夏井先生のプロフィール
夏井いつき◎1957年(昭和32年)生まれ。
中学校国語教諭を経て、俳人へ転身。俳句集団「いつき組」組長。
2015年初代「俳都松山大使」に就任。『夏井いつきの超カンタン!俳句塾』(世界文化社)等著書多数。
6月の審査結果発表
兼題「雲の峰」
「天」「地」「人」「佳作」それぞれの入選作品を発表します。
あんなにもみづ猛々し雲の峰
玉庭マサアキ
-
夏井いつき先生より
中七「みづ猛々し」が出てきた瞬間、日本各地を襲っている水害がまざまざと蘇りました。降り続く夜の豪雨、川の氾濫、流されていく岩や橋、水没した家々。本来美しいものである「みづ」が見せる自然の脅威。そして「あんなにも」猛々しく暴れた水は、今、静かに地面を覆いつくしています。豪雨の上がった空は痛々しいほど青く、「雲の峰」は無情にも眩しいのです。
頭上に育つ「雲の峰」の成分も「みづ」。次の線状降水帯が襲ってくるかもという不安を一句の奥に感じ取ってしまうのは、「あんなにも」という何気ない上五に恐ろしさを感知するのは、私たち皆が、今まさにその現状の中にいるからに違いありません。
雲の峰ぴふと汐噴く貝の穴
あまぶー
「雲の峰」の圧倒的遠景からの「汐噴く」という動き、さらに下五「貝の穴」へと焦点が絞られていくカメラワークが巧み。「ぴふ」という擬態語も、独自性と真実性を兼ね備えていて秀逸です。
ざりと切る冷凍くぢら雲の峰
RUSTY
「ざりと切る」は単純な擬音語ではなく、手触りも表現。「冷凍くぢら」の塊、色、冷気が「ざり」の音と響き合います。下五「雲の峰」との対比が、二重三重に仕組まれているのも手練れの技。
雲の峰眩し老馬へ一点買い
ふるてい
「雲の峰眩し」と句またがりの構成。次のカットで「老馬」が出てきたかと思うと、「一点買い」で競馬だとわかる展開が実に面白い作品です。勢いのある季語との付かず離れずのバランスも見事。
雲の峰の真珠の核のごときもの
今野淳風
「雲の峰」の中には、「真珠」を養殖する際に挿入する「核のごときもの」があるから、あのように隆々と育つのだという比喩を含んだ一物仕立て。「雲の峰」「真珠」の色彩の妙も味わいです。
電気臭き果実雲の峰迫る
トマト使いめりるりら
「電気臭き果実」とはどんな果実か。甘いんだけど舌先がビリッとするような、えぐ味のある熱帯の果実を思いました。晴天の雷を運んで来そうな「雲の峰」は南国特有の激しさで迫ってきます。
雲の峰こうしてドードーは滅んだ南風の記憶
雲の峰磨くボールはあと百個南風の記憶
十五回サヨナラボーク雲の峰南風の記憶
大砲のごときチューバや雲の峰ほろろ。
体内は全て影なり雲の峰ほろろ。
象の眼のうつろにひらく雲の峰ほろろ。
雲の峰釧路の街はパルプの香北野きのこ
雲の峰転居完了して寂し北野きのこ
雲の峰昔はもっと食えたよな北野きのこ
髭剃らぬ朝は旅人雲の峰玉庭マサアキ
マチュピチュに人災あらず雲の峰玉庭マサアキ
雲の峰腹の子の名の候補三つふるてい
雲の峰急造捕手の二死満塁ふるてい
竜神の今日の根城の雲の峰今野淳風
日曜の親父バンドよ雲の峰今野淳風
五合目で沸く湯はまろし雲の峰トマト使いめりるりら
ちぎれたる馬券の渦や雲の峰トマト使いめりるりら
玉砕の1000円カット雲の峰あいだほ
企画1 峯雲ジェットコースターあいだほ
雲の峰離島の山羊は放し飼ひにゃん
雲の峰ブイヤベースはくたくたににゃん
積乱雲と昇る吾父のたましひ⑦パパ@いつき組広ブロ俳句部
洗車機と湧き立つ雲の峰に酔ふ⑦パパ@いつき組広ブロ俳句部
杉の木に阿闍梨の名前雲の峰GONZA
ライオンに家族の時間雲の峰GONZA
雲の峰ノイズまじりのホームランあきのひなた
海賊の骨付き肉や雲の峰あきのひなた
峰雲よ見ろ東京はよく燃えるいかちゃん
峰雲へチューバ全き全音符いかちゃん
カーブミラーに去りゆく君や雲の峰いさな歌鈴
十年は見事な峰雲見ておらぬいさな歌鈴
無観客試合の熱や雲の峰かつたろー。
揚げたてのコロッケの山雲の峰かつたろー。
夕晴の入道雲は粘つこいかねつき走流
赤信号の長さ入道雲の高さかねつき走流
ひりひりと葬りの風や雲の峰ぐ
峰雲やメルトダウンの町は影ぐ
希臘詩の長き脚韻雲の峰ぐずみ
羅須地人協会へ五里雲の峰ぐずみ
シンバルに触れれば熱し雲の峰ぐでたまご
雲の峰ずしりと揺らぐ 余震ぐでたまご
再興の窯に火入るや雲の峰くま鶉
ユニコーンやうと駆け出す雲の峰くま鶉
雲の峰へと鉄色のアスファルトけーい〇
オリーブオイルどばどは雲の峰育つけーい〇
大空は解錠されて雲の峰さとけん
雲の峰増幅野外音楽堂さとけん
槍投げの長き滞空雲の峰しぼりはf22
雲の峰白鳳の四股高々としぼりはf22
林立のビル群宥め入道雲じゃすみん
許嫁は六十なり雲の峰じゃすみん
雲の峰俺は俺の応援団シュリ
雲の峰スタートダッシュぶっち切りシュリ
雲の峰子牛に小指ほどの角すがりとおる
拳闘のゴング一擲雲の峰すがりとおる
雲の峰迷はず頼む肉うどんすりいぴい
雲の峰建てては崩す砂の城すりいぴい
ビザを受くカンボジア大使館雲の峰せり坊
竪穴式住居吹きかへ雲の峰せり坊
恐竜の墓場現る雲の峰そうり
峰雲の育たぬうちに帰港せりそうり
宿題に描かれる峯雲らしきものでぷちゃん
クレーンの躯体ぶつかる雲の峰でぷちゃん
雲の峰広島上空に冷気ドイツばば
水2000トン浮遊して雲の峰ドイツばば
入道雲百万トンの立ち上がるとかき星
深きより鯨浮上す雲の峰とかき星
子へ譲るポケットナイフ雲の峰としまる
雲の峰昔は大志あったよなとしまる
雲の峰鈴の音かろき仔牛かなはなあかり
雲の峰まづは何から謝ろうはなあかり
誕生日ガマより見上ぐ雲の峰ひなたか小春
授乳後の熱引く乳房雲の峰ひなたか小春
雲の峰空押し上ぐる力瘤ふじこ
南溟を墓標のごとく雲の峰ふじこ
恐竜の大腿骨や雲の峰まこちふる
むきだしのジュラ紀の地層雲の峰まこちふる
解体の校舎に遺跡雲の峰みつみつみかん
雲の峰蛇口ひねればファの♯みつみつみかん
砂浜を相撲部走る雲の峰みやかわけい子
「航」の字は「ゆく」という意味雲の峰みやかわけい子
雲の峰足ふるふると子牛立つみやこわすれ
校舎から溢れる歌や雲の峰みやこわすれ
八合目カーブミラーの雲の峰ヤンヤン
土均すグランドキーパー雲の峰ヤンヤン
カツターの替刃が撓う雲の峰葵新吾
ピカドンのことは話さぬ雲の峰葵新吾
コックスの掛け声高し雲の峰伊藤亜美子
波を切る我は湖の子雲の峰伊藤亜美子
雲の峰ローン八十五歳まで伊予吟会宵嵐
引退を告ぐホイッスル雲の峰伊予吟会宵嵐
号砲待つハードルしんしん雲の峰一斤染乃
膝に螺子入れて跳びたる雲の峰一斤染乃
雲の峰小さな薬瓶が倒れ羽沖
雲の峰いま陥落の特区を写せ羽沖
雲の峰大志抱けと言はれても可笑式
我知らぬ弟の夢雲の峰可笑式
廃校の記念樹育つ雲の峰夏目坦
三人で囲む杉の木雲の峰夏目坦
日本海入道雲を吸つて吐き花伝
宿題はあと一行だ雲の峰花伝
雲の峰瑞穂の国の握り飯雅喜
