夏井先生のプロフィール
夏井いつき◎1957年(昭和32年)生まれ。
中学校国語教諭を経て、俳人へ転身。俳句集団「いつき組」組長。
2015年初代「俳都松山大使」に就任。『夏井いつきの超カンタン!俳句塾』(世界文化社)等著書多数。
1月の審査結果発表
兼題「春待つ」
「天」「地」「人」「佳作」それぞれの入選作品を発表します。
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人差し指よ春待つFの音に成れ
沢拓庵
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夏井いつき先生より
「Fの音」とはFコード。人差し指で一つのフレットを全部押さえ、中指も薬指も小指もそれぞれ別の弦を押さえるヤツです。どれかの弦の押さえ方がしっかりしてないと変な音になるし、指は痛いし、私は早々に挫折しました。
上五が七音の字余り。「人差し指よ」から始まるこの詠嘆は一体なんなのだろうと思ったのですが、そこからの展開が実に軽やか。映像を持たない時候の季語「春待つ」は「Fの音」にかかり、この難しいコードの肝である「人差し指」に向かって、「春待つFの音」になってくれよ、と呼びかけるのです。思い通りの音になるまで練習する心は、春待つ心と重なります。一緒にその音を聴いているかのような心持にもなれた「春待つ」一句です。
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春待つや印度の草に髪染めて
あいむ李景
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「印度の草」とは、インドの人たちが髪を染めるのに使うヘンナ。日本ではヘナと呼ばれます。草で髪を染める行為は、大地と共に「春待つ」心地。ヘナの柔らかなきみどり色もまた、春待つ色ですね。
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きみといふみづの器や春を待つ
稲畑とりこ
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詩歌における「きみ」は恋愛の対象をイメージさせます。「みづの器」のように瑞々しい「きみ」への真摯な恋心にとどまらず、春を司る佐保姫のような普遍的存在をも匂わせるたおやかな作品です。
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春待つや麒麟は首をぶつけ合ひ
紅さやか
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この行為はネッキングと呼ばれるメスをめぐる争い。鳥たちが恋を囀る春が近づく頃、麒麟たちも恋を競います。下五「ぶつけ合ひ」の後の余白に、麒麟たちの激しい動きが残像として見えてきます。
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親不孝通りの鳩の春待つ目
駒野繭
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「親不孝通り」とは、福岡市天神近くの予備校が並ぶ通りでしょうか。ここを歩く若者たちにとって「春待つ」とは、合格を勝ち取るための日々。傍らの「鳩の春待つ目」をもささやかな励ましとして。
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封緘にタヒチの国花春を待つ
はぐれ杤餅
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「タヒチの国花」はティアレという白い花。無事を祈るという意味もあるのだそうです。タヒチからの便りがどんな内容だったかを暗示するような「封緘」。まさに「春を待つ」手紙だったのでしょうね。
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風を嗅ぎ春待つ駒や前掻きすANGEL
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装蹄の駿馬いよいよ春待つよあ・うん
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春待つや紬解いて鋏入れEarly Bird
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春待つ日姪のなぞなぞ難しく相沢薫
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待春や米のまったき蒸し上がり愛燦燦
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春待つやタイムカードに表裏あいだほ
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春待つや永遠に既読の付かぬまま藍野絣
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百年を生きる孤独春を待つあいのびふう
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春待つ吾その後の君を知らぬまま逢來応來
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靴べらの先やや曲がり春を待つ青井えのこ
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春を待つソラソラソラとリコーダー葵かほる
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春待つや母の選びし赤い杖青井晴空
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ペルー産カカオはなやか春を待つ青川紅藤子
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春待つや父の問診カードにレ蒼空蒼子
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足踏み式ミシンのリズム春を待つ青田奈央
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しっぽ振り春待つヤギの腹まるくあおのめ
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乙女座の上り来たるや春を待つ蒼鳩薫
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係留の綱の弛みや春を待つ赤尾てるぐ
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春を待つ木二本ばつさと伐られけり赤尾双葉
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春を待つ酢飯三合酒二合茜咲
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人見知りの主春待つ古本屋赤馬福助
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春待つや推したる茶器の金を継ぎ赤目作
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文庫本なだれし音に春待つとacari
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けんかして黙食春待つマニキュアあかり
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はかなげなははむだきつつはるをまつ明惟久里
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春を待つターフを駆ける新馬戦昭谷
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教室の棲み分けの隅春を待つ空地ヶ有
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母を待つように春待つひとりの夜秋野茜
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蒼天を突きて春待つ梢かな秋野萱
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鍼灸院という選択春を待つ秋野しら露
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春待つやほったらかしのビオトープ秋山らいさく
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リノリウム春待つ部屋の灯りかな芥川春骨
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ミシン屋を孫に譲って春を待つあさいふみよ
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春待つやスピードフォトの三白眼朝雲列
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待つてゐる春は固くて多分青朝月沙都子
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春待つや家族写真の同じ眉明後日めぐみ
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認知症試験四点春を待つ淺野紫桜
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港港港春待つ演歌歌手あさのとびら
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春待つやフルーツパフェの底にジャムあさひ
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春待つや湯を僅かずつココア練る芦幸
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待春や七十歳の高校生あじさい卓
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春待つや二つに分ける子ども部屋あじさいパスタ
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波濤てふ春待つ音の岬かな葦屋蛙城
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ピアノ弾き春待つ君のフォルティッシモあすなろの邦
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春待つや三味の運指の覚束な阿曽遊有
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春待つてゐます文鳥譲ります足立智美
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春待つや尻にとどかぬ麻痺の腕あたなごっち
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春待つは君経由して届く風新子熊耳
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過去問の赤いマーカー春を待つアツシ
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隣家までニキロ春待つ杖一つat花結い
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春待つや飛び石の先深みどり天晴鈍ぞ孤
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春待つや家を出た子の七年目渥美謝蕗牛
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画家の描く港鈍色春を待つあなうさぎ
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春待つや房総の花配る駅姉あね猫
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餞別の小さきハンコや春を待つ阿部八富利
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春待つや門限のなき湯屋の猫天風月日
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春待つや唇噛んだ阿修羅像あまぐり
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こまい目の漁網春待つ明石かなあまぶー
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春待つや雲のつぶやき聴きながらあみま
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春待つや水栽培の真白き根雨李
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臥したれば春待つための窓あまた綾竹あんどれ
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春待つは遥けき耳鳴りのやうに綾波まこと
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待春や無人ゴールに蹴るボール荒一葉
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春待つやミサイル未だ底つかずあらかわすすむ
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春待つや招待状を書く二人あらせもんじ
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カーテンの内は病室はるを待つ新多
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春待つや眼鏡補聴器車椅子あらら
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春待つや朝一の白湯正座して蛙里
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うすももの春待つスマトラトラの鼻ありあり
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じりじりと春を待つ夜のファクシミリありいかな
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春待つや二本繕ふ子のズボン有本典子
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春待つや飛竜頭のふくらふくらと有本仁政
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春待つや殊に聖書は手に重きアロイジオ
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七の段むつかし春待つはたのしアンサトウ
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春を待ちクジラの歌を聴いている安寿
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集落をまはるスーパー春を待つ安春
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春待つ子国家元首を呼び捨てる飯田淳子
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春待つや川はひかりをそだてをる飯村祐知子
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指先はじんじん春待つ測量飯村ヤーキン
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待春や閑雲といふ水の仮死いかちゃん
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裏庭の土はなよやか春を待ついくたドロップ
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塗りかへし艇庫の扉春を待つ池田桐人
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春待つや嘘少し濃き歌舞伎町池之端モルト
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ひかひかと堆肥の春を待つ温みイサク
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春を待つ握り拳に丘いくついさな歌鈴
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春待ちて焼く端っこのタルト生地石垣
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春待つや座席間を置く映画館石垣葉星
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春待つかミサイルがアパートえぐる石垣エリザ
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春待つや窓辺に回す万華鏡石塚彩楓
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春待ちの足湯中也の生家跡泉晶子
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春待つや振る缶に聴く飴の音和泉攷
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同じ星で春待つ我ら手をとらんいずみ節子
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春待つや紀伊半島の魔羅めきて石上あまね
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春を待つ可及的速やかにてふ呪言磯むつみ
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はなまるを描き春待つ尾つぽかな板柿せっか
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春待つや殊に夕日は珊瑚色いたまきし
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理科室の隅の春待つ顕微鏡市川隆一
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春待つや黄身のきらきら目玉焼き無花果邪無
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春を待つ全スイッチをオフにしてゐてふ@QLD句会
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春待つや風の重さに形づく樹魔瑠
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春待つや真青の湖に泡ひとつ一久恵
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春を待つ鳥籠めいて談話室一斤染乃
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保育室の壁は黄色に春を待つ伊藤亜美子
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春待つやうす桃色の足の爪伊藤順女
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本当の春待つも否飛行機雲伊藤足
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胃に染みる水が憎い春待つ伊藤テト
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春待つや三足千円の靴下伊藤なおじい
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春待つや玉こんにゃくの熱っちち伊藤正規
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両の手に感嘆符百個春を待つ伊藤柚良
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春待つや二歳馬厩舎決まりたる伊藤れいこ
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草一本入りしウォッカや春を待つ糸川ラッコ
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目玉焼の縁のじりりと春を待つ井中ひよこ号
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保護猫の訓練記憶春を待ついなだはまち
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春待つ手グーチョキパーのストレッチ稲葉こいち
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春待つや錆びたママチャリ油くふ稲葉雀子
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春を待つ屈光性の子どもたち居並小
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突風の特急通過春を待つ伊縫音々
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パーキングメーターがちやん春を待つ犬山裕之
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春を待つ何も通らぬ獣道井上幸子
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春待つやスポーツジムの回数券井上れんげ
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加湿器の気泡ぽこぽこ春を待つ井納蒼求
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かさこその唇ゆるむ春を待つゐのかたゆきを
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待春の口輪筋エクササイズ井原冴
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春待つや改装終へし古本屋いまいやすのり
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春待つやポストに手紙落つる音イマスノリコ
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自転する星に暮らして春を待つ井松慈悦
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春待つや筆持つ気なく葉書買ふ伊予吟会宵嵐
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春待つや筆に吸はする空の色伊予素数
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春待つ夜幻想即興曲と猫伊代ちゃんの娘2
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春待ちつ潮吹くクジラ見ておりぬ岩木順
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たまゆらにヤコブの梯子春を待つ岩清水星斗
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入院のための退院春を待つ磐田小
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みきってどんな漢字かなぁ春を待つ岩元凡空
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春待つや五回屈伸して背伸び植木彩由
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失語ある夫は春待つ駒の音植田かず子
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あまおとは胎児の記憶はるをまつ上原淳子
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一つだけ歪なカヌレ春を待つうからうから
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枝曲げて春待つ形整へりうさぎまんじゅう
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倒木に春待つ影の悲しかり宇佐美好子
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岩床に潤み春待つ肘の腱うた歌妙
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春待つや新しき鍵受け取りて内田こと
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春待つ夜ふたり暮しの電気代うちだまみ
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コンパスの円の針穴春を待つ空木眠兎
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春を待つ千の高原濡らす雨靫草子
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春待つや留学生のヒジャブの黄卯波まり
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窓外の鳥と春待つ薬瓶宇野翔月
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貝の浜春待つ心寄せる波海口竿富
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足踏みのミシンはトトト春を待つ海野あを
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春待つや如来模したる降魔印うみのすな
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詰替えの育毛シャンプー春を待つ梅鶏
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待春の指揮棒くっと空をきる浦野紗知
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春待つや猫はぐにやりと腕の中麗し
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絵馬殿を吹き抜ける風春を待つ詠頃
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春待つやモーツァルトを口笛で江川月丸
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春待つや陽射しにひらくたなごころ蝦夷野ごうがしゃ
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春待つやパレットに足す風の色越前岬
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春待つや極彩色のおしながき越冬こあら@QLD句会
