夏井先生のプロフィール
夏井いつき◎1957年(昭和32年)生まれ。
中学校国語教諭を経て、俳人へ転身。俳句集団「いつき組」組長。
2015年初代「俳都松山大使」に就任。『夏井いつきの超カンタン!俳句塾』(世界文化社)等著書多数。
3月の審査結果発表
兼題「春日傘」
「天」「地」「人」「佳作」それぞれの入選作品を発表します。
戦場の空白ハンナの春日傘
ノセミコ
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夏井いつき先生より
一読、ウクライナ侵攻のニュース映像の中に、この春日傘を確かに見たかのような衝撃を受けました。昼夜を問わず続く砲撃にも、わずかな「空白」の時間があります。その合間をぬって、人々は防空壕を出て、水を汲み食料を求め煮炊きの火を熾すのでしょう。硝煙の匂い。足裏の瓦礫の感触。「戦場の空白」というモノクロの時空の無惨。そんな戦場にも春の空は広がり、誰へだてなく春の太陽は降り注ぎます。女性名「ハンナ」と季語「春日傘」が取り合わせられることで、失われた日常が色鮮やかな幻影として立ち上がります。さらに、ハンナの春日傘が撃ち抜かれる映像が見え隠れするかのような不安と不穏。反戦の一句として、強く心に刻まれました。
風呂敷は水平春日傘斜め
大和田美信
片手に抱える風呂敷き包みは水平に、春日傘は日差しの方向に斜めに、各々角度が保たれているのです。「水平」「斜め」、対比的かつシンプルな言葉で、春日傘の人物が映像化されている点が見事です。
花買うてデモの後ろへ春日傘
みやざき白水
花を買いにきてデモ隊に遭遇したのでしょうか。デモ隊の列を離れ、あら可愛いと思わず花を買ったのでしょうか。デモの最後尾につき春日傘を差す。ハイキング感覚の明るい春のデモを思いました。
モネの絵の影はきみどり春日傘
橘萌香
季語「春日傘」と画家「モネ」の取り合わせは多かったのですが、「影はきみどり」という把握が、いかにも春らしい空気を一句の世界に吹き込みます。夏の季語「日傘」とは一線を画している作品。
閉園まで象を見た日の春日傘
辻野花
初めて観た象という生き物に驚き夢中になり、「閉園まで」おねだりして過ごした幼いあの日、と読みました。季語「春日傘」との邂逅が、懐かしい母の明るい春日傘を思い出させたのかもしれません。
葬列の祝祭めける春日傘
すがりとおる
焼香の順番を待っているのでしょうか、出棺を見送ろうとしているのでしょうか。「葬列」「祝祭」、相反する言葉を使いつつ、葬式に集う人々の様をしっかりと映像化。色彩の対比も鮮やかな作品です。
ビー玉にゐるやう春日傘をさせばさとけん
春日傘牡丹のなかにいるやうな麦のパパ
生前墓契約をして春日傘あしたはあした
春日傘そないに早う歩かんとあつちやん
春日傘たたみてピアノ鳴る家へアロイジオ
モネの絵は嫌い春日傘は紫紺いかちゃん
春日傘咲いて日光猿軍団磐田小
初物の入荷を尋ぬ春日傘うからうから
春日傘で問うハローワークまでの道大山香雪蘭
春日傘えほんを二さつおいわいにかとの巳
春日傘母のほくろの小さくなりEarlyBird
落城の天守の空を春日傘愛燦燦
川辺よりウクレレ朗らか春日傘藍野絣
春日傘閉じて職員出入り口あいむ李景
蓬色の春日傘おじさまはシャイ青居舞
くるぶしに触れる草たけ春日傘青井晴空
春日傘水の信濃の里をゆく青木山彦
春日傘証明写真撮りに行く蒼空蒼子
春日傘ランチタイムの交差点大竹八重子
春日傘湖のにほひの溢れしむ青田奈央
家庭科専任が顧問春日傘青に桃々
ぬるい水満ちた胎内春日傘あおのめ
言ひたきは帯に締めたり春日傘蒼鳩薫
病床へ春日傘君と風に会う蒼來応來
傷つかぬやうに広げる春日傘茜むらさき
ばらばらに歩く仔犬や春日傘赤松諦現
春日傘の御夫人二度犬を蹴る赤馬福助
春日傘唐門すぎて助産院acari
小六の吾子はスタメン春日傘あかり
春日傘たたみ鶯張り廊下明惟久里
切り過ぎた髪の揃ひて春日傘秋沙美洋
樹木葬見学ツアー春日傘秋野茜
旧校舎へ春日傘の上級生あきののかなた
旗手のごと先頭を行く春日傘あくび指南
一人暮らししたことないの春日傘あさいふみよ
春日傘肺より澄んでゆく往路朝倉カグラ
パン買つて帰るだけの日春日傘朝月沙都子
膨らみて春日傘いま出航す明後日めぐみ
春日傘たたむ査察のタイミングあさのとびら
春日傘貴方も入れてさしあげる麻の実薫
春日傘鎖骨にひかりてふ重さ芦幸
春日傘沖より還る人を待つあじさい卓
繭に入るごとくに母の春日傘あずお玲子
県庁の献血バスへ春日傘梓弓
やはらかき日を曳きながら春日傘あたしは斜楽
肘の春日傘ゆらりらシャガアル展足立智美
春日傘美空に吊し雲一つあたなごっち
春日傘の男のムスクだろうかat花結い
春日傘四十五度の空笑ひ渥美こぶこ
四姉妹ひとり遺りて春日傘天風
春日傘傾けランナー通す土手あまぐり
春日傘開き転がる片ピアス雨戸ゆらら
春日傘歌舞伎座前は匂ひ立ち天野幸子
春日傘演習ヘリがつぎつぎ来あまぶー
春日傘飛んで砂丘をずずずずず綾竹あんどれ
鳩いるし遠回りしよ春日傘あらせもんじ
左手に花束みぎの春日傘新多
虚しさをはね返す白春日傘蛙里
春日傘たためばハモニカの質量ありあり
うゐらうを買ひに行きけり春日傘蟻馬次朗
お互いの犬褒め合って春日傘アンサトウ
春日傘子らは河原の草野球杏樹萌香
喧騒を弱く弾いて春日傘飯田淳子
空耳にきゆつと握れる春日傘飯村祐知子
春日傘現すカーブミラーかなイエティ伊藤
春日傘振りてまぶしき別離かなイカロス
春日傘くるぶし七歩先を行く粋田化石
無言のベンチ君の手に春日傘いくたドロップ
野次もなく盗塁もなく春日傘池内ときこ
ひかりをるたまごサンドや春日傘池之端モルト
春日傘手延べ硝子をゆらぎ行くいさな歌鈴
沖縄に溶け入る春日傘の母石垣
春日傘の祖母にポケモンGO仲間いしきひさき
くわんおんへ三寧坂を春日傘石塚彩楓
後輩の制服眩し春日傘石の上にもケロリン
死期を知る右手春日傘の微動石橋塁
彼の国へ届けあおぞら春日傘遺跡納期
春日傘立て置く樹齢一千年石上あまね
鬼の股くぐるに閉づる春日傘板柿せっか
チェロケースひかめいてをり春日傘斎乃雪
アンニュイという語覚える春日傘伊藤亜美子
すっぴんや地元銀座へ春日傘伊藤順女
春日傘もう会わないという不思議伊藤節子
春日傘アポリネールとローランサン伊藤れいこ
拐かしたい男いて春日傘糸川ラッコ
父母のいぬ家より借りて春日傘井中ひよこ号
京ことば漏れくる春の日傘かな伊奈川富真乃
子午線を淡路明石へ春日傘いなだはまち
つよがりを春日傘ごと開きけり稲畑とりこ
春日傘たたむ手関節の撓り井原冴
旧友の旧宅近し春日傘井松慈悦
写真館に兵士の遺影春日傘上原淳子
褪せてなお折り目正しく春日傘内本惠美子
春日傘下の名前で呼び合った空木眠兎
棺に添え真白き春の日傘かな海口竿富
春日傘の折り目なぞつてゐる別れ海野碧
春日傘聖書の天は複数形海葡萄
空へ色付きのあいさつ春日傘梅井さきこ
渡船場へ春の日傘をたたみおり梅里和代
耳たぶに歩幅の弾み春日傘梅野めい
白黒の花嫁は母春日傘梅原宏茂
古傷じくじく春日傘くるくる海老名吟
春日傘ミサイル降らぬ街のもの笑姫天臼
月山の青きを入れて春日傘朶美子
シーグラス海へかざせり春日傘江見めいこ
歌舞伎座の前春日傘混みあへるえりべり
春日傘畳みて海は鈍色にえんかず
きんつばをひと口旅の春日傘旺上林加
灰色の焦土の街を春日傘近江菫花
春日傘聖書に興味ありますか大紀直家
胎の子のくるり春日傘のくるり大黒とむとむ
春日傘髪を切ろうか家を出ようか大小田忍
春日傘「入りますか」と妻の声大谷如水
汀子逝く庭にぽつりと春日傘大塚恵美子
春日傘墓の横より猿来たる大村真仙
快音やみなみぎに向く春日傘大山博士
春日傘持つ手を替へて署名かな可笑式
春日傘まばゆき人の盾となり岡田恵美子
刺繍より零るる光春日傘緒方朋子
春日傘回す所を見られけり岡田雅喜
潮風を背に大仏へ春日傘小川さゆみ
倫敦の空飛ぶための春日傘小川野棕櫚
抗がん剤延期なり春日傘買ふ小川野雪兎
スマホ避け春日傘避けスクランブル小田龍聖
春日傘まわし浮力を得し心地おだむべ
春日傘ほほで支えて雲を撮る越智空子
春日傘今日の風は何色ですかおでめ
新任の教師のうわさ春日傘音のあ子
春日傘皇居ランナー躱しをり音羽凜
春日傘の影から犬ははみ出して小野寺さくや
春日傘塩瀬の帯の根付け揺るおひい
春日傘明治の匂う移築ほらおぼろ月
潮の香のひかり弾ける春日傘おんちゃん。
植林の町の税務署春日傘海音寺ジョー
春日傘砂のお城は未完成快晴ノセカイ
書割のごとき銀座や春日傘海峯企鵝
畳まれて空のぬくみや春日傘霞山旅
転入生と校門まで来春日傘樫の木
撫で牛に触るる妊婦や春日傘加田紗智
陽に向かう春の日傘の前のめり勝瀬啓衛門
春日傘下校見守りボランティアかつたろー。
十センチ母より高い春日傘克巳@夜のサングラス
春日傘たたんで役員送迎車加藤ゆめこ
戦争が終わった午後の春日傘加藤麗未
みどりごのつまさきまろむ春日傘かなえの
楽屋口にひらく師匠の春日傘仮名鶫
春日傘三越前を待ち合はす金子あや女
「悪の華」馬手にバス待つ春日傘亀田荒太
傾けて人やり過ごす春日傘亀山逸子
春日傘未婚の伯母の闊歩して亀山酔田
春日傘くるくる空を笑わせて花紋
春日傘旧知の人であったやも加裕子
春日傘ステンドグラスめく祈り唐草もみじ
春日傘二人っきりは違うらしいカラスみず
バス停の真向きは海や春日傘加良太知
まひるまの星やレースの春日傘かりかり久助
春日傘くじら2号がとんで来る果禄
二十個の産みたてたまご春日傘川村湖雪
傷跡や太陽庇う春日傘紀杏里
春日傘影に重さの無かりけり喜祝音
春日傘さびしい色が似合ふひとキートスばんじょうし
ヴィヴァルディの「春」は君の春日傘木佐優士
訪ね来し水浅葱なる春日傘岸野草太朗
春日傘身重の妻へ傾けて季切少楽@いつき組広ブロ俳句部
春日傘かばんに直木賞の本城内幸江
春日傘砂にころんと陽の匂いきのえのき
春日傘たたみて退職の日暮れ木村かわせみ
喧騒を少し訛りて春日傘木目田美咲
ピンマイク直され春日傘のキャスターQ&A
後ろからExcuse meと春日傘Qさん
春日傘飴屋横丁に鳥餌買ふ杏乃みずな
春日傘最後までいる波止場かな清永ゆうこ
青空を削りたのしき春日傘ギル
突入の合図春日傘の角度銀紙
春日傘ひかりの的となりにけり菫久
資生堂パーラー春日傘の一輪ぐ
気の乗らぬ誘ひ春日傘をもつてくぅ
砂踏めばこころの音か春日傘久我恒子
春日傘贈られたのは何故かしら草豆
春日傘の持ち方減点1ですわぐでたまご
翳りきて閉じることなし春日傘工藤悠久
お腹の子どちらでも良し春日傘國吉敦子
春日傘ひらきひとひら鳥の詩くま鶉
葬列を少しはなれて春日傘熊谷温古
目礼のあとの春日傘の無言倉木はじめ
春日傘ゆららバス停見つからず眩む凡
パンダ舎の前に居座る春日傘空流峰山
契約のとれて銀座を春日傘くるみだんご
春日傘京へ行くなら京の色久留里61
春日傘あし湯のあとの軽さかな紅さやか
横顔をレース象る春日傘桑田さなえ
内と外ひかりの境春日傘くんちんさま
春日傘もたざる齢もつ齢鯨野
春日傘ふうはりトイプードルててて恵勇
まつしろな風を透して春日傘けーい〇
春日傘廃駅の日の二番線げばげば
先輩の句碑を遮り春日傘紫雲英
春日傘たためば暗し異人館剣橋こじ
鳴き砂の鳴くたび傾ぐ春日傘 幸田柝の音
丸型のポストへはがき春日傘香田ちり
春日傘たたみ大仏に一礼こうやこう
春日傘はらりと空はみづのいろ古賀