四人目も男(お)の子生まるる雲の峰雅喜
雲の峰えがおについてゆく義足海老海老
人前で泣かぬ弱さや雲の峰海老海老
牛の鳴くごとく法螺貝雲の峰樫の木
手のひらに余るコロッケ雲の峰樫の木
借景の窓の峰雲太りゆく干しのいも子
火山湖の星の瞬き雲の峰干しのいも子
崩壊の気配微塵も雲の峰亀山逸子
絵日記の入道雲の色褪せず亀山逸子
ピイちゃんの戒名はピイ雲の峰蟻馬次朗
白タクの不当入道雲論破蟻馬次朗
ベンチ外決まったわはは入道雲吉行直人
雲の峰この回頼れる四番から吉行直人
ルーヴルは華の要塞雲の峰久我恒子
怖いもの知らずの蹠雲の峰久我恒子
雲の峰二塁ベースの土埃宮武濱女
餡ぱんのこれが十個め雲の峰宮武濱女
雲の峰政宗像の鼻の穴宮本象三
吊るされて窓拭く人や雲の峰宮本象三
溶岩のごとき壺焼く雲の峰玉響雷子
あの辺りかつての我が家雲の峰玉響雷子
峰雲や地球は上によく育つ玉木たまね
峰雲やなんと綺麗な怒りかな玉木たまね
この駅も明日から無人雲の峰駒斗
雲の峰問5は捨て問ではないか駒斗
太陽の色なり雲の峰ひかる古瀬まさあき
水舟の水の新し雲の峰古瀬まさあき
追ひ越せぬじゃんけんグリコ雲の峰古田秀
バンジーのいま無重力雲の峰古田秀
関東平野ど真ん中なり雲の峰古都鈴
雲の峰びんの牛乳飲み干して古都鈴
峰雲の臍へ生駒ケーブルカー戸部紅屑
雲の峰あの日未明に特攻機戸部紅屑
チューバより生まれし雲の峰高し胡麻栞
峰雲を食べて大きくなる麒麟胡麻栞
峰雲は中まで峰雲の白さ綱長井ハツオ
雲の峰ずしりと佐渡島でかし綱長井ハツオ
獅子岩を従えしかな雲の峰香港ひこぞう
悪法施行雲の峰赤々と香港ひこぞう
門に置き去りの補助輪雲の峰高橋寅次
大空の縮こまりをり雲の峰高橋寅次
峰雲の裏を見に行く昼休み三浦にゃじろう
入道雲だいだらぼっちにかじられた三浦にゃじろう
音楽はナイフに似たり雲の峰三隅昌山
暴動のあとに暴動雲の峰三隅昌山
満載の喫水線や雲の峰三泊みなと
厨房は男の修羅場雲の峰三泊みなと
雲の峰コールタールに張る被膜山名凌霄
峰雲やゴリラが糞を投げ来たり山名凌霄
追いに追う父の打球や雲の峰山羊座の千賀子
背番号無き子の檄や雲の峰山羊座の千賀子
蓼科の山は動かず雲の峰糸川ラッコ
スサノヲの座す社や雲の峰糸川ラッコ
峰雲や岡本太郎のめん玉紫小寿々
峰雲やきのふとけふとをなじ綺羅紫小寿々
山羊のいる山村留学雲の峰七瀬ゆきこ
魚影広がる広がる広がる雲の峰七瀬ゆきこ
入道雲来たり偏頭痛ずきり芝野麦茶
羽田発アフリカ行きや雲の峰芝野麦茶
コンビナート昼も火を噴く雲の峰若井柳児
海つかむサルベージ船雲の峰若井柳児
雲の峰プールバッグの五円玉主藤充子
観覧車あそこにあったね雲の峰主藤充子
雲の峰崩れてあかく錆びた風春耕
はろばろと海王星の雲の峰春耕
峯雲やちいさきちいさき血のしずく潤目の鰯
入道雲あそこにもあそこにもかお潤目の鰯
雲の峰ふんころがしは力持ち小笹いのり
炊き出しのむすび三角雲の峰小笹いのり
峯雲や修復進む天守閣小川めぐる
ひとつずつ増えるガラクタ雲の峰小川めぐる
隠し持つ龍の炎や雲の峰小川都
入道雲遺跡を掘るとシャベルの子小川都
ガドゥルカの軽き音踊る雲の峰小倉あんこ
雲の峰唸るごと鳴く麒麟の子小倉あんこ
散骨の波遠ざかる雲の峰小池令香
神様はいると思ふ日雲の峰小池令香
ウインナーが真っ赤で旨い雲の峰小野睦
始まればうたえる校歌雲の峰小野睦
雲の峰認知症薬もう効かぬ松井くろ
雲の峰野良猫川に捨てる村 松井くろ
雲の峰県境越ゆるヘリコプター上原淳子
雲の峰あしあらいばの匂ひかな上原淳子
魂の寝床にしよう雲の峰上野眞理
雲の峰今日のはすこし甘さうだ上野眞理
雲の峰下界は重たくないか城内幸江
雲の峰コーナー攻めるオープンカー城内幸江
雲の峰まひるの星のしめりたる常幸龍BCAD
三代目ジンベエザメや雲の峰常幸龍BCAD
雲の峰より天狗産み落とされる新蕎麦句会・凪太
佐渡島の寝っ転がれり雲の峰新蕎麦句会・凪太
峰雲は磐梯山の深呼吸森山博士
青空は無駄な抵抗雲の峰森山博士
不帰ノ嶮信濃太郎を見下ろして森脇誠
入道雲死んだんだって悦っちゃん森脇誠
よれよれの散策マップ雲の峰深町明
力作の筏進まず雲の峰深町明
菓子箱のごとき団地や雲の峰仁和田永
大統領専用機吸い込まれゆく雲の峰仁和田永
楽譜飛ぶ路上ライブに雲の峰星善之
眼裏に原爆ドーム雲の峰星善之
一輪車ぐるぐる雲の峰ぐるる沢拓庵
県境は自粛ところにより雲の峰沢拓庵
畑のラジオがりりがりり丹波太郎丹波らる
にゅうどうぐも四才なりのうそをつき丹波らる
入道雲地球はエンジン全開だ短夜の月
アイツが昇進!入道雲を齧ったる!短夜の月
雲の峰まぶしき死滅回遊魚中岡秀次
ゆく川の鉄鈷雲は夕日色中岡秀次
峯雲や腋に吸ひつく体温計中原久遠
弛(たゆ)みたる乳房ひんやり夕立雲 中原久遠
雲の峰槍頂の鉄ばしご中嶋京子
雲の峰富士山小屋のカレーライス中嶋京子
雲の峰蜂の巣箱の微振動中鉢矢的
雲の峰三番目の子の断乳期中鉢矢的
本棚の時間どろぼう雲の峰天陽ゆう
石ころに秘密の呪文雲の峰天陽ゆう
昼休み入道雲の勢いよ田本莞奈@11歳
鉄棒をにぎる友の手雲の峰田本莞奈@11歳
飯を盛る女の襷雲の峰斗三木童
山彦や入道雲の嵩増して斗三木童
雲の峰時計を売つて脳軽し土井探花
峰雲を掴めず終はる冒険王土井探花
葬礼の車翳らす雲の峯内藤羊皐
雲の峯艤装員長未だ尿る内藤羊皐
火口湖の水深蒼し雲の峰星埜黴円
雲の峰大涌谷のゆでたまご星埜黴円
ふるさとに少し疲れた入道雲清島久門
入道雲の白さに感染してしまふ清島久門
庭の子の素振り100回雲の峰西村愛美
作業船磨く息子や雲の峰西村愛美
雲の峰血の味のする唾を吐く西村小市
雲の峰粘るファウルの六本目西村小市
二年後は八百屋かドラマー雲の峰石井一草
見晴るかす国はジオラマ雲の峰石井一草
母作るカルピス薄い雲の峰雪井苑生
拒否されし有給休暇雲の峰雪井苑生
紙いっぱい白塗り重ね雲の峰素敵な晃くん
重音そびえるクレーン雲の峰素敵な晃くん
雲の峰どこかで画家が筆を執る倉岡富士子
雲の峰風来坊を募集中倉岡富士子
「大きい」を欲す少年雲の峰足立智美
雲の峰子産みて未だ母ならず足立智美
炒飯を掻つ込んでゐる雲の峰多々良海月
雲の峰雲の卵嚢より生まる多々良海月
この雨や峯雲吐きし熱きもの滝川端子
立合の気合は互角雲の峰滝川端子
夕風や登山靴ぬぐ雲の峰卓女
雲の峰水槽ポンプの泡静か卓女
雲の峰故郷へ還る遺骨かな白よだか
神の手のごとくふくやか雲の峰白よだか
開拓記念碑信濃太郎を真つ向に板柿せっか
甲板に食べる素うどん雲の峰板柿せっか
空を漕ぐ逆上がりの子雲の峰飯村祐知子
雲梯の二段飛ばしや雲の峰飯村祐知子
避難路の坂のどんつき雲の峰比々き
素戔嗚の僧帽筋や雲の峰比々き
遠くに機影近くに機体雲の峰樋口滑瓢
乗換の立喰蕎麦や雲の峰樋口滑瓢
俎板にヤマメのぬめり雲の峰菱田芋天
土ぼこり鉄鈷雲の槌の音菱田芋天
峰雲や饑るし苦し匙舐めて風慈音
雷雲やほつれぬ夜の来る軈て風慈音