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春待つや我が家であった瓦礫積む海老名吟
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春待つや防人の地は波高く笑姫天臼
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待春の画布に色たす鳥の声M・李子
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待春の仮縫ひ待針きららかえりべり
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春を待つきみをむかえにいく仕度縁穐律
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春待つや鳴き競はせる金糸雀も遠藤一治
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分校の児童は五人春を待つ円美々
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還暦の花を栞に春を待つおおい芙美子
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テンプルの螺子のゆるみや春を待つ大岡秋
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海べりに春待つ瓦礫ありにけり大黒とむとむ
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春待つ日あたしはセーラー服着てた大石聡美
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空はまだほほえみ持たず春を待つ大越マーガレット
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春待つやペンキの匂うすべり台大小田忍
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春待ちし我もあなたも弾の下大島一声
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春待つや若先生の不養生太田鵯
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春待つや今朝の鴉が昼もゐて大塚恵美子
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春を待つ日記に騒ぐカラーペン大橋れいみ
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待春や机に並ぶ書の小口大村真仙
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春待つや両手のみづの懐き初む大山和水
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木の匙を並べて春を待つ匂ひ大和田美信
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春待つやAIボイス聴き馴れて岡井風紋
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待春の肩甲骨を寄する音おかげでさんぽ
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春待つや栗駒山の陰覘き岡崎蹊
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待春の彫像めける店主かな可笑式
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春を待つえんぴつキャップは色違いおかだ卯月
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春待つや無声映画のキスシーン緒方朋子
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春待つや稲荷大社のゆずせんべい岡山小鞠
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待春の棚田堆肥の湯気流る小川天鵲
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今宵死ぬ星を弔い春を待つ小川野雪兎
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花手折り春待つ祖父の病床に小川葉月
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春待つやほんのり和き土の色小川都
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橋脚に光ゆわゆわ春を待つ小川めぐる
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春待つやビーズの穴のトンネルもおきいふ
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ベランダの糞のかぐわし春を待つオキザリス
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鍋肌をふつふつミルク春を待つ沖原イヲ
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春待つやらほつらほつのゆるみゆく荻原湧
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春を待つわれに寂しき母の笑み奥寺窈子
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二重螺旋の傾斜春待つさざえ堂小倉あんこ
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いっぷくの紫煙ぼんやり春待つ目おこそとの
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家に我が一畳見つけ春を待つ尾座鬼
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路線図を南へたどり春を待つ小沢史
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春待つや背骨肋骨励ましておだむべ
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表情あかるし春を待つ葉痕越智空子
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金色の折り紙残し春を待つ音羽凜
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病室のスーツケースや春を待つおひい
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ビス穴の緩む蝶番春を待つおぼろ月
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春待つや毛長の栗鼠が駆け抜ける沢瀉みやこ
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春待つやようよう針の穴に糸おんちゃん。
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春待つや白煙避くる岬馬かいぐりかいぐり
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春待つやマリンバの音転がりて海堂一花
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みちのくの春待つ山に澄ます耳灰頭徨鴉
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膨れたるお薬手帳春を待つ海峯企鵝
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待春やひらがなのくは鏡文字加賀くちこ
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春待つ岬や波濤は翡翠色案山子@いつき組広ブロ俳句部
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腹の子のもんどり打って春待ちぬ風花まゆみ
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春待つや産毛剃られし首のふふ加座みつほ
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春待つや母のスーツの肩パッド霞山旅
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ばらばらになった錠剤春を待つ可視
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曇りなく磨き春待つスキットル樫の木
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糠床のしみる春待つ手なりけり華胥醒子
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春待つや旅は北上地図に◯花純
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いえこれは勝手に春を待つ列です片岡六子
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春待つや特大真鯛捌きつつ片岡龍一
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極細の絵筆手に入れ春を待つ片桐洋
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仮縫の襟ぐり広く春を待つ加田紗智
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春待ちて手のひらに陽をむすびけり片山蒼心
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春を待つ型付け終えたグラブかなかつたろー。
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昔聴く音は残りて春待つ日桂子涼子
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埋もれたる川の源流春を待つ花伝
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砲弾の穴より春を待つ一年仮名鶫
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春を待つロビーをユーモレスクかなかねつき走流
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先生と呼ばれる猫や春を待つカフェオレ草
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春を待つ明日の吾は新しい花星壱和
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引退の気持ちの置場春を待つ釜眞手打ち蕎麦
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我が翳の茸腫を刈りて春を待つ神長誉夫
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春を待つ足場の中の道の駅神谷たくみ
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小さき手の春待つ文に鏡文字紙谷杳子
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春待つや雲竜柳天を指す亀井汀風
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知人ゐぬグループホーム春を待つ亀田荒太
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春待つやハニー滴るパンケーキ亀田かつおぶし
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梱包が大き過ぎるの春を待つ亀の
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頬杖の骨こりと鳴り春待てり亀山酔田
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春待つや衣がゆるいエビフライ花紋
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窓際の万華鏡より春を待つ加山シンゴ
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春までの余命を以て春を待つ加良太知
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その先へキップ握って春を待つカラハ
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生垣に上履き軽し春を待つかりそめのビギン
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湯気まろきクラムチャウダー春を待つ川越羽流
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春待つや応えぬ妻の爪を切る河村静葩
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「5」の褪せた三角定規春を待つ川村ひろの
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春待つや石碑の不戦の誓い川村昌子
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図書館の本に押し花春を待つ閑々鶏
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指先のえぐれた皮膚も春を待つQey
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あんぱんの臍艷やかに春を待つ喜祝音
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ほうほうと後厄にをり春を待つ季々諧々
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春待ちぬ解体進む診療所菊池洋勝
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春待つやさりさり削る色鉛筆岸来夢
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蓼科の木々りんりんと春を待つ酒暮
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ヒーローの定義は何か春を待つ北岳醍醐丸
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春を待つ鰭は身を置くためにのみ北野きのこ
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春待つや一枚脱いで楽な肩北の星
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猫のあとを隻眼の猫春を待つ北藤詩旦
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あえかなる光は春待つ朝かな狐雨こじろう
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春待つや色を補充に画材屋へ木寺仙游
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春待つや農学校の大時計城内幸江
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コンパクト口角の春待つ角度きのえのき
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大声で歌ふ春待つ埴輪かな木野桂樹
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百年の大黒柱春を待つ木原トモ
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春待つや土掘り起こし陽を集むきべし
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地下ホームで春待つ止まぬ爆音木村かおり
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春待つやカルチベータにオイル注す木村修芳
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活火山地熱を溜めて春を待つ木村隆夫
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縁側に春待つ紙の将棋盤木村となえーる
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春待つや引き出しに乗車券二枚Q&A
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窓あけて空を入れたし春を待つQさん
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ロボ掃除機の触覚忙し春を待つきゆうもん@木の芽
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友達の呼び名が変わる春を待つ鳩礼
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繋ぐ手に花いちもんめ春を待つ京野秋水
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春待つや鉄瓶に沸く湯の甘し杏乃みずな
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ぱりぱりと餃子の羽根や春を待つ清瀬朱磨
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春待つや鍋を揺蕩うひよこ豆霧島ちかこ
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春を待つ雲呑麺を食べました霧土人
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折鶴の片面へ糊春を待つギル
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ままごとの卵に木目春を待つ銀紙
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二の段と五の段とくい春を待つ菫久
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春待つ紅よ計画倒れの旅銀髪作務衣
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春待つや突けば楽器めく肋ぐ
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森はまだ春待つ砦芬蘭クウシンサイ
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青信号鳴けばソの音春を待つ久我恒子
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春待ちぬ驢馬のパン屋を見ましたか鯨尺
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春まつてひねもすくものゆくへかな鯨之
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春待つや目玉焼きには何かける葛谷猫日和
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春を待つ男ばかりの幾何化学くずもち鹿之助
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春待つや漬物樽は底まぢか工藤遊子
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オリオンに槍投げるほど春待てる窪田睡鯨
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春待つや散歩の杖のストローク久保田凡
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春待つや浅く明るく鰐の息くま鶉
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頬杖と春待つこころほどきけり熊谷温古
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春待つや北向く厨仄暗く倉岡富士子
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春待つはみづを飲み込む音のやう眩む凡
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待春の田畑卯建の黒光り栗田すずさん
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堆肥場に春待つけぶり干拓地久留里61
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断面を晒す住まいや春を待つくんちんさま
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待春や貝は泡に開かるる恵勇
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待春や母は口を開けたまま死んだけーい〇
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あふれ出る餃子のタネや春を待つげばげば
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春待つや寝返へる妻は繭のごと健央介
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春待つや土深く蠢動の匂ひ謙久
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春待つや銀座にだって裏通りケンG
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春待つや転勤先は徳之島研知句詩@いつき組広ブロ俳句部
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春待つや水飲み鳥に水与へ剣橋こじ
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秩父いま春待つ月のみづしづか小池令香
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春待つや油の馴染むフライパン恋瀬川三緒
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杖先の土ふくらみて春を待つコウ
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春待つやスポーツ店の革匂ふ公木正
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境内の春待つ砂や鳥の跡柑たちばな
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春を待つ日の斑に遊ぶ三輪車幸水
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春待つやポケットにあるホイッスル幸田梓弓
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春待つや龍鼻烈々醫王殿幸田柝の音
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万華鏡ほどの夢ある春を待つ宏楽
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春を待つ寝起きの山峰横たわり幸織奈
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あやとりのかはふねかへる春を待つ古賀
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春待つ夜スターアニスを煮るワイン古烏さや
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春待つやま行は丸くまるく書く小笹いのり
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春を待つスパークリングワインしゆわしゆわ木染湧水
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山小屋の南京錠や春待ちぬ虎堂吟雅
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病むことは生きてる証拠春を待つ後藤周平
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待春の古代蓮あぶく連連粉山
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胎ふたつ心音ふたつ春を待つこのみ杏仁
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猫に留守まかせ春待つ吉野山虎八花乙
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暮れの居間春待つ調べベートーベン小林のりこ
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春待つや木工室の広き窓駒村タクト
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ひらがなでおなまえかけた春待つ子こやまあきら
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春待つや慣れぬミシンでワンピース小山晃
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ひと雨や春待つ鳥の尾の長し小山秀行
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春待つや湖北に米を研ぐ朝GONZA
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トライアル終えて春待つ人馬かな今藤明
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春待つやソースを弾くリガトーニコンフィ
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爪なんぞ伸びなくていい春待つ日西條晶夫
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春待つや残波岬に風の道さいたま水夢
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勤行の法螺の音峰に春を待つ埼玉の巫女