春日傘たたきに立ててほの明し五月ふみ
春日傘折り目どおりに畳みけり古烏さや
愁ひつつ歩を進めたり春日傘小苅米泉恵
春日傘今日からショパン始めるの小久保ゆた夏
鎌倉の一の鳥居や春日傘小嶋芦舟
春日傘に入りきれない車椅子コスモス
春日傘みな傾けるきりん見るため木染湧水
スポークの影は春日傘の陰へ粉山
影踏みの子が逃げてくる春日傘小藤たみよ
江ノ電を降りて海まで春日傘小町瑞泉
春日傘うすむらさきは母の色こむぎ
消波ブロックに憑代のよう春日傘GONZA
春日傘たたんで渡るかづら橋彩汀
上出来の抜襟今日は春日傘桜よし榮
あゝなんと余生は楽し春日傘さこ
春日傘馬事公苑の青毛かな迫久鯨
春日傘閉じてガラシャの墓前へと雑魚寝
春日傘日暮れて夫に持たせけりさとう菓子
春日傘ふつくらたたむ指定席佐藤儒艮
カピバラの伏したる睫毛春日傘真井とうか
春日傘ほろほろひかり漉されをり錆田水遊
一別のひとの沙汰なし春日傘さぶり
坂の上風と引きあふ春日傘さむしん
春日傘傾げ盲導犬へ募金さるぼぼ@チーム天地夢遥
円墳の頂きに立つ春日傘三休
病窓を見上げて歩く春日傘三保緑
春日傘ポンペイ展に並び居り塩沢桂子
西町の初代マドンナ春日傘紫檀豆蔵
焼香の列を見てゐる春日傘嶋田奈緒
春日傘たとえば結婚しちゃうとか嶋村らぴ
生まれたて水源ぽくぽく春日傘清水明美
銀行へ置き傘返す春日傘清水三雲
青空の透けて眠たし春日傘芍薬
ずる休みのカバ舎に畳む春日傘じゃすみん
アルコール消毒ぬるし春日傘寿松
春日傘ひとつ肩の荷おりましたじゅん
春日傘しゃくとたたんで興信所常幸龍BCAD
「迷子のお子さまを・・・」春日傘直進白よだか
春日傘車と海に酔ひにけり新開ちえ
春日傘まちの銀座のマドレーヌ深幽
優等生やめれば春日傘眩しすいよう
春日傘渋谷の街を已然形鈴木麗門
春日傘二つ幾度もするお辞儀晴好雨独
逢ふ時はいつも葬式春日傘そうり
スラヴ語の韻律きれい春日傘染井つぐみ
春日傘波止場に座してそれつきりぞんぬ
春日傘いいことばかり起こる午後たかはし薫風
化粧室に折り目の美しき春日傘高橋寅次
桟橋に光り一つぶ春日傘高橋ままマリン
なんか違うと言われ春日傘くるくる田川彩
むらさき匂ふ老嬢の春日傘竹口ゆうこ
滑り台からみる春日傘の母竹村未麗
春日傘パチンコ店に未練なし黄昏文鎮@いつき組広ブロ俳句部
春日傘影を子犬の出入りしてダック
話の種でてこい春日傘ぐるぐる田中木江
プードルを抱え右手に春日傘知音
春日傘たたまず抜ける無人駅ちっちのきも
鞄より白檀の香の春日傘千鳥城@いつき組広ブロ俳句部カナダ支部
春日傘舞ってまだ遠いサイレン千葉羅点
花柄の裏は真っ黒春日傘千代之人
春日傘知らぬ婦人が父の墓津々うらら
都会から来た人だらう春日傘綱川羽音
河馬の歯はすかすか春日傘ひらひらツナ好
春日傘グレーチングに深き傷ツユマメ末っ子10歳@いつき組広ブロ俳句部
粛々と入る春日傘家裁へとテツコ
春日傘競艇場の外に待つ寺尾当卯
観覧席勝って波立つ春日傘苳
喫茶室つまの春日傘のありぬトウ甘藻
細き手に細き金の柄春日傘どくだみ茶
春日傘あをきカメオの君とゐるとしなり
春日傘吸ひ込まれゆく武道館とまや
葬礼の席に掛け置く春日傘 内藤羊皐
春日傘離婚は二十年前のこと中岡秀次
春日傘嘗て学生運動家中里凜
きはやかに踵を返す春日傘中島圭子
みどりごの手の覗きたる春日傘中瀬すみっこ
水くらげ揺れて江の島春日傘なかむら凧人
いつもの月曜黄色の春日傘中村まさあき
きっかけを探し春日傘ふわふわ中山月波
春日傘咲くや東京視察団なしむらなし
朝市のテントへ閉づる春日傘夏湖乃
春日傘閉じる和解の相手来る夏野あゆね
春日傘畳んで挑む逆上がり七国独楽男
赦してしまふあんなきれいな春日傘七瀬ゆきこ
春日傘ダムの生家も見えはじむ⑦パパ@いつき組広ブロ俳句部
春日傘胸の高さで手を振つて西川由野
春日傘黒犬くんくんしてらあ西田月旦
春日傘欲し太閤の城広し西原さらさ
廻すのを我慢している春日傘西村小市
春日傘たたんで反戦の列へにゃん
春日傘ごと奪はれてゐる手首野口雅也
再会は突然春日傘の飛ぶ野地垂木
妹と借りたの母の春日傘野点さわ
転職の朝まっすぐに春日傘野々かおり
春日傘母とたつぷり話した日野ばら
春日傘開くことなく旅終わる野原蛍草
産院のドアより春日傘の真白はぐれ杤餅
葬式の列に真白き春日傘はっしー
はるひがさひかりにずぶぬれのせかい葉村直
高裁の傍聴求め春日傘原田民久
南座の初日の朝や春日傘東原桜空
部外秘の封筒抱へ春日傘ひでやん
春日傘外気たたみて母もどる二和田躬江
なほ広きくわんとうへいや春ひがさ仁和田永
春日傘信号待ちの黒尽くめ庭野環石
春日傘さす手に龍の刺青あり濃厚エッグタルト
応援の声に似合わぬ春日傘はごろも856
春日傘こんな良日に告知とは橋本恵久子
プレイボール両陣営に春日傘長谷川水素
手土産は何としませう春日傘長谷機械児
外野手の後ろを守る春日傘パッキンマン
春日傘わたくしだけの雲になる八田昌代
いい写真撮れましたかと春日傘はなあかり
スカートへかぜ春日傘へしおさいはなぶさあきら
割つて入るには春日傘うつくしく播磨陽子
春日傘舞ふ延長の逆転弾春雪
いろがみのちりたるやうに春日傘はれまふよう
茶わん坂みやげを迷う春日傘樋口ひろみ
坂道や影を投げ合う春日傘菱田芋天
君が吾を呼ぶまで五秒春日傘ひなた和佳
区役所に今日は三本春日傘ヒマラヤで平謝り
春日傘開きて遠き八ヶ岳平野孤舟
光くるむやうにたたみぬ春日傘平本魚水
外車より口説かれてをり春日傘広木登一
陽光にひしゃらと濡れて春日傘弘友於泥
よこしまな風あり春日傘閉ぢつ風慈音
春日傘けふのナスダック読んで深川佳子
影踏みの影まだ薄き春日傘福井三水低
春日傘水占いに柔き影福良ちどり
鳩飛び立ちて春日傘うらがへる藤色葉菜
谷折りの位置定まりて春日傘藤川雅子
春日傘さしてひとりになりにけり藤倉密子
黄濁の空や春日傘はシェルター藤咲大地
眠つてゐるやうな漁港春日傘藤田康子
春日傘ポカリスエット色の空藤田ゆきまち
ひらがなのお手紙もらう春日傘藤永桂月
初産の妻の気怠き春日傘藤原涼
貴方の家にしつぽを残し春日傘藤雪陽
潮騒を鼻から肺へ春日傘風友
再婚の証人ですか春日傘冬のおこじょ
日溜まりはサボンの香り春日傘冬野とも
春日傘とじて君との間の近し古川シアン
春日傘たましひ痣のごと蒼む古瀬まさあき
いまの春日傘ユミ講師でないかふるてい
春日傘の薄き影なる憂ひかな碧西里
春日傘閉ぢてなほ濃き縁の紺ペトロア
歩くのが速いをんなや春日傘へなけん
教え子の追い越していく春日傘星月さやか
産み月の妻の歩幅や春日傘星詩乃すぴか
をととひの春の日傘と逢ふ港ほろろ。
春日傘両手で握る丸の内香港ひこぞう
悠然と遅刻の友の春日傘凡々
小鳥の病院を春日傘に訊かれ梵庸子
春日傘古文教師の日曜日まがりしっぽ
春日傘ひらき女が生えてくる牧野冴
春日傘ほそい日陰にほそい猫まこ@いつき組広ブロ俳句部
春日傘離島へ船のかたむきぬまこちふる
春日傘避難訓練の階段眞さ野
良き風を得て歩を運ぶ春日傘松平武史
春日傘競輪場の喫煙所まつたいら西
畳まれず舟の上なる春日傘まどん
対岸の比良はけぶりぬ春日傘丸岡正男
春日傘不穏を我の内に見ゆまるにの子
地下墓地の木乃伊のにほひ春日傘丸山隆子
春日傘とぢてひらいて入籍日まんぷく
妻のゐぬ庭先に春日傘かな三浦金物店
45°決して崩さぬ春日傘三浦にゃじろう
春日傘黒も似合ひて母若し水野禾甫
遠ざかる霊車目で追う春日傘美月舞桜
兄がほし姉がほしやと春日傘光子
仏蘭西の古き絵本と春日傘みづちみわ
真つ新な橋を真つさら春日傘満る
きらやかに銀座に散りて春日傘南方日午
孔雀の前で広げて見せる春日傘水無月葉子
軍港の静謐な空春日傘南風の記憶
シーグラスの心を拾ふ春日傘美村羽奏
母様は僕を忘れて春日傘ミモリ
よそゆきの母のよこがほ春日傘宮井そら
春日傘繰り出すA2出口かな見屋桜花
春日傘越しに鋭き眼あり三宅雅子
風呂敷の亀の家紋や春日傘宮武濱女
春日傘たたみて鹿に煎餅やる美山つぐみ
はたはたと相撲幟や春日傘宮村寿摩子
春日傘開いてかじる丸ボーロミラベル
白き雲のせて振り向く春日傘椋本望生
咲くや一輪冨士見の丘の春日傘無門
よそゆきの眉なる母の春日傘無恙庵閑酉
車駐め家裁へ妻の春日傘紫小寿々
春日傘ひらけば白き伽羅の風村瀬っち
荷物持つ娘と一つ春日傘村のあんず
春日傘さしてかくれて待っている目黒千代恵
さ緑の蝶の根付や春日傘本山喜喜
子どもの迎え忘れた春日傘ひらく百瀬一兎
似顔絵の長き五分や春日傘百瀬はな
ビル風に海風足され春日傘ももたもも
帯留の珊瑚翳りし春日傘杜まお実
たましひがふくらむ春の日傘までもりさわ
白杖は二拍子刻む春日傘もりたきみ
春日傘影にも薄き花模様森中ことり
春日傘由々しく開く城の門森山博士
週末の白球眩し春日傘諸岡萌黄
春日傘肩に任せて川のぞき焼津昌彦庵
休日や課長の連れの春日傘山羊座の千賀子
褪せぬなよ朱のあたらしき春日傘痩女
春日傘落成式は曇りけりヤヒロ
辞する日をぎこちなげなる春日傘山河穂香
薄雲に濾さるる光春日傘山川腎茶
春日傘吾子の打順を待つ土手に山口一青
春日傘硝子めく白猫のひげやまさきゆみ
春日傘文士村には坂多し山田蹴人
春日傘花輪の匂いのするような山田蚯蚓
春日傘肩に日射しを残しけり山田文妙
いそいそと祇園土産を春日傘山辺道児
世渡りに長けていらして春日傘山本先生
畳んでは開く人混み春日傘唯果
春日傘右へ回せば雲千切れ柚木みゆき
就活の企業訪問春日傘遊泉
春日傘硝子の粒子混じる坂雪音
渡し船話とぎれぬ春日傘ゆすらご
春日傘父の蔵書を売りに行く湯屋ゆうや
雨の日の憂ひを知らず春日傘宵猫
橋立や波とほたえる春日傘陽花天
春日傘形見となりて戻りけり陽光樹
春日傘運河の橋で黒服で羊似妃
赤子抱く妻にかざすや春日傘横田信一
春日傘ジュゴンのやうな母若し吉川拓真
春日傘咲かせる空は無傷なりよし季
胎動を夫にあづけて春日傘葦たかし
街並みの匂ひをたたむ春日傘吉田わさび
この街のここが銀座か春日傘吉野川
はるひがさあくびのやうにひらきけり吉行直人
わたしだけ泣かなかつたな春日傘RUSTY=HISOKA
往診の帰り春日傘と歩く楽花生
托鉢の鈴に閉じたる春日傘理佳
踊り子の別れのロケ地春日傘柳絮
骨ひとつ折れて俯く春日傘れむ
あきちゃんのピアノ帰りの春日傘蓮花麻耶
春日傘畳むまで影さだまらずローストビーフ
春日傘二丁目ならば歩きませう渡邉竹庵
フラミンゴ過ぎるみづのわ春日傘渡辺桃蓮
行間をゆっくり歩く春日傘渡邉わかな
春日傘晶子が投げしは赤からむ侘介
春日傘彼方の空に震えあり阿波オードリー
ぶらぶら鉢花ゆらゆら春日傘大野静香
折返しの電話を待つや春日傘北大路京介
春日傘はひふへほつと息を吐く島田あんず
春日傘折り目のままに褪せてをり砂楽梨
春日傘競歩のごとく向かふ駅シュリ
胸の子に作る日陰や春日傘清白真冬
春日傘空手五段の妻の貌世良日守
墓石の色を決めたる春日傘そうま純香
棟梁の削る木の香や春日傘滝川橋
衿ぬきてプランタン前春日傘卓女
春日傘七ヶ国語を話しけりたけろー
懇談のげた箱あけて春日傘TAKO焼子
春日傘翅折るごとくたたみけり玉響雷子
暖簾かけぬ山のうどん屋春日傘たむらせつこ
白一輪四十九日の春日傘淡水亭
霊園行き臨時バス待つ春日傘遠峰熊野
花束をもて余してる春日傘とかき星
あの店のあんぱん美味し春日傘とき坊
漕ぐ我に応えてくれし春日傘羽沖
パドックを栗毛に傾ぐ春日傘巴里乃嬬
病院のロータリーすぐ春日傘sakura a.