雲の峰「せーの」で登る二本杉福良ちどり
縄文を象るやぐら雲の峰福良ちどり
Tシャツを溢るる乳房雲の峰平本魚水
雲の峰吐いて青山動かざり平本魚水
雲の峰もて天宮の礎石とす碧西里
雲の峰歌声の遺骸は空へ碧西里
雲の峰龍落としたる鱗八つ北川蒼鴉
雲の峰龍の形の凹みあり北川蒼鴉
野望なのか雲の峰希望ですか雲の峰北藤詩旦
雲の峰ひるげの麺を茹でこぼす北藤詩旦
腹ばいに砂のトンネル雲の峰名計宗幸
横向きに蛇口から飲む雲の峰名計宗幸
測量士Kへ未完の雲の峰木江
ロボットの敬語せつなし雲の峰木江
支柱地にぐいと差し込む雲の峰野ばら
三人で座る切り株雲の峰野ばら
初めての髭剃り終えて雲の峰隆月
百均に停まるベンツや雲の峰隆月
雲の峰いま静かなる風見鶏鈴ノ樹
鬼のけはひ西南西の雲の峰鈴ノ樹
草木に耳鳴り埋めて雲の峰鈴木由紀子
入道雲の臑大灘にひたしけり鈴木由紀子
丹波太郎和泉三郎出し抜けり蓮花麻耶
丹波太郎山城次郎をうかがいつ蓮花麻耶
雲の峰ガン転移からの生還和光
胡座かき雲の峰からの重力和光
雲の峰けふ廃業の豆腐店朶美子
牧の猫山羊と仲良し雲の峰朶美子
巻向は古代の地勢雲の峰茫々
雲の峰和歌山湾に立ちにけり茫々
雲の峰コンビニまでは五十キロあみま
講義の声す屋上は雲の峰伊勢麻琴
クレーン前歯雲の峰底脆くして髙橋なつ
累々とラヴェルのボレロと入道雲ANGEL
雲の峰路面電車はドイツ製Qさん
小籠包レンゲにずしり雲の峰あかね
アルミ缶潰し潰して雲の峰あかり
坂の下民家犇めき雲の峰あさぎけんいち
髪型は風にまかせて雲の峰あさふろ
雲の峰つるりと剥けし茹で卵あたなごっち
イルカショーの水生臭し雲の峰あまぐり
細胞のひとつの疼く雲の峰あまの太郎
特攻の昨日ぶ厚き雲の峰いづみのあ
サイレンに垂れる頭や雲の峰いなだはまち
走る走る一塁セーフ雲の峰いまいやすのり
阿弖流為の憤怒沸々雲の峰えんかず
雲の峰山々に影忘れおりおうれん
出棺のブレーキランプ雲の峰おおい芙美子
頂を産み続けては雲の峰オサカナクッション
手鏡にやすやす封ず雲の峰おざきさちよ
雲の峰左ペダルの次は右おばたよう
パドックに暴れし牝馬雲の峰きなこもち
雲の峰いよいよ空は最大値くりでん
まだ続く贅沢な刻雲の峰くんちんさま
峰雲へ大きく曲がるモノレールこはまじゅんこ
青筋たつ乳痛痒し積乱雲こまたれぶー
積乱雲とどまりて光満つさくら亜紀女
うっかりしてる間に雲の峰だらけさだとみゆみこ
塩の浮く締込並ぶ雲の峰さとう菓子
雲の峰どこまで続くこの渋滞さくら悠日
雲の峰ドクターヘリが突き進むさなぎ
沖合いの小島呑まんと雲の峰しゅういずみ
東京は小さな街よ雲の峰ジョビジョバ
光射すジュゴンの海や雲の峰しんぷる
雲の峰立ち漕ぎの坂黒黒とすぴか
雲の峰頂き並ぶ白骨樹スローライフ
乾杯のグラスに映る雲の峰タマゴもたっぷりハムサンド
鉄橋は空へ曲がるや雲の峰たむらせつこ
雲の峰沈下橋から股のぞきちっちのきも
雲の峰悲しみは誰にでもあるチャーリー・吉田
水飲み場壊れっぱなし雲の峰ちゃうりん
雲の峰トロッコ軋む源流域つっちゃん
左だけ偏平足なの雲の峰ツユマメ@いつき組広ブロ俳句部
キーパーは意外と暇だ雲の峰ツユマメ末っ子@8歳
雲の峰雲飲み喰らふ山頭火ときめき人
恐竜の卵柔らか雲の峰としなり
制球の突如乱れて雲の峰てまり
雲の峰期末テストの窓四角トポル
少年に旋毛は二つ雲の峰とりこ
雲の峰風と自走の車椅子なごやいろり
峰雲や雀2,3羽砂を浴びなんじゃもんじゃ
雲の峰蛇口に亀の子たわし揺るるのりのみや
どうせなら入道雲のように泣けパッキンマン
雲の峰新人戦の近づきぬはむ
丁寧に止まる列車や雲の峰ひでやん
班長はぼくやる気ちかう入道雲ひろ太郎11才
雲の峰義足の君と徒競走ふくろう悠々
オカリナの一人稽古や雲の峰ペトロア
伸び続けるネズミの前歯雲の峰ほしの有紀
馬群より抜けて一頭雲の峰ポンタ
スクラムの力瘤なり雲の峰まこ@いつき組広ブロ俳句部
立ち上がる牛の隆骨雲の峰ままマリン
雲の峰異国の周波数ひろふマムシ銀行早乙女
雲の峰六甲山の神笑うまりい@
雲の峰白クレパスの汚れ拭くみつき小夏
バスタオルごわごわ愉快雲の峰みつれしづく
遠き日のモスラの歌や雲の峰みやこまる
神国は負けないんだって雲の峰みやざき白水
空き物件海抜ゼロや雲の峰もつこ
配達はラスト一件雲の峰ヤヒロ
高校の懸垂幕や雲の峰ゆすらご
前衛の攻防続く雲の峰よしざね弓
音も無く積乱雲の爆発すよにし陽子
雲の峰古式泳法修練会ラーラ
草野球敵外野手は雲の峰わたなべいびぃ
峰雲へ放るスニーカー下校の子愛燦燦
二球目のフォークが落ちず雲の峰葦たかし
雲の峰レーンの義足沈み跳ね安宅麻由子
峯雲や貫くサーブ初勝利杏樹萌香
岩塩を舐める麒麟や雲の峰伊藤興味
雲の峰に辿り着けないけど登る伊藤順女
駅ひとつ過ぎれば縮む雲の峰遺跡納期
雲の峰龍馬語りし時未だ磯野昭仁
「ドラえもん」の0巻あるや雲の峰浦文乃
さいはいの住むかも知れぬ雲の峰塩原香子
桜島は饒舌である雲の峰黄不動
入道雲睥睨の足下を小船行く加裕子
野外ライブの演者は遠し雲の峰夏湖乃
缶けりの缶かっとんで雲の峰夏雨ちや
旧線の眠るD51雲の峰花岡幸嗣
峰雲や球場越へてくるエール花南天
母子手帳やっともらえた雲の峰花紋
舟先に立ちはだかるや雲の峰海口竿富
雲の峰機体はひかりさす方へ海野碧
雲の峰一両だけの列車過ぎ蛙里
雲の峰高いフライをキャッチする笠原理香
雲の峰山路の脇の防空壕閑蛙
かさぶたの剥がれ落ちそう雲の峰閑々鶏
エアバッグへちゃげたまんま雲の峰彼方ひらく
上段の突きの彼方に雲の峰岩松良玹
リコーダー上手にできた雲の峰季音句歩
歯科治療今日でお仕舞い雲の峰季切少楽@いつき組広ブロ俳句部
雲の峰菓子代100円握りしめ紀友梨
雲の峰吠えて届かぬ犬の声鬼平哀歌
聖堂の部厚き扉雲の峰亀田荒太
真ん円い地球のへそだかなとこ雲亀田勝則
ひこうきを二つのんだよ!にゅうどうぐも吉田結希
雲の峰ダビデの石をおさめたり宮坂暢介
雲の峰フローリングのひんやりと宮武桜子
敬礼のまゝの離岸よ入道雲宮部里美
道三の入道雲か美濃の空句楽
水たまり踏めば溢れる雲の峰空龍
勝負球振り切る四番雲の峰薫夏
あの下に故郷のあり雲の峰畦のすみれ
積乱雲白衣しずかな診察室月の沙漠★★
シリアルは献血の礼雲の峰湖雪
雲の峰ウォッシュレットは強のまま後藤麻衣子
雲の峰耳納連山越えて湧く江雲
靴下を脱げば風吹く雲の峰江見めいこ
入道雲おおかみだけがたいじされ高橋無垢
スマホから「ワルキューレの騎行」雲の峰高石たく
積乱雲未来が真っさらなんて嘘高田祥聖
甲子園の土は雲の峰の土高尾里甫
波引けばシーグラス散る雲の峰根々雅水
恵那山に大神の日傘雲の峰佐藤佳子
スクイズに立つ土埃雲の峰佐藤儒艮
弓しぼる背にゆるみなし雲の峰佐藤千枝
冒険が始まりそうな雲の峰砂舟
青空の暴発無音雲の峰在芽里子
王かわし桂馬を跳ねて雲の峰坂まきか
マーラーの曲が聞こえる雲の峰坂本千代子