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朝ヨガのポーズは戦士春を待つ齋藤杏子
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腹鳴をひろう春待つ聴診器さ乙女龍チヨ
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春を待つ木に王様の孤独知る酒井おかわり
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春待つや指しなりたる龍の文字酒井春棋
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春待つや緩和病棟の手鏡坂上一秀
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春待つや0番線におさげ髪さかえ八八六
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春待つや強めにガット張り替えて坂口いちお
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待春の風をつがへて風見鶏さくさく作物
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ガジュマルの根の混み合つて春を待つ桜月あい
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大樹の根深く息して春を待つ桜姫5
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春待つやアルミタワシと焦げた鍋さくら悠日
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春待つやうづらひとつの中華丼迫久鯨
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立山よ雲に隠れて春待つか雑魚寝
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春待つや部屋に忘れしリコーダー笹イボ太郎女
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春待つや一両増えるモノレールさざなみ葉
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黒コッペのやうなリムジン春を待つ笹野夕
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春待つや甘夏ジャムの黄金色砂舟
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そびら伸ぶ家族写真や春を待つさち今宵
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ここはどう君と春待つホバリングサッサゆきまる
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春待つや礼の角度の立ち姿さとう菓子
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春待つやジャングルジムに鳥止まる佐藤しのぶ
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待春や築百年の屋根傾ぐ佐藤志祐
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春待つや息をまあるくみがく窓佐藤儒艮
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春待つや小抽斗よりハーモニカさとうナッツ
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春待つや千木奪い合う歩射の的佐藤佳子
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春待つや刺座は整列崩さざる佐藤レアレア
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春待つや文句のやうに鳴く猫と里すみか
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革靴は黒春を待つ三男坊さとマル
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信号を渡った先で春待つわ里山子
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春待つや遠くあの子の撃たれゐて錆田水遊
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一本のポプラのやうに春を待つさふぁい庵
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点眼の硬き一滴春を待つさぶり
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春待つやラジオのピアノくぐもりてさむしん
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春待つや鳥になる日を待つやうに紗羅ささら
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春待つや巣穴は肺を潜ませてさるぼぼ@チーム天地夢遥
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春待つや洗礼名を授けつつ澤田郁子
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待春の椅子をまはして拭きにけり山海和紀
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工房のこけしの細目春を待つ三休
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片胸の老母のいびつ春を待つ山月
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春を待つテリアのおならぶぶうぷぴ三尺玉子
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我が名書く妻の字硬し春を待ち三水低オサム
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春待つや針目揃わぬ布おむつ紫瑛
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春待つや半クラッチの膝ゆるめ潮風の台所
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嬰児の寝がえりを待つ春を待つ塩の司厨長
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春を待つ最果ての海に居ればなほ塩原香子
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春を待つ夕日の色の糖衣錠潮見悠
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春待つやシェイクスピアに栞紐しかもり
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ガラスペンインク吸ひ上げ春待てり四季春茶子
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グッピーの子供100匹春を待つ下町古娘
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春待つや鳥の形を山頂に紫檀豆蔵
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「さよなら」は春待つ呪文こゑもまた篠原雨子
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誂えの靴家で履く春を待つ柴森爽
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もっと青い空春待つ薬指しぶ亭
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春待つや猫のかたみの髭ひろふ渋谷晶
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泣きそうな春待つ宵のミルクティー島崎うらら
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待春のけふは手ぶらで産まれけり島田あんず
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待春の宙へ会話や占ひ師嶋田奈緒
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恋ひとつ片付け春を待つ枕嶋村らぴ
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待春の子規のキャッチャーミットかな清水縞午
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春を待つ十指溢るる希望かな清水容子
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ジャズ喫茶で春待つ日々もありにけり志村狂愚
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春待つフォーム固め素振り千回下丼月光
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春待つや撞座外さず堂静か釋北城
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乳を吐く赤児の舌や春を待つ芍薬@独逸
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春待つやくるりとやはきかんなくづじゃすみん
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春を待つ稽古帰りのタルトタタン沙那夏
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燻製のソース葡萄色春を待つ砂楽梨
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春待つや壁にボールの跡数多洒落神戸
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武器置かば聞こゆ春待つ民の鼓動秋芳
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春待つや己が翼を白く塗りシュリ
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消しゴムの両端まろし春を待つじょいふるとしちゃん
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アリクイのよこがほに春待つ傾斜常幸龍BCAD
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疼く背にとどく手無しや春待つ夜庄司しづく
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春待つと花屋までならパリ気分ショートケーキ
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膝のねじ緩んだままで春を待つ白井百合子
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練り切りに沈む黒文字春を待つ白玉みぞれ
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待春の鶏頭水煮缶艶めく白プロキオン
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契りきな春待つ海の骨へ手を白よだか
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この街に龍が生まれる春を待つ新開ちえ
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春待つやダッシュボードに梅のガムジン・ケンジ
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病棟にトリケラトプス春を待つ新城典午
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幾何学の硬き板書や春を待つしんぷる
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ラジオからお悩み相談春を待つ新米いろは
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春待つ夜クレーンはみな南向き水蜜桃
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春待つや目方の重き茶封筒瑞陽庵
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春待つや粥一匙の離乳食杉沢藍
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鶴折りてひねもす春を待つことを杉本果ら
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春待つ頃は地震の記憶新た鈴木暮戯
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春待つや浜は光の縞佩きて鈴木由紀子
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春待つや落としし鍵の現れん鈴木リク
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春待つや商店会の三塁手鈴木麗門
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春待つや少しつかえる下がり九九鈴白菜実
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鋼美し炭鉱電車春を待つ清白真冬
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ピザカッター春待つ君へ一直線鈴野蒼爽
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春を待つ窓がいつぱい湖西線主藤充子
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糸なめて通す糸穴春を待つ砂山恵子
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偵察を終へて春待つ猫であるすりいぴい
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春待つや付箋はる場所もう無くて世子
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轆轤挽く両の指先春を待つせいしゅう
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馬洗う春待つ水とたましいと瀬紀
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測量ポール春待つ川を渡りをり世良日守
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春待ちて夜風にぬるき胞子たつせり坊
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春待つや開かないドアを押してみる千@いつき組広ブロ俳句部
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春待ちて輪郭線のないわたし全速
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春待つや五年二組の千羽鶴そうり
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春待つやペグ締め弦のテンションす外鴨南菊
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読点のような男と春を待つそまり
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教本にたつぷり春を待つ付箋染井つぐみ
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春待つや玻璃器を二つすすぐ音染野まさこ
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春待つや亀乗れるだけ岩に乗るぞんぬ
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春を待つ勝鬨橋のひずみかなたーとるQ
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春待つ空突き刺さりそうに透明大
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スコップにリズム乗せなむ春待つや大康
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春待つや青いインクで書く手紙太平楽太郎
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春待つや乳歯の穴のみずみずし平良嘉列乙
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子も犬も雲も春待つ寝癖かな高尾里甫
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春待つや色鉛筆は二百色高木音弥
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ごめんねのねを言ひたしよ春を待つ髙田祥聖
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オーブンを覗くがごとく春を待つ高嶺遠
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たどたどしきねこふんじやつた春を待つ高橋寅次
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竹とんぼ春待つ空へ飛ばしけり高橋なつ
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定食のおかわり無料春を待つ高橋ひろみこ
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日光月光菩薩爪立ち春を待つ高橋ままマリン
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撫でてあげたくて春待つ爪を切る高橋無垢
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鳴る汽笛春待つ瀬戸に潮速し高見正樹
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春待つや埴輪の口のまあるくて高山佳風
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春待つや晴れの日の玻璃戸の微熱滝川橋
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いつぞやの謎のもぞもぞ春を待つ瀧本敦子
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春待つや「病院ラジオ」にありがとう卓女
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春待つや我が家に踏んでいない場所多喰身・デラックス
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あくびして春待つ人となりにけり竹田むべ
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春待つや先月性別今日心音竹八郎
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春を待つ間に他の事も待つたけろー
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春待つや人生ゲーム五回終へただ地蔵
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待春や鳥の糞より覗く種多々良海月
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春待つやクベース出ると報せあり立川茜
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春待つや留め具の堅きランドセル橘萌香
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待春やハシビロコウのやぶにらみダック
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ひらがなの名前なぞる子春を待つ立田鯊夢@いつき組広ブロ俳句部
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春待つや網目のたわむ母キリン立石神流
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春待つや念入りに拭く三面鏡蓼科嘉
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護美箱の踏めば開いて春を待つ立部笑子
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春待つや爺は籠編む囲炉裏端田中ようちゃん
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校庭に春待つ蛇口十八個谷相
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春を待つ野沢菜漬けの樽軽し谷本真理子
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珈琲の豆挽く音や春を待つ田畑整
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待春やタワークレーンの独り言旅空素
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春を待つ日向に祖母を出しながら玉木たまね
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春待つやボールを縫へる赤い糸たま走哉
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春待つや汽車はイーハトーブ行きたまのねこ
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春待つや画布いっぱいに青を刷き玉響雷子
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狛犬の後足太し春を待つたむらせつこ
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陽だまりに春待つ鳥がゐる水辺田村利平
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待春や離島に一人医師迎えダメ夫
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岡崎や春待つ象の白まつ毛丹波らる
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春待つや迷宮の燃料デブリチームニシキゴイ太刀盗人
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海風に春待つ鴎なぶられてちくりん
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待春の色鉛筆を耳へ挿し千歳みち乃
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メレンゲの角の高さや春を待つ千鳥城@いつき組広ブロ俳句部カナダ支部
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積み上げし培土は軒に春を待つ千葉睦女
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春待つや鴉のやうな四分休符ちゃあき
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春待つやミットのグリス交換す千代之人
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春待つやダンベル持っているマネキン彫刻刀
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ぷくぷくと自然酵母や春を待つちょうさん
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釣り竿の握り確かめ春を待つ塚本隆二
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春を待つ駝鳥の睫毛びつしりと月石幸
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春待つや求肥に透ける餡の色月影の桃
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春待つや蟠りごと米を研ぎつきのひと
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痛む歯のじぃーんじぃーんと春待つ夜月待小石
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春を待つ鏡の中の老女また辻内美枝子
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春待つや八百屋魚屋糸屋路地辻野花
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とはいへど野に一歩ずつ春を待つ対馬清波
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春待つや卓上おみくじ器へ硬貨津々うらら
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春待つやオカメインコの逆上がり綱川羽音
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つぎつぎと滴ふくらみ春を待つつなしいぬ
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春待つや骨格模型なる飄々ツナ好
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春待つや社交辞令と思う嘘椿律
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春待つは異国の果実食ふ如し翼つばさ
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写真立てひとつ増やして春を待つ露草うづら
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春待つや息を娯楽として病臥丁鼻トゥエルブ
