゃじろう
吾も眺め眺められたる花見船三日月なな子
一人居の花見客棲む姫鏡台三上栞
一人来て二人で帰る花見客神酒猫
買い出しのふたり戻らぬ花見かな岬ぷるうと
うす紅のささめきに酔ふ花見かな三崎扁舟
レンタルの寝巻や中庭の花見水須ぽっぽ
花の客ひとり喪服の混じりをり三隅涙
白杖の触れる大樹や聴く花見巳智みちる
ロシア語と隣り合わせし花見かなみちむらまりな
屋根付きの橋ゆるゝかに花見へと満生あをね
読みかけの安吾に折り目つけ花見みづちみわ
ちよつと見の優しき義母や花見船満る
外階段の踊り場にゐる花見かなみつれしづく
脇腹に手術痕ある花見かな美濃和のわ
場所取りと知らぬしりとり子と花見三群梛乃
中学の校歌出てこぬ花見かな宮坂暢介
天守閣時をり仰ぎみて花見宮武濱女
達筆の読めぬ句碑ある花見かなみやま千樹
唐揚げは一人三個の花見かな宮本モンヌ
野良犬が離れぬ帰路や花の友みらんだぶぅ
誘われぬ花見の席に遭遇し三輪白米
精霊を祓う香油をつけ花見夢雨似夜
花見の賑わい城壁の弾痕麦野光・広ブロ俳句部
退職のたつた八輪観る花見椋本望生
あうらより伝ふ凸凹花の宴めでかや
「泥酔」と調書取られて花見嗚呼元野おぺら
もぐら塚よけて花見のシート敷く百瀬一兎
どの靴も泥だらけなる花見かな桃園ユキチ
鳥のもも五十個揚げて花の宴森朋代
魅入らるる花見の洞へずんずんと森毬子
流れ来るポルトガル語や花の宴森佳三
公園の孔雀昼休みの花見もりたきみ
花の酔眉の形にある流行り森中ことり
作業着の花見に届くお弁当杜乃しずか
イヤホンの曲別れめく花見かな森葉豆(旧まめばと)
コンバースぐるり並べて花見の座森日美香
花見酒酔えば尾崎の「ILoveYou」もりやま博士
病院のベンチが剥げている花見もろ智行
遠き火葬場通りがかりの花見弥栄弐庫
割りばしのタクトで歌う花見かな八手薫
東京に染まらぬ服で花見せり簗瀬玲子
お花見や父へ余命を言はぬまま八幡風花
軽トラの床にちょこなん花見の子山河穂香
転任地訛り教わる花見かな山川たゆ
花見舟緑寿は径の半ばなり山崎力
口紅はしないで行くわ花見だもの山里うしを
触れさせて白杖わきに花見かな山育ち
勾玉に傾けらるる花見舟山田蚯蚓
お花見の背中に地球の頼もしき山野麓
花見酒ちらりアタッシュケースから山姥和
一団に太閤まじってゐる花見柚木みゆき
制服の父と花見の駐屯地ゆすらご
雨降れば雨も愛しき花見かな緩木あんず
お花見や家を買ふならこの路線陽花天
よこがほもこゑもとけゆく花見酒陽光樹
病室へ生配信の花見かな横田信一
なすことを忘れ花見の渦の中吉田春代
病人と教員と詩人の花見吉野川
花見ふと尻尾なくしていて一人よしぴこ
雲のうへ漂ふ如き花見かな余田酒梨
城跡を登り天下の花見かなよみ、ちとせ
追ひ水に飛騨の名水花見酒柳絮
スキップのリズムは壊滅的花見若林かな
子育ての終わりの近き花見かな若林くくな
遠縁の親戚と知る花見かな渡部克三度
間を埋める雑談やがて黙花見渡辺香野
留守番は猫に任せて花見酒渡邉わかな
現世の上澄として花見かな亘航希
病室は五階一人きりの花見相沢薫
花見酒部長のやなとこ選手権あらい
真四角の小窓保護室から花見おんちゃん。
大道芸の大桟橋や花の客小嶋芦舟
内定を蹴りしスーツの花見かな笹野夕
池上線の高架潜って花見船澤野敏樹
定時あがり二駅歩く花見かな志きの香凛
花見にて鳩の喧嘩の長きかな白雨
水切りの波紋の先へ花見舟花はな
車椅子軽し花見の父の黙花豆
犬二匹乗せて花見の胡座かな山本先生
大人つてさみしいんだね花見酒青井えのこ
花見客シアワセそうに見えるけど小山晃
花見の喧騒に劣等感を薄く纏う青空豆千代
花見客の祝福花嫁はほほ染めアクエリアスの水
亡き祖父の酒友となる花人となる朝倉カグラ
「今日からは社会人です」花の宴雨李
当たりくじ引いた気分の花見かな池田炭
誰も彼も最期と知らぬ花見かな池田桐人
見よかしに花見の列に並びけり和泉マサコ
城と酒屋台じょんがらワの花見遺跡納期
お腹を撫でる子の背を撫でて花見おかだ卯月
老木のいのちを浴びて花見かな遅狐歩
見も知らぬ人寄せ集う花見かな尾田みのる子
校庭の告白前の花見かな喜多柚月
公園は膨らんでゆく花見かな貴田雄介
諸々を面に隠して花見酒坂田雪華
八重開きいよよ花見も終わりかな咲まこ
花人の舞ひ降りたかにあらはるる千歳みち乃
注ぐ君の手ばかりを見る花見かな浜けい
百寿まであと十二度の花見かな春爺
再発じゃないと良い帰り道の花見haru_sumomo
三段重花見のシート義足脱ぎムーンさだこ
秘め事を言はせてしまふ花の酔笑笑うさぎ
畑仕事背伸ばすごとの花見かな石村香代子
早起きの花見や一輪に見いる一久恵
嘘つけば多く落ちくる花見かな居並小
幼なじみ隣に座り花見かな岡田瑛琳
堕ちた魔を拾い集めて花見かな械冬弱虫
誕生日会となりたる花見かな桂もふもふ
今生の老木最期の花見かな桂葉子
来年の花見誓った友が逝く北乃大地
花見果つLINE交換できぬまま着流きるお
日に焼けてまで花見したいかねギル
場所取りを仰せつかりし花見かな工藤悠久
亡き人も傍らに居る花見かな國吉敦子
お花見や区長犬の糞避けて健央介
花見果つネイルのサクラ湯に剥がれ謙久
懐かしい遊びをしたる花見かな柑たちばな
重箱をつつく子は居ぬ花見かな小林脱太郎
ドローンで花見ドローンで爆撃すこひつじ@QLD句会66
お花見の陣地確保を賜りぬ埼玉の巫女
小さき輪の真中に写真花見かな笹靖子
目黒川花見の後の縄暖簾佐藤俊
産土の地に背をあてて花見かなさとう昌石
絶対になんぞか降臨花見かな佐藤しのぶ
ちょっといい惣菜メンチ花見かな沢胡桃
花見の母遺影はこれとマスクとる沢山葵
白髪染め終へて花見の続きかな歯科衛生子
吐く息も薄紅となる花の酔い霜月詩扇
今日からは笑顔と決めてする花見寿松
横顔の睫毛に見惚れ花見船順之介@QLD句会
子供靴かかりし幹の花見後四郎高綱
昭和は影運河に流るる花見かな白井佐登志
花見にも引きずってくる永遠を新城典午
裏山に大の字となる花見かな新濃健
一缶を分け合うベンチ夜花見静江
亡き人のかぐわしくあれ花見して瀬紀
一同鯨幕越しにてお花見全美
杖置きて一人飲みたる花見かな惣兵衛
座りたき人を盗られし花見かなそうま純香
「彼女です」紹介の場となる花見そまり
弁当の隣に写真立て花見空豆魚
これよりは母は連れずにさあ花見大ちはる
おぼつかぬ母の手を取る花見かな田鶴子
聞き流す酒のうんちく花の宴だがし菓子
銘柄を確認しあひ花見なり鷹取碧村
白内障術後を誘ふ花見かな高橋空魚
公園の昼をうごかし花見かな高橋なつ
花見にとポケット多き服羽織る高橋ひろみこ
死んだ人らも混じりたる花見客外鴨南菊