杉の芯伐る手が向かう雲の峰榊昭広
きょうの日が一番若い雲の峰三茶F
「ふのぉーん」鳴き土電曲がりて入道雲山沖阿月子
悪童の溜る石垣雲の峰山太狼
見はるかす大阪平野雲の峰山内彩月
かげふみの踏んだ踏まれた雲の峰山本先生
積乱雲きみは平気で嘘をつく獅子蕩児
終止符を何処にうとうか雲の峰紫雲
百尺の石垣は玄(くろ)雲の峰篠雪
鉄棒に揺れるズックや雲の峰紗智
低くしか飛べない孔雀雲の峰蛇井めたる
雲の峰廊下へ「部活Do!!」掲示寿松
釣り船や水面の雲の峯崩す秀耕
いにしえの恐竜割拠や雲の峰秋夕介
峰雲の底に巨人は眠りおり秋さやか
雲の峯リュックひとつで旅の空秋月なおと
新鋭のバックアタック雲の峰峻
マキロンに泡立つ傷や雲の峰小鞠
瀬戸内をジオラマにして雲の峰小山晃
ふるさとの駅は変はらず雲の峰小田慶喜
雲の峰めざす背面跳びの腕小田虎賢
雲の峰震ふたれかが神を視る小椋チル
この川も合戦場や雲の峰小林陸人
下校の子雲の峰より現はるる松山のとまと
ピレネーを漕ぐ腿太し雲の峰松山帖句
夕映えの入道雲にマスク取る松村貞夫
積んで積んで壊す積み木雲の峰松本裕子
海人(あまびと)の髪明々と石見太郎焼田美智世
雲の峰ちちははこどもせいくらべ笑笑うさぎ
雲の峰なまぐさかった祖父の船鐘ケ江孝幸
雲の峰君は遠くで歳をとる植田かず子
雲の峰岩に腹這ふカメラマン色葉二穂
雲の峰二十歳の夢は疑はず森佳月
大人用おむつ重くて雲の峰森中ことり
雲の峰届かぬ声の捨て処深雪
雲の峰あれは火山の吐息なり真井とうか
独り言でもはきはき言はむ雲の峰神楽坂リンダ
峰雲やみどり児ふくむ乳の濃く杉本果蓏
ボーリング櫓の微動雲の峰世良日守
アフリカに耕す米や雲の峰星夢光風
凸凸凸雲の峰凸凹凸清水祥月
ゴム跳びの新技クリア雲の峰清白真冬
雲の峰峠を越えるツーリング西原さらさ
故郷と呼ぶものなくて雲の峰西川由野
雲の峰嘗めかけの飴透かし見る青田奈央
昨日明日忘れて今日の雲の峰静葩
宿題の亀の観察雲の峰石井茶爺
街はみなゴッホ色なり雲の峰石原由女
雲の峰光るところを食べてやる石崎京子
窓拭きのゴンドラ昇る雲の峰石塚彩楓
速度違反誘ふやうな雲の峰赤馬福助
入道雲お駄賃は100円アイス雪華きなこ
岬より溢れ出したる雲の峰千葉睦女
雲の峰宿題はあとであとで川村ひろの
雲の峰草原行きのバスに列川村昌子
呼ぶや吾子入道雲の向かふ側染谷川
僕のまま進む方法雲の峰倉嶋志乃
雲の峰名付けた豚を食ふ授業倉木はじめ
雲の峰捕まえ捕まえ田の仕事惣兵衛
海を踏み抜き大空背負う雲の峰蒼奏
雲の峰人湧き出づるメトロかな蒼鳩薫
峰雲の底仄暗し街静か霜月詩扇
戸隠や雲の峰喰う鏡池則本久江
スカイツリー義足のやうに雲の峰多事
鉄塔の錆青々と雲の峰対馬清波
ポン菓子に湧く歓声や雲の峰大山小袖
雲の峰無死満塁の河川敷大小田忍
三振のあとのサヨナラ入道雲大庭慈温
雲の峰山路を踏ん張り摘果する鷹野みどり
雲の峰一ノ倉沢掬ひけり滝川橋
雲の峰河原のラッパ吹き今日も谷本真理子
長堤にひびくホルンや雲の峰池田郁英
フーテンの兄の岡惚れ雲の峰中山月波
雲の峰母屋の屋根に草の伸ぶ中西柚子
太郎とも呼んで親しや雲の峰中野富雄
ジェットコースター今沸点や雲の峰宙のふう
積乱雲小暗き部屋に俯して昼寝
隠れ里暴くがごとし雲の峰長谷島 弘安
恐竜の子孫は小鳥雲の峰天野姫城
雲の峰スコアーボードの1点差田村利平
雲の峰水の子たちの相談所田中善美
困り顔のティラノサウルス鉄鈷雲渡辺おりーぶ
水平線の円き背骨や雲の峰冬のおこじょ
よさこいの大旗回す雲の峰冬木ささめ
初めてのバリウムごくり雲の峰島村福太郎
ほとばしるバスの洗車機雲の峰嶋田奈緒
午後三時入道雲の白はこわい藤田ゆきまち
峰雲や猫の魔法で眠くなる独星
雲の峰紙飛行機の日曜日内田英樹
原爆を孕んでをるや雲の峰楢山孝明
ドライブはとりあへず海雲の峰南方日午
米相場伝える手旗雲の峰楠田草堂
雲の峰怒号飛び交ふ部屋を出づ埜水
便せんに落つ影深し雲の峰梅嶋紫
雲の峰幼いころは登れたよ白土景子
探し物もきっとあのなか雲の峰八田昌代
雲の峰背にビルの玻璃磨きをり比良山
子ら光る入道雲よ位置につけ蛭本喜久枝
世界地図おおよそ未踏雲の峰富山の露玉
高層の鋼の谷の雲の峰風峰
雲の峰父には父の戦あり風紋
体が広がる気がした雲の峰福月スミレ
豆腐屋に午後のしづけさ雲の峰福蔵
クレヨンの白は新品雲の峰文月さな女
感應寺山妙見山雲の峰穂積天玲
一ヶ月残りそうな痣雲の峰豊田すばる
薬缶から口伝ふ水雲の峰北村崇雄
ラブレター用の鉛筆雲の峰北大路京介
和解なく不意に逝く友雲の峰牧野敏信
ぐらつかない歯まできになる雲の峰本田ちま
いつも何かもってるおとうと雲の峰本田むらさき
ぐにゃぐにゃの雲の峰からたまごぽん本田ゆうら
雲の峰ここまで来いと呼ばれけり麻場育子
来年はそこにゆきます雲の嶺抹香
雲の峰ハルキゲニアの影よぎる抹茶金魚
反り返る機影や滾る雲の峰万喜ミツル
雲の峰の向こうに僕の忘れ物満る
起重機の上は起重機雲の峰椋本望生
峰雲や弟先に逆上がり木寺仙游
西山から雷雲光り京洛へ木村修芳
鉄塔は不動峰雲は仁王門未知子
隆起するダビデの臀や雲の峰門前町のり子
牧柵の行きつく先や雲の峰野地垂木
雲の峰くづれて第二外国語有本仁政
屍を踏みしだき往く雲の峰柚乃なつ
船底の溜水掻き雲の峰葉月けゐ
雲の峰檻に鸚鵡の噛みし跡梨音
雲の峰木の根の砂は晴れ晴れと龍季
峯雲や猫溶けて居る午後三時緑秀
かたぶいの西は明るし雲の峰瑠璃茉莉
目薬を点すのは苦手雲の峰鈴木(や)
うたた寝の爪先にいる雲の峰鈴木敏之
コンバットマーチ轟け雲の峰鈴木麗門
雲の峰運動靴のよく乾き國吉敦子
余命などあってたまるか雲の峰廣重
雲の峰安房の稜線なだらかに柝の音
雲の峰フル回転の洗濯機櫻井弘子
河原町三条上ル雲の峰洒落神戸
雲の峰山道攻めるオープンカー淺野紫桜
得点板従えて湧く雲の峰祺埜箕來
雲の峰漢の匂い立てながら黎成
かなとこ雲山羊の戦車に銀の槌まんぷく
雲の峰ホルスタインは草を食むs.久美子
あと一つあるはずの句碑雲の峰ももたもも
ドローンのかすかな羽音雲の峰宇佐美好子
空港は機影の墓場雲の峰円
ノンちゃんは五合目あたり雲の峰古今亭ちくしょう
図書館の書庫はどのへん雲の峰公木正
雲の峰くぼめる銀の匙をもち高橋実里
二本松市旗を掲揚雲の峰根津C太
解体の鉄骨立てり雲の峰長谷川ろんろん
巡礼の大きなリュック雲の峰奈良香里
モヒートのミントの葉先雲の峰片岡佐知子
雲の峰スカート短し股覗きAKI
雲の峰本坪鈴の音軽くDr.でぶ@いつき組広ブロ俳句部
青い海高波ほぐれ雲の峰haru.k
逆転の特大アーチ雲の峰ito
さあ再開電車からみる雲の峰kan
雲の峰今に怒るや父の顔kao
雲の峰ふわりふわふわ父の顔Kへりくつ
マシュマロを口に投げ入れ雲の峰momo
ムラングのひと絞りなる雲の峰noa
地下鉄の出口抜ければ雲の峰Q&A
雲の峰傍らには浅田次郎sakura a.