六甲の雲は明るき春日傘さくやこのはな
マカロンを買えたのうふふ春日傘三月兎
春日傘くるっと回してあーかんべしまだようこ
入籍の友にまぶしき春日傘多木紫蝶
かぜ色のパステルカラー春日傘西尾至雲
週末はうすももいろの春日傘西村棗
恋終わり春の日傘は朱を選ぶ本村なつみ
10番として初戦の我が子春日傘千波佳山
春日傘新キャプテンの初試合みつれしづく
白球を追う姿追い春日傘雅乃珠晃
少年のヒットに揺れる春日傘あさひ
内野ゴロかすれる声に春日傘あすなろの幸
砂丘よりさきは海原春日傘勢田清
春日傘砂丘の遠き点となり真理庵
黄金のウィーンを泳ぐ春日傘赤波江春奈
野次馬に紛るる一輪春日傘麻きなり
春日傘の花畑に鳩の糞朝霧七海
すぐそこと言はれ遠かる春日傘淺野紫桜
春日傘遠くの戦争を遠く聞く麻場育子
負の声をはね返すひと春日傘麻生ツナ子
捨てたのは間違っていた春日傘中はじめ
大仏と家族写真や春日傘網野れいこ
寝たふりをして盗み見る春日傘あみま
リュックからネギが顔出す春日傘雨降りお月さん
地蔵尊春の日傘を悦べり荒井類
春日傘里山は観光資源荒木俊充
母逝きて余香微かに春日傘荒木豊
春日傘急ぐ男子の伏し目かなありいかな
参道の老舗鰻屋春日傘安春
熊さんの啖呵芸妓の春日傘アンドウミノル
やんはりと日差し踏みたる春日傘生野薫
ぬくもりを重ねてたたむ春日傘郁松松ちゃん
お嬢さんと呼ばれ振り向く春日傘いくみっ句
大またの気はずかしきや春日傘池内ねこバアバ
春日傘千葉に東京ありましてイサク
弾の音モノクロームの春日傘石川あ世楽
春日傘とパパとの間をつなぐ私石塚美有
はばたいてゆくやおまへの春日傘石山日滔
上げて下げ下げて上げゆく春日傘磯野昭仁
喧騒を避けては丸む春日傘磯むつみ
バス待ちの文庫片手に春日傘一秋子
音符めく交差点かな春日傘市川りす
春日傘同窓会のメール似非伊ナイトあさか
春日傘柄杓打つ間の鹿威し稲葉こいち
傾ける地軸の角度春日傘居並小
裾分けの高野豆腐や春日傘犬山裕之
春日傘少しだけ顔見せて欲し井上幸子
そばかすの見えかくれゆく春日傘井納蒼求
口紅のうそ翳しをり春日傘ゐのかたゆきを
手漕ぎ舟対岸までの春日傘いまいやすのり
年齢を当てられし手や春日傘今井淑子
春日傘仄か妻とも妖狐とも妹のりこ
試写会はカンフー映画春日傘伊予吟会宵嵐
春日傘左手に持つ癖のあり入江幸子
春日傘預けて美術館の昼五郎八
春日傘街騒遠くなりにけり岩木順
陽の香りつれ助手席の春日傘岩橋春海
春日傘は距離右の手はポッケ植木彩由
春日傘美人は美人たらんとし上野眞理
彼の人へ色に出にけり春日傘魚氷橙
たたむ時光こぼるる春日傘うさぎまんじゅう
春日傘二十三点五度傾げ宇佐美こころ
春日傘明るし君の小さき嘘宇佐美好子
潮騒の吸音自在春日傘うめがさそう
過ぎてゆく春日傘に問ふ未来かな梅原もずく
振り向いて見る項かな春日傘s葉子
春日傘ころりほろりと銀の花蝦夷野ごうがしゃ
春日傘ひっくり返ったカバの口枝廣もずく
春日傘ゆらして土手を寅さんと越前岬
病名をひとり受け止め春日傘榎本真希子
吾にもまだ昭和のなごり春日傘M・李子
病み上がりの友の化粧ひぬ春日傘円美々
塵の街日を従えて春日傘遠藤一治
性能見極め春日傘銃めく遠藤波留
春日傘喧嘩の訳は何だっけ遠藤百合
春日傘我を空へと引き上げよ遠藤玲奈
春日傘未来の夢は海境に大江戸小紋
一斉に今朝開きけり春日傘大槻税悦
美しき横顔かげる春日傘大津美
春日傘月と地球のランデブー大野喬
春日傘ほほ笑むだけの会釈して大庭慈温
白き日を廻して遊ぶ春日傘淡海かこ
春日傘ゆらゆらはるか青い山岡崎俊子
浜風とふはり浮きたり春日傘岡田明子
あおられて春日傘飛ぶ宴の中岡田ぴか
風渡るふと放ちたや春日傘オカメインコ
羽衣をまとうごとしや春日傘丘るみこ
おぶふ子の寝息が歩調春日傘小川都
春日傘ひらいた人の蕾からおきいふ
座りこむ少女の盾は春日傘オキザリス
ヘアウィッグを護る病後の春日傘奥寺窈子
粗大ごみの隅に捨て猫春日傘小倉あんこ
和化粧のぷんと置屋を春日傘おこそとの
歩の緩む因店先の春日傘おざきさちよ
春日傘河原の父子に手を振られおさだ澄恵
一陣の風春日傘飛ぶサッカー場お品まり
春日傘お前も年頃かと父尾関みちこ
春日傘どちら迄てふ猫怪訝乙華散
戦からだれ帰り来し春日傘帯壱
春日傘飼い主と犬似るらしいオペラ座の俳人
すれ違い妻と気付かず春日傘菓果
春日傘ベンチで野良と分け合いて諧真無子
庭の木々刺さりし空き家春日傘海堂一花
とぼりとぼり砂鳴かせて春日傘果音
横顔の長きまつ毛や春日傘加賀くちこ
春日傘不忍池しづかなり案山子@いつき組広ブロ俳句部
濃き紅の口元見へし春日傘風花まゆみ
値札つけ歩きたいよな春日傘風花美絵
締め気味の帯きゅうと鳴く春日傘風早みつほ
泥団子むすぶ無心へ春日傘華胥醒子
登下校当番の母春日傘春日野道
山手の裏知り尽くし春日傘片岡六子
恋なんてした事ないわ春日傘交久瀬小夜時雨
春日傘食糧自給率不安片栗子
抱き上げるけものの匂い春日傘桂葉子
春日傘昔の恋の影がさす花伝
春日傘回す帝都の女探偵かねつき走流
来夏まで生きながらうか春日傘カフェオレ草
春日傘池に輪切りの五重塔釜眞手打ち蕎麦
遠回りして帰り来ぬ春日傘神or愛
長き階段白き天守へ春日傘神木美砂
うつろへる瀬の色数ふ春日傘神長誉夫
幾億の音蹴飛ばして春日傘神ヤ飛ビ魚
閉館のメロディ椅子の背の春日傘紙谷杳子
乳母車ふたのごとくの春日傘神谷米子
傾城のひかめくうなじ春日傘亀田かつおぶし
春日傘開けば五年前の嘘河村静葩
「若いのに」君の甘言春日傘カワムラ一重
春日傘の京男には惚れるな閑々鶏
姪っ子もそんな年頃春日傘季々諧々
隅田川三味の稽古か春日傘酒暮
唐揚げ丼お持ち帰りの春日傘北野きのこ
アイツだけ栄転春日傘要るわ北村崇雄
春日傘持つ手の疲れ遠浅間木寺仙游
長崎は坂の街なり春日傘きなこもち
ミサイルを遮るように春日傘紀友梨
通し矢の袂ひろげて春日傘京野秋水
古希過ぎて淑女になれり春日傘教来石
藍染の暖簾に畳む春日傘清瀬朱磨
ちゃん付けで呼べぬ君なり春日傘きりり
春日傘かな切り通し行く赤き影楠田草堂
じつとこちらみてゐるはずの春日傘ぐずみ
まらうどの春パラソルに目の眩む倉岡富士子
玄関に偽のバス停春日傘倉木葉いわう
春日傘隣に君の居る如く小苅米泉恵
春日傘「美術館までご一緒に」小池令香
久方の顔見ぬやうに春日傘こいぬ
躊躇いは天に投げよと春日傘郷りん
春日傘東京からの転校生剛海
春日傘越しにモロッコ幻視せり公木正
半額のスガキヤ白き春日傘紅紫あやめ
休眠の口座復活春日傘紅茶一杯
ぐだぐだの風つかまえし春日傘小笹いのり
春日傘さして野良へと頬かむり小杉泰文
春日傘黙って借りた姉の服古都鈴
春日傘畳むそよかぜ編むやうにこなねこ
つづら折り隠れてはまた春日傘このみ杏仁
ほんたうは手をつなぎたし春日傘こひつじ@QLD句会
ゆらめきとよろめきの間の春日傘こま
参観に自慢の母や春日傘小山晃
早足の春日傘きっと美人だぞ西條晶夫
待ち合わせまわして合図春日傘西條恭子
春日傘草ひく母の御居処に陽坂上一秀
地平より駿馬現わる春日傘さかえ八八六
だぶだぶの詰襟連れて春日傘坂まきか
春日傘土手を歩きて色を摘む坂本美智代
春日傘越しのひかりの後奏めくさくさく作物
春日傘開き忘るるほどの悔い咲元無有
春日傘ゆくり呆ける母の国櫻井りこ
春日傘ゴシップ好きな地蔵さまさくら悠日
襟もとに尨犬の香や春日傘笹野夕
春日傘くるり嫁いで五十年砂舟
二人より一人が好きな春日傘紗千子
喪服着て山門くぐる春日傘さっち
お喋りの二つ傾く春日傘佐藤実果
おそるべし代官山の春日傘佐藤志祐
春日傘小さき領土を持ち歩く佐藤綉綉
二枚目の出待ち華やか春日傘佐俊俊
春日傘ランチのサラダ輝いて佐藤八米
杉玉に誘われて春日傘とじ佐藤佳子
こむもりと雲は割れ春日傘に陽さとマル
お財布はしまっといてね春日傘里山子
白鳥の羽ひらくごと春日傘澤田紫
春日傘母のちひさき繕ひあと澤田郁子
玄関に古参の春日傘母と沢拓庵
ハミングはうぐいすのいろ春日傘山海和紀
春日傘下駄軽やかにあらぬ方紫雲
春日傘「街の人ね」と鍬止める紫瑛
春日傘忘れて来たり昼の月塩原香子
比叡山肩を並べて春日傘四季彩
春日傘水平線と塩むすび四季春茶子
すぐ怒鳴る男を捨てて春日傘獅子蕩児
晴のち晴のち快晴春日傘じつみのかた
元夫の背中春日傘は萌葱篠原雨子
閉じぬまま初恋は過ぎ春日傘柴森爽
春日傘ほら川底に金の斧渋谷晶
帰り来て一日を畳む春日傘しぼりはf22
春日傘さして背筋の通りけりジャスピン
相合傘するには小さき春日傘沙那夏
ベース奏でる浮桟橋に春日傘写俳亭みの
春日傘たたみ結界くぐりゆくしゅういずみ
性別の二択に迷ふ春日傘順之介@QLD句会
もしかしてとべるんじゃない春日傘正念亭若知古
春日傘傾けさせし鳥の声白石健治
春日傘左シャオシャオ右レイレイ白浜ゆい
蒼天に支点力点春日傘白プロキオン
泣き黒子上手に隠し春日傘神宮寺チェルシー
春日傘浮き沈む坂無音なり新花水木
見下ろすは蛇行の光春日傘しんぷる
仰ぎ見て時を止めたし春日傘森牧亭遊好
ふふふんと音符遊ばせ春日傘水蜜桃
春日傘そばがほ砂にかき消つを杉本果ら
春日傘背なに熱りて吾子眠るずくなし