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待春や土に埋もれし力石テツコ
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春待つや白黒の倫敦にゆき哲山(山田哲也)
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春待つや両手で包むパンの生地輝由里
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美顔器のスチームしゅしゅしゅ春を待つでんでん琴女
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春待つやおむつひとつずつになまえ土井あくび
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待春やウイーンの友に書く便りどいつ薔芭
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旋回の鳶の光や春を待つ苳
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剥離フィルムつるん春待つ親指トウ甘藻
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春待つや生徒の並びたる旋毛藤白月
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横断歩道白だけ踏んで春待てり遠峰熊野
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飛べそうな魚の化石春を待つとかき星
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春待たむ待たむ力士の貼り薬時まる
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狼は神を呼ぶなり春を待つときめき人
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待春のろくろしづかに押し広ぐ常磐はぜ
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春待つや湯屋の暖簾の藍褪せて徳庵
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通い慣れたハローワークや春を待つ独星
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地球自転あと何回や春を待つDr.でぶ@いつき組広ブロ俳句部
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春待つや一本五円で抜く白髪どくだみ茶
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旭光をあそぶ白髪春を待つ戸口のふっこ
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春待つやガイドに頷く吉田邸栃錦太郎
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春待つや何度も磨く駒と盤十津川ポロ
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遠出へと揉むふくらはぎ春を待つ戸根由紀
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屋上で愚図るシーツや春を待つ鳥羽ししまる
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春待つやままのまの字のくるんくるんとまや
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春待つや風呂場の壁にあいうえお冨川友香理
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春待つや受付嬢の片えくぼ斗三木童
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春待つやお道具箱のラブレター富野香衣
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春待つや駅に訛りの無い街へ登盛満
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割印を三部に二箇所春を待つ富山の露玉
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春を待つ右の奥歯は銀歯なり豚々舎休庵
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春待つや鉛筆すべて尖らせてとんぶりっこ
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手水場を春待つ陽射し跳ねにけり内藤羊皐
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東京に行くの春待つワンピース直
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寄せる波ひときわ低く春を待つなかかよ
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春を待つショーウィンドウの楽器たち中岡秀次
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移住地の候補あれこれ春を待つ中里凜
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春待つやアパート決めたこの街で中嶋京子
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赤松の経木干す蔵春を待つ長嶋佐渡
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トラックで均し春待つグラウンド中島走吟
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春を待つ飛行機音に開くる窓中嶋敏子
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指先に触れるひとひら春を待つ長洲雪華
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春待つや炉にぽつねんと喉仏永田千春
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待春の七輪に反るスルメイカ中鉢矢的
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春待つもの例へばガレの花蝶文中原柊ニ
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春待つは妹の帰りを待つ如し中平保志
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三十回踵上げして春を待つ仲操
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イパネマの娘ころころ春を待つ中村すじこ
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春を待つ嗚呼人生の賞味切れなかむら凧人
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「でんしゃ、くる?」腕の中の子と春待つ中山由
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鈍色の空や春待つ野球帽凪ゆみこ
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春待つや紙いっぱいの鏡文字なしむらなし
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トルソーと春待つ部屋に踏むミシン夏草はむ
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おりがみに神のおはすと春を待つ夏湖乃
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折づるのわすれしつづき春を待つなつふじ
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石亀の息継ぎ深く春待てり七国独楽男
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春待つやカフェにきれいな鼻濁音七瀬ゆきこ
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賢治の詩くちからこぼる春待つ日七森わらび
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一病を横に並べつ春を待つ菜々の花畑
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覚えたて単語がふたつ春を待つ浪速の蟹造
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待春やチェンバロは爪はじく音名計宗幸
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一段を空けし本棚春を待つ奈良素数
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春待つや手を合わせるはご参拝成瀬ぽんぽこ
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春待つや鱗の如く光る海南全星びぼ
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春待つや壁一面のスニーカー西川由野
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春待つや産科の庭にチャウチャウ犬西爽子
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春待つ枝よ薬屋に父いたか西田月旦
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点滴のしづくや待春をねむる西野誓光
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君が吾を下の名で呼ぶ春を待つ西村棗
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裸体画の春待つポーズしておりぬ二重格子
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羽衣を壊し壊され春を待つ二十八
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待春のベンチ端より埋まりけり新田ダミアナ
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丸ふたつみつつ春待つ地図の上にゃん
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ひとひらの浮力を耳に春を待つ仁和田永
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春待つや彼は誰時のドラミング庭野環石
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東北の春待つ男手の大き沼沢さとみ
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春待つや樽に息づく麦麹根々雅水
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春待つや検査結果の封を切るノアノア
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ひとつづつ拾ふ兆しや春を待つ野地垂木
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春待つや左手の譜も覚へゐてノセミコ
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洛北の春待つ下宿洗面す乃立喰咽
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水動け春待つ郷の灯のぬくみ野中苦泉
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団地から団地ながめる春待つ子野中かべちょろ
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春待つや四万十川の河童達野中泰風
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春待つ日フリースローの球放つ野々かおり
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春待つやリボンを仕舞ふクッキー缶野ばら
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春待つや化学治療の三回目野間薫陶
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春を待ち春を待ち春を待ち今も羽織茶屋
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空の鍵解けて春待つ宝物庫白庵
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産土の神の大楠春待つや白雨
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春待つやデッキブラシの音軽し橋本こはく
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春待つや陽の蟠る火焔土器長谷川水素
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待春や棟上げの餅どつさりと長谷機械児
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身長が2cm縮み春を待つ葉月庵郁斗
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鮭しなる春待つ木彫り熊の口八田昌代
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春待つや貨物列車は長過ぎて花咲明日香
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蜂蜜は光に春を待つスプーン花南天あん
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春待つや梢の鳥のふくれをり英凡水
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ぶしゃぶしゃと寝言の子象春を待つはなぶさあきら
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春待つやエチュード集のラスト編む英ルナ
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春待つや壁絵明るし一番湯花豆
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はとバスの客口々に春を待つ花和音
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春待ちて大器の轆轤廻り初むぱぷりかまめ
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春待つ夜ラジオ英語を聴きながらはむこ
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指を抜けば粘土に春を待つ窪み葉村直
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春を待つ細き枝にもちからこぶ原水仙
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春待つや手摺つたいの五メートル原田民久
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春待つや鉄印集めのローカル線湯湯婆
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春待つや冷蔵庫から謎の種子原野乃衣
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春待つや黒犀の背に小鳥二羽巴里乃嬬
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深爪の六畳一間春を待つ播磨陽子
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花束を投げ春待つ国境かなharu_sumomo
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スタバの窓辺春待つ人の指定席晴菜ひろ
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春待つや今日の病院食はパン晴田稲刈
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懐に丸む文鳥春を待つはれまふよう
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春待つやベトナムの子の細き腕万里の森
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春待つや樽漬けの糠水上がり東山たかこ
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春待つや鏡の中の無精髭光散人
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背に硬しリハビリ台や春を待つひぐちいちおう(一応)
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待春の舌そつと出す二枚貝樋口滑瓢
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紐通されあとは春待つスニーカー樋口ひろみ
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廃墟背にチェロ弾くをとこ春待てり美竹花蘭
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春待つや破風の兎の反り返るひでやん
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相棒は小便小僧春を待つ陽
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手に櫂を春待つ河のなめらかさ日向こるり
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エントロピー産んで春待つコンポスト比々き
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春を待つ山羊は半径五メートル日吉とみ菜
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春待つや雑踏の街の鶺鴒平井千恵子
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木の治療終へて庭師や春を待つ平井由里子
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だるまさんがころんだ春待つ猫と僕比良田トルコ石
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ロンドンの春待つ猫の髭長し比良山
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雲に名をつけて少年春を待つ広木登一
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春待つやゆっくり開く茶葉のごと広島立葵
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待春よ喉につっかえた飴玉よ弘友於泥
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春待つや旅支度なるホンダカブ深町明
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莟ほどのカヌレをひとつ春を待つ袋小路綴乃
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嬰児の拳は春を待つかたち藤色葉菜
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春を待つ白磁に熱くダージリンふじこ
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待春や杖より早し爺の足藤咲大地
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茶柱のそよぐ形見や春を待つ藤白真語
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春を待つお手玉二つ三つ四つ藤田ゆきまち
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花の名の産名携へ春を待つ藤原涼
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春待つやハシビロコウに嫁来たる藤雪陽
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サーカスの帰りの明かり春を待つ藤原素粒子
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春待つやきつと交わる平行線布施無門
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ラジオより途切れぬノイズ春を待つ船橋こまこ
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賢明や春待つ毛玉取り給へ冬のおこじょ
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仕掛け絵本広げ広げて春を待つ冬野とも
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春待ちの研修医深呼吸ひとつ古庄萬里
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さんずいは飛び立つかたち春を待つ古瀬まさあき
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春を待つ店主ギターに貼る処理券ふるてい
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草原の春待つ翼の浮力かな碧西里
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灰色の壁に瓦礫に春を待つペトロア
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春を待ちながらシャンプー詰め替え中へなけん
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春待つ子グリフォンの背に乗りたくてべびぽん
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天燈鬼春待ち燈をかつぎゐる茫々
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バス停の皆病人や春を待つ北欧小町
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待春のクーピーを削るるるるる黒子
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うどん打つ長き麺棒春を待つ星月彩也華
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磨き上ぐタンデムシート春待たむ干しのいも子
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素っ気ない中二春待つ二頭筋星乃ぽっち
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ちゃんぽんの海老の薄紅春を待つほしの有紀
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鶸止まるシルバーカーや春を待つ甫舟
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春待つや赤児泣き止む駅ピアノ星善之
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畳まれて春待つ父の車椅子細川小春
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祈る人の傍に居り春待つポップアップ
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待春や孫の子守はジョン・レノン堀卓
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春待つやトラムに響く広東語香港ひこぞう
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春待つや高野八峯紀の大河本間美知子
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安寧の墨書光るや春待たむ前田冬水
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春待つや体育館のドリブル音茉叶
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今後も既読の付かぬ春を待つ真喜王
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精錬を重ね春待つ泥団子牧野冴
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酒豪家の明治のうつわ春を待つ正岡丹ん
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ここに春を待つ妖怪おりました魔星蟲ダークネスライザーI世
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水を抜く膝の無防備春を待つ松井くろ
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風に立つ少年清し春待つや松井酔呆
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待春や赤子目覚めて鳶の笛松尾祇敲
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春待つや先ずは歳時記拾い読み松平武史
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合鍵の持ち手はハート春を待つ抹茶子
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春待つやはみ出し付ける丸印まつとしきかわ