青空に湧く綿菓子や入道雲vivi
鯱跳ねて雷雲を脅かす堇久
雲の峰虚空昴ぎらしさ問うたまもくろす
雲の峰の下を掘れば宝物宇田建
ビルあはひ仁王立ちせり雲の峰あいだじろう
車イス押す吾の背を押す夕立雲あくび指南
宣言解除東京湾に雲の峰あさいたく
金毘羅の石段尽きぬ雲の峰あさのとびら
かの街の息子達者か雲の峰あそぼ葉
雲の峰青いキャンバス埋め尽くすあつこっとん
踏ん張れぬ脚持て余し雲の峰あらら
冬生まれの吾子茫然と雲の峰あわいきりん
雲の峰将棋の残り時間かないたまきし
絵日記の定番妹と入道雲いちご一会
白き犬駆け上がり逝き雲の峰いまねずみ
洗剤の香のリビングや雲の峰いろどり五島
愛宕山呑み込む如し雲の峰いろをふくむや
跳ぶ猫の鳩獲り逃がし夕立雲ういろ丑
あんぱんまんの水筒ゴクリ雲の峰うさぎさん
マントルの押し上げてゐる雲の峰うさぎまんじゅう
鉄筋がゆらりゆらりと雲の峰うるる
雲の峰モルジブの海いとゆかしえみばば
雲の峰子猫のように眠る吾子えんどうしん
琵琶の音に天女舞ひしや雲の峰おかだカネ子
振り向かず積乱雲を背負いゆくオカメインコ
雲の峰煌めく窓辺に物憂げにゃんこおさむらいちゃん
雲の峰笑顔ですすむ車椅子おひい
うずうずと麺湯がきをり雲の峰おぼろ月
銀翼も吸い込まれたり雲の峰お品まり
雲の峰吾は発展途上なりカオス
遠巻きに天守見下ろす雲の峰かこ
地図もなく近道探す雲の峰かたちゃん@いつき組広ブロ俳句部
道果てぬ雲の峰と樹は広きやかなけりや
雲の峰分けて超えて道を刻むカメ
ふるさとを離れる朝や雲の峰かもめ
雲の峰ワタシの居場所どこにあるカワムラ
ピクルスと薬味の日々や雲の峰キートスばんじょうし
自転車の学生の背に雲の峰きみえは公栄
急坂の入道雲へ新車駈るくっちゃん
胸板の分厚き人よ雲の峰ケンG
雲の峰夕日に消えゆく鳥の群れこつみ
雲の峰志半ばのコーチこぶこ
雲の峰の懐めざす一本道さいとうすすむ
積乱雲の下はファーブル駆けまわりさいとう若菜
我が影と空の青さと雲の峰さかたちえこ
ひと息に村を飲み込む雲の峰さくやこのはな
白い羽根伸ばしたる山雲の峰さくら
いざやいざ坂東太郎より先にさこ
蜜かけて入道雲のカキ氷さぬきのにゃんこ
助詞だけでどこへも行ける雲の峰しかもり
日も月もてっぺん照らす雲の峰ジャマイカ丼
モーツァルトゆっくり昇る雲の峰シュルツ
絵日記の上へ上へと雲の峰じょいふるとしちゃん
黍団子もらってゆきたし雲の峰しらふゆき
故郷の別れの駅舎雲の峰スッポン
雲の峰真赤な太陽ひばりの忌すみ
入道雲泣きやむ子らのまた泣きぬセントポーリア
要塞の島を見つめし雲の峰そうま純香
休み明けの教室雲の峰の如くそれいゆ
元寇の松原遠く雲の峰たじま
雲の峰削ぐ父放つ竹とんぼたすく
仰向きて海に浮かべば雲の峰たむこん
欠伸する我を笑ふか雲の峰ちやこ
白球は吸い込まれ行く雲の峰ティーダ
バーボンの滴り熱き雲の峰なかむら凧人
雲の峰宿題まだかと迫り来るなを子
夫婦仲爆発しそう雲の峰にいやのる
画用紙に水含ませて雲の峰ねがみともみ
塗りつぶす予定なき日々雲の峰ねぎみそ
雲の峰あわてて正す背筋かなのど飴
雲の峰ブルーインパルスの響きののr
巨人めく瓦礫に触るる雲の峰はのん
フジロック腕突き上げ雲の峰はらぐちゆうこ
許された越境空に雲の峰はらみ
積乱雲メンコ返しが山を積むはるる
港まで入道雲が道しるべひーちゃんw
リハビリの窓高遠な雲の峰ひぐちいちおう(一応)
年老いて短気なふたり雲の峰ひっそり静か
雲の峰越せば大志の見えるなりひな芙美子
高速を伴走するか雲の峰ひめりんご
「雲の峰」歌声合わすその日待つひよこねいさん
沸き返るアルプス席や雲の峰ひろき
空白の三ヶ月半雲の峰ひろ夢
空腹に名画座出れば雲の峰ふくじん
山鴉鳴きて雷雲迫り来ぬふみ
また同じ過ちをして雲の峰ふみくらのな
雲の峰バイクで目指すあてもなくヘッドホン
ガン消えてシャンパンうまし雲の峰べびぽん
所在なく舫う屋形や雲の峰ほんみえみねこ
雲の峰大地を包む巨象見たまこと(羽生誠)
雲の峰なぎ倒してくれビル群まりちゃ。
目指してた校歌斉唱雲の峰みちむらまりな
海に寝る入道雲に叱られるみはね
ブルーインパルス五線譜描き峯雲へみわ吉
入道雲湧きて球児の夏きたるモモンガ
雲の峰顔を洗ふは膝の猫もりのまりりん
雲の峰かき分け逝きし子をさがすゆみずくん
ワカを漕ぐマオリの子らに雲の峰よしこ
雲の峰空に拳を突き上げるラリロリラリラ
ひたすらに坐す僧堂や雲の峰るりぼうし
雲の峰胸躍らせし幼き日わかなけん
窓外に黒き山々雲の峰わか佐
幸せは雲の上に♪雲の峰わさびあられ
泣かないで叫んだ相手は安達太郎亜紗舞那
積乱雲腹ばいになり乱歩読む愛野優
フルートの星に願いを雲の峰葵はるか
積乱雲どうしようもない恋心案山子@いつき組広ブロ俳句部
火の神の愛宕の山に丹波太郎伊藤ひろし
不帰投点越へて彼の地へ雲の峰伊藤小熊猫
コロナ禍の人も見上ぐる雲の峰伊藤節子
雲の峰取り残されし一軒家井松慈悦
青空へ攻め動く白雲の峰井上繁
キャンバスへアニマルとなる峯雲か井上早苗
湧きて八ヶ岳俯瞰するかな雲の峰郁楽
神様のボヤキ言かな雲の峰郁松松ちゃん
雲の峰立ち昇りける翼の先郁陽
家路へと急かす背景雲の峰一人ベランダ晩酌
冒険の眼の輝きや積乱雲一太郎ラン坊
草取りて腰に手をあて雲の峰一番ぶろ
雲の峰ビーチグラスを拾う朝稲垣由貴
下山道膝笑い出し雲の峰稲葉 こいち
雲の峰都庁まるごと幕の中稲葉雀子
雲の峰子をたしなめる母の声雨霧
遠方の雲の峰父逝きし卯さきをん
道行きて波照間ブルー雲の峰卯月かりん
雲の峰幾億年の輪廻やら影山嬾
何時になく見上げて嬉し雲の峰永井もとこ
雲の峰翳る雷神の威容永谷部流
合唱の窓に現る雲の峰榎本真希子
雲の峰小さく響く杖の鈴延杜
爆心地影生れたる雲の峰猿猴川のドブネズミ
納車日の帰省の空の雲の峰遠藤百合
雲の峰浮かんでくるのはラピュタ遠藤愁霞
雲の峰玉虫色の鳩の首塩沢桂子
過疎化する盆地のふちの積乱雲奥村俊哉
腹痛下痢嘔吐発熱雲の峰横浜J子
入道雲日常さがす令和2年黄桜かづ奴
雲の峰魔女が潜んでいるまいか岡田カネ子
彼方なるラストシーンや雲の峰岡美里
雷雲や二死満塁の四番打者下丼月光
アルプスでつんざく余白雲の峰佳子
つまらなき景色の故郷雲の峰加世堂魯幸
飛行機に初めて乗りて雲の峰加茂亘
天抜けるもんもんの群れ雲の峰果音
あかべぇを降りて登るや雲の峰果禄
雲の峰幼なじみと待ち合わせ河野なお
峰雲やかの震滅の城の跡火炎猿
雲の峰崩れたちまちシャワー来る花おうち
うちの仔に迎えた空に入道雲花岡浩美
雲の峰崩れて帰るからすかな花岡紘一
銀輪で諏訪湖一周雲の峰花岡淑子
山ひとつ砕石にとや雲の峰花屋英利
峰雲の天辺睨む深海魚花結い
嫁入りて入道雲の中の私花咲みさき
雲の峰大気圏まで届きそう花咲明日香
母眠る閑かな杜へ夕立雲花鳥風猫
立ち話一時間なり雲の峰華林灯
湯の中で卵ことこと雲の峰海瀬安紀子
ギガガガガ臼歯削りて雲の峰海碧
健診てスタンプラリー雲の峰蟹丸
地下鉄を駆け昇り出づ雲の峰馨子
雲の峰遥か見下ろす天文台笠原秀夫
誰よりも怖くて優しい雲の峰笠江茂子
熊本男(もっこす)自慢の湧水話雲の峰叶黄不動