黄泉からも賑わふけふの花見かな糺ノ森柊
ほな行こか二人普段着花見かな谷町百合乃
転職をして初めての花見かなちゃあき
千ピース全ておさまり花見いく椿カナ(木の芽)
夜勤入り花見客とは逆の道ツユマメ@いつき組広ブロ俳句部
花見席姑立てば嫁も立ち天王谷一
飲む物も食ふものも無し只花見どいつ薔芭
靴下の穴気になっている花見苫野とまや
一病を生きて花見に今年また根々雅水
半額の弁当買うて花見などノアノア
花見なら花の降りしくところまで野口雅也
石垣の酒の肴に咲く花見稗島塗小太郎
二人目が来たからにはもう花見なり羽織茶屋
閉じた遊園地忍び込んで花見はむこ
母巻きしさくらでんぶの花見寿司福ネコ
シャンパンのコルクも舞いて花見かな古道具
端渓で墨の遊びて花見かな鳳凰美蓮
同じ青空に花見と戦火あり暮戯
又会えて病気自慢の花見かな墨純
癖のある場所取りのいて花見かな北斗八星
花の宴骨髄にからむときの蛇甫舟
まぶた閉じ月の砂食む花見かなぽて巻
ミサイルの無き空あふぐ花見かな前田冬水
生き急ぐ花見の列は果てしなく真喜王
終いには暖簾をくぐる花見かな松平武史
歩けねば写真ながめてする花見三浦ゆりこ
終ひまでスマホ越しなる花見かな宮部里美
連れ合ひとベンチあるたび花見かな毛利尚人
獣へと捲れ加減の花見かな本村なつみ
花見にもほほあかくして三輪車本山喜喜
上野駅降りて花人となる訛りもふもふ
来年も夫生きてあれ花見せむ桃香
供へてはこれも花見と語りかけ百瀬はな
たまさかに相合い傘の花見かな森茂子
咲きもせぬ木に若者の花見かな宙美
写真撮る妻の手を見る花見かな夢散人(光散人)
花人の立ち上がりつつある同心円湯屋ゆうや
甥っ子のいつしか二十歳花見酒横山雑煮
バスツアー散りたる後の花見かな横山道男
花見十一輪遅い開花の標本木四葉の苦労婆
一枚目君にピントの花見かな楽和音
たこ焼きの削り節舞う花見かなルージュ
千人の舞妓かんざし花見かな瑠璃あさがおT
車椅子に手渡す小皿花見かな蓮花麻耶
校了や花見に文字の浮き上がる髙田祥聖
網膜の薄きを纏ふ花見かな紫小寿々
花見見る取れる花見花見見る花城キヨトシ
即席の恋人束ね花見かな欅谷風来
今生の花見幾度や孫の腕あ・うん
お花見や節目に舞った紙吹雪あいあい亭みけこ
酒少しつぎの花見へ無人駅相生三楽
お団子や座敷に並ぶ花見かな会田美嗣
耳たぶの朝の空気の花見かなあいのびふう
カフェの窓鴨川沿いを花見して逢花菜子
花見せん龍王の山瀬戸の山逢來応來
場所取りのうたた寝覚めて花見かな青井季節
美しき花見も毒となりにけり青星ふみる
場所取りの君に差し入れして花見赤尾双葉
自転車を停めて独りの花見かな赤富士マニア
香の溢れ瞽女笠かたぶく花見かなacari
キッチンの一人の花見猪口一杯あかり
在りし日の花見や夫の肩車赤尾実果
万馬券祝杯上げて花見かな昭谷
ウォーキング週一花見時季逃す秋星みかん
祭壇の義母は花見に微笑んであきやままごと
庭のすみ過去の花見の思い出し芥川春骨
通院の一人花見や路線バスあくび指南
重箱に砂の団子の花見かなあさいふみよ
旅人も花人となる上野駅あさぬま雅王
まつさらのスーツ震へし花見かな浅乃み雪
赴任地の蕾は堅し花見かな朝日雫
花見には意外や意外面(めん)ニヤリ亜紗舞那
渓流の岩に棹さす花見舟あじさい卓
暗闇に吸はるる人も花見酒葦屋蛙城
老いた樹と老いた吾祝う花見酒あすなろの幸
次の便までの花見や空青しあたなごっち
点滴を繋がれ白湯で花見かなアツシ
肩組んで校歌熱唱花見酒at花結い
アウトドアイベントパンフ敷き花見渥美こぶこ
ポケモンのレア口実にして花見渥美謝蕗牛
場所取りの記憶だけある初花見跡部榮喜
首都高速から花見新天地へアニマル可秘跳
お花見は現し世の夢万華鏡あねもねワンオ
ジーンズで花見に来れる仲になりあまどかに
歳を取り色香の勝る花見かな天橋立右彩
笑いけり花の宴にて同窓は天海楓
照らされた三重櫓花見かなアマリリスと夢
歩きスマホ今日は顔上げ花見かな網野れいこ
もう何度いやあと幾度花見する雨降りお月さん
お花見の風の織りなす錦かな荒一葉
青空と花見の土手やペダル踏む荒木響
母を輪に一期一会の花見かな荒木ゆうな
退院の車窓を過ぐる花見かな新多
そぎ落とす暮らしのなかに花見かな蛙里
花見酒そんな知らんわ「あと何度」ありいかな
喜寿のクラス会花見は記念の樹淡湖千優
温度差の娘と花見丸く居り杏っ子
花見ゴザ草履紐靴一緒くた飯田淳子
ベビーカー路確かめ臨月の花見飯沼深生
花見酒まだ咲かずとも関係ねぇ粋庵仁空
お花見や鬼の顧問の大笑いいくたドロップ
片言の異邦人ゐて花の宴郁松松ちゃん
秘境駅列車待つ間の花見かな池谷勝利
寝ころんで花見の空はま青なり伊澤遥佳
毘沙門像ケース取り替え花の宴石岡女依
手をつなぎ日をあび花見する親子石田ひつじ雲
同郷の人と車座花見酒石塚彩楓
隅田川乗合船の花見かな泉恵風
愛犬の席も設へ花の宴和泉攷
心病む人の花見の窓狭しイセちゃん
お花見の主役は我だ握り飯いその松茸
お花見のシートの中は魔法陣一井かおり
ごめんねの言葉出ぬまま花見かな市川卯月
仕事終え敷物脇に花見席いちばほうすい
花の友笛太鼓を遠く聞きいつかある日
車椅子停めて老父も花の客五つ星
ちらちらと花戻りの暮のバス一杯狸
花の宴露店に走る幹事かな伊藤薫
看板のゴジラもピンク花見哉伊藤節子
朝のベンチ眠る男や花見酒伊藤順女
歩く花見座りの花見を下に見る伊藤テト
垂直に花見しわらべ鳥のごと伊藤正規
旅人のもてなしとなる花見かな伊藤れいこ
元彼のゲロも糧なり花の宴伊藤小熊猫
寄りかかる花の根元や花の酔糸川ラッコ
花見酒優しくしたき人の居りいとへん製作所
同窓会分校の空花見付き伊ナイトあさか
花見前夜迷ひにまよひたる着物伊奈川富真乃
花見酒酔う道祖神寄り添いし伊那寛太
今年ここに金婚の日の花見風稲葉こいち
病窓や夢にも花見昼もまた稲葉雀子
車椅子笑顔をうかべ花見かな井上幸子
おんぶされ鼻先ひらり花見して猪子石ニンニン
父母誘ふ最後の花見かも知れぬいまいやすのり
枝ぶりを愛でる今年の花見かな井松慈悦
石段の吾子抱き上げて花見かな今乃武椪
旅の日を定めかね居る花見かな今村ひとみ
一樹立つ花見に集う四十年伊代ちゃんの娘2
サル山の横でほおばる花見かな彩人色
デリバリーのピザをひろげて花見かないわさちかこ
花見してまた一つ歳かぞえてる岩佐りこ
幾たびの花見重ねて八十路かな岩田勇
島流し手酌手慣れた花見酒イワンモ
七地蔵仏背にして花見かな上野徹
花見行こ唐揚げ買うてハナミイコ上原淳子
肉じゃがも花見の味や竹フォーク兎野紫
コンビニの灯に花見夜をひとり宇佐美好子