昼下がりのグランド春日傘の鼓舞鈴木もま
春日傘の無力煉瓦の粉塵鈴木由紀子
春日傘入れても良いか君の棺鈴ノ樹
春日傘外す表札しみ深く素敵な晃くん
春日傘たたむ折り目や金のいろ主藤充子
城址より海に目を遣る春日傘スナップえんどう
カブトガニの足は何本春日傘すりいぴい
飛火野を渡り来る君春日傘静江
春日傘たたみ懐紙にメモをとりせいしゅう
春日傘黒たまご買ふ地獄谷関とし江
春日傘さすその前を鳥の影背馬
春日傘建ぺい率のぎりぎりを曽我真理子
春日傘差しているよとそんな町素空
春日傘顔の無き女はまさか外鴨南菊
春日傘お忍びのごと買物へソフィ
春日傘君待つ時はカノン聴くそまり
母の背と少しひしゃげた春日傘染野まさこ
太陽の誘いをいなし春日傘空豆魚
春日傘閉じてやさしき夕日かな太閤検地郎
多生経るはりまや橋の春日傘帝釈鴫
ぼやけたる夜にはるひがさのをんな平良嘉列乙
春日傘の作る影ふと子の泣き止む高石たく
君がしらないだけの戦争春日傘高尾里甫
赤すぎぬルージュで彼と春日傘たか祥
陽のひかり雫となるや春日傘高田祥聖
遠回り迷ってもよし春日傘高嶺遠
春日傘空回りする吾も星も高橋久恵
春日傘光の粒子パラパラと高橋ひろみこ
青い空吸いこんで春日傘浮く高山佳己
はにかみを少し漏らして春日傘竹内一二
見えぬ核の傘今朝見た春日傘竹田大輔
言葉に詰まって回す春日傘武田歩
聞き慣れた靴音させて春日傘竹八郎
ゆつたりと信号無視す春日傘多事
ヴェネツィアやゴンドラにさす春日傘糺ノ森柊
春日傘置き去り川は海へ海へ唯飛唯游
くるくると蝶ほどに風春日傘多々良海月
春日傘持つ手ばかりが母に似て立田鯊夢@いつき組広ブロ俳句部
飛行機は点にたたずむ春日傘立山枯楓
覚えたてのステップを踏み春日傘田中紺青
春日傘姿勢正しい義母だった谷相まり子
背丈ちがう夫に傾け春日傘谷町百合乃
春日傘裏技衝くや独歩憑く田上智佳士
春日傘上野の猿の毛繕い田畑整
地軸もてまはす白天春日傘玉木たまね
神戸弁そよ風めいて春日傘玉庭マサアキ
春日傘開く肺炎の捻髪音丹波らる
予後の女歩みは確か春日傘知恵さん
春日傘まつげのやうにとぢるひと千歳みち乃
春日傘ハレ晴レユカイ舞っているちゃんこダイエット
婦人科の不定愁訴へ春日傘チョコ沢ブラウニー
陰ふかき貌に陰さす春日傘月岡方円
春日傘狐通りて裾濡らす躑躅メリー
春日傘逃して楽し秘境バス椿こちょすけ
最後の返済終えたり春日傘露口全速
ぽきぽきと骨整えて春日傘ツユマメ@いつき組広ブロ俳句部
上靴洗う子と春日傘の人デイジーキャンディー
春日傘畳めば紅き眼のをんなでんじゃらすババア
春日傘かざす芦屋の境界線電柱
春日傘みぎへこぼるる陽の匂ひでんでん琴女
折り畳むひなたの匂ひ春日傘天陽ゆう
坂道で追い越されたり春日傘どいつ薔芭
春日傘ゆるき坂道見上ぐ母藤陽丸
死神に影はないらし春日傘常磐はぜ
爆撃のニュースから逃げ春日傘徳庵
登山電車斜め窓から春日傘独星
春日傘テラス席へと誘う風Dr.でぶ@いつき組広ブロ俳句部
春日傘かしげて黒髪の覗く徳田和良
ポスタアの虚ろな笑みや春日傘毒林檎
繕ひつ譲り受けたる春日傘戸根由紀
春日傘荷の山に刺し避難民戸部紅屑
風立ちぬ梅子の白き春日傘冨川友香理
半襟に陰かほりたつ春日傘冨川精子
坂道を空まで歩く春日傘斗三木童
ジオラマの都会に開く春日傘富野香衣
子等ぱっと空を押し上げ春日傘戸村友美
占いは信じないほう春日傘富山の露玉
石仏をなほす人をり春日傘鳥越暁
春日傘を前へ腫れた顔だもの鳥田政宗
春日傘白く照りかえす多摩川とんぶりっこ
春日傘ガラスの街の光かなとんぼ
暇をもてあます振りして春日傘なかかよ
春日傘開き暇を告げにけり中十七波
春日傘平和にむけて差しにけり仲田蓮謙
春日傘どこまで切ろう美容院中中
母親の口紅塗りて春日傘中鉢矢的
待人の来ぬも良きかな春日傘中原柊ニ
車椅子眩しき膝や春日傘中村あつこ
クルンクルンと退屈そうな春日傘中山白蘭
恋めぐる褪せた写真と春日傘渚
裏道は珍名だらけ春日傘新蕎麦句会・凪太
柔らかき幾何学ミュシャの春日傘夏風かをる
呼びとめてまなこ明るし春日傘夏草はむ
決着の付きしカフェいで春日傘夏雲ブン太
女たち密談ありし春日傘夏空なみ
春日傘車夫の脚絆の紫紺色夏椿咲く
春日傘親馬鹿で見る子の試合夏目坦
朝陽は七グラムでよし春日傘夏雨ちや
春日傘吾の影だけなくしけり七朝まるよ
春日傘標高千の空の淵七森わらび
性別を聞く世ではない春日傘名計宗幸
春日傘隣の友をみんな見る西爽子
春日傘ひかりの粒を濾すように二重格子
宮参りじゃりじゃり斜め春日傘二上松風
髪型を変えて春日傘で帰る新田ダミアナ
丘駆ける子の晴天を衝く春日傘一青ニ
春日傘持たされ鴉黒光り鵺之疾秋
水塊のこはれる奈落春日傘暖井むゆき
ヨシヲ訪ね噂立ちたる春日傘沼沢さとみ
しだるる木斜に眺めて春日傘ねがみともみ
日曜日種を探しに春日傘猫辻みいにゃん
毎日は宝探しや春日傘根々雅水
金色の折り紙が無い春日傘涅槃girl
慈しぶけふといふ日の春日傘ノアノア
春日傘本日火炎瓶日和ののr
春日傘シード争う応援歌稗島塗小太郎
待ち人に持ち手の替はる春日傘白庵
病室の隅ひっそりと春日傘波止浜てる
春日傘声色で見る君の顔一まどか
顔ぶれの少し変はるや春日傘畑詩音
ウインドウ映して覗く春日傘花岡浩美
春日傘子育て卒業いたしま・・・花南天あん
母国の地梅子ますぐに春日傘花はな
承和色の春日傘ねとわらふ朝花和音
行き過ぎぬ春日傘さす人は知己ばね指冬子
春日傘倒るる夜半の地震に醒むはのん
はちみつの香り連れて来春日傘アクエリアスの水
春日傘ちやうどうなじを隠しをり林山千港
結局は腕に食い込む春日傘針子のネコ
刺客たる我を隠せり春日傘晴菜ひろ
春日傘ほのと宇宙を開ける音はるまきくるん
明日は始発隅に差し込む春日傘葉るみ
閉じなさい春の日傘は二十歳からはんばぁぐ
春日傘開きわたくしは上品万里の森
春日傘藍より透けし光かなひーたん@いつき組広ブロ俳句部
早足の夫追わずに春日傘東の山
春日傘性差漠たる後ろ影ひぐちいちおう(一応)
あんぱんの臍に花びら春日傘樋口滑瓢
復幸めく光あつめよ春日傘ひしぬままき
手向け花影に収まり春日傘美竹花蘭
春日傘わたしはまだ小学生ひなたのくまさん
口実は後にどうとも春日傘ひな扶美子
馬手にニューナンブ弓手に春日傘緋乃捨楽43
似て非なる黒・くろ・クロや春日傘比々き
長話打ち切れぬまま春日傘氷室茉胡
春日傘持つ手の老いを振り払いひめりんご
春日傘君と歩くと邪魔になり百日草
ちゃんづけで呼びとめられし春日傘雛子なな
春日傘教科書束ね資源ごみひよこねいさん
液晶の指紋バス待つ春日傘日吉とみ菜
春日傘墓参の道の阿蘇五岳平岡花泉
春日傘胎に太古の海を飼う比良田トルコ石
余命など笑い飛ばして春日傘広瀬康
砲へ刺せひまわり模様の春日傘風泉
春日傘畳んでくさめ二つかな深蒸し茶
しあわせの村に伝わる春日傘深谷健
ジュラ紀にもありしや春日傘日和ふくじん
春日傘老い猫のあくびをもらう福ネコ
春日傘新車のローン完済すふくろう悠々
おしゃべりのランドセル入る春日傘房代ちゃん@いつき組広ブロ俳句部
春日傘美しすぎる狐の手ふじこ
春日傘に籠城する乙女心冬野とも
カメラ覆う春日傘迷彩古澤久良
紫のビームと戦春日傘ヘッドホン
春日傘八掛の笙はためいて鳳凰美蓮
春日傘並木の翳をかよふ風茫々
碧落の脚光避くや春日傘星乃ぽっち
新刊を買ってハミング春日傘ほしの有紀
春日傘顔よむ犬の男坂甫舟
綴蓋の手を引き散歩春日傘細野めろん
田園を額縁めきて春日傘本間美知子
春日傘背広姿がみな急ぎ真壁らん
美しい遠のく駅や春日傘正岡丹ん
春日傘動物園の昼下がり松本修
春日傘すぼめ盛岡わんこそば松本裕子
春日傘化石を持ち帰る支度真冬峰
春日傘窓辺をさつと光の輪まやみこ恭
春日傘隠していたい笑い顔まりい@木ノ芽
まろうどの化粧の匂ひ春日傘円豆蚕丸
春日傘すれ違う時魔女の笑み三茶F
春日傘傾け丸き背と歩む三島瀬波
春日傘今楽しいと色踊る水乃江辰
歌舞練場向かう舞妓の春日傘水野やや
マジックが得意そうな手春日傘光峯霏々
ミサンガの結ぶ秘めごと春日傘港のパン屋
半襟を選ぶ姉妹や春日傘みやかわけい子
美ら海に時を忘れて春日傘都乃あざみ
春日傘新調オゾン層に穴宮坂暢介
春日傘いささか酔うて恋そめし宮さま
よそほひの締めに開きし春日傘宮部里美
弟の合格発表春日傘宮村土々
春日傘赤穂浪士と眠る母妙
春日傘の中で託言繰りかへすみわ吉
春日傘後ろ歩きの吾子のしなムーン貞子
欄干へもたれ女の春日傘無弦奏
二十歳から差していますが春日傘睦月くらげ
喩へあふ蜂蜜の味春日傘村上牛蒡
図書館の窓に春日傘のぱっぱむらのたんぽぽ
銃声は陸上部なり春日傘暝想華
春日傘かんがへる人ゑがほ見ゆメレンゲたこ焼き
春日傘折りて加わるデモの列モコ
行き先は宇宙や春日傘広げ望月朔
川に落つ女主人の春日傘momo
頬に射す街路樹の影春日傘桃香
母の毒昇華す春日傘黒し森翠
袖つまみ合わせる歩幅や春日傘もり葵
白檀の残り香ほのか春日傘杜乃しずか
黒点を拾いて白き春日傘もろ智行
大人には秘密もありて春日傘山口絢子
久方に逢うてたたもか春日傘山育ち
戦車いらぬさくら色の春日傘山田啓子
春日傘似合う大人になりにけり山村楓