トレランの人抜いてゆく雲の峰釜眞手打ち蕎麦
雲の峰シーツは既に乾きをり丸山隆子
ダンゴ虫透ける幼虫雲の峰岸本元世
雲の峰影追う風は海原へ喜祝音
排気量百億cc雲の峰喜奈子
見合ってと仕切り線なる雲の峰貴志洋史
雲の峰世界は幾度ばらばらに亀山酔田
四方から瀬戸内囲むや雲の峰亀田稇
民間のロケット発射雲の峰菊池洋勝
怒り買い妻の背越しに雲の峰吉哉郎
白球も歓声も無く雲の峰吉藤愛里子
動画から目を移し入る雲の峰久鍋得利子
雲の峰測量士の声ハキハキと久留里
雲の峰遊泳良しの旗上がる宮村寿摩子
チャリ立ち漕ぐ後ろに迫る雲の峰朽木春加
一本の線香手向け雲の峰京野秋水
雲の峰まずは小さき一歩から玉井瑞月
優勝の校歌斉唱雲の峰玉井令子
雲の峰振り向く度に迫り来る玉繭
悔しさの声届いたか雲の峰銀長だぬき
探検とトトロの森に雲の峰空
雲の峰上昇気流目に見えて青窪田睡鯨子
風を切り雲の峰までペダルこぐ桑田栞
雲の峰河よ何処へと辿り着く桑島幹
雲の峰富士山頂にたつ朝日月昭
大観峰久住連峰雲の峰研知句詩@いつきさん広ブロ俳句部
雲の峰頭上横切る新航路見屋桜花
あっけなき義母との別れ雲の峰元松柳
入道雲よう来たやのぅと祖母の声原善枝
就活の一次合格雲の峰原田民久
父の背や怒涛の如し雲の峰源氏物語
下灘や18きっぷで雲の峰古いっちゃん
大山に重ね合わせて雲の峰古史朗
レフ板をかざし立派な入道雲戸根由紀
雲の峰鬼の棲みたる懸魚の裏午餉
少年の未来地図たち雲の峰光子
やまびこを吸うて膨らむ雲の峰江川月丸
雲の峰思い思いに遊ぶ日々江田綾子
雲の峰愛宕へ流れ雨覆江藤薫
ぐんぐんとぐんぐんぐんと雲の峰甲山
乾杯のジョッキかかげる雲の峰紅さやか
干して干して彼方に今日も雲の峰高橋久恵
山の峰越してその先雲の峰高橋英廸
大股で散歩の途中雲の峰高橋光加
雲の峰赤子の泣き声届きたり合歓
医の道は疾うに覚悟や積乱雲克巳@夜のサングラス
背にギター学生のシャツ雲の峰今井淑子
雲の峰焦点合わぬ眼鏡越し今村ひとみ
高台へ一足飛びに雲の峰今藤明
SLの弾む汽笛や雲の峰佐藤志祐
かたまりの無線放送雲の峰砂楽梨
雲の峰潮風の道一直線斎乃雪
車椅子仰ぐ鉄塔に雲の峰細川小春
入道雲幼児らのおえかきのごと桜姫5
雲の峰疫の街より見上げをり笹川酔進
忘れえぬ『八月の恋』雲の峰三ノ宮ねこ
雲の峰抜けオスプレイの爆音三浦ごまこ
釣り好きの父の遺影や雲の峰三浦真奈美
雲の峰湧きて烏は静かなり三雲
雲の峰無言で押した車いす三樹卓求
振り抜きて雲の峰越ゆ白球や三宅雅子
ボール追う影は走るや雲の峰三島瀬波
雲の峰乗ったら涙零れそう山﨑瑠美
山並みが小さく見える雲の峰山育ち
雲の峰訪ぬる影の胡麻のごと山科美穂
縄文土器作りし人や雲の峰山吉白米
リハビリ病院歩けるのぞみ雲の峰山口要人
故郷の片付け終わり雲の峰山口たまみ
雲の峰三角山には角生えて山口雀昭
泣きたい日もくもくむくむく雲の峰山崎鈴子
雲の峰尻尾を下げて犬の来る山城明子
祖父の背褐色仁王立ちして雲の峰山川恵美子
雲の峰できたできたの一年生山川真誠
洗濯の終了音や雲の峰山川芳明
過ぎしひの彩に似たるか雲の峰山田久美子
雲の峰しづかに染めゆく落暉かな山田啓子
クレープ屋長き列なり雲の峰山乃火穂
雲の峰琵琶湖で富士を見た記憶山辺道児
弧を描くジェットコースタ雲の峰山本ふじ子
雷雲や湖面に光突き刺さる山本康
泣き止みぬ瞳夕日と雲の峰史郎
退院と言われし窓に雲の峯子安一也
入道雲貫け次こそホームラン市川りす
雲の峰テント下でのカルメ焼紫瑛
蒸しパンを二つに割りて雲の峰鹿沼湖
日番を終えて急ぎし雲の峰鹿嶌純子
名人の飛車は動かぬ雲の峰七夏すばる
一面の田と雲の峰ひとひとり篠崎しの
車止めプロポーズする雲の峰篠崎彰
わたつみの気焔や雲の峰荒し紗千子
三段跳び踏み切る向こう雲の峰朱海祥
天ぷらをからりと揚し夕立雲朱頂蘭
雲の峰乗りて旅にはちと険し酒暮
運動場湧く声援に比古太郎秀はる
漂いて入り江に浮かぶ雲の峰秀道
日曜日二度目の洗濯雲の峰秋吉由美
野良仕事雲の峰みつ帰路急ぐ秋代
雲の峰虚空へ開く仁王門出井早智子
寝たきりの君の向こうに雲の峰春いちばん
郵便のバイク素通り雲の峰春告げ鳥かずえ
禁煙はやつとひと月雲の峰春風亭ぴっころ
活火山噴煙代わりに雲の峰初野文子
青空に入道雲の三重二重曙みさ
雲の峰ショートカットの似合ふ午後渚
峰雲へ叫ぶ少年変声期宵猫
ペガサスの寝起きの欠伸雲の峰小だいふく
ホームラン歓声聞けず雲の峰小磯悠人
飲み込んだスカイツリーや雲の峰小栗福祥
フライング再スタートの雲の峰小杉泰文
海辺より雲の峰に続く棚田小川天鵲
バタフライしてみたくなる雲の峰小田龍聖
雲の峰掻き分け風の遊ぶ天小田和子
アドリアの海の城砦雲の峰小嶋芦舟
銀鱗の積乱雲うえへうえへ小南子
無い袖を何回振らりょう雲の峰小柳悠子
旧街道峰雲抜けてけふの宿小林のりこ
雲の峰勝敗分ける打つ一手昭谷
留守番犬元気なにより雲の峰松原隆雄
雲の峰君に会いにいけそうで松虫姫の村人
釣果ゼロ父と見上げる雲の峰松島美絵
入道雲切り裂いて去るジェット哉松尾義弘
水平線我もここにと雲の峰笑麗雅一佳
雲の峰岩壁に立つ鳴きうさぎ上海にこ
高々度爆撃逸らす入道雲上月ひろし
夕立雲去りて眼下に海輝る上原まり
駆け出す子我も我もと雲の峰城ヶ崎由岐子
雲の峰見下ろされても我は我新潟の江
雲の峰忍野八海の水青し新濃健
夕立雲墓地の間を急ぎ足新美妙子
廃屋のまたも増えるや雲の峰森の水車
コツコツと響くチョークや雲の峰森弘行
前髪をみじかく揃え雲の峰森藤亜美
雲の峰夕陽に映えて輝けり森澤佳乃
尾瀬の道くねくね曲がる雲の峰真喜王
夕立雲機嫌の悪いシュレッダー真宮マミ
健闘を称える楽音雲の峰真繍
ランナーの行く手阻まず雲の峰真中希夢
回転寿司合格祈願雲の峰真優航千の母
捨てた恋たちまちに湧く雲の峰真理庵
雲の峰空き缶蹴った涙の日神谷米子
サイフォンに沸き立つ香り雲の峰神長誉夫
青に白雲の峰にピカ金の走り水乃江辰
大谷川かかる神橋雲の峰水夢
どこまでも一本道や雲の峰杉浦あきけん
砂浜にはしゃぐ二人や雲の峰杉浦真子
帆の滑る湖を抱いて雲の峰杉尾芭蕉
せせらぎの到達点に雲の峰瀬尾ありさ
峯雲や幼虫は葉の裏側に瀬尾白果
荒ぶさを秘むる和ぶや雲の峰成田わや
雲の峰シロップかけてかっくらう星乃綺羅
入道雲古希を迎へし心意気晴好雨独
奈良太郎鳴るよ響くよ雲の峰 清水容子
子どもらに会いに行きたい雲の峰清水京子
日陰無き田の草取りや雲の峰清水浩次
宗達の二神おはすや雲の峰西尾至史
球場の決勝逆転雲の峰西尾繁子
雲の峰夢二の瞳も重たき日西條恭子
嘘と鬱些細なことと雲の峰西條晶夫
額の中笑ふ父いて雲の峰青い月
雲の峰指差す君の影の濃さ青井晴空
伊良湖岬水平線に雲の峰青児
雲の峰小さなチャペルの結婚式石岡女依
丸ノ内ビルの谷間に雲の峰石田恵翠
気まぐれにおれだ俺だと雲の峰跡部榮喜
君の見た知覧の空に雲の峰仙石汀枕
図書館の我誘ひし雲の峰千家彩香
海の果て船飲み込みし雲の峰千家恵子
雲の峰産婦人科に急行す千葉時郎
銀傘の静けさ見守る雲の峰川添昭則
ベランダで深呼吸する雲の峰川畑彩
目を閉じてまぶたの裏に雲の峰川畑心奈