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せめぎ合ふ風の切っ先春を待つ松本裕子
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春を待つ星は戦禍の手を放す真冬峰
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春待ちのトーストに盛る餡バター真宮マミ
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春を待つ小さき工場の木くずかなまめばと
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ふたたびの学生名のる春を待つまやみこ恭
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春を待つ駅まではたった三キロ瑪麗
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香り立つ湯島の御籤春を待つ真理庵
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ひつそりと春待つ塾の自習室まるにの子
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肩凝りの薬二錠や春を待つ丸山隆子
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春待つや綺麗に眉を描く特技慢鱚
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仕送りや春待つ京間四畳半まんぷく
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春を待つ化学療法室のドアみい
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赴任先暗き鍵穴春を待つ三日月なな子
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バス停の手作りの椅子春を待つ三上栞
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春待つや管ねむそうな点滴と岬ぷるうと
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留守番の止水バルブや春を待つ水鏡新
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早朝のCTスキャン春を待つ水須ぽっぽ
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職安の馴染みに会釈春待つや巳智みちる
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春待つや跳ねる音符のレミファソラ満生
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春を待つ痛みつちふまずの痒みみづちみわ
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図書館の村誌に埃春を待つ光峯霏々
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川の水ぽにゅぽにゅ春を待つ時間満る
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甘露煮を春待つ向きにそろへたるみつれしづく
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春待つやサヨナラ詰まる右の耳ミテイナリコ
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春待つやメニューボードに色のせて水上ルイボス茶
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春を待つ次男の次男ランドセルみのる子
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鉛筆の芯やわらかに春を待つみほめろ@いつき組広ブロ俳句部
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マンドラの運指ぶきっちょ春を待つ宮井そら
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春待つや謎解き本は全クリア見屋桜花
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春待つやオカリナ習ふ太き指みやかわけい子
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急行には乗らず春待つ歩廊かな宮坂暢介
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春待つや展示埴輪の小鳥の目みやざき白水
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白き壁白さを増して春を待つ宮武桜子
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春を待つ吾より自由になりたき吾宮武濱女
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春を待つ胸にステント置きしまゝ宮部里美
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春待つや船の汽笛のこそばゆくみやま千樹
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迷ったら行く発揮揚々春を待つ宮村寿摩子
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チェロの音チェロの音春待つ素顔ミラベル
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待春のシュークリームのでことぼこみらんだぶぅ
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春待つやシフォンケーキのふあんふあん夢雨似夜
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春待つや母のメールにバスダイヤムーンさだこ
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春待つや竹垣の香をほどく朝麦のパパ
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春待つやバネに油を注ぎつつ椋本望生
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カーテンへ映る羽ばたき春を待つ無弦奏
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便りする約束ありて春を待つ霧想衿
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春を待つ鏡の君はショートヘア村上の百合女
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パン生地の熟睡待春の願ひ紫小寿々
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積読を読み溶かしつつ春を待つ村先ときの介
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待春の餃子パーティー百八個村瀬っち
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きのふより春待つ歩幅伸びにけり村松登音
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春待つや猫背が物を捨てている目黒智子
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弾痕の有るドアに立ち春を待つメレンゲたこ焼き
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反り返る表紙の赤本春を待つ毛利尚人
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蒼天へ春待つ手錠解き放て本村なつみ
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ひらがなの机の名前春を待つ桃香
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白地図に春待つ土地の名を入れて百瀬一兎
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見立て良き紅茶ポットや春を待つ百瀬はな
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春待つや光の溜まる塩の瓶桃園ユキチ
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放射線科医のまろき背春を待つももたもも
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街行きのバスは三便春を待つ森日美香
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剪定の木々雲を梳き春を待つ森毬子
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待春のペーパーウェイト海のあを森海まのわ
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図書館を出れば綺羅星春を待つ森佳三
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春待つや点字ブロックもの言わずモリコリゴリ
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マタニティヨガ捻れて春を待つ身かなもりさわ
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肌円き若草山や春を待つもりたきみ
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春を待つ瞳孔ゆっくりとしぼむ森太郎
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春待つやアールグレイに異国の香森中ことり
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手毬麩のふはり春待つすまし汁杜乃しずか
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待春の畑に燻炭鋤きし午後杜まお実
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みどり子を抱く待春の農休日森山博士
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無人駅春待つ「↑落とし物注意」もろ智行
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さすまたの訓練緩し春を待つ山羊座の千賀子
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二枚目のトースト固し春を待つ安田栞
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待春の胎毛筆のくせ毛かな簗瀬玲子
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腰痛に歯痛に胃炎春を待つ安井コスモス
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春待つや左右人工股関節八幡風花
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陽に伸ばすヨガのつま先春を待つ山内彩月
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押入の吾子の隠れ家春を待つ山尾政弘
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すらすらと若鳥の水尾春待つ日山河穂香
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春待つや我ら年金生活者山川腎茶
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春を待つ朝へ元肥のひとつかみ山口絢子
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砂深く春待つ貝はまだ眠り山口雀昭
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春待つや命名本は三冊目山口たまみ
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待春や母の植ゑたるこの辺り山崎かよ
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欠員を補充するとや春を待つ山崎のら
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溶けざりしガラスの滴春を待つ山崎鈴子
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春待つやじゃこう鼠の数珠つなぎやまさきゆみ
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春待つや休み休みのシュレッダーやまさち
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春待つやいま人生の充電期山田蹴人
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やはらかに春待つ産着たまご色山田どゞこ
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春を待つ寝てばかりいる萎びた尾山田蚯蚓
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春を待つ気持とさうでない気持山田喜則
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春待つやケトルの笛のひよろひよろと山野麓
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春待つや洗濯物の隙間から山村楓
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春待つや指紋の谷を血はあをく山本先生
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ぎつたんばつたん春待つ離島の子唯果
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春待つやヘアドネーションとは無邪気結壱隆月
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そば殻の枕均して春を待つ柚木みゆき
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待春の古書街に立つ陽の匂い遊羽女
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なんとなく慣らすゆううつ春を待つ有野安津
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春を待つ猫と男の一間かな宥光
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空焚きのオーブンレンジ春を待つユ綺
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春待つや色とりどりのためし書き雪音
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春待ちの雨をうけたる傘の色柚木啓
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斯くてまた侘び寝に覚むる春待てば羊似妃
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西の方見てただけ明日も春待つヨーダ鍵
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午後休てふ空白にゐて春を待つ横縞
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春待つや就寝前の花図鑑横田信一
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行儀よく丸太は木場に春を待つ横山雑煮
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春待つや良寛様の云う通り横山ひろこ
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ミント噛み春待つプラットフォームかな吉田郁
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春待つや明日予定日風呂洗う吉田蝸牛
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失ふは春待つ為の通過点吉武茂る
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春待つや親の下絵を吹っ切って吉野川
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かさぶたはもう剥がさない春を待つ吉行直人
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春待つや嫌ひになれぬ波の音よみ、ちとせ
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週一のヨガを二回に春を待つ楽和音
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春待たむ羽ばたきさうに遺稿集RUSTY=HISOKA
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口笛は水面を跳ねて春を待つ楽花生
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さざ波に春待つ吾の痩せっぽち柳絮
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板の間のほの紫や春を待ち良俗倭人
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ひらがなをふたつかけるよ春を待つルージュ
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にいちゃんの練習しては春を待つ烈稚詠
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豆球の下の温灸春を待つ蓮花麻耶
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春待つや仁王の指は浮いてをる煉獄佐保子
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春待つや光溢るる子の睫毛連雀
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春待つやポッケにコーヒー手に玄能ろまねす子
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春を待つスーツ吊るしのリボ払ひ若井柳児
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早弁の春待つ箸の軌道線和光
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春待つや一目一目を積み上げてわたなべすずしろ
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春待つやひび割れし指また舐めるわたなべいびぃ
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春待つや明るき順に色鉛筆渡辺香野
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手作りの春待つコイルラヂオかな渡邉竹庵
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春待つや火星にあつたみづの跡渡辺桃蓮
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春を待つ大地の下の水の音渡邉わかな
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春待つやさくらロールの端甘し亘航希
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拭きあげる窓に春待つ鳥の影笑笑うさぎ
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豪という風に負けるか春待つ日あいあい亭みけ子
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春待つや旅のスタート賽で決め間岳夫
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春待ちや嫁ぐ娘にふと涙空き家ままごと
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春待つや狙い定めてクラブふる秋代
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春を待つ文庫の本をこっそり盗むアシツノカラ
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春待つや2センチ細きズボン買いアマリリスと夢
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制服のてかりとほころび春待つ池ノ村路
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春待つは川面に光る賀茂の水石井茶爺
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春待つやまだ見ぬ孫へ「ぐりとぐら」いしいるぴなす
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春待つや黒くなりゆく松本城今西知巳
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トレモロの響きの軽さよ春待つ今村ひとみ
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春待つやゆっくりと点滴の落つ五郎八
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待春の恋人未満友白髪内本惠美子
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病室でガスが出たわと春を待つ海葡萄
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春待つや人肌にする哺乳びんえんかず
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金平糖袋の中で春待てり岡田明子
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春待つやギプスに友のメッセージ小川しめじ
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春待つや結びて祓う凶神籤沖らくだ@QLD句会
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春待つや京都大阪奈良大津亀田稇
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産土の弾む春待つ祭りかな木口まり子
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春待つや運気を上げる熱海城幸内悦夫
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深呼吸春待つ気配天に地に宰夏海
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春待つや万物絵筆すべらせしさくら亜紀女
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独り身や障子張り替え春を待つ四季彩
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木登りの少年山呼び春を待つ嶋良二
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春を待つ洗濯物に陽の香り秀耕
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スキップし道順覚える春待つ子園蜩
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春待つや稚魚という名の無限大武田豹悟
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春待つや空室ありの白き箱黄昏文鎮@いつき組広ブロ俳句部
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春待つ紙飛行機は屋根に届く唯飛唯游
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ブランコも春待つような帰り道田鶴子
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春待つや薄紅を引く西の空旅女
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春待つや「あとなんせんち」吾子が問う哲庵
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春待つや飛行機雲は空を二分てまり
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春待って羽をつくるわ蛹となって手毬まりこ
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春待つや渾名で呼んだ帰り道電柱
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待春の津軽鉄道ナポリタン天童光宏
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春を待つ子の荷へレシピ忍ばせて浜けい
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雨だれやぽつんぽつんと春を待つはまお
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針遅し春待つ時計25時浜友輔
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春待つや箪笥の中の大漁旗HNKAGA
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温水器やねに張りつき春待つ身榛名ピグモン