美しき人美しき春日傘祐宇
ひとりならこの指とまれ春日傘遊羽女
春日傘地球に花を咲かせましょう有野安津
一回ししてさす癖の春日傘宥光
春日傘共産党の街宣車ゆうま
春日傘かたむけ透き通る虹彩ユ綺
その下の顔拝みたく春日傘雪井苑生
ひと肌のぬくみをたたむ春日傘宙美
新調の春日傘陽の強きも良しゆめの常盤
ブーケトスふうわり上がる春日傘ゆりのゆき
春日傘泣きたいときは泣いていいゆるりの蒸しエビ
鍵穴のかならず軽く春日傘八日きりん
風すこし猫めくまるさ春日傘横縞
殺す者勝ちといふこと春日傘横浜J子
普段着を隠して歩く春日傘横山子守熊
税務署の還付の報や春日傘横山雑煮
春日傘遺骨抱えて船ながめ吉岡幸一
ゆるゆると肌軽くなり春日傘よしぎわへい
春日傘に音色ありしか君が来る吉田郁
人見知り個室のごとき春日傘吉藤愛里子
腹筋にちからを込めて春日傘よみちとせ
春日傘稲荷様より海に出ずリコピン
春日傘失くしたものの多かりき蓮香(山端直子)
春日傘うなじの見える近さまで連雀
春日傘この齢まで独り身で若林千影
伊佐模様の春日傘より高い鼻若宮直美
分譲の間取図に描く春日傘和光
春日傘足取り軽くメヌエットANGEL
母汚宅春日傘手にいざ参る321ちいに
幼子のもてあぐねしや春日傘あ・うん
奏でた日エーデルワイス春日傘あいあい亭みけ子
坂下る春日傘の女点となり間岳夫
遊歩道点々と咲く春日傘愛野優
春日傘相傘するペア頬も赤く青橘花
春日傘くるくる回す君を呼ぶ青空ボーイ
空へ突き上げし淡緑の春日傘赤い実成る
いいとこの婦人の手には春日傘赤尾双葉
女ならおしゃれをせよと春日傘赤子沢赤子
春日傘フリル靡かせ乙女行く紅紫李依
湯気にみて命の軽さ春日傘赤松鴨
春日傘手に汗握る顔合わせ赤目作
犬連れておしゃべり楽し春日傘聰子
春日傘閉じる横顔汗ひとつ秋田白熊
春日傘祝杯上げて万馬券昭谷
宇宙から指された道を春日傘彰乃泉
春日傘開く科にもときめいて空家ままごと
春日傘影をふみふみ唄うたう秋代
春日傘や裂け目に空を見つけたり秋吉和紀
巨瀬川の並木トンネル春日傘秋吉孝治
春日傘鎌倉の街眼下にし芥茶古美
春日傘心でスキップ柄をくるり淺井翠
夢に出る母は春日傘に隠れ朝雲列
春日傘ロックを囲むまた囲む朝方静流
良き音色春日傘横ラジオ有淺野俊也
春日傘ともに枝花抱き寄せる亜紗舞那
紫外線気にする妻の春日傘芦川次郎
あれやこれ思いを畳む春日傘明日良い天気
春日傘後ろの姿美しきアシツノカラ
うすももの小紋染め帯春日傘飛鳥井薫
にわか雨百花繚乱春日傘あすなろの邦
杖をつく母にさしかけ春日傘あそぼ葉
左手で直す肩紐春日傘新子熊耳
春日傘たたみでくるり子供用akkotas
車椅子母へふわりと春日傘厚姫
空に聞き雲に伺い春日傘跡部榮喜
見下ろせば行きつ戻りつ春日傘天川滴翠
往き往きてどこで開くか春日傘数多未完
微笑う祖母エプロン姿と春日傘朱頂蘭
春日傘真っ新なあのスニーカーアマリリスと夢
歩行者天国の寅さんを追う春日傘雨霧彦@木ノ芽
空見上げ見送る母や春日傘雨李
再開す吹奏楽や春日傘あやや
母ちゃんと季語経験す春日傘あゆか
春日傘甘味処の紺暖簾あらかわすすむ
これで終わり春の日傘をそっと閉じあらら
青空に花風舞う春日傘有里
拾得のリスト見比べ春日傘有村祐司
ハイヒール後ろ姿の春日傘有本俊雄
含羞を置きざりにして春日傘有本仁政
春日傘みあげる吾子にレース影在在空空
君と会う迷い開くや春日傘杏っ子
春日傘遊具に群れる子ら眩し池愛子
春日傘ガラ携を卒業しにね池田華族
婚約が決まりし娘と春日傘池田耕知
春日傘戦火なき芝に影淡し池ノ村路
春日傘マラソン人に二歩下がり池谷萩邨
春といふ名の劇場や春日傘石井一草
いじめなど一度もないわ春日傘石岡女依
コーデュロイの帽子は置いて春日傘石垣エリザ
母の手で縫ひ繕ひし春日傘石崎京子
春日傘水面に映る色模様石島多久山
春日傘おほばと友と色違い石原直子
ウクライナの空へと祈る春日傘石間毅史
墓にかけ母と語るよ春日傘石本美津
いつまでも来ぬ人待つや春日傘伊豆原半香
春日傘絵画のような貴婦人か泉恵風
春日傘長靴の子のくるくると泉明月子
まばゆい日タンスの匂い春日傘泉梅子
橋向からの影待つ春日傘和泉攷
ふんわりと遺影の父に春日傘いその松茸
春日傘閉じて上向きボタン押しいたまきし
初開き軽井沢駅前春日傘市川隆夫
細路地を抜けてアラ還春日傘いちこ
大空に連なる雲や春日傘いつかある日
本日のコーデは春日傘合わせ井出奈津美
知らぬ子に指さされつつ春日傘伊藤さちな
娘の背の自我を見届け春日傘伊藤治美
不忍池や汀に映し春日傘伊藤正規
石段を春日傘揺れ登り来る伊藤柚良
生足と春日傘の子校門へ伊藤小熊猫
春日傘ジェンダーフリー陽の下でイトートア
二人影距離縮まらぬ春日傘井戸美奈
春日傘パン屋の十時最後尾稲葉雀子
石畳柔らかな影春日傘伊縫音々
行事また軒並みつぶれる春日傘狗野れい
桟橋や渡り切るまで春日傘イマスノリコ
浅草や二人寄り添う春日傘今西知巳
参観日窓から見っけ春日傘彩人色
甘き風にあはぬ春日傘は黒色葉二穂
春日傘笑顔あふれる宮参りゐろをふくむや
いそいそと春日傘差すカントかな岩清水蒼天
尼寺や少し派手目な春日傘岩田勇
鴨川や等間隔に春日傘いわつよ8
北国は単衣と共に春日傘vivi
お出かけの服定まりて春日傘植田かず子
ママなんで降ってないのに春日傘上田次郎
春日傘木漏れ日柔に切通上原まり
後輩の試合ハラハラ春日傘うさぎと
「おまたせ」手の春日傘は君の手へうた歌妙
春日傘反戦デモの地球人宇田建
眩しさは女学生並み春日傘宇田の月兎
白髪の背筋しゃっきり春日傘内田こと
春日傘キッチンカーのメロンパンうちだまみ
ゆーぶいの意味もわからず春日傘現新人
カフェラテと言ふ指たたむ春日傘靫草子
およそ5°右傾いて春日傘宇野翔月
マウンドを見つめる手に汗春日傘海なし県波乗り女
空真青とけ込みさうな春日傘湖の人
母の手を繋ぎし墓参春日傘梅尾幸雪
シワくちゃな刺繍の笑う春日傘梅木若葉
レース着物の群れ過ぎ行きて春日傘梅里有璃
春日傘マザーズバッグの奥の奥梅鶏二号
和風美人の唇厚し春日傘浦文乃
朱の守り袋にゑまふ春日傘浦野紗知
春日傘小石蹴とばし片恋は麗し
車の屋根にのんとうたたね春日傘吽田のう
春日傘垂るるか細き手首かな詠頃
此処でない何処かへ行ける春日傘江川月丸
春日傘仏蘭西租界恋模様越冬こあら@QLD句会
春日傘うしろへ歩く臍曲がり絵十
モノクロの母の写真の春日傘江藤薫
初給与母の穴あく春日傘江藤真治
行き開き帰りは閉じる春日傘えぬひよこ
息子より北斎仕立て春日傘榎風子
眉ひいて少し気取って春日傘海老あまびゑ
娘から女でいてと春日傘戎居多佳子
白いあさハイカラ母の春日傘えみばば
湯上がりの足あかきまま春日傘絵夢衷子
紅ひかせ新婦前撮り春日傘えりいも
三限の国語の講師春日傘縁穐律
春日傘傾げる角度母の教え遠藤波留
よちよちを追いかけている春日傘遠藤千草
切り過ぎた前髪隠す春日傘追師うさぎ
下駄箱に祖母の春日傘一本おおい芙美子
転居に転職ため息の春日傘大江鈴
春日傘砂沼に昇りメロンパン大久保俊克
ケセラセラくるりくるりと春日傘大熊猫@四句八句
春日傘背筋を伸ばす喜寿の妻大阪駿馬
城址に佇む一つ春日傘大島一声
春日傘マダムの弾む柔き髪大嶋メデ
色褪せた玄関母の春日傘大根まる
すきないろ空にかかげて春日傘大野美波
浮かれ立つ恋する娘春日傘大原妃
春日傘たたみ触れたし君の袖大原雪
春日傘ここはど田舎よそ者か大道真波
春日傘しゃなりしゃなりと艶女大村朱希花
口喧嘩思わず閉じる春日傘大本千恵子
春日傘見えぬ姿に気もそぞろ大森大
春日傘シェルターで泣く民間人大谷一鶴
車やめ喜寿の一歩や春日傘大山きょうこ
汗流す我が子追って差す春日傘岡由紀子
送迎バス待つまの会話春日傘岡れいこ
「ごごカフェ」の流るる窓や春日傘岡井風紋
春日傘ホーム見学の母の供おかだ卯月
春日傘少しだけ濃い口紅を岡田瑛琳
手をつなぐ和装の祖母の春日傘岡田陽桜
春日傘傾け見上げる枝の先おがたみか
バス来たり畳むに畳めぬ春日傘岡田玲凛
春日傘くるくる廻り花螺旋岡塚敬芳
花畑閉じつ開きつ春日傘岡本
母の歩にそつと合はせむ春日傘岡山小鞠
同調の圧をはらりと春日傘小川天鵲
春日傘薄紅の花弁振りそそぐ小川葉月
おっとりと歩む和服や春日傘沖らくだ@QLD句会
いつもは帽子今日は春日傘奥田早苗
春日傘老犬の背に傾げやる奥野悦穂
新調の靴音軽し春日傘奥の昼行燈
餌貰う猫へかしげる春日傘おぐら徳
庭園や白のドレスに春日傘小栗福祥
ネモフィラの波ただよへる春日傘オサカナクッション
鉛抱く海隔てて春日傘おさむらいちゃん
袖口を風くすぐりて春日傘小沢史
影青き顔わからずや春日傘尾頭朔江ヱゐチ
改札を出で花開く春日傘小田和子
春日傘マスクの代わりに傾ける小田孝子
忘られし雨傘ちらり春日傘小田虎賢
ビル街に曲線描き春日傘小田慶喜
軽やかに笑顔ととのう春日傘お寺なでしこ
春日傘花を連ねて散歩道おひさま
春日傘淡き色香を残しけり沢瀉
ドアの外コンビニで待つ春日傘小山田之介
血を辿る春の日傘に守られつつ可
喪が明ける泣き顔隠す春日傘械冬弱虫
照り返すショーウインドー春日傘灰頭徨鴉
特養の戸口に溜まる春日傘海碧
紅淡く逸る右手に春日傘かえるL