早朝の花見今年からは一人で宇田の月兎
甲走るかっぽれかっぽれ花の宴内田こと
花見客パンクしそうな吉野山内本惠美子
つぼみから日々極上の花見かな鬱金香
雫かと花見の席で舞う翁宇都宮千瑞子
晴れもよし雨もまたよし花見酒卯之町空
おむすびの転がり落ちる花見かな梅尾幸雪
花見して花に酔ひしれ生をいく吽田のう
手と手と手スキップしちゃう花見かな江川月丸
人知れず隅の樹の下花見かな江川善光
さていかにしれと花見へ戻ろうか江口朔太郎
是非見てと眼力有りて花見かなえすようこ
園庭に花見園児の花盛り越後縮緬
お花見や和装の姉妹あえかなる江戸きりこ
紅さす母デイサービスの花見の日榎本奈
松葉杖遠近ながむ花見かなえみくれ
切通抜け武将気分のまま花見絵夢衷子
定年にいつぞの着物花見酒江村享
老木の幹囲み咲く花見して遠藤倫
君といて淋しさもある花見かな大石聡美
鎌倉や花見手拭買い求む大久保一水
デリバリー花見の宴へピザ五枚大久保加州
「今年はここで」病室花見逝きし母大越総
毎年のことよ花見はあの根方大越マーガレット
庵待つ奥千本の花見かな大阪駿馬
花見来て潔しの人生談大島一声
乾杯を控へて始む花見かな大谷如水
カフェ巡り兼ねてひとりの花見かな大塚恵美子
東京や英語の乱れ飛ぶ花見大津美
父悼む空仰ぎて花見なり大野純子
花見ごろマッチングアプリとわたし大野喬
花の宴二台手押しの車椅子大野美波
杖ともに吉野に登る花見かな大原妃
退職し花見兼ねての古都巡り大原雪
雪折れの枝挿す小瓶花見かな大渕航
カメラの音あちらこちらの花見なり大本千恵子
12時で魔法が解けた花見客大谷一鶴
夢寐に逢ふ花見楽しむ父母の背大山小袖
今日だけは心すなほに花見かな岡井風紋
一眼レフ抱えて娘花見かな岡崎未知
席を取り花見のさきに歸る宿岡崎佐紅
日ごもりは宮に茣蓙引き花見かな岡田明子
お花見や酒にひとひら色を添え岡田恵美子
ふるさとの友と上野の花見かな岡田雅喜
いそいそと花見のつどい咲かずともおがたみか
手荷物と尻で花見の座を押さふ男鹿中熊兎
孫ひとり三鷹の花見まにあうや岡本
枝折り戸の庵に句座の花見かな岡山小鞠
お花見は私のここぞ他言せず丘るみこ
夜花見の群れ遠ざけてふたり居る小川天鵲
墓石の妻も浴びをり花見酒おきゆきお
迷い子の放送あまた聞く花見おこそとの
片口にひとひら浮かぶ花の宴お品まり
シルバーカーベンチ代わりの花見かな小田ビオラ
花見酒ふふふと笑う君の癖小田毬藻
病室の四人で愛でる花見かなおでめ
重なりて寝転ぶ父と子の花見音のあ子
川風や昭和歌謡と花見酒おひい
遠方の友と語らう花見酒おみ澤おみそ
見えぬ敵集えぬ花見車窓から小山田之介
病負う母の心に花見なし海堂一花
次の青待つ信号で花見なり甲斐ももか
廃校や村民総出花の宴馨子.N
儚くも時の移ろい花見かな影夢者
雨予報酒と合羽と花見かな笠谷タカコ
花見酒破れし夢をあてとせむ梶浦正子
コンビニの弁当とお茶我が花見鹿嶌純子
寝転んで花見する人犬もゐるかじまとしこ
魂解くやチマの乱舞の花の宴華胥醒子
行列のうどん屋湯気も舞う花見風かおる
城跡がブルーに染まる花見かな片岡明
新入りも和して饒舌花見酒加田紗智
赴任地に数多の名所花見せりかつたろー。
母の窓カーテン全開花見とす叶田屋
病床の友と行きたし花見かなカバ先生
花見には出てみたけれど一人かな神島六男
散るほどに残る重さや花の宴神長誉夫
花と人さそいさそわれ花見かな紙谷杳子
バス相乗り娘姦し花見食い神谷米子
昼下がり満開に醉う花見かな亀井汀風
回り道リハビリバスの花見かな亀子てん
輪になりて花見弁当車椅子亀崎波
四年目のマスクを外す花見かな亀田荒太
郊外の公園ベンチの花見かな亀田稇
公園に揺れて一人の花見かな亀山逸子
ふと花見するテイクアウトを待ちつつかめよかめ
吟行を終えてひとひら花見酒鴨の里
安酒も甘露となるや花見酒加裕子
朝まだきカラス移ろふ花見路カラハ
惜別の友の傘今日花見かな狩谷わぐう
良い酒だ門出を祝う花見かな枯木佳秋
お花見の膝枕から大家族川辺世界遺産の居候
お花見や堀をカヌーでポーレポレ川村湖雪
休憩やエプロンはずし花見かなカワムラ一重
約束の花見はたせず母の逝く川村昌子
文禄も令和も美し花見かな邯鄲
人参を型抜きもせず花の宴看板のピン
引っ越す日裏庭5分花見かな岸壁の龍崎爺
君と行く花見の名所ググるかなkey
独り身の花見スルメとカップ酒季々諧々
キャパシティ限界突破いざ花見木口まり子
残業を前にコンビニ世は花見如月ゆう
還暦の花見「かがやき」を待つ朝岸本元世
カフェテリア花見の席に白い猫酒暮
コンビニの新作並ぶ花見かな季切少楽@いつき組広ブロ俳句部
新卒の隣は社長花見する喜多丘一路
地図アプリ穴場探して行く花見北川茜月
川縁に夫と弁当花見とす北の星
花人の続く路傍の六地蔵木寺仙游
「ラ・メールロア」流して一人花見かな木村かわせみ
花見をと望み託した叔母逝きぬ木村修芳
病院のテラスの花見母の笑み木村となえーる
自己紹介されて忘れて花見酒木村弩凡
堀越えの花見は車道歩き観る木村波平
お花見や母の手を引き孫を抱き木村弘美
地場産の野菜を担ぐ花見道木元紫瑛
雨あがる雫輝く花見かな清鱒
愛でる人飲む人いろいろ花見客喜楽胤
花見客かの遁世の庵にも霧澄渡
花見好き根深き咳の治まりぬ金ちゃん
残業の帰路で凝らす目闇花見銀長だぬき
花見来て撮るは桜木だけになり近未来
花見酒場所取りまずはゼロ次会久我家萬蔵
街散歩窓の向こうの花見猫草野紫陽花
人に酔い世に酔いしれる花見頃鯨之
美の極み共に息止め花見かな楠田草堂
ローファーでしゃがみ見上げる花見かな楠ミア
チョッシーは調整池の主花見くずもち鹿之助
再検査終えて車窓の花見かな紅三季
伊予の母醤油餅こさへお花見へぐりぐら京子
いいじゃんか人それぞれで花見酒来ヶ谷雪
終電車スマホで照らして花見かな黒瀬三保緑
夫婦だけ馳走は無しの花見酒黒猫さとみ
並木道夜半の花見にスキレット桑田栞
青空の咲きて二輪の花見かなくんちんさま
傘越しに震え見送る花見船慶唯
時間差の仕事終わりに花見かな桂子
にぎやかし犬もそぞろの花見かな家古谷硯翠
日本晴れ五日待っての花見かな月下檸檬
老木の花見楽しみ山里へ月昭
花人のいきれる様を遠目で見げんきいっぱい
卓袱台も庭へ今宵も家花見紫雲英
歩きつつ眺むる山の花見かな郷りん
花見客乗せて掘り行く小舟かな輝雲彩
仰向けの花見呼吸はゆったりと紅紫あやめ
お花見の施設の母の笑顔なり康寿
タオル抱き吾子眠りたる花見かな幸内悦夫
外濠の花見の通は電車から宏楽
お花見や麒麟と恵比寿ともなひて古賀
職を得て独居の古希の花見かなこきん
インスリン忘れ花見団子は家で食うこけぽて丸