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春待つや甘みやさしきなます鉢ひーたん@いつき組広ブロ俳句部
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春待つやぬかるみ一つ飛び越えて平林政子
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春待つや氷柱しずくの中の虹広ブロ&新蕎麦@摂田屋酵道
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春待つや地図に指し込む栞かな風泉
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春待つや点滴落つる音もせで深蒸し茶
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春待つやビル風にのり流行歌ふくじん
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春待つや面影は光に託し福田みやき
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立ち漕ぎで女子高生は春を待つ墨純
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コインランドリー春待つ服の舞ふ星野はいかい
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春待つやシニア仲間の病み自慢堀邦翔
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春を待つ風も畳のかおりかな。松尾美郷
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爪を噛む癖の直りし春待つ児三田忠彦
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バリカンの刈り上げの蒼春を待つ宮村土々
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寝ていても夫うるさし春を待つ妙
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春待つや土台はできた花リース村のあんず
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摩崖仏毅然と座して春を待つ室依子
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春を待つエプロンを捨て正社員望月朔
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春待つや鳥肌の峰ゆるみゆく山田季聴
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春を待つ南アに届くランドセルやまだ童子
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春待つやずり這いのこつ子は掴みゆすらご
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春待つや膝の裏伸ぶ二人組湯屋ゆうや
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春待つや週末だけの演奏会らりっく
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春待つや大利根月に赤城月リーガル海苔助
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春待つやひとつ処分の針目衣理佳
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春待つや「グースカピー」は擬音語かルーミイ
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春待つや好いたをとこの隠しごと小熊猫烈子
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春待つや少し明るく髪染むるY桂子
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プランター日差し集めて春を待つ渡辺陽子
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あてもなく春待つ手元ポケットに相澤泉
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数増やし木彫りの鳥や春待ちぬ藍田落星
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春待つや演奏会の券を買ふ青井季節
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ぽこぽこと蹴る腹の子と春を待つ青居舞
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春を待つ小学生のピアノの音大竹八重子
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吾子の手をにぎり春待つ美術館赤波江春奈
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参道を独りのぼるや春を待つ赤富士マニア
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合格の祈願の絵馬や春を待つ明かり**
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今年こそ西行を書き春を待つ聰子
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末っ子の結納をへて春を待つ秋白ネリネ
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肩寄せ合い地下で春待つ宇克蘭人アクエリアスの水
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春待つや風の匂いが気になって芥茶古美
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春待つや卒寿の鼻歌リフレインあくび指南
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春待つや祖母鶴折りぬ薬包紙淺井翠
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春待つや日溜動くと動く猫麻丘澪
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春待つや嫁と姑慣れてきて麻場育子
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春待つやドアの隙間に丸き猫朝日雫
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情景言の葉織り成しし春待つ亜紗舞那
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春を待つ墨の滴る小筆かな明日良い天気
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山の木々ギシギシと鳴き春待つやあすなろの幸
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春待つやまたかと嘆息不採用通知東峰
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春待つや藪柑子の実あと一つ愛宕平九郎
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人は春待つ虫はむずがゆいだけあたしは斜楽
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春待つや腹の術痕消えたまえ中はじめ
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春待つや古きノートを破り捨て熱田俊月
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春待つや島根エリアの雪流れ渥美こぶこ
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家籠り花壇弄りの春待つ吾跡部榮喜
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窓外を見遣り頬杖春待つやあねもねワンオ
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春を待つ癌病人の往くところ天川滴翠
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寂寥に蓋をしてまた春を待つ数多未完
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瓦礫照らすロウソク春待つキーフ雨戸ゆらら
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返信後春待つ夜に服選びあまどかに
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同窓の集い春待つ六十路なりあまねくみぞれ
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帰国後は母と鴨川春を待つ網野れいこ
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春待ちの猫どもの距離しじまの夜雨乙女
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十年振りの入社同期と春を待つ雨霧彦@木ノ芽
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春待つや一目二目と数えつつ雨降りお月さん
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水底の葉影に春待つ魚いてあやや
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地中では目覚めの時ぞ春を待つ在在空空
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俳友はNSC生春を待つあらい
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春を待つ越中富山薬売荒井類
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振り向けばきみのおもかげ春を待つ荒星笑石
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春待つや卯年七度の誕生日有本としを
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南窓箍ゆるませて春を待つ在在空空
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春待つや大手門のキッチンカー淡湖千優
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春待つやダム湖の縁にスワン号阿波オードリー
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春待つ木たれにも逢わぬ寺の奥杏っ子
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春待つや不動産屋を見比べて飯田孝子
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春待って蕾の先に覗く色飯田むつみ
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春待つやロングスカートに色タイツ飯沼深生
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荒らされた大地春待つスラヴ民飯村ヤーキン
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春待つ日々刺繍ばかりがはかどりてイカロス
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春待つ朝キーボードの音「合否」の審判粋庵仁空
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地球といふ大地蹴り上げ春を待つ生野薫
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待春の友の慶事の知らせあり郁松松ちゃん
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春待つや来世はトカゲもありうるかいくみっ句
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春待つや孫よ頑張れゴール直ぐ池愛子
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春待つや友と約束今度こそ池内ねこバアバ
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つけネイル空に透かして春を待つ池田悦子
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春を待つ奇跡の男子夢に見て池田華族
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春待つ木見上げる空に星ひとつ池田の炭
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春待つやチャリのチェーンに油差し池田広明
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待春や窓に並びし鉢の物石井卓次郎
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靴下の毛玉取りつつ春を待つ石岡女依
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天国の父母と一緒に春待ちぬ石川明世
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春を待つ上着片手にランドセル石川明
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スカートの丈を縮めて春を待つ石川初子
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春待つや母眠る丘に我一人石川巴里
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春待つや蕾いよいよ赤くなり石崎京子
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春待つ子ながむ水耕の球根石塚碧葉
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シロエナガまるく膨れて春を待つ石の上にもケロリン
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春待つ娘身ふたつになり宝くる石橋千佳子
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憂いなく春待つ日々の風の色石間毅史
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百葉の山も春待つ里帰り石本美津
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ピンク色春待つ庭の三輪車石山知子
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爪伸ぶ我ただひとり居り春待つ石山日滔
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家族集い母の個室で春を待つ和泉明月子
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春を待つ庭の陽だまり如雨露かな泉恵風
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戦火聞き静寂の庭春待てり伊泉不洋
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閉ざされし春待つ番屋北の海遺跡納期
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春を待つ一両電車トコトコと井関瑞江
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店頭のデリカテッセン春を待つ磯野昭仁
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少年の光るペン先春を待ついその松茸
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青空を刺す大木や春を待つ市川りす
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春を待つ塞ぎいる気を揺らしおり市場さと枝
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羽折れし子を見送りて春待つや一秋子
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北からの写メは春待つモノトーン五つ星
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ケセラセラ春待つ母の歌声よ一歩千金
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ばら色ランドセル春待つ初孫伊藤薫
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病得てしきりに春を待つばかり伊藤節子
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春待つや天地返しに鳥ルンバ伊ナイトあさか
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春を待つ机の上のランドセル田舎蛙
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春待つや遺影の母と目が合ひぬ稲垣良一
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八十の坂超えて嬉しや春を待つ伊那寛太
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春待つや男爵館のロコモビル井原昇
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春待つや断捨離済ませさあ一歩今井みどり
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病室の結露なぞりて春を待つ今井モコ
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鉛筆の芯とがらせて春を待つ今井淑子
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蟷螂の忘れがたみよ春を待つ今乃武椪
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母犬のバトン受けとる春を待つ彩人色
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春待つ侵攻モナリザの微笑みいわきりかつじ
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春を待つ猫の寝息は腹の上いわさちかこ
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振り返るスキップする背春を待つ岩清水彩香
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赤本を5周やり終え春を待ついわつよ8
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春待つやブランドスーツ仮縫いへ上野徹
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春待つや君の笑顔は胸に秘む上野眞理
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靴紐を真白に替えて春を待つ上原まり
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春待つや筋トレ励む下級生うさぎさん
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お迎えは今日でもいいと春を待ちうさぎと
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教科書は破られたままただ春待つ宇田の月兎
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春待つや写真の亡父に語りけり梅尾幸雪
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春待つや施設入所を決めし父梅里和代
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まりをつく狭き三和土に春を待つ梅野めい
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春を待つ棕櫚箒の三拍子吽田のう
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ロゼットの葉の傷みつつ春を待つS・葉子
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春を待つ風よ樹林はごおと揺る蝦夷やなぎ
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春待つやレシピ揃えて独り立ち越後縮緬
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じゅうぶんに老いて春待つ重き猫絵十
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春待つや重しこの服二キロなり江藤真治
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灯されてこけし灯籠春を待つ朶美子
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春待つや孫の頑張り祈るのみえみばば
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新店のペンキ塗る人春を待つ絵夢衷子
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春待つやまだ終はりとはさせすまじえりいも
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共白髪50回目の春を待つ遠藤千草
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春待つよ裏切らず来てくれるから遠藤玲奈
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薪小屋の薪半分に春を待つ旺上林加
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小刻みに揺るる赤べこ春を待つ近江菫花
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断熱のシート貼り貼り春待つ子大江鈴
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春待つや運転免許返し終へ大木紅貴
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春待つ日おなまえシールのフォント選る大久保加州
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春待つや終業時刻の名残りの陽大越総
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待春や飼い犬あくび背伸びする大阪駿馬
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春待つやトーストセットバタ溶けり大嶋宏治
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春待つやほのおにかざす手はそっと大嶋メデ
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友問ふや春待つ心隠せずに大谷如水
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春待つや縁結びの御籤は吉大津美
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春を待つ歩きはじめの赤い靴大野喬
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ラーメンののびきっている春をまつ大野美波
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春待つやじいじがくれたランドセル大原妃
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春待つ夜筆が進むや引継書大原雪
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ウェディング体をしぼって春を待つ大道真波
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春待つや肉球ピンク猫あくび大本千恵子
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チョコ喰むは四歳からね春を待つ大谷一鶴
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春待つや誘ひの幾つ実現か大山小袖
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上履き入れ桜刺繍し春待つ岡由紀阿希
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「あ、赤い実が」さてはひよどり春を待つ岡れいこ
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ポケットの穴をさぐりつ春を待つ岡田瑛琳
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清掻の調べ聞きつつ春を待つ岡田恵美子
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寂しあり荷物積み上げ春待つ子岡田ぴか
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春待つや棚田過ぎゆく茜雲岡田雅喜
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ワンルーム春待つ思いと寂しさとおがたみか
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老木や年輪刻み春を待つ岡塚敬芳