五秒の間陰から陰へ春日傘火炎幸彦
春パラソルモネのモデルにわたし今カオス
勝負の日竹の持ち手の春日傘馨子.N
あれこれと尽きぬ話よ春日傘篝
春日傘母のうなじが見え隠れ笠江茂子
地は緑空の青さに春日傘梶浦和子
就活のバッグに白き春日傘鹿嶌純子
春日傘他人を避けたき日もありて柏原淑子
春日傘夢をリュックに風揺るる花純
春日傘忘れても風やわらかし風岸真
転職の不安かくして春日傘風の迷子
整理券待ちの行列春日傘風ヒカル
子の手の先には母がさす春日傘片岡恭平
春日傘ふくらむお腹子を想う片岡真子
三叉路に一期一会の春日傘勝烏
昨日より重い吾子背に春日傘花鳥風猫
色黒の春日傘さす気恥ずかしかつしか幸
文流す岸に佇む春日傘加藤雄三
海外を和服の婦人春日傘かぬまっこ@木ノ芽
くるくると風かきまぜる春日傘兼子さとみ
春日傘母が歩けば母のなり金子大二郎
春日傘駅までのみち急がずに金子真美
春日傘けいこ着姿隠しをりカバ先生
競いあう揃いし稚児の春日傘亀井汀風
若き日の妻の写真や春日傘亀田稇
春日傘少年は言ふプリビットゥ亀の
透けて見ゆ空に眩暈の春日傘かもめ
円墳にかざす欅や春日傘カラハ
春日傘汗ばむ母の手を握り花林糖
春日傘重き命の車椅子川口一壽
春日傘ふはり光を広げをり川越羽流
春日傘和服姿の君がいて翡翠
春日傘祈るは多幸背を見つめ川端芙弥
春日傘小さなケーキを手土産に川村記陽子
藍染の母の形見の春日傘川村昌子
淡色の和服にデートの春日傘樺久美
心電図の波形乱れて春日傘看板のピン
春日傘帯の色目に良く似合い祇園守りの鉾
客船の友を見送り春日傘菊川寝ん猫
春日傘セピアに笑みし彼は誰ぞ岸本元世
春日傘細き手首に軽き影岸来夢
春日傘片手にふたり帰る道帰宅部めんそ
沿道の春日傘応援は拍手北の36号
宿を出て小樽運河を春日傘北藤詩旦
抱上げし吾子の手のびる春日傘きた実実花
子らかける公園いっぱい春日傘北村修
春日傘載せて箱根の一人旅木下桃白
春日傘ばったり彼に会いたいな木野まち
住み古りし町の匂いや春日傘木原洋子
春日傘ドクターヘリが飛ぶを見るきべし
春日傘煽られ人生こんなもの木ぼこやしき
春日傘のシミは母の歴史木村かおり
大仏の前に新しき春日傘木村三球
校門で母を見つけし春日傘木村修芳
制服の大人びて見ゆ春日傘木村となえーる
野崎郷野畑めでつ春日傘木村波平
春日傘風撫でるかな髭疼き休広忌
御用邸からおほほおほほと春日傘きゅうもん@木の芽
春日傘開園まじか動物園鳩礼
乳母車の男の子見てゐる春日傘桐野鈴子
門前を行ったり来たり春日傘銀長だぬき
春日傘持つ手は細く浅黒き銀髪作務衣
紅をさす指ゆらゆらと春日傘空龍
ジャンパーを腰に巻きつけ春日傘草道久幸
むづかる子背に踏み切り春日傘葛谷猫日和
春日傘ツイスト踊る白ドレス楠美翠
春日傘ふり向く君の乳歯なし朽木春加
春日傘開いて散り落つ去年の花窪田睡鯨
春日傘振り向き様の母の影球磨太郎
春日傘スキップの子と手を繋ぎ熊本芳郎
春日傘おまえも桜だったのか雲のジュウザ
娘に選ぶ大正ロマン春日傘ぐりぐら京子
ご自由にどうぞ旅館の春日傘栗田すずさん
女学院へさざめきながら春日傘栗の坊楚材
春日傘そうだ今日はモネにしよう来ヶ谷大介
陽を浴びて風を纏うや春日傘くるみデニッシュ
出番待つテニスコートの春日傘黒田良
おてんばから女優の顔へ春日傘クロまま
バスケットの中身はヒミツ春日傘桑田栞
目に映ゆる誰そ忘れしか春日傘桑原和博
神前の花嫁に和の春日傘ケイコサン
木漏れ日に文庫かかえて春日傘景清華
母の忌や形見の帯に春日傘月昭
老いてなほ仏の遠き春日傘健央介
太陽を避けて撮影春日傘元喜@木ノ芽
アスファルトの熱で咲き誇る春日傘けんさん
和光前人待ち顔の春日傘ケンG
お太鼓がちらほらのぞく春日傘源氏物語
春日傘お太鼓結びの祖母来たる湖空螺
春日傘娘は中二病となり研知句詩@いつき組広ブロ俳句部
蒼・紅・黄今日の気分の春日傘戀戀戀
母娘連れ右に左に春日傘香西敏子
いい匂いさせすれ違う春日傘柑たちばな
春日傘抱っこ紐から出たこぶし幸内悦夫
坂多き旅に認む春日傘宏楽
はるばると富士を訪ねし春日傘幸織奈
春日傘母の齢を越えた朝古賀ちん
春日傘手描きを求め地下センタコケコッコー
罅割れし無縁仏に春日傘こけぽて丸
くるんくる親子そろひの春日傘小だいふく
初スタメン母、春日傘ふりふり東風えり
空襲の墓碑に佇む春日傘後藤周平
ウクライナへ空は続けり春日傘後藤三梅
春日傘フワリと浮かす朝の風来冬邦子
内がはは土砂降りを籠め春日傘このねこのこ
せっかちな母と分け合う春日傘虎八花乙
春日傘六人の子と母通る小林昇
春日傘光を散りばめ通り過ぐ小林のりこ
曽孫にさしかけてやる春日傘小松優布
春日傘傾け眩し錣屋根小山秀行
春日傘言を俟たない女坂五郎島金時
春日傘追い越す自転車のチリン今藤明
春日傘去りゆく母の余命ごと今野淳風
禿げて知るオアシスのごと春日傘斉実篤
おんな坂異人館まで春日傘さいたま水夢
春日傘閉じて終わるやひとり旅齋藤杏子
まだいいか傘立てに戻す春日傘斉藤巻繊
待ち人の気配で開く春日傘さいとうすすむ
惨禍あり足取り重し春日傘宰夏海
老猫にマイクロチップ春日傘さ乙女龍千よ
心浮き映すはおどる春日傘酒井晶菜
光遮る春日傘の先足元は咲く酒井@菜
春日傘くるりとまわし彼を待つ坂内櫻佳
子の姿すつぽり覆ふ春日傘坂内里桜
春日傘遠き香水ただよひ来榊昭広
春日傘釘緊き菊座黴るは坂島魁文
春日傘ごきげんやうとまはしをり坐花酔月
花嫁に差しかける母春日傘さかたちえこ
残り香は春日傘のひと裾模様坂本千代子
乳母車和服姿の春日傘相良まさと
春日傘閉じて浴びたい陽射しかなさきまき
母の背のごぢんまりせし春日傘咲弥あさ奏
思い出は隅田のほとり春日傘さくら亜紀女
私には似合わぬ涙春日傘櫻井こむぎ
デイサービス迎え待つ義母春日傘櫻井弘子
ふわふわと舞台遊泳春日傘桜姫5
振りかえれ願うあの日の春日傘笹おいけ
踏切に溢れて咲けり春日傘笹かま
ジーンズの吾子がレースの春日傘ささきなお
通学路縦に並んだ春日傘紗々
春日傘挿して歩く仔犬観る幸子.S
日よけに春日傘さいて歩いてる佐藤邦夫
岩国や太鼓橋より春日傘佐藤恒治
春日傘差す手も疲れる立ち話佐藤しのぶ
春日傘を握る指先のマニキュア佐藤しらべ
春日傘くるりスーツケースごろごろ佐藤ちかこ
公園に子らの声と妻の春日傘里海太郎
デパ地下へ折りたたまれて春日傘里すみか
雀二羽影を追いかけ春日傘里之照日日
春日傘水色持つてウキウキすさなぎ
図書館の前でたむろす春日傘錆鉄こじゃみ
春日傘回して笑まふ君の嘘紗羅ささら
春日傘憧れてみる白き手にさわだ佳芳
隅田川左岸しずしず春日傘澤野敏樹
快晴のフェイスマスクに春日傘澤埜正明
春日傘小さな影追うハイヒール斬九郎
在りし日の微笑む母は春日傘しかの光爺
半ドンの子らの無邪気の春日傘沈むエビ
曲がりかど濃紺のれん春日傘実本礼
軽トラに段ボール五個春日傘品川笙女
いざ参る石突晴天春日傘信田龍之介
再検査とぼとぼとぼと春日傘篠雪
しなやかな指が操る春日傘柴桜子
じいちゃんと選んだ白の春日傘島じい子
佇まう彼がはしりぞ春日傘縞子勾苑
春日傘閉じて一人のティータイム嶋良二
参観の母のほほえみ春日傘清水祥月
春日傘心の隙も技のうち清水縞午
春日傘回し恋人募集中清水容子
春日傘行人の影濃やかに志村狂愚
ウクレレの路上ライブに春日傘下丼月光
春日傘差す老母の手は儚くてジャスミン
春日傘うっすら花粉を飛ばしますじゃむぱん泉
改札を出て開かれり春日傘秀耕
車窓まで湯宿の女将春日傘柊二
ブルドッグに引かれて歩む春日傘秀道
春日傘陰と日なたの境ある朱康君
キス隠し淡くしたよと春日傘獣羅
開かむと白き手首の春日傘じょいふるとしちゃん
春日傘重し少女の初デート白井佐登志
春日傘四万十川の風誘う白井百合子
大人びた君は右手に春日傘白い追憶
先んじて開ける老母の春日傘四郎高綱
はみ出した左肩焼け春日傘白とり貝
妻病みて埃被った春日傘白猫のあくび
空のへや最後に鍵と春日傘白星みどり
春日傘20℃超えて髪上げて城山醍醐丸
俯いて窄め香りも春日傘新城典午
毅然たりデモの後尾を春日傘新濃健
春日傘胸のひとひらの花びら真優航千の母
手を引かれ母の香の下春日傘酔軒
吟行を喜んでいる春日傘酔芙蓉
くるくると踊りだしたり春日傘すう枝
春日傘一人の影も欺かず須川梅霖
つま先の片方ポピンズ春日傘菅原千秋
春日傘ユーブイカットの指数見る杉浦俊
ゆるゆると大和路を行く春日傘杉浦あきけん
午後のカフェ表参道春日傘杉浦真子
春日傘あの歩き方たぶん母杉尾芭蕉
教会の戸の暗がりへ春日傘杉田梅香
春日傘まぶしい君の隠れみの杉山博代
春日傘後ろ姿は女優なみ杉柳才
春日傘マスクを外し深呼吸鈴木暮戯
春日傘別れ話の次の日に鈴白菜実
団塊の男もまわす春日傘鈴野蒼爽
紅コロンおしゃれギツネの春日傘すずパンダ
たおやかな指の手櫛と春日傘ず☆我夢@木ノ芽
多摩川のせせらぎ映えて春日傘青児
忘れ物行方知らずの春日傘星夢光風
ショーウィンドウ銀座行く吾の春日傘瀬央ありさ
翳薄しグラバー邸に春日傘瀬紀
春日傘推理小説のヒロインセキセイインコ2羽
春日傘足取り軽くルルルルル関根洋子
後ろ手の祖父に差し掛け春日傘瀬戸ティーダ