ひとひらが花見の人の右肩にココヨシ
孤の花見遠き日の宴思ひ出ず越乃杏
かしわ手に受くる直会花見かな小杉泰文
吾子と行く動物園の花見かな小園夢子
俄雨敷きもの被る花見人来冬邦子
エリザベスカラーの子犬居て花見虎堂吟雅
花見時廃校の蘇る時後藤昼間
難問に目を逸らしつつ花見かなこのねこのこ
新しきスーツは端に花見かな虎八花乙
頂より湖の一望花見かな小林昇
霊園に花見する人弔う人小林のりこ
薄墨の花見の下で君笑う小林弥生
いつのまに隣の茣蓙へ花見酒小藤たみよ
時計置きスマホも置きて花見かな小湊八雲
戯言と戯言の間に花見かな小南子
土曜日の花見は団子孫と子とこむぎ
三年目手植えの一本花見かな小山秀行
病室の窓越し静か花見かな五葉松子
花見にも脚力要るや奥千本碁練者
花見行くカラージーンズ映える時コロンのママ
バス待ちの間花見の客となる今藤明
母叔母雛みな天国の花見客こんのゆうき
土くれに溶けて花見のコルクかなコンフィ
花見せし君の背中の小さきかな西條晶夫
お別れの最後の花見車椅子西條恭子
花見から陶器市まで足運ぶさいたま水夢
唐揚げの嫌ひな君と花見酒齋藤桃杏
ティッシュ抱え窓越し花見憂ひたりさかい癒香
病にて今年の花見ガラス越し榮秋代
新天地花見の誘いで仲間入り坂本千代子
宵越しの花見の下に眠る骨坂本雪桃
空港のお迎え四人いざ花見佐川碧
お花見や枝に短冊「来年も…」咲美マキ
お花見や若き靴おと置き忘れさくら亜紀女
渓谷を花見列車はゆっくりと櫻井こむぎ
目細め花見する義母デイの車窓櫻井弘子
飛鳥山武士も庶民も花の宴佐倉英華
花見哉ベンチにひとり月と酌む桜鯛みわ
フランスパン抱えパリジャン風花見桜月あい
太閤の夢のあとめく花見かな桜月夜
お花見の料理に母を想いをり桜華姫
お目当てのチョコバナナ手に花見の子さくら悠日
老木の樹洞を見つむる花見かな佐々木佳芳
花見きて背後で電車のガタンゴトン佐々木睦
予想出て手帳を開く花見かなサザレイシ
花見ゆく友とお喋りつまみとすさざんか
花見の客水を片手に歌いだしさち子
先立ちて歩く教授や花見衆さち今宵
老い仲間たのしや花見そぞろゆく砂月みれい
たくさんの層なす記憶花見かなさっち
花見にと中身あふれるバスケット薩摩じったくい
場所取りや小説二冊読む花見佐藤公
飲物をコンビニで買いたす花見佐藤恒治
散髪屋早仕舞いして花見酒佐藤志祐
ひとり待つまた下つ端の花見かな佐藤儒艮
能登向きてまずは黙祷花の宴佐藤浩章
起き抜けに花見夢見て千鳥足佐藤佳子
花見頃残務整理の一日終ゆさやじゅん
三杯目干して告白花の宴紗藍愛
早朝の花見呈色せるダム湖沢井如伽
愛しくて追いかけ巡る花見旅さわだ佳芳
他所様の庭を巡りて花見佳し三角山子
金持ちの庭にあやかる花見かな山月
花の酔昔語りの武勇伝塩沢桂子
白杖や花見の匂ひ引き寄せぬ塩の司厨長
見納めになるやも知れぬ花見かな塩原香子
カレンダーの赤丸三つ花見会紫檀豆蔵
窓の外満員電車見る花見紫月
花見酒尻の痛さもやはらげり信濃のあっくん
友眠る北へ北へと花見旅篠雪
頭上には異国語ひとりの花見柴桜子
天仰ぐ六十秒の花見かな芝歩愛美
花見行補助輪の子と老犬と島田順子
見納めと母の目の言ふ花見かな島田ユミ子
東西の訛り飛ぶ桑名の花見清水祥月
さながらに行きつ戻りつ花見かな清水容子
杖突きて並ぶ丸き背花の客清水明美
一年を笑えるここちして花見清水三雲
まどろめる猫を花見の友とする霜川ふみ子
接待と化す花見二年目の鬱下丼月光
文字乱れ艇長の息花見かな釋北城
長男のワンルームより花見かな洒洒落落
傾斜地に花の宴の広ごれり砂楽梨
改札を出れば花見の客となり朱胡江
米寿過ぎ終の花見か楽しまん秀耕
舟底は湖の集落ゆく花見柊二
未だし花花より団子の花見かな秀東春嵐
要介護五となる今日の花見かな柊瞳子
青シート尻寄せ合うて花の宴秋芳
優れない訳診察室の花見かな珠桜女絢未来
通院の信号待ちや初花見正念亭若知古
花見していつもの道は観光地昭和かぐや
花見会行けたら行くと二三人不知飛鳥
上司の悪口で盛り上がる花見白浜ゆい
あなたを見るはにかむ笑顔と花見酒白山さや香
暦みて花見の思案うす目猫しろくも
ドラマーは箸で空き缶打つ花見ジン・ケンジ
花はないそれでも花見酒はあるしんなが新月
花見して一生終える笑顔なり新花水木
お花見やブルーシートの青深く親睦
校庭で酒は無くとも花見かな森牧亭遊好
雀来て蜜を目当ての花見かな深幽
単独行ポツンと神社花見せん酔軒
ゴミ出しを終え見上げれば初め花見水蜜桃
想いは紫煙の如くに夜半花見末広野暢一
お花見や欄干ゆれる麻生川杉浦あきけん
風強し開花したての花見なり杉浦真子
花見客ブルーシートで泳ぐ夜杉沢藍
三線の音に寝そべる花の宴杉田梅香
お花見の膳にも花の咲き乱れ杉本誠
鳥も群れ朝な夕なの花見かな杉本果ら
説教も自慢も飲み干す花見かな涼風亜湖
お花見の弁当に降る富士からの風鈴木秋紫
夢一つ懐に抱き花見かな鈴子
またひらり川面に映える花見かなすずしず
群青の遺作展より花見行く素敵な晃くん
地酒注ぎふるさと語る花見かな数哩
車椅子見上げる黙の花見かな晴好雨独
お花見や吉宗愛でし飛鳥山青児
お花見は村の鎮守に老犬とせいしゅう
三時間ベンチで花見ふわぁ欠伸青峰桔梗丘
機関車や煙に舞い散る花見かな星夢光風
新しき倶楽部の花見余所余所しseki@いつき組広ブロ俳句部
サッと食べ暖簾くぐった花見の夜関口直美
五匹目の友と老幹の花見哉海星葛
花見ても平和でないと楽しめぬ草堂Q幸
母国語はタイ語花見の実習生そうり
渋滞の窓から花見それも佳きそしじみえこ
曇天の花見やデニムワンピース染野まさこ
かろやかに友と歩くは花見かな宙まあみん
新会社発足初の花見かな駄詩
ウクレレの四弦響くや花の宴大
妻とゆく心ゆるびの花見かな大康
お花見の客に押されて厠前平たか子
一億を粋人にする花見かなたいらんど風人
壁一枚向こうのジャズと花見酒高井大督
巻き上がるピンクの渦に酔う花見高上ちやこ
介護車の連なる城の花見かな高岡春雪
花見して誰も視点の定まらぬ高尾里甫
駅弁を選ぶも楽し花見かな高辺知子
翌朝の花見の残滓掃く人よ高嶺遠
隅田川喧噪の中花見かな高橋基人
花見時は人多すぎて道消える高橋紀代子
酒に酔ひ人に悪酔ひする花見高橋ままマリン
今日もまた花見できたと母笑まう田上コウ
花見客車座の背に乳母車髙見正樹
国籍も性別もなし花見客滝上珠加
天国はこれ程でよし花の酔卓鐘
みどりごも初顔見せの花見の座たけぐち遊子
早起きし駅への径(みち)の花見かな武田豹悟
二分咲きて標本木の花見かな多胡蘆秋
陣取りの新兵に先づ花見酒多田知代子
友追い越せぬ哲学の道花見かなただ地蔵