雲の峰背負いて逃げる帰り道泉子
面接のシャツにアイロン雲の峰浅井郁
雲の峰今年も遙か空の城浅井誠章
ひと気なきブランコこげば雲の峰浅井和子
町並みは晴れだが家は雲の峰浅野俊也
届かざるマスマティクスや雲の峰曽我真理子
姿見にうつる私と入道雲蘇州
ためらわず太陽(ひ)を呑み込みつ雲の峰双葉
不規則な風引き連れる積乱雲早山
二上山に背負われしごと雲の峰痩女
雲の峰幕引き前のとしまえん草野あかね丸
ハーバーにDJはしゃぐ積乱雲蒼空蒼子
約束の駅までいくつ雲の峰村松登音
窓開け換気揺れて雲の峰光る村辺史公
アンパンマン電車行き交う雲の峰多田ふみ
雲の峰杖車椅子だんだんと太田鵯
駅弁置く四角い窓から雲の峰駄詩
塾帰りひと色ならぬ雲の峰大原雪
雲の峰飛行機雲が突き抜ける大原妃
大空に陣地取り行く雲の峰大山きょうこ
雲の峰どこまで続く過疎の屋根大村真仙
雲の峰山積みのレポート課題大津美
カーブなど投げるな雲の峰を振る大槻正敏
やがて来る轟く一打雲の峰大嶋メデ
午後からは針仕事する雲の峰大道真波
触れそうなされど遠くに雲の峰大本千恵子
乾麺のほどける5分や積乱雲大野静香
雲の峰手形のついたおもちゃ箱大和田美信
雲の峰甲子園の静けさよ第一句けいぜろばん
雲の峰陰から神の覗くよな谷口 あきこ
恨めしや雲の峰 富士の頂遠く谷本敏子
雲の峰先祖足軽壺振り師檀凛凪
この先は女人結界雲の峰知足
夕立雲ペダル踏み込むカッパカッパ池愛子
ナビは無視向かう先には雷雲あり池上敬子
雲の嶺その先に見る夢未来池田功
綿菓子機担当うれし雲の峰池田洋子
雲の峰父さん先に行ってるね池田華族
雲の峰みづのかたちにかぎりなく池内ときこ
はればれと積乱雲のわき上がる池内ねこバアバ
国引きの神話の如し雲の峰池之端昇雲
土俵際丹波太郎の恩返し竹安修二
「うごいてる」君が言った雲の峰竹一
換毛の巻尾ひと振り雲の峰竹口ゆうこ
居残りのノートは白し雲の峰竹内うめ
雲の峰登山シューズは洗いたて竹内みんて
玉の汗部活の思ひ出入道雲茶桐
歩めよと言ってくれそな雲の峰中山清充
雲の峰ザビエルに似た再従兄弟かな中川裕規
雲の峰太郎といえば浦島よ中村一郎座右衛門
喪葉書にため息ひとつ雲の峰中島葉月
雲の峰良い子でありし日の我慢中島圭子
見上げれば青空呼吸雲の峰中嶋倶子
竜のごと鳴く小さき鳥雲の峰衷子
雲の峰頂に父母居るやらん朝雲列
立ち漕ぎの制服のひだ雲の峰長田にこ
カステラの底のざらめよ雲の峰直木葉子
大海は入道雲を背負いけり椎名貴之
日本海青に染まらず石見太郎辻宝樹
金剛の錆し剣よ雲の峰辻が花
雲の峰怒涛へ届け吾の叫び天野呑水
讃岐富士背負うは光る阿波太郎田村モトエ
時刻表指でなぞりて雲の峰田村伊都
ゆったりと草食む馬や雲の峰田中ようちゃん
テノールの重なる響き雲の峰田本雅子
太平洋吸い込み肥ゆる雲の峰杜まお実
白い毛の遊ぶあの子や雲の峰渡部詩葉
学校帰り雲の峰へと坂上る渡辺みちこ
西へ西へ江ノ島に立つ雲の峰渡辺陽子
雲の峰陸でしか生きられぬ私渡邉一輝
ボンネットバスぎしぎしと雲の峰渡邉竹庵
山寺へ天の御段か雲の峰登久光
飛ぶ鳥の溶けゆく青に積乱雲土屋雅修
雲の峰お日様隠し仁王立ち嶋良二
雲の峰ジャングルジムを渡る風桃香
七十のバイク野郎と雲の峰桃子ママ
地図を手に地域探検雲の峰藤ちゃん
時刻表で旅行味わう雲の峰藤井聖月
暫くし怒り湧き立つ雲の峰藤原訓子
雲の峰白目の青き監視員藤色葉菜
限界のかなとこぐもの上も空藤田康子
山伏も見上ぐる彼方雲の峰豆福
雲の峰終わり目で追う午後の空道産子ひとみ
雲の峰影を探して歩き出す峠まさ子
連続の三連符弾く雲の峰徳
雲の峰畦道に置き去りの鎌徳庵
大男跨いで来そうな雲の峰徳田ヨーコ
子の掴む僕とたんぽぽ雲の峰独奏
立ち漕ぎの一直線や雲の峰奈良素数
サイフォンのポコポコいっぷん積乱雲内田誠美
雲の峰確と女性飛行士笑む内本惠美子
雲の峰夫婦喧嘩はノーサイド二鬼酒
ちょっとずつ生きる力が雲の峰尼島里志
振りかざす入道雲の力こぶ入江幸子
雲の峰ぐんと踏み込むロイター板播磨陽子
出産の報せの遅し雲の峰馬祥
雲の峰「少年時代」を口ずさむ馬笑
丹波太郎六甲山に起立せし背馬
亡夫の画調の稜線や雲の峰梅次郎
オペラ座の妖気集める積乱雲梅里和代
入道雲こころの中を空っぽに白井百合子
雲の峰青きダム湖に揺るる橋白雨
峰雲の高々と上ぐ大呼吸白石青白
握り飯頬張る浜に雲の峰白沢修
峰雲と馬アレルギーの飼育員白浜ゆい
雲の峰旋回ブルーインパルス白藍こはく
雲の峰飛び込み震う右主翼舶匝
峰雲や草野球前朝しづか迫久鯨
雲の峯命を生かし象とす畑詩音
ジャングルジムのてっぺんで飴雲の峰八幡風花
峠越え雲の峰にも峠あり八木実
雲の峰ふもとの町に子らの声鳩礼
泣けるほどキラキラしていた入道雲飯田淳子
シュー皮は見事膨らみ雲の峰緋乃捨楽
雲の峰ビルから湧き出す人の泡飛来英
雲の峰風が戯る無人駅樋熊広美
入道雲期末テストは最終日尾関みちこ
雲の峰寺のいちょうや目指し行き琵琶京子
絵日記に幾度描いたか入道雲美山つぐみ
雲の峰明日の形はケセラセラ美翠
雲の峰測候所跡あらけなく百合乃
遠投やここを目指せと雲の峰浜けい
雨の香に立ち漕ぎの人積乱雲浜崎直人
真っ青な栞挿んで雲の峰浜田智恵子
疾走の宅配バイク雲の峰富野香衣
残月を半濁音に雲の峰撫品
逆転の打球行け行け雲の峰風ヒカル
雲の峰札幌の街皆覆ふ風花まゆみ
波音にさがす故国の雲の峰風花美絵
何処ぞ首坂東太郎の仁王立ち風泉
晴れた空どこへいったか雲の峰風来坊
胴着背負い坂道駆ける比古太郎副田木染
雲の峰力まかせに草を引く福ネコ
雲の峰赤エンピツを削り過ぎ福井三水低
ひた隠す想いは燃ゆる雲の峰福弓
待ちぼうけ丹波太郎が去ったあと福泉
ふっくらと布団叩きし雲の峰福田弓
あんちゃんは免許取り立て雲の峰文女
積乱雲勢い増すや我続け平松 一
画用紙をはみ出しており雲の峰平田花子
峠路ひと山向こうに雲の峰平馬
雲の峰めがけ靴蹴り明日は晴れ片岡ひまり
少年もいつか大人に雲の峰片栗子
他校試合入道雲へ向かいゆく弁女
遠浅の海に浮かべば雲の峰歩亀
歓声を集めて白し雲の峰穂積のり子
鳴り響く長崎の鐘雲の峰豊山
雲の峰首都高のした急ぐひと北原早春
雲の峰静かに今は時を待つ本間美知子
雲の峰ダイダラボッチの影踏み盆暮れ正ガッツ
真砂の気湧いて眩しき雲の峰麻生恵澄
うぼうぼとチューバを湧けば雲の峰妹のりこ
積乱雲いちもくさんの湧水場枚方倉森
雲の峰ロックフェスタの大爆音湊かずゆき
雲の峰カッと眼をむく仁王像眠兎
雲の峰高層階の窓みがき明惟久里
ギターリフ響く夏フェス雲の峰明田句仁子
榛名山入道雲の居丈高明日良い天気
声援はやがて一つに雲の峰茂る
学ランの声裏返り雲の峰木下桃白
深々と爆音どよむ雲の峰木原洋子
雲の峰越えて赤子の声を聞く木染湧水
白山に負けじとそびゆ雲の峰木村かわせみ
砂に書く入道雲消す返す波木村波平
ロジンバッグあと一球や雲の峰木目田美咲
雲の峰流れ穂高を思う友木葉
「顔あそこ」吾子が指差す入道雲夜香
男らは裸でいいな雲の峰野原蛍草
石見太郎や島根の空に座す野中泰風
裸婦像の眩しきままに雲の峰野木編
雲の峰紙面に躍る[富岳首位]唯飛唯游