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春待ちて裾たけのばしたたみ置きふさこ
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鳥騒ぎ受けとめる木々春待てりオカメインコ
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枯れ芝生春待つ手にもクリームを岡本
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春待つや丸くなる草風よけて丘るみこ
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ほの甘き米粉のパンや春を待つ小川さゆみ
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春待つや窓を開ければ風の道奥田早苗
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春を待つ五十すぎての初子かな小栗福祥
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深山に歩く小鳥よ春待つやおさだ澄恵
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春を待つ生まれ出づる子名は「めばえ」お散歩じいじ
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朝陽獲るあと数ミリの春を待つお品まり
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独居にて春待つ人の文長し小島やよひ
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春待ちて待つて叶はず一一七落句言
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不在連絡票春待つ姪のランドセルおでめ
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ひだまりに春待つ草と愛の花お寺なでしこ
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靴中に縮むる指や春を待つ音のあ子
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一年の育休終わる春を待つ音羽実朱夏
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たつこ像身じろぎもせず春を待つ小野寺さくや
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春待つふて寝したりける猫の顔小野小町
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春待ちて覚悟の顔は尚凛々し小野ぼけろうじん
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春待つや蕾は外気確かめて帯壱
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声をかけ春待つ君は兄ちゃんに小山田之介
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古希迎えジム挑戦の待つ春や鹿嶌
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春を待つ吾をババアと呼ぶ子ゐて海瀬安紀子
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土の準備ととのい春を待つ空快晴ノセカイ
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広い部屋春待つ歌を囁いた械冬弱虫
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食い縛り皿洗う日々春を待つかえるL
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零るるは春待つ庭のピアノかな火炎幸彦
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書に飽いて内にも厭いて春を待つカオス
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小枝切るハサミの光り春を待つ垣岡凡才
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合否にて春待つ君の運命は柿野宮
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春を待つ形見の机傷の跡笠谷タカコ
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春を待つ窓に花丸三つ四つ風花美絵
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幕開く新生活の春待つや梶浦和子
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描く絵に朱を射したし春を待つ梶浦正子
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ワンピースひらりひらりと春を待つ鹿嶌
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春待つ君の上靴の光る白鹿嶌純子
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春待つやお守り持ちて旅にでるかじまとしこ
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春待つや化学療法終えし我柏原淑子
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飛び跳ねて春待つ孫のランドセル風の旅人
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草の庵鳥は鈴なり春を待つ風早杏
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カーテンを二人で選び春を待つ風ヒカル
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時刻表春待つ列車文字躍る片岡明
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待春や今朝もユーミン口ずさむ花鳥風猫
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屈辱と書いて消す日々春待ちぬ葛飾シトロン
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春を待つ蛇口滴る水の音勝瀬啓衛門
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泥よけのかたまり落とす待春よ桂田和京
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足の爪切って白寿の春を待つ桂葉子
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招き猫左手あげて春を待つ加藤暖
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春待つや靴を新たに職探し加藤雄三
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辣韮か自虐しながら春を待つ加藤りす女
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春待つや日時計の影ネジれ行く叶田屋
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春待つやふっくら焼けたカンパーニュ金田由香
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春待つや納屋に鍬鋤農事暦かぬまっこ
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春待つやもっちり世界最古猫金子あや女
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春を待つよそゆきの服うす緑金子真美
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床の間にランドセル置く春待つ日カバ先生
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左手にマニキュア見本って春待つ神谷米子
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もういくつ寝ると歌いもう春待ち亀田りん女
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春待つや歯科検診の椅子は黒亀山逸子
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春待つや片方消えた孫の靴かもめ
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鈍空に春待つ樹々は枝刺して加裕子
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空き缶のウォーホールめくや春を待つ狩谷わぐう
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みんなして背伸びで春を待つあほ毛枯山日明萌
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きかん気の介護の母や春を待つ川口水明
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賃上げの春待つ暮らしけふも生く川端芙弥
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志しストレッチして春を待つ川辺彬也
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サクマ式ドロップス缶春を待つ川村湖雪
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地図広げ春待つ君や決断すカワムラ一重
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待春の絵馬蒼天を突き上げる邯鄲
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老いも若きも春待つ日々の豊かなる樺久美
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くしゃみ一つカーテン洗い春を待つ看板のピン
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春待つやルーペ霧吹き苔図鑑閑酉
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春待つや旅支度せしカレンダー紀杏里
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年ごとに夫はいらちに春を待つキートスばんじょうし
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新品の春待つクラブ磨くオレ聞亭圭輔
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春待つや主人無き家の実のたわわ岸本元世
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春待つや新車待つこと四ヶ月季切少楽@いつき組広ブロ俳句部
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溜息と涙を数え春を待つ北大路京介
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菜園の土づくりして春を待つ北川茜月
-
グレイヘア春待つショートカットきた実実花
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春待つや黄み肌甘き卵焼北村崇雄
-
軒先に猫空見上げ春を待つきだゆふすけ
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靴箱の隅で春待つハイヒール木下桃白
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春を待つもはや怖るるものもなし木原洋子
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バラックの梁に春待つ鳩一羽木ぼこやしき
-
春待つや再生回数百万回木村かわせみ
-
春待つや病める病棟空きも無く木村波平
-
間取り図に彼の顔重ね春を待つきゅうせき
-
ベビーカーの轍はひとつ春を待つ紀友梨
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友逝きぬあと幾たびの春待つや教来石
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春を待つ真っ赤な火鍋つつき待つ清鱒
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こっそりと春待つブロック穴の中銀長だぬき
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通学路の確認幾度春を待つくぅ
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春まつぞ帰ればうどんバスまだか久坂冬遊
-
老いるたび春待つ心強くなり草道久幸
-
電線に雀五ダース春待つやぐずみ
-
春待つや父の革靴母の紅工藤雨読
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色鉛筆春待つ甥の事始め國枝瞬山
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春待つや茂みの中の猫二匹國吉敦子
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春待ちてマスク外して薄化粧くまたろう
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ピンヒール春待つ扉開けに行く球磨太郎
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鳴るやうになつてチャイムよ春を待つ曇ゆら
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コンクリート光る春待つ基礎工事倉木はじめ
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春待つやリングピロー縫う母の手でぐりぐら京子
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春待つや玄関先の古リードクリスマスローズ
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ソフアはグレーに壁はブルーに春を待つ栗の坊楚材
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春を待つ乙女ゆっくり登下校来ヶ谷雪
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春待つや赤白黄の花たちも空流峰山
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故郷で自主練春待つ戦力外黒田良@白井
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水面から亀首もたげ春を待つ桑田栞
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辻地蔵春待つ笑みやふくふくと桑原和博
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春待つや風に向かいて後ずさり慶唯
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春待ちて幼き子らが下駄揃ふ家古谷硯翠
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春を待ち潮風嗅いで島めぐり月昭
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リモコンや春待つ夜の設定値紫雲英
-
登校の子らは春待つ膝白しこいぬ
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真夜中に洗濯三度春待つや郷りん
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待春や知らぬ行列最後尾剛海
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見つからぬポイントカード春を待つ幸久
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春を待つ微量の灯油のポリタンク紅紫あやめ
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幌外しオープンカーと春待つや康寿
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荷造りの春待つ心地段ボール古賀粋漢
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春待つや土つめたきも庭弄りココヨシ
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御神籤の末吉ひとつ春を待つ小嶋芦舟
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かろやかに春待つ里へマーケット小杉泰文
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春を待つ子熊の名前DOMIR小だいふく
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焼き立てのパンの匂ひや春を待つ来冬邦子
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春待つや行くや古都路に鹿の鳴く後藤方丈
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春待つや腹式呼吸深々と後藤三梅
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教習所のセーラーの子や春待てり小兎女
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縁側はひいばあの場所春を待つ古都鈴
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春待つやホットミルクとチョコレート木花薫
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春待つや土盛る鉢の日曜日小林昇
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春待ちのプレイリストはリニューアルこひのむ
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放送部発声練習春を待つ小藤たみよ
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少女抱くガラスのうさぎ春を待つ小町瑞泉
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春待つやはずむ子の声通学路こむぎ
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チック症本も読めずに春を待つ子安一也
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春待つやミニ盆栽の鉢選び五葉松子
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裁縫のひ孫の四つ身春を待つ桜姫5
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春待つや見渡す限り水墨画さいとうすすむ
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春待つやドゥラメンテのラストクロップ齋藤ちの
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道の駅春待つ露店ソーセージ齋藤鉄模写
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春を待つノートとペンと辞書と子犬さおきち
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婚約の白衣の彼女春を待つ榊昭広
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春を待つ目印記しめ妻折る葉坂島魁文
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トラクター新車を買って春を待つ坂田貞雄
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望郷の唄口ずさみ春待ちぬ坂田雪華
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新しい花柄ファルダ春を待つさかたちえこ
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入寮の手引き熟読春を待つ坂まきか
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三年を赤本で締め春を待つ坂本千代子
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春待つや縁側座り駒をさす相良まさと
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亀裂のコンクリート春待つ雑草さくやこのはな
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春待つやウフマヨ二つ朝刊と櫻井こむぎ
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春を待つあした、あさって、しあさって櫻井紫乃
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三兄弟それぞれの船出春を待つ櫻井弘子
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桃色のコロンを棚へ春を待つ桜鯛みわ
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薬減り病みし夫の春待つや桜華姫
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吸って止め撮影台で春待つ身桜よし榮
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マイ天気東京に変え春を待つささきなお
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春を待つ胎動する子まあだだよさざんか
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友からの便り嬉しや春を待つ佐竹草流
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待春や鳥の胸毛の吹かれをり紗千子
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春待つや巻くスカーフの色淡し砂月みれい
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引き落とし口座開設春を待つさっち
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春待つや新品揃え一年生薩摩じったくい
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鉢植えの小さな蕾春を待つ佐藤俊
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春待つや恋の指南書丸覚え佐藤浩章
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はじめての検査入院春を待つ里山はるにれ
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春待つやアートと人の出会うカフェ真井とうか
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尺八の音柔らかく春を待つさやじゅん
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春待つやファスナーするり上がる朝澤真澄
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春待つやCからIへ背を立てて澤田紫
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銀世界春待つ中に怖さありさわだ佳芳
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春待つや午後は入学説明会澤田捨楽
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春待つや入社研修メタバース澤野敏樹
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春待つやスワンボートを緩く漕ぎ三月兎
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春を待つ鳴門の海の静けさや紫雲
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待春や青いインクのこの文字塩沢桂子
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三年経ち春待つ我が家父帰るしかの光爺
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春待つぞ愛という名の音符満つじきばのミヨシ
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春待つや始発列車は二番線じつみのかた
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地図に九九ポスター貼って春待つ子実本礼
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春待つや昭和を継いだ針仕事篠崎彰
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春待つや介護するのかされるのか篠雪
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春を待つ少年隊のステップ踏む柴桜子
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雪被り春待つ野辺の石地蔵芝G
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ポケットの中の春待つ哀れな手字坊人造