ブルーシートも話あふれる花見ただの山登家
立ち並ぶ花見に向かう勇み足橘路地
花見とて最後の話題大谷に龍義
甘き嘘最後となるかこの花見立石神流
花見待つあれやこれやと落ち着かず蓼科嘉
夕暮れの花見の波の遠く居て田中勲
老い二人マック頬張る花見かな田中ようちゃん
お花見でうとうと眠る心地よさたなばたともこ
花見行く列車の窓の花見かなたなべ早梅
笑い声舞い上がり降る花見かな谷相
絵画展仲間の話題花見いつ谷口あき子
花見どき思い出ばかり時は過ぎ谷口美奈子
稲荷前コロが主役の花見かな谷本真理子
旗を振る通訳ガイド花見せり田畑整
花見の日決まりて気にする枝木かなtabei白芙蓉
焦らされて機会うかがふ花見かな玉井令子
畦道に坐する二人の花見かなたむらせつこ
花見して一期一会の花談議田村モトエ
ゆるキャラも武者行列もゐて花見田村利平
金ヶ崎刑部忍びつ花見かなダメ夫
花見人開花待てずに散る知らせ鱈瑞々
ハラスメントの巣窟花見酒で吐くダンサーU-KI
デイへ行く信号待ちの花見かな丹波らる
六階の面会室へ花見かなチームニシキゴイ太刀盗人
三世帯川辺横一列花見千夏乃ありあり
集団は苦手ふたりの花見かなちくりん
老木を花見する赤子らうたし智同美月
人の輪に入れず花見する隅よ彫刻刀
眠りさめ花見三昧癒される司蓮風
川沿いを花見さらさら食べ歩く塚田まいも
宴会の隣乱入花見かな塚本隆二
航跡の白き湖岸や花見酒月城龍二
重箱の隅にも光さす花見月待小石
盆栽でちんまり花見独り占め月見里ふく
ハモニカの音も聞こえる花見かな辻瑛炎
車椅子の母との花見特等席辻ホナ
四囲の山窓より眺む花見かな辻美佐夫
忌日果て父と酒酌む花見かな辻栄春
またばえの一輪じつと子の花見辻内美枝子
キラキラリ史跡を巡る花見かな辻本四季鳥
花の宴ブルーシートにひとりをりつちのこ
花見舟湖面に写る忘れ人土屋恭子
花見かな寄り添いて立つ窓の際つついぐれちゃん
沈黙や花見のブルーシートへ雨ツナ好
まだ早く蕾の花見も良いものか常築日々喜
駅前の見上げるだけの花見とす津幡GEE
花見の夜プレゼントは腕時計よデイジーキャンディー
花の宴いつもの顔で賑つて手嶋錦流
場所取りの苦労労ふ花見酒哲庵
新人の初仕事花見の一気哲山(山田哲也)
亡き人と擦れ違いしか花見の夜輝由里
シェアハウス明日(あす)は花見で花見酒テレシア
青空とブルーシートの花見酒典雅
新歓の空気馴染まぬ花見かな電柱
ふたりには小さきシートや花見酒でんでん琴女
へべれけの宗匠語る花見酒天童光宏
ブラウスはピンク花見の初デート土井あくび
蕾越しの我が家を最期の花見トウ甘藻
もう米寿西行おもう花見かな峠南門
二階からぼんぼり眺める花見酒豆風
残り物詰めて写メ撮る花見かな東森あけば
父母と犬たまに吾もゐて花見かな遠峰熊野
灯を点す雨の車列や花見衆渡海灯子
神ほとけ鬼も獣も大花見とかき星
傀儡女と百鬼舞いたる花見かなときめき人
手拍子はやがて拍手に花の宴常磐はぜ
くねくねの川に人添う花見かな徳庵
緑児の寝顔覗きし花見客どくだみ茶
パノラマの花見現存天守なり杼けいこ
犬もいた夜の花見を懐かしむ土手かぼちゃん
作業着の花見や工業団地前となりの天然水
盃の札必勝の花の酔となりの天然石
始末書に一行駆けて行く花見戸部紅屑
ほつれ毛を結ひ直したる花の酔泊かいひ
そっぽむく犬抱き花見の記念写真冨川友香理
出張の帰路を花見の旅心地斗三木童
間違えた逆行バスや花見不可とみことみ
一輪を画角に一人花見かな友@雪割豆
もう居らぬひとと語らふ花見かな富山の露玉
クラス分け終えて花見の浪人生富山湾
早朝の城址花見の後始末とよ
花見てふムードに酔ひて酒を飲む豊岡重翁
太宰府で花見の友や吾は京都内藤清瑤
バス灯り三人降りる間花見かな内藤未来仁
大川を幾つ橋越え花見かな内藤由子
お花見の多勢の中に伯母の顔なか鹿の子
お花見やおろしたてのワンピース中川せん
花見酒婆のひとりが唄ひだす中里凜
手弁当静かな花見二人酒中澤孝雄
終宴の余韻を残し花見酒中島葉月
上野山花見飛び交う外国語中嶋京子
一枝を凝視しようか花見客永田千春
手拍子に花見手拭い安来節中鉢矢的
貧乏に酒買ってやり花見かな中平保志
足元を青の広がる花見かな中町太郎晴臣
置き忘るドッジボールとする花見仲操
寡婦なりし友と花見の日暮れ前中村こゆき
車椅子酸素も乗せたいざ花見中村あつこ
お花見や嗚呼人生の馬鹿の友なかむら凧人
約束の花見に行けぬ窓の雨中村雪之丞
扶養から外れし日子と花見の夜凪ゆみこ
老木の根方に花見の秋田犬夏椿咲く
花見とて父だんまりのワンカップ夏埜さゆり女
花見より歌と手拍子屋形船夏目坦
子のために唐揚げ残す花見かな⑦パパ・いつき組広ブロ俳句部
花見酒目立たぬように酔いしれて浪速の蟹造
決算の事務を放りて花見酒名計宗幸
キャンパスに花見の家族まじりたりなびい
名所にはあらねどキャンパスの花見名前のあるネコ
みたらしの団子を探す花見かな奈良岡歩
媼の背の小さくなりをり花戻奈良素数
花見飛ぶ病室の窓明日にこそ成田ゴジラ
車座はいと懐かしき花見かな南全星びぼ
笑顔咲く久方ぶりの花見かなにいやのる
賑はひの花見のなかを一人行く西尾照常
場所取りの先づは静けき花見かな西爽子
三世代総出の花見列伸びて西村小市
満開や今年で終いという花見二十八
ミサ終り四谷の土手に花見客新田ダミアナ
異国語のツアーガイドや花見舟沼宮内かほる
時期逃す花見花見と言いながら猫辻みいにゃん
うまい酒飲もうぜ花見は晴れるよ猫ふぐ
ガス燈や二人花見を尊徳とねこむらさきご
酔客に「一通」諭す花見路農取武雄
花見客知らない者と肩を組み野崎文明
廃屋を覆ふ大樹の花見酒埜水
華やぐや同期集ひて花見酒野瀬博興
来ちゃならぬ過去か湖水の花見船乃立喰烟
「久しぶり」今宵は庭で花見酒野月晴秋
乳母車押し妻と行く花見かな野中泰風
うち揃い花照る下の花見かなのの俱楽部
茣蓙広げひとり待ちたる花の宴野の菫
お花見の屋台の射的賑はへりのはらいちこ
ちらし寿司腕によりかけ花見かな野原一草
肩を組み寮歌高らか花の宴野原蛍草
石段を登り花見を膝手術延杜
仮設小屋鉄棒跨ぎし花見なり徘徊狂人
花見客ブルーシートに游ぎたり白山一花
横目で見る上司のグラス花見船はぐれ杤餅
花見待つ折れ枝の蕾ふっくらと橋爪利志美
手術前窓の向こうは花見なり橋野虎空
病室の窓越し花見生きる糧波止浜てる
お花見や今年も同じ話して馬笑
お花見はランチの後のビルの谷蓮見玲
花見酒買ひ足すコンビニの夕べ長谷機械児
ラジカセがフォーク奏でる古希花見長谷島弘安
五年経る癌快癒しての花見かな畑中幸利
見上れば空も埋もれる花見かな畑美穂