春日傘手押し車の老婆かなセンターテイル
春日傘追う三輪車追いつけず仙台駄菓子
独り笑み隠して歩く春日傘惣兵衛
親知らず抜きてカッドバッと春日傘聡練
春日傘の夢ウォッカとレンドルミン草
空高く春日傘をさしてみるそしじみえこ
ママ友に一人外様の春日傘空野兎
二重の靴下で待つは春日傘それいゆ
春日傘二人で歩くそろそろと駄詩
春日傘命日は同窓会に泰山
早足や滂沱の涙春日傘平たか子
笑ふ母膝庇い持つ春日傘髙上ちやこ
所在なく閉ぢて開いて春日傘高木音弥
春日傘ほどよきほどの間の二人たかくあゆむ
春日傘参観日にて晴れ舞台高須賀竜紀
春日傘顔を隠して通り過ぎ高橋基
街中は今黒ありの春日傘高橋紀代子
春日傘仕草は若く美しや高橋なつ
春日傘バサッと開き去る彼女高橋裕樹
春日傘顔見えぬまま通り過ぐ高橋光加
立ち話色それぞれの春日傘高見正樹
喜怒哀楽知る手の皺や春日傘田上コウ
杖片手春日傘持つ通院日多胡蘆秋
おさなごのかたでまはるは春日傘たすく
春日傘廻して人待つ長きかな多田ふみ
極彩の足袋にも映る春日傘ただ地蔵
春日傘坂道のぼれば帯に汗立花かおる
春日傘深く息吸う凪の海橘春容
玄関に見覚えのある春日傘田鶴子
春日傘ロープウェイで山頂へ蓼科嘉
ママ友は近くて遠し春日傘立部笑子
春日傘回す緑の萌えはじめ田中勲
憂い晴れ空も雲なし春日傘田中邦恵
結いあげし襟足清し春日傘田中洋子
春日傘メアリーポピンズまわしけり田中善美
春日傘くるくるくるくるるるるるるたなばたともこ
コロナ禍の暗雲払う春日傘谷卓生
春日傘内なる女みな美しく谷口あきこ
春日傘クルリ回して余裕あり谷口美奈子
春日傘空の向こうで市街戦谷本真理子
ヘップバーン真似て立ちをり春日傘玉井令子
親不孝娘の春日傘は何処玉木雅代
春日傘いつもアメ五個買う子かなタマゴもたっぷりハムサンド
買い物を一つ忘れて春日傘たま走哉
月曜の踊り子号に春日傘たまのねこ
大空にちぎれ雲あり春日傘田村モトエ
ロケハンのレフ板のさき春日傘田村利平
春日傘くるり回して過去未来ダメ夫
春日傘さす男性は堂々とダンサーU-KI
花嫁のゆくえ打ち添ふ春日傘ちくりん
春日傘緩り過ぎ行く先斗町千葉睦女
一歩後はじらひ色の春日傘蝶楽
古の美女流行の春日傘長楽健司
前を行く君の鼻歌春日傘月石幸
春日傘垣間見し手の仄白さ月硝子
祖母の背でダ・カーポ覚え春日傘つきのひと
春日傘人気の店先綾なしてつきみさとふく
母の香の記憶を開く春日傘辻美瑛
春日傘出番まだかと箪笥にて辻宝樹
母娘とも衝動買いして春日傘辻ホナ
ひわいろの寛にたゆたに春日傘辻内美枝子
紫外線しっかり受け止め春日傘辻由美
川岸にしゃがむ母子の春日傘辻陽気姫
春日傘七十点のテストかな土田耕平
春日傘手提げは小さめのでいい土屋ひこぼし
雨の日や晴雨兼用春日傘椿は律
羊羹を供えて命日春日傘津幡GEE
八十路行く気分転換春日傘津村千鶴子
春日傘小脇に選ぶ旅みやげ露草うづら
幼子の歩く速度の春日傘弦巻英理華
春日傘諸手持つ君その仕草t13a
春日傘愚痴をこぼしていさぎよし哲庵
春日傘サンダルのあし脛白し哲山(山田哲也)
焼き立ての食パン提げて春日傘てつねこ
消防グッズ銀色の春日傘鉄模写
病院の庭をあちこち春日傘てまり
黒髪の後ろ姿や春日傘手毬まりこ
退職の花束抱えて春日傘寺田よしお
春日傘フルーツサンドは当たり哉てんてこ麻衣
からころと鶴の舞橋春日傘天童光宏
春日傘芽実は今日もフォトグラファー東京子
春日傘ふる歳ともに色褪せぬ藤拓
大正の令嬢の影春日傘ときめき人
春日傘開くあなたの手提げ持つ徳永倍通
春日傘朝の元町石畳どこにでもいる田中
寝たきりのばあばへかざす春日傘杼けいこ
遠ざかるほのかな香り春日傘十津川ポロ
春日傘三の鳥居へ続く道登盛満
玄関にため息ひとつ春日傘とよ
大川を見つむ動かぬ春日傘内藤由子
ブラウスの袖まくり上げ春日傘なおじい
大くしゃみ花粉も積もる春日傘中嶋和久
初デイト肩に触れあう春日傘中島葉月
大家族横一線に春日傘中嶋貢
青空に鳶輪をかいて春日傘中嶋京子
無言にて亀の寄り来る春日傘中島走吟
春日傘立ててみやげを売る媼中嶋敏子
小さく湿りし手離れ春日傘中西歌子
はるひがさペットとおさんぽいいてんきなかにしはやと
大島の襟元きりり春日傘仲操
おさなごの足先キラリ春日傘中村こゆき
春日傘眩しい赤子に差し出して永森明子
抱く吾子の寝息かすかに春日傘凪ゆみこ
特売日エコバッグ提げ春日傘那須のお漬物
春日傘「さよならですか」洩れ言葉浪速の蟹造
車椅子ベビーカーにも春日傘名前のあるネコ
すれ違うお太鼓眩し春日傘なみ夢めも
稽古場は橋の先なり春日傘奈良素数
春日傘内の柔き陽独り占め成瀬悠
帰還叶わぬ街春日傘は夢なんじゃもんじゃ
春日傘並ぶ校庭子らは駆けにいやのる
春日傘犬と夫と深大寺二階堂恵
愛犬にひかれ歩くや春日傘猫野ふく
平和とは春日傘でのひと回り野中泰風
改札に見送る母や春日傘のりこさん
先人と古刹巡るや春日傘則本久江
春日傘一つに母娘肩寄せり白雨
老いてなお「女」を忘れぬ春日傘白銀の月
あちこちにメリーポピンズ春日傘パクパクポンタ
プリーツにスニーカーは白春日傘橋爪利志美
七七日母の形見の春日傘馬笑
出ておいで京都へ行くよ春日傘長谷川ろんろん
午前雨午後晴れに咲く春日傘長谷島弘安
含み笑い残せし人や春日傘畑中真土
外出日曇り空なり春日傘蜂鳥子
傘立てに低く埋もれて春日傘葉月けゐ
春日傘くしゃみのたびに役立たず服部たんぽぽ
春日傘蕾のふくらみ眺めつつ初野文子
湿布香の背中に子守す春日傘花岡淑子
コロナ禍の山ででくわす春日傘花岡紘一
泥っぱね春日傘さす手を高く華樹
春日傘ヒールの靴の軽き音花弘
杖をつく母の背中へ春日傘花咲明日香
手を引いて二人で一つ春日傘花咲みさき
春日傘老婆と見えぬ身のこなし花野
しみや皺かすかな抵抗春日傘ばばあ新潟中川
反戦と平和を誓う春日傘羽馬愚朗
春日傘トランク転がす細い腕馬場勇至
普通って何?と傾く春日傘ぱぷりかまめ
冷食を庇ひ斜めに春日傘浜けい
雨粒も着かず音聞く春日傘濱?蓮洋
宝塚歌劇への道春日傘浜友輔
街からの叔母も墓参の春日傘はむこ
呼び鈴は夫の客人春日傘早川令子
春日傘レース模様の影ゆれて林田りこ
ミュージカル気分でくるり春日傘原水仙
待ちぼうけ回り続ける春日傘原善枝
花色に染まる並木の春日傘原島ちび助
歩き出すくるくるくると春日傘原野乃衣
習いたてのお太鼓締めて春日傘ぱらん
なぜ戦う心波打つ春日傘haru.k
モネの光さやさや風受け春日傘小林陽子
春日傘気分爽快心技体春爺
慰霊碑の黙に佇む春日傘晴田そわか
右隣沈黙の袴春日傘はるなつきえ
君の手が少し遠のく春日傘春野陽畝
思いの外刺さる日差し玄関の春日傘春のもぐらもち
物置の暗所の奥の春日傘はるる
沈痛な世界をさえぎる春日傘バンズワキ
開廷日遅刻ぎりぎり春日傘HNKAGA
春日傘和服の君の顔見たしひーちゃんw
春日傘クルクル回し拗ねてみるひーらームーン
旅立つ子見送るバス停春日傘ひいらぎ樹
春日傘投げて渡らん乙女めき東山たかこ
春日傘平和の国に生まれけり微喜
ネモフィラのまあるいブルー春日傘ひすい風香
ランドセル見送つてゐる春日傘日向こるり
初デイト変わり結びに春日傘向日葵@いつき組広ブロ俳句部
街路樹はモネの緑や春日傘姫川ひすい
人住まぬ寺に影立つ春日傘平井千恵子
まあたらし春日傘さす待ち合わせ平井由里子
老刀自の軽き身ごなし春日傘平林晶子
すれ違ふお香ほのかに春日傘平林眞砂
クラクション振り向く笑みと春日傘平松一
春日傘やり直します最初から平本文
春日傘たたむマダムの吐息かな比良山
名を知らぬ花に呼ばれて春日傘昼寝
待ち人よ土塀の上の春日傘蛭本喜久枝
春日傘開けば去年のしみのあり廣重
食卓にサイフ残して春日傘広島立葵
ハズレなしガラガラ並ぶ春日傘ひろ夢
春日傘甘き別れ歌聞こえる琵琶京子
春日傘畦道軽き影をふむ深見節子
春日傘花を数える散歩道深谷英丸
姉のあと追う妹の春日傘福川敏機
春日傘厚底ママの抱っこひも福田みやき
誰を待つ君クルクルと春日傘福乃尻尾
春日傘まずは甘味屋寺社めぐり福弓
春日傘廻して歩く男あり藤井かすみそう
ブサメンは思わせぶりな春日傘藤井弘子
陽光のレース模様や春日傘藤井眞魚
二度見する後ろ姿の春日傘藤代貢
先生の嗚咽を隠す春日傘藤白真語
待ちわぶる同窓会の春日傘藤れんぎょう
春日傘傾げる白い腕かな藤原訓子
スタンドに跳ねるピンクの春日傘豚ごりら
春日傘隠れて微吟手鞠唄船橋こまこ
くるくると舞う子追いかけ春日傘布野悠乃
モガ気取るセブンティーンの春日傘弁女
薄紅の口もと隠し春日傘ベニヤサン
寅さんと待ち合わせなの春日傘べびぽん
新宿や高層ビルと春日傘ぼくのはね
春日傘かさなる大気のたはやかさほこ
春日傘母の行き先追ひにけり細川小春
美白とは?駄々っ子ふりふり春日傘蛍乃行進
初恋はルルル少女の春日傘堀卓
物置の見慣れぬ妣の春日傘堀隼人
春日傘たたみ仏に手を合わす堀邦翔
通り過ぎ娘と気付く春日傘蒲柳
春日傘車椅子ぶれ長廊下ポレポレあひる
影逃げる光を追うて春日傘凡句楽直
春日傘たたみて駆けてくる君よ梵多
帯締めし母美しく春日傘ほんみえみねこ
母の着物ほどきてつくる春日傘凡狸子
老いし母埃を払う春日傘ma_tant.