雲の峰あれはと語るなき父へ優夏
連休は母に会えるや雲の峰友雪割豆
安乗崎沖行く船や雲の峰柚木窈子 改め 奥寺窈子
仏壇の前に大の字雲の峰柚木みゆき
初恋を思い出したる雲の峰祐莉亜
水切りにちょうど良き石雲の峰遊飛@蚊帳のなか
雲の峰臨時列車は鉄橋へ葉るみ
雲の峰ギリシャ神話のから騒ぎ来知万郷
星を飲む鉄鈷雲や風騒ぐ来冬邦子
雀飛ぶ果てなき青に雲の峰藍猫屋
雲の峰父の鼓動は迷いなし理佳
軒のクモ我より近き雲の峰立山はな子
束の間の湖水に生える雲の峰隆美
雲の峰ドドンと嘘をつく子ども鈴木案菜
峰雲や風吹きあがる尾根を行く麗し
蟻のゆく先に横たう雲の峰連雀
雲の峰身籠る妻に通り雨浪速の蟹造
生協の車笑顔届けて雲の峰六手
自転車登校キラキラ入道雲惑星のかけら
落陽にこんがりうまし雲の峰鷲野の菊
鋤鍬を肩に畔行く夕立雲侘介
江ノ島にかぶさる雲の峰はるか巫女
雲の峰手応えあったホームラン戌の箸置
雲の峰友はカリブの故郷(くに)へ発つ戌亥
靴擦れの傷は茜の雲の峰暝想華
雲の峰明日はテストかリコーダー橙と紫
雲の峰裏切り者は誰ですか涅槃girl
補助輪の子を見守らん雲の峰琲朴
雲の峰少年よ大志を抱け眞鍋千穂
雲の峰肩に食い込むエコバッグ齋藤杏子
登り坂に挑めと檄す雲の峰齋藤むつは
自転車のスピード落ちず雲の峰笙女
雲の峰土に埋もれるボルトあり籠居子
少女の背のケロイド痕や雲の峰綉綉
信長の刀そびえる雲の峰翔龍
大変な一日だったね積乱雲苳
牛の島ひとはいずこに雲の峰豐田雄二郎
ダブルスはラリーの応酬雲の峰邯鄲
- 夏井いつき先生からの一言アドバイス
-
俳号には苗字を!
〇俳号とは、その句が自分のものであることをマーキングする働きもあります。ありがちな名、似たような名での投句が増えています。せめて、姓をつけていただけると、混乱を多少回避することができます。よろしくご協力ください。
●俳句の正しい表記とは?
- 朝マック カーラジオ下げ 雲の峰ブンタ
- 仰ぎ見る 一期一会の 雲の峰酒井哲也
- 雲の峰 そのまた奥に 雲の峰星野茜
- 山峡へ 登山者を乗せ 雲の峰保土ちゃん
- キキキキキッ アスファルトには 甲虫矢島一幸
- 雲の峰 走り抜け キラキラと青田川さくら
- ガレ場行く 終わってたまるか 雲の峰ささきなおみ
- 夜行バス 夢の続きは 雲の峰はなばあば
○「五七五の間を空けないで、一行に書く」のが、俳句の正しい表記です。まずは、ここから学んでいきましょう♪
- 甲子園
スリーアウトや
雲の峰河内佑介 - 峰雲へ
思いを馳せて
耐ゆつわり三田聖子 - 口あける
歯科の窓には
入道雲池田久江 - 雲上で
二人で見し初
鉄鈷雲帆高 - どのくらい
越えれば会える
雲の峰武田震源公
○テレビの俳句番組では、三行書きにする場合が多いのですが、あれはテレビの画面が四角なので、そのような書き方をしているだけです。重ねていいますが「五七五の間を空けないで、一行に書く」のが正しい書き方です。
- 講義の声す
屋上は雲の峰伊勢麻琴
〇この句の二行書きは、意図的かもしれません。特に、色紙のような四角いものに書く時には二行や産業にすることもあります。が、この句の場合、縦一行書きにしても、問題はないですし、「声す」の後に句切れ(一句における意味上の切れ)があることを、読者は読み取れます。
●一句一季語から練習
- 雲の峰採りし祖父の青梅426
- 雨降りしムシムシ暑い雲の峰加島
- 昼下がり蜥蜴も目眩か雲の峰鬼百合おにこ
- かたつぶり這う雲の峰水たまりジェダイヌ
- 小さき背は汗にまみれて雲の峰ハルノ花柊
- 子メダカの口で波立つ雲の峰河畔亭
- スダチから雲の峰ゆくアゲハチョウ緒方美香
- みちのくの海水浴や雲の峰大橋敏子
- コロナ禍の無人のプール雲の峰如矢
- 雲の峰追いし昼寝の十五分澤真澄
○一句に複数の季語が入ることを「季重なり」といいます。季重なりはタブーではなく、高度なテクニック。季重なりの秀句名句も存在しますが、手練れのウルトラ技だと思って下さい。まずは「一句一季語」からコツコツ練習していきましょう。
●兼題とは
- 松蔭の白ワンピース初夏の道なかしまともこ
- ハッカ油の香るおしぼり夏来たるモコ
- 砂場の子見上げニコっと初夏の風河原つばめ
- コロナ禍で病室静か夕立あと梶満理子
- 十六夜の庭木かほりて初夏ゆきぬ深山涼水
- 初夏の朝戦士のポーズ草の香nid
- 恐るる窓の向こうに笑う南風林雅大
- 夏の峰遠きあの日の母の影古庄秀樹
- 待ちかねた撮影ただよう雲海古澤久良
○今回の兼題は「雲の峰」です。兼題を詠み込むのが、本サイトのたった一つのルールです。
- 初夏や水道水の心地よし佐藤花伎
〇惜しい! これは先月の兼題。投句がタッチの差で遅れたか。
- 廃線の鉄路の先に夏の雲岡れいこ
〇確かに、「雲の峰」は夏の入道雲のことですが、季語としては「夏の雲」と「雲の峰」はニュアンスが違うと考えるべきでしょう。
- 黒し雲歌ふ入道黙示録坂島魁文
〇描こうとしている世界は独特です。入道雲を詠もうとしていることも分かるのですが、やはり兼題「雲の峰」と出題があれば、「雲の峰」を入れましょう。
●類想例
- 入道雲にかけるとしたらイチゴ味花紋
- 峰雲にかけるとしたらブルーハワイぐでたまご
- 日曜日二度目の洗濯雲の峰秋吉由美
- 雲の峰二度目の洗濯物を干す瀬尾白果
- 雲の峰カルピスは濃く作るべし石井一草
- 雲の峰カルピス少し濃くつくる星野黴円
- カルピスは濃い目にしてね雲の峰天陽ゆう
〇同じ兼題から、似たような発想をするのが「類想」、さらにほとんど同じ句になってしまうのが「類句」です。今回もありましたな。
さらに、類想には以下のようなものがありました。- ・高校野球ネタ数多
- ・仁王立ち だいだらぼっち ゴジラ
- ・もくもく むくむく ぐんぐん
- ・窓いっぱい、窓からあふれそう 窓からはみでる、画用紙をはみ出る
- ・自転車のペダルを踏んであの雲へ、立ち漕ぎしてあの雲へ
- ・夕立雲(雷雲)が出たから急いで帰る
- ・ラピュタの雲のよう
- ・原爆の雲に見立てる
- ・~の向こうに雲の峰 ~の正面に ~の真っ向に ~の前に立ち塞がる
- ・雲の峰を背負って~ ○○の背に雲の峰
- ・ロックフェス、野外フェス
- ・(入道雲が)胡座をかく、座す
- ・ビルとビルの間の雲
○類想は絶対悪ではありません。類想は、言い換えると「多くの共感を得る土台」でもあります。俳句はたった十七音しかないので、類想という土台の上に、ほんの5音~3音分の独自性が入るだけで、新しい作品として立っていくこともできるのです。
ついに、6月の投句数が5000句を超えました!皆さま、毎月「俳句生活」を盛り上げてくださり本当にありがとうございます。
5000句を超えた記念と皆さまへの感謝といたしまして、今月の入選者より賞典を追加しました!皆さまのさらなる作句をサポートする「通販生活」の人気養生食品『マグロのあたま』です。詳しくはこちらに記載しておりますので、ぜひご確認ください。
みなさまのご投句、お待ちしております(編集部)。