青空は見るなり花見する人を八九テン
戦国の民に見せたき花見なり蜂鳥子
公園の猫と花見の昼下がり初野文子
犬散歩今日は花見のまわり道花弘
水曜に自転車停めし花見かな花咲春
ぼうやりと此岸のきわか花見宵花彼岸
ひとひらを眼追ひゆく花見かなはなぶさあきら
介助せし肌褒められて花見かな花水木
小岩井の花見ハイジとなりて跳ぶ花和音
夕暮れの窓一面の花見なりはね花
主催者がペコペコ雨の花見会羽馬愚朗
野良猫の縄張り荒らす花見かなぱぷりかまめ
花見する全校児童十五名浜友輔
花見の場ベストショットの見せ合い場林めぐみ
満開の枝水面まで花見舟原水仙
制服の二人造幣局の花見かな原善枝
コスプレの武士も天使も花見かな原田民久
花見なり髪に土産のひとひらがharu.k
試合に遅れ駐輪場の花見春野ぷりん
プレゼンの鞄を抱え花見かな葉るみ
長堤を花見の母の車椅子春海のたり
山里へ花見たずねて一人旅はるる
花見なり茶屋の連なり声高くはるるん1号
微熱ならガラスの街の花見行はれまふよう
邦さんに貰う花見の凍結酒半ズボンおじいさん
わが庭の二人つきりの花見かな伴田聡
あの頃に戻れぬ能登の花見かなHNKAGA
お花見で手作り弁当うで披露ひーちゃんw
振り返る花見の跡の名残惜し東の山
子を持てぬ夫婦の花見酒し甘し(うまし)東原桜空
肩くまの高き花見のちさき手手匹田小春花
園児服干すベランダへ花見風比企野朋詠
デイの朝下車のながらの花見かなひぐちいちおう(一応)
ホテルへと変わる刑務所花見客火車キッチンカー
花見してピンクに染まる日本かなピコリス
コミバスの花見日和に迂回かな美竹花蘭
弁当を開く花見の声のするひでやん
花見とて隣家の庭ぞ只愛づる一石劣
花見した友よわたしを忘れるなひと粒の種
花見酒白寿の十八番黒田節陽
病室の帰路街はみな花見なりひなたか小春
スタバのティーラテ温まりて花見かな日々青明華
ひとり旅のベンチ野良犬と花見ヒマラヤ杉
あたりめと水筒の酒花巡り向日葵姐@いつき組広ブロ俳句部
あなたの手掴む温もり花見夜にひまわりと碧い月
歳々に京の花見のありし日よ姫川ひすい
お花見やお重は父と子は母とひめのつばき
お花見の賑わい避けて孫を追うひめりんご
花見だよ酒がオイラを呼んでいる日向大海
コインランドリー回転音と花見かな日吉とみ菜
深川の渡しに雪客花の客平井千恵子
強風に幟はためく花見茶屋平井由里子
血液の検査花マル花見かな平岡花泉
盆栽の一輪愛でる花見かな平松一
外つ国の人ばかりなり花見船比良山
目薬とティッシュ携え花見酒平山仄海
思い出の花見に笑う友は居て昼寝
コンビニのカップにひらり花見酒弘井夢士
見納めと告げれず君とする花見廣重
奮発の花見弁当卓球部広島立葵
押ボタン式だと気づくまで花見広瀬康
繰り出すや造幣局の花見かな廣田惣太郎
孫娘すくすくすらり花見かな琵琶京子
戦争は悲し花見に愛の咲く琵琶湖亀
寝そべれば草の柔さや花見空風泉
お花見や浦賀の渡しせわしげにFUFU
オフィス街新人連れて花見かな深澤健
上司への愚痴の飛び交ふ花見かな深町宏
回覧に○仕事場の花見宴深蒸し茶
場所確保一人待つ間の花見かな福川敏機
場所取りに午後休取りて花見酒福前彩芽
邂逅の歩調合わさる花見かな福田みやき
十七歳笑い転げる花見かな福弓
花見手拭に敷物かかへ夜鷹めく福良ちどり
お花見や「七時からです」と茣蓙の上藤井かすみそう
よもやまも花見も夫見(つまみ)ついてゆく藤井美砂
未だ蕾提灯ひろげ花見船藤丘ひな子
立ち止まりずらりこち向く花見かな藤川雅子
新歓は花見アルコールは厳禁藤白真語
「長屋の花見」冷のお茶けに酔いにけり藤原訓子
場所取りもせず部屋からの花見かな二見歌蓮
花見して痴れてゆうべに嵐吹く船橋こまこ
団子かつ椅子持ち寄りて花見かな舟端玉
面会八時花見まだ戌の刻文月蘭子
送別会果ててとろとろ花見せり冬島直
アパートの窓賑はひて花見酒冬野とも
銘木の花見三脚乱立し古澤久良
千鳥ヶ淵花見ゲームにカメラの列古谷芳明
会える日を君も数えている花見豊後のすもも
敷物の端の吾おもしのごと花見ペトロア
ぶらり来てぶらり帰るや花見酒勉聖
幸せの空気漂う花見かな望月
通院の車窓花見に来年は峰晶
三十度見上げ続ける花見かな房総とらママ
足りるほど頷き笑う花見かなほうちゃん
お花見やさくら田麩といふピンク黒子
負けないぞキャンサー駆ける花見かな星善之
花見していつもと違う道帰る微笑亭さん太
お花見の準備に化粧忘れたり堀川絵奈
仕事でも花見でもただ一人なり堀籠美雪
今日は限界集落の花見客堀隼人
銀婚は花見の奥に君が居て本間滋之
吾子ポツリ花見の座取り遠き日よ本間美知子
娘と孫の帰りてひとり花見かな凡狸子
本閉じて花見足元スニーカーまこと(羽生誠)
箸で食ふ名店のババロア花見正岡田治
深呼吸声もうわずる花見かな雅蔵
二年目の女子に囲まれ昼花見眞さ野
花見酒楽しき人は知らぬ人町田勢
終花見何をしようか待ち時間町屋の日々輝
杖突きて古木に別れの花見かな松井酔呆
贅沢や花見トンネル甘やかに松井貴代
母の歩に合はせて見上ぐ花見かな松浦姫りんご
もういいわ言いつ今年も花見かな松浦宣子
暴風が続いた後よやれ花見松岡哲彦
花見とはすさまじさもの犬は去る松岡拓司
時巡り共同墓地の花の友松尾祇敲
老いの坂高く仰ぎて花見かな松尾美郷
花見酒居眠る老爺頬染めて松尾老圃
合いの手は苦手なんです花の宴松風花純
バス待ちの吾子とベンチの花見かな松坂コウ
お花見でお酒の味を覚えたの松沢ふじ
一時もスマホ触らぬ花見かな松田寛生
老木に手を添へ慕ふ花見かなまつとしきかわ
羽織るもの一枚持ちて花見へと松永好子
離婚届を手に花見酒を飲む松野蘭
部長たち暇で花見の場所取りに松本俊彦
写生する子等の陣取る花見かな松本裕子
緋毛氈愛でるは蕾も花見かな松本牧子
はしゃぐ人花見帰りに蕎麦食みてまほろば菊池
巾着に二千円ほど花見かな真宮マミ
婆ふたり窓辺の花見冥土までまやみこ恭
何もかも忘れさせたる花見かな瑪麗
花見の石段ひとつは元鳥居毬雨水佳
仕出し屋の花見弁当親睦費まるにの子
父母を慌てて捜す花見かな丸山隆子
青空や鳥居の外の花見客美衣珠
図書館の庭すこやかな花見客澪那本気子
お花見の疾風に口を結ばるる帝菜
花見酒まろびまろびつ土手の宴三雲萠永
花見中プラス現実逃避中三茶F
無礼講言へど令和の花見かなMR.KIKYO
船頭の美声に揺られ花見舟水谷未佳
山道の1対1の花見かなみづたま
コンビニでどれも揃えて花の宴三田忠彦
友を待つ花見の上野懐かしく光月野うさぎ
病伏す父に花見と寿司を巻くミツの会
花見花見花見と手帳賑やかミテイナリコ
被写体はキラキラ光る花見かなミナガワトモヒロ