春日傘幼子二人はしゃぎゆくまーちゃん
友に会うつかず離れず春日傘まあみん
16歳の眩し太陽春日傘舞い雪
忘れ得ぬ視線絶ちたり春日傘前田冬水
伸びをして踏み出す一歩春日傘前田敏彦
よそ見して乗り越す駅に春日傘馬門宗太
高き陽に春日傘咲く野原かな真壁らん
春日傘ひらく退院の朝かな真喜王
春日傘しっかり決めて母九十寿正岡恵似子
春日傘懐かし紋様追い越して雅蔵
幼子を抱く母の手に春日傘鱒寿司
春日傘並ぶその先人気店増田蓮華
初めての鼻緒挿げをり春日傘町田勢
春日傘眩しきモネの笑みちらり松井酔呆
春日傘スーパーまでの小町かな松岡幸子
逍遥やモネの愛妻春パラソル松尾祇敲
「ごきげんよう」会釈に揺れる春日傘松島美絵
コンビニへ電動椅子の春日傘松高網代
あの人はきつと来るはず春日傘松田文女
会へるまで視線落として春日傘まつとしきかわ
おませさんくるくる回す春日傘松野蘭
春日傘三度高めのこんにちは松本俊彦
風わたり光る川面よ春ひがさ松本牧子
紙婚式はや一年の春日傘待雪みほこ
命日は気分を出して春日傘豆福樹々子
鳴く鳥の何を思ふや春日傘丸孤
春日傘とじて窓の外の見やるまるほまるは
春日傘病院までの徒歩2分みい
春日傘顔をすっぽり隠したり三浦ユリコ
自販機のおつり忘るる春日傘帝菜
明るめの眉墨買ひに春日傘三上栞
たまのデート夫にささせる春日傘三木蜜柑
ジャニーズ系六十センチの春日傘mr.kikyo
在りし日の微笑み浮かぶ春日傘Mrふじやん。
傾ける後ろ姿の春日傘水谷豊海
春日傘先頭を行くバスガイド水谷未佳
春日傘レースの穴より使者来たる巳智みちる
路地裏に列ぶ先頭春日傘みちむらまりなま
春日傘弾道ミサイルゆく下を美千奴
さりげなく足を速めて春日傘MITSUE桜井
路地裏に行列延びし春日傘みっちゃん
春日傘四十年白い肌みどりちゃん
声援や肩身のせまい春日傘緑猫
憂き日にも銀座ブラブラ春日傘皆川徳翁
春日傘と言ふにふさはし日差しかなみなと
ペチャクチャと乙女三人春日傘湊かずゆき
色白の嫁さん綺麗春日傘みなみはな
春日傘車椅子の母隠す宮原みかん
河馬見入る檻にうごかぬ春日傘みやま千樹
サッカー戦笑顔花咲く春日傘Miwapon7
野に歩き振りむき微笑む春日傘重田寛子
こぼれふる花弁受けとめ春日傘麦畠案山子
ゆるゆると横断歩道春日傘向原かはGT
春日傘春こまやかにこぼれてる武者小路敬妙洒脱篤
晴れに曇りにいつも変わらぬ春日傘武藤裕治
遊園地見守る手には春日傘むねあかどり
制服の女子高生も春日傘村松登音
口ずさむ曲はロックで春日傘望月ゆう
ブラウスと同じフリルや春日傘桃衣ゆらら
春日傘閉じて嫉妬を押し殺す森佳月
帯締めのうす翠映ゆ春日傘森日美香
片恋の宙ぶらりんに春日傘森毬子
春日傘住宅街のメヌエット森佳三
春日傘伯母の形見の藍の傘森田祥子
ひれ伏して影の家来や春日傘森の水車
参道の木漏れ日清し春日傘森まりあ
すれ違う人をよけつつ春日傘森谷拓之
オフ会の君の目印春日傘杜若友哉@はなばた俳句会
うすあかい影を踏みたり春日傘もん
ちゃんちゃんまつり頭人児引く春日傘八重葉
春日傘狭山の里は日が暮れて八木実
墓前に屈む母子咽ぶ春日傘柳井るい
あのカフェでお茶でもしない?春日傘柳川耀一郎
「サヨナラ」と春の日傘の石突きで簗瀬玲子
晴天や母の手握り春日傘やのかよこ
お茶会や春日傘閉づ訪問着八幡風花
春日傘かしげて覗くパティスリー山内彩月
母娘で散歩春日傘の高低山木戸兆舞
春日傘父母を包みし古写真山口
参観日母のレースの春日傘山口香子
ママ達の話し止まらぬ春日傘山口たまみ
ばあちゃんもくるりと回す春日傘山口はなこ
春日傘視界遮る交差点山崎鈴子
春日傘母の手のこる刺繍かな山島美紀
春日傘お握り転ぶ遊園地やまだ童子
褒められてくるりと回す春日傘山野花子
レタス特売春日傘持て余す山野麓
春日傘ゆるやかにさし風少し山薔薇
春日傘の下で裾引く吾子の手山彦一水
曇天に嬉しがり屋の春日傘山本康
春日傘詠む我を刺すウクライナ山吉白米
春日傘つなぎたる手のほの赤き裕子
春日傘小さく廻す隅田川雪ノ下青観
振り向けどお顔は見えず春日傘柚木啓
目立つかなクラウドにさす春日傘弓原トーヤ
春日傘レースに惚れてすきまの陽夜香
バス停に青年一人春日傘吉哉郎
かわいいレースの春日傘悩ましい余じい詐
ツアーバス発車間近の春日傘吉武茂る
春日傘まつ人の香をにほひけりよした山月
スーツ着て一歩踏み出す春日傘吉田静波
大丈夫うまくいくよと春日傘よしだばあば
春日傘月命日の墓参り吉田びふう
春日傘ひとり目立ってごめんなさい善光
春日傘追ひつけさうで追ひ付けず吉本うどん
ウクライナへそそぐひかりの春日傘四葉の苦労婆
桟橋や見覚えのある春日傘余田酒梨
眩さにまだ目を逸らす春日傘世世
春日傘見返り美人を気どるかなY・りこ
春日傘のねえさん遠いイマージュ夜紫遠
モチーフは「光り」わたしの春日傘ラーラ・K
リタイアの翌日新調す春日傘ラタタタム
パステルの春日傘さす平和来よらりっく
渡月橋左へ右へ春日傘蘭亭
春日傘ひとは一葉意地らしさリーガル海苔助
日差しより避けたきは人春日傘梨音
吾が影の三歩うしろを春日傘良俗倭人
春日傘くわえタバコで踊りけり鈴音
春日傘開いて迷う植木市るりまゆう
線香の余香とたたむ春日傘るんやみ
里帰り愚痴と荷物と春日傘麗詩
春日傘の君追ひ荷負ひ手痛し烈稚詠
春日傘すれ違いたる笠長者煉獄佐保子
早起きし散策楽し春日傘蓮風
震災の町に立つ人春日傘わかなけん
春日傘傾け笑ふモデルかな若林鄙げし
さんぽ道猫が逃げるよ春日傘わきのっぽ
おろしたて春日傘舞うお出かけや鷲尾真美
春日傘友の名呼べば人違い海神瑠珂
御朱印はセルフサービス春日傘わたなべすずしろ
閉じてなお温もり纏う春日傘わたなべいびぃ
露路過ぎて白き残り香春日傘渡邉笳山
退職の帰路春日傘回しつつ渡辺香野
祇園行く後ろ姿や春日傘渡辺陽子
湯之町のカラクリ時計春日傘笑笑うさぎ
春日傘母がこの世の忘れ物吾亦紅
ストレートパーマの軽し春日傘はくたい
- 夏井いつき先生からの一言アドバイス
-
◆お願い
●俳号には苗字を!○俳号とは、その句が自分のものであることをマーキングする働きもあります。ありがちな名、似たような名での投句が増えています。せめて姓をつけていただけると混乱を多少回避することができます。皆で気持ちよく楽しむための、小さな配慮。よろしくご協力ください。
●俳句の正しい表記とは?
- 春日傘 君の左手 ぼくと犬桐山榮壽
- 振り返り 美人のマスク 春日傘堤善宏
- あの子がね くるくる回す 春日傘山下ひとみ
- 春日傘 コロナと黄砂 よけてくれ今井保夫
○「五七五の間を空けないで、一行に書く」のが、俳句の正しい表記です。まずは、ここから学んでいきましょう♪
●兼題無し
- \(^o^)/(おわた)絵文字さくらの写真に添える母おうさとじん
- 燕来る春の手紙を持って来る奥原邦敏
- 桃の花どれだどれだと春探すさかいアスリート
- 雪解けの音へと日差し紛れ込む杉森大介
- うなぎの香一滴亡き父口嬉し超雨
- 桃食べて成長誓い夢走る西谷寿
- 暗い夜夜明けは近く春雷はむ
- ウクライナピースピースと鳴く小鳥ベートーヴェン
- ヤバすぎるマスクちぎれた学校で持田ひすい
- ビニール傘を指して中から覗く春らいと
- 主なき 古民家に梅 満開かな黄園
○今回の兼題は「春日傘」です。兼題を詠み込むのが、たった一つのルールです。
●前回の兼題
- 猫の子と手まり取り合う吾子二歳愛華沙羅
- 猫の子を抱いて来にけり遅刻の子西原みどり
- 猫の子の柔さ温さに戸惑う子藤連翹
○全部で20句ほどありました
●季重なり
(桜)
- 春日傘花びら踏みつ遊歩道かめよかめ
- 春日傘花弁が透ける入学式きぃたん
- 春日傘閉じて桜の吹雪浴ぶココヨシ
- 花びらを踏みつつ駅へ春日傘光源爺
- 花びらを受けとめたくて春日傘まあるいあんこ
- 花びらを連れて帰りぬ春日傘槙由梨子
- きらきらと桜舞い散る春日傘未鼓
- 春日傘桜の花びら仕舞い込む柳井ひろ子
(その他の季重なり)
- 君待つや縁側子猫春日傘柘植雅一
- 春日傘新茶のみおりいわし雲松尾美郷
- 西日差し春日傘の奥の虹宮下勝行
- 冴え返り駅にポツンと春日傘和光子
○一句に複数の季語が入ることを「季重なり」といいます。季重なりはタブーではなく、高度なテクニック。季重なりの秀句名句も存在しますが、手練れのウルトラ技だと思って下さい。まずは「一句一季語」からコツコツ練習していきましょう。「春日傘」以外のどれが季語なのか、歳時記を開いて調べてみるのも勉強です。
〇歳時記は、編者の考え方によって細部に違いがあります。複数の歳時記を手に入れ、比較できるようにしておくことをお勧めします。
●たぶん「春」日傘のつもりだとは思うけれど
- 病院へ帽子と日傘あれは母飯田むつみ
- 架け橋の福島カレーパラソルだ北谷匠
- 一年生駆け出す見慣れた日傘へ直
- 日傘の下チューリップから桃色映えもか
- 夏日傘新大久保をするすると北国はな
- 抱かれたる子に傾けて晴日傘根本葉音
- フィンランド製の日傘で出掛けおり大石聡美
- スカートも日傘も春のルノアール霧想衿
●文字化け?
- 先行くひとの春日傘の??東戎
○入力ミス、誤字脱字はよくあります。送信ボタンを押す前の、最後の確認を習慣にしましょう。文字化けは不可抗力に近いけど、文字化けしそうな字を予測できるかも。
お待たせしました!3月の兼題「春日傘」の結果発表でございます。先日からアナウンスしておりますが、「春日傘」から「毎月10日に結果発表」となりました。お待たせしてしまう時間が長くなり申し訳ありませんが、これからも「俳句生活」をよろしくお願いいたします。今月もみなさまのご投句、お待ちしております(編集部より)