車座に空き瓶マイク宵花見湊かずゆき
電子辞書暗い花見の席狭し港のパン屋
点滴が終わる間の花見かなみなみはな
黄のシャツをふはと羽織りて花見かな源早苗
助手席の母との花見盛らずもみのけんた
曾孫抱く母満開の花見かなみのり甘子
坂上る花見の車列動かない美村羽奏
去年とは違ふ道ゆく花戻宮井そら
私事都合の有休こっそり花見見屋桜花
遊び場の隅田の土手を花見かなみやかわけい子
野良猫も浮かれて歩く花見かな宮川令
点滴のすーっ、すーっ、と我花見みやざき白水
花見する余裕もなかった子を抱き深山柚仁
揺れる枝蜜飲む鳥の花見かな美山つぐみ
ぼんぼりの坂屋台匂う花見の夜宮村寿摩子
待ちかねて一輪のみの花見かな宮村土々
船頭のていねいに漕ぐ花見船妙
会議抜けベンチにほける花見かな麦のパパ
花の客日替わり弁当にワンカップ無月秋扇
七輪を囲み花見よギターの音無弦奏
旅先で花見をかさね北上す村上恭
喧騒を避けて我が場所我が花見村上の百合女
通り抜け人の波に乗り花見する村田玉うさぎ
お花見の明日は雨模様とラジオむらのたんぽぽ
花見するホームの母の写真顔村松登音
空白の暦に二文字あす花見暝想華
静黙の五分初舞台の花見冥呈
当番だござで席とり花見酒恵美笑
花見する杖を頼りに一歩二歩恵のママ
零る声崖の上なる花見客目黒智子
母の忌の杖たづさえし花見かな目黒千代惠
飛び入りや花見の客ののど自慢メレンゲたこ焼き
ピザーラの車に並ぶ花見ごろ茂木りん
引っ越しの荷解きもせず夕花見モコ
花見花見で婆ちゃんの一週間望月ゆう
涙と笑顔と異動と花見かな望月朔
盛り上がる花見の後の寂しさよ元村幸月
花見する我の心に彩をなす樅山楓
花見終え心の小瓶満たしけりmomo
妻逝きてただ見るだけの花見かな森佳蓮
税金をやっと忘れる花見かなモリコリゴリ
面接や道まちがえた花見の不意森太郎
ラジオからスネア弾んで花見かな森塚千明
北の国花見のともにジンギスカン森朋代
狸背に写りし人の逝く花見森の水車
お花見や若妻会の割烹着杜まお実
風が舞う子の髪飾り花見なり森茉那
食べ歩きあり日の花見遊歩道森みるく
卵巻き味は甘めにいざ花見諸岡萌黄
愛犬の歩むにまかす花見かな焼津昌彦庵
デゴイチの前陣取る子花見の子山羊座の千賀子
花見してお酒なくても酔える夜矢車草
公園のウォーキングより花見かな矢澤かなえ
あと幾度両手に余る花見かな矢澤瞳杏
退院の足向く先の花見かな野州てんまり
花の宴土手踏む人皆頬緩し安井清純
車座の異国言葉や花の宴安田伝助
主役の花見ため息の混じる酒安元進太郎
稽古後の花見につられ足袋を履く痩女
お花見や弁当開くやむすびのみ柳井るい
新任地花見は校庭のり弁当簗瀬美嘉
満開の生中継で花見するやのかよこ
友と行く花見の仕上げ団子屋で山内泉
土かたく空やはらかき花見かな山内彩月
花見終え顔赤き父舟を漕ぐ山内文野
花見客ブルーシートのモンタージュ山内悠生
愛犬の黒目に映る花見かな山尾政弘
人の輪に犬の居座る花見かな山川腎茶
馬出にペットを繋ぎ花見かな山川充
肴には吾子の綿菓子花見酒山口笑骨
二十二時花見がてらの帰宅かな山口絢子
窓ぎわのビンの一枝花見酒山口一青
花見酒あぐらをかいて寝転んで山口雀昭
墨堤に咲くを待たない花見客山口愛
花見酒こぼして河童笑ひけりヤマコー
場所取りとデリバリー待つ花の宴山崎かよ
下戸の父幹事となりて花見かな山崎のら
車椅子連なっている花見かなやまさきゆみ
花見増す推しのあの子の淡いドレス山田一予
夕ざれば火の気欲する花見かな山田季聴
二人きり撮り合ふ花見老夫婦山田啓子
傘差して独りっきりの花見かな山田翔子
桃色の波を潜て花見かなやまだ童子
一人残り花見見下ろす午後八時山田はち
お花見が三十回なり真珠婚山田はつみ
その昔遊んだ小川花見かな山田文妙
ひとひらはらり「桜坂」の花見へ山野二葉
しおにぎり隣誘いて花見かな山辺道児
立ち台にDJポリスなる花見山本八
アンパンマン敷いて包んで抱く花見やまもと葉美
産院の窓より花見赤児抱き山本蓮子
曇り空の余白青空観る花見やまやま
我もまた「銀河の底」や花見酒山吉白米
花見いま眺めゐる風斜めなり有野安津
煽てられ花見の幹事する浮世宥光
新たな道気分も上がる花見かな雪兎
二度三度下見してをり花見かな雪子
波紋めくブルーシートや花の宴雪音
花見の夜連れたき人や想ひたり柚子こしょう
泣く吾子はアンパンマンと花見かなゆず柴
ゆっくりとただ歩くだけの花見かな柚木啓
テレビ越し大いに呑める花見かな夢一成
子の見るは肩車から花見客ユリノイロ
夜勤明けされど花見よ花見酒羊似妃
通勤の朝に車窓で花見なり夜香
厨にて小枝ひとつの花見かな横井あらか
お花見を断りひとりお花見す横縞
お花見や宅配ピザのバイク音横須賀うらが
詠嘆のかなに疑問の花見かな横浜J子
女児の手いちばん先の花見かなよしぎわへい
園児らの菓子山盛りに花見かな吉田蝸牛
久々の花見のおやつ鍋プリン吉田かのこ
車椅子押す父がゐる花見かな吉武茂る
海わたり花見に来たり異邦人吉富孝則
昼花見浮世絵の中いる気分吉藤愛里子
車窓より夫と二人の花見かなYoshimin空
掛け軸に雲外蒼天花見かな楽翠
ひかりさへ雨の花見の閑かなる楽花生
斜となり行き戻りたる花見客らん丸
隠れ家で一杯飲るかと花見かなリーガル海苔助
先達は上司真昼の花見かな理佳おさらぎ
シルバーカー並ぶ木陰の花見かなリコピン
満開のテールランプよ花戻利凡
誓いとは何か分からず花の宴流流
黒塀を枝しだるるや花見酒ルーミイ
川風や朝日に匂ふ花見船麗詩
雷蔵と映画の中の花見かな連雀
見渡してひとりで辞する花見かな朗子
公園の花見子の声わんわんとわかなけん
お花見の夫奏でる八ーモニカわきのっぽ
ブルーシート出前ピザを待つ花見和光
酒瓶を携え独りきり花見海神瑠珂
湯船より宵の花見をひとりじめわたなべすずしろ
黒土に降り積む無我の花見かなわたなべいびぃ
句会後のテーブル寄せて花見会渡邉花
骨壺を抱く車窓の花見かな綿鍋雪
施設へと急ぐも少しだけ花見渡辺陽子
- 夏井いつき先生からの一言アドバイス
-
●俳号のお願い二つ
①似たような俳号を使う人が増えています。
俳号は、自分の作品をマーキングするための印でもあります。せめて、俳号に名字をつけていただけると有り難く。共に気持ちよく学ぶための小さな心遣いです。②同一人物が複数の俳号を使って投句するのは、堅くご遠慮下さい。
「いろんな俳号でいっぱい出せば、どれか紹介されるだろう」という考え方は、俳句には馴染みません。丁寧にコツコツと学んでまいりましょう。※同一アドレスからの投句は、同一人物と見なしております。
●俳句の正しい表記とは?
- 花見に行かず 家で 団子食う匿名希望
- ゴミ出しに ふと見上げれば 花見気分和桜
- マスカーレード 蒼く白き 花見かなギザギザ仮面
- 花見酒 酔いて帰るは 定めなり碧海
- 知らぬ間に メンバー増えてる 花見の座本橋理音
「五七五の間を空けないで、一行に書く」のが、俳句の正しい表記です。まずは、ここから学んでいきましょう♪
●兼題とは
- 気が付けば ひらりはらりと 葉桜にしげ3
- 遠き日の 祖母が握った 花むすび伊藤桂子
- 桜坂グラデーションに咲き昇り飯沼比呂倫
- サクラサクご所望品はファッション小物宮﨑まほらこ
本俳句サイトでは兼題が出題されています。今回は、季語「花見」での募集でした。次回の兼題を確認して、再度挑戦して下さい。
●入力ミス・文字化け
- お花見や赤青?の園児帽 ※「赤青黄」とか?金子泰山
入力ミス、誤字脱字はよくあります。送信ボタンを押す前の、最後の確認を習慣にしましょう。文字化けは不可抗力に近いけど、文字化けしそうな字を予測できるかも。
●季重なり
- 花見より 早く食べたい さくら餅たぶりん
- 花粉症なければもつと花見かな睦月くらげ
- 散る花の香り満ちる花見春の風阿部美
- 吾子を抱き春を数える花見かな後藤えいみ
- 弥生の空ひとり花見て春を待つ一人雫
- 入学を待つ子震災後の花見高岡つくね
- 着ぶくれて夜明け待つ花見の係水越千里
一句に複数の季語が入ることを「季重なり」といいます。季重なりはタブーではなく、高度なテクニック。季重なりの秀句名句も存在しますが、手練れのウルトラ技だと思って下さい。まずは「一句一季語」からコツコツ練習していきましょう。「花見」以外のどれが季語なのか、歳時記を開いて調べてみるのも勉強です。
- とふでんを花見でほおばりし岐阜公園七五三五三
「とふでん」が、豆腐田楽なら季重なり?
- 花見を待てず求愛のさえずり針子のネコ
人間の男女? なら季重なりではないですが、「さえずり」は春の季語です。
●歳時記によっては……
- 桜狩息子の髪の赤くなり愛柑
- 花見茣蓙借りて嬰児の襁褓替え与志朗
- 難民に冷たき国や花筵寺尾当卯
歳時記によっては、傍題になっているものもありますが、基本的には別建ての季語と考えるべきでしょう。
●「花見」というよりは……
- 花の昼迷子の犬のアナウンスポンタロウ
- 愛犬の鼻にひとひら花の道善本裕子
- 細き路地抜ければ一面花明かり梶浦和子
- 花並木独り歩きの道知らずまきまめ
- 笑みし君スマホに収む花の香と大和杜
- 桜見て安堵する手に受験票えのき貴州
- やっと咲く桜トンネル君と行くえのき筆丸
- 田起こしの腰伸ばし見る遠桜熊本与志朗
- ダッシュ!駆け出す君にさくらひとひら慈雨
- 薄闇に融けなむとする桜かなS・葉子
- 満開の高遠桜車窓より池内ねこばあば
- 寂寥と花見コロナ禍ただ桜四月之椿
- 花見客無き空家にも花は咲く千夜美笑夢
- 麻酔醒め見る花いまだ蕾なりかもめ
これらは、桜の句と考えるべきでしょう。
●「花見」っぽい内容ではあるけれど……
- 濁りなきお酒一口花見月(はなみづき)月夜案山子
- 酔いも酔い花は肴で春に寝る春風
- 星空と夜桜映す猪口の酒上田こうへい
- 花よりも輪になりつつくジンギスカンえのき絵巻
- 散る桜上手く弁当でうけてみたい金子晴一
- 咲く咲かぬ古木眺めて待つ桜さかたちえこ
- 父植ゑし桜並木の花筵戸根由紀
- 老若の手話の一座に花吹雪濵本雅子
花見っぽい内容ではあるけれど、「花見」の句ではありません。兼題「花見」とあれば、この季語を詠み込む必要があります。
●「花見」と「花を見る」
- なにげなく五人は同じ花を見ている花紋
- 河沿いの花見て歩く夜の月十八番屋さつき
- 咲き競う花見比べて息を呑む海 十全
- しんしんと夜川沿いを花見つつ中山由
- 線香の煙二筋花見上ぐ菱田芋天
- 花見んと羽織袴や老いの粋阿曽 遊有
- 花見しや父が手植えし風の丘山野花子
「花見」と「花を見る」は、季語としては別物です。
- 花見よと誘いにきしは早寝かな日置好美
こちらは、「花見」なのか「花(を)見よ」なのか、句意が読み取り難いですね。
●勿体ない……
- 咲くよりも散る花こその花見かな皆川徳翁
- 父と子へ花片舞降り花見客むねあかどり
- 花見まで歩く一行花を見て烈稚詠
- ふらふらと桜酔うたり花見の夜平松宗一郎
- 咲く桜落つたる花も花見かな藤川鴎叫
- 花びらの眼鏡襲ひて「花見せよ」遠藤玲奈
- お花見やはらはら花弁が君の髪大家港一
- 花見酒男山に花ひらり中谷扁平足
- 花見の宴箱にはなびらもう三時おんあいす
「花見」なので、「桜」や「花びら」は内容的にかぶって勿体ないですね。
●短歌……?
- ピンクの麩桜並木に笑顔なる散るのも早いありがとうなう芸恋リアル出演した小野市松本正
- 母と弟の三度お互い好きなだけお花見を楽しむ瀬野広純
うーむ、これらは、俳句の定型が意識されてないと言わざるを得ないなあ
お待たせしました!3月の兼題「花見」の結果発表でございます。今月も夏井先生からの「今月のアドバイス」は必見です。投句のなかにもそれぞれの「花見」が想像でき、うきうきといかにも花見らしい気持ちになりながら、しみじみと読みました。5月の兼題「葉桜」もふるってご応募ください。(編集部より)