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顔半分隠して三度春を待つしぼりはf22
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遠いいなぁ春待つ姉の嫁ぎ先島じい子
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採寸の手にコットン地春を待つ縞子勾苑
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春待つや出産数日本一の院しまのなまえ
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春を待つ始発列車の発車かな清水明美
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柏手を待つ人の息春を待つ霜月詩扇
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春を待つカネノナルキはいつ咲くのじゃむぱん泉
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春を待つ飯に眼鏡のくもりけり朱胡江
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鍬研ぎつ髭の男も春を待つ秋星子
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春待つやゴールドラッシュ夢の国珠桜女絢未来
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春を待つ葛籠に眠る白き糸種種番外
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パスポート紺から赤へ春を待つ寿松
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春待つや練習曲は「ラ・カンパネラ」じゅんこ
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西方を向いて春待つ風見鶏順之介@QLD句会
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春を待つ動かぬタッチパネルかな正念亭若知古
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春待つや振り向かぬ子の手提げ笑う白井佐登志
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独り身と樹上空の巣春を待つ四郎高綱
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無理にでもおどけて見せて春待つわ白猫のあくび
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春待つや週に一度の面会日白薔薇
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春待つや十六歳の犬ドック神宮寺るい
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税務署に予約を入れて春を待つ信州のあっくん
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春待つや主役射止めし末つ子よ新濃健
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翼干す川鵜春待つボート池新花水木
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子等の声半音上がりて春を待つ森牧亭遊好
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春待つやミルでクルカリ黒胡椒深幽
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マスク散る夜道の散歩春を待つ酔軒
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春を待つはシュークリームの焼けるまで酔芙蓉
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スイッチに灯のシール春を待つ水曜日生まれ
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セルフフォトちょいピンボケの春を待つすがりとおる
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春待つやほっぺを真っ赤に朝稽古杉浦あきけん
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春待つやメモスタンドの受験票杉浦真子
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南瓜種瓶の底にて春を待つ杉尾芭蕉
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春待つや指の縁にはコロスキン杉田梅香
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ダンボール箱の春待つ子連れ猫杉柳才
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春待つや夜半のうどん湯気すすり涼風亜湖
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かの国へ届け子等の絵春を待つ鈴木静子
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春待つや壁いっぱいの「うめの花」鈴木隆史
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老犬を抱きて温し春を待つ鈴木辰郎(鈴辰)
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空白の実習日誌春を待つ鈴吉
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カーテンが囲う病室で春待つ鈴木のおじさん
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ミニスカの着ぶくれバス停春待つよ鈴木パンダ
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ミシン踏む春待つ誰かのレッスンバッグ鈴木もま
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水槽の魚育つや春を待つ鈴子
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空破る白白しろ野春を待つ素敵な晃くん
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春待つや綾子俳句はたおやかに諏訪次郎
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夕日煌る高御座山春待つや静江
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キッチンから妻の鼻歌春待てり晴好雨独
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春待つやバカラのグラス対で出し青児
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硝子戸に風鳴る音や春を待つ勢田清
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水脈や土壌を耕す春待つ星夢光風
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異国語の飛び交う街に春を待つ瀬央ありさ
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学び舎の最後の独り春を待つseki@いつき組広ブロ俳句部
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一年生転ぶ先にも春を待つ関戸うふふ
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首すくめ鳩膨らみて春を待つ関根洋子
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春待つやポジティブな傘寿の母瀬野広純
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春待つや合鍵はもらえないまま早春SOSHUN
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春待つや洗面したる白き頬惣兵衛
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風見鶏とさかの光る春を待つそうま純香
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ダルマの赤光りて母と春を待つそしじみえこ
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傘寿に青春と決め春を待つ空
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春待つや睫毛パーマの値段表空豆魚
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春待つや朝のしじまに寺の鐘孫太
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幸せは来るよと母が春を待つ駄詩
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春待つや祖父の震えた字の手紙太閤検地郎
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待春や仕付けを外すセーラー服泰山
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春待つや老いの入口突き返す大ちはる
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春を待つまだ真っ白な自由帳大督寺
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春待つやたとう紙広げ袖とうす平たか子
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値札取りレディススーツと春を待つ高上ちやこ
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リハビリの左半身春を待つ高岡春雪
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春待つ手今が一番美しくたかこ姫
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珈琲店の鈴の音かすか春を待つだがし菓子
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陣太鼓春待つ時の空響き高橋紀代子
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春色の服を買ひ来て春を待つ高橋光加
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スマホ手にこすりて春待つ指の先田上コウ
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待春の巨大クレーン掛ける橋たかみたかみ@いつき組広ブロ俳句部
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吹きかけて拭く教室や春を待つ高山夕灯
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待春や男鹿の自販機からアヒージョ滝上珠加
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春待つや深夜のシューズ音いちずたきるか
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スライスで芝目を手入れ春待つよ竹内菊香
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金糸雀色の古稀の春待つスニーカーたけぐち遊子(竹口ゆうこ改め)
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黙々と唯黙々と春待つ日多胡蘆秋
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春を待つ待てど終はらぬ今日なれど多事
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春待つや海馬めぐらす三学期たすく
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春待つや二つ揃いのヘルメット多数野麻仁男
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新しきグリップは赤春を待つ糺ノ森柊
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店頭の服華やぎて春を待つ橘春容
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春待つ君から届く便箋ピンク立花かおる
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春待つや農夫の鍬の土の黒たていし隆松
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春待つ日思い出は君の腕のあと伊達隆一郎
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ぽつねんと春待つよふな母の墓田中美蟲角
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子供らのタッチ受けとめ春待つ碑田中勲
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春を待つ唇の皮ペリペリと田中紺青
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春を待つカモが背中に子を乗せて田中善美
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土かぶせ約束したね春待つとたなばたともこ
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春待つや背負ってみせるランドセルたなべ早梅
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春待つとお天道さまに文送る谷卓生
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二歳児の片言愛し春を待つ谷口あきこ
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春を待つ私の心限界だ谷口美奈子
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今朝がたの邯鄲の夢春を待つ谷町百合乃
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春待つや光の軌跡一筋を衝く田上智佳士
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リクルートスーツ誂え春を待つ玉井令子
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春待つやセーラー服に袖通す玉木茉有
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春待つや虚無の土曜の午後三時タマゴもたっぷりハムサンド
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春待つ蛹の鼓動はクレッシェンド玉響海月
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農機具の点検終わり春を待つ田村モトエ
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春待つやフェンスに一羽鳴くもなし樽熊
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どうぶつの森や春待つこどもたちたろりずむ
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春待つや見晴らす遥かハルパリケだんがらり
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夜行バス待つ間のトイレ春を待つダンサーU-KI
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リハビリの歩み確かめ春を待つ知恵さん
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早寝する変わらぬ明日も春を待つ竹庵
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待春の選ぶ絵の具はみどり色智泉由紀子
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春待つは紅色袴院の白衣智同美月
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春待つやぴょこんとお辞儀ジョウビタキ塚つっかん
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肩紐の硬きCOACHや春を待つ月岡方円
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春待つや孫の指さすプランター月見里ふく
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春待てり波折り白く咲く悲しつくも果音
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城めぐり美術館めぐり春待つ日辻瑛炎
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春待つや散歩嫌がる我と犬辻ホナ
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春を待つ話したきこと降り積もる辻本四季鳥
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春待つ子固きランドセル背負いし蔦駒
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面接に手ごたえ待春の足取り土谷海郷
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風媒花春待つ雄花もうたわわ筒井順子
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春待つやセンター試験の朝の息つばさ
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またひとつ入る予定の春を待つ津幡GEE
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春待つはお茶碗洗うママの指坪山紘士
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春待つや駅のベンチの向き変るツユマメ@いつき組広ブロ俳句部
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春待つやわらじわくわく荒凡夫鶴富士
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春待つ子オレンジのグミ長く噛むデイジーキャンディー
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春待つや更新月のパスポート寧陪禰
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幼子の写真を撮つて春を待つ手嶋錦流
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新しき九十回目の春を待つ徹光宗光
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春待つを忘れし傘寿今生きる徹光よし季
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春待つや幣舞橋に四季の像てつねこ
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春待つや沢の噂のちらほらと寺尾当卯
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春待つ野へとんで行きたい犬のチョコテレシア
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春を待つベランダに多肉用の土てんてこ麻衣
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農鳥のつばさ春待つかたちして天陽ゆう
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春待つや服を選びて通院日稲華
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春待つや希望の門をくぐる時峠南門
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いすかの春待つやうに春待つ東野律
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たちあっぷ起き上がる母春を待つ道見りつこ
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新作の和菓子買ひたり春を待つとき坊
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吊るされし納屋の球根春を待つどこにでもいる田中
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春待つやお散歩犬の寄る鼻紋としなり
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結果は今日茶の湯気白く春を待つ杼けいこ
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気がつけば春待つ春があいまいにどてかぼちゃん
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麓昏き通勤の窓春を待つ戸部紅屑
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鉢上げる飛び出す春待つ一匹富田涯現(富田松夫)
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剪定の形まあるく春を待つ友@雪割豆
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春を待つ猫の欠伸の長さかなとよ
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任侠のクランクアップ春を待つ鳥田政宗
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春を待つ桜の幹の艶めきてとんぼ
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春待つや我流剪定果樹眺む内藤未来仁
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春待つや農事ノートを確かむる内藤由子
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ゆくほどに待春列車恋は過去直美YC
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待春の古墳から出でし国宝中十七波
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春待つや悪疫なほも居座りて中井一雄
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空のカバン背負い無邪気に春を待つ中川佐千子
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根を深く春待つ草の熱気かな中川船多
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春を待つ笑みがこぼれる花の夢長崎三郎
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春待つは風に疲れた道並木中澤孝雄
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春待ちて小枝に並ぶ蕾たち中嶋和久
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北国の換気2センチ春を待つ中島葉月
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春待つや北半球のどの国も中島圭子
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春待ちてまだ見ぬ生徒と語り合う中島隆
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春を待つ服を六枚厚着して中嶋緑庵
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春待つや鴨居で揺れるワンピース中西歌子
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靴箱に春待つ白のスニーカー中村こゆき
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けふもまた膝をさすりつ春を待つ中村あつこ
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羊小屋前足立てて春を待つ那須のお漬物
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地獄谷春待つ客の長湯かな夏雲ブン太
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春待つや足踏みしてるバス乗り場夏空なみ
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鉄瓶のシュンと鳴きたる春待つ日夏椿咲く
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病癒へ二本の杖と春を待つ夏目坦
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春を待つ役無き暇は憂鬱か夏目十貫
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春待つやフライパンの二黄卵夏雨ちや
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待春の虫潰したる子の破顔菜々乃あや
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春を待つエコー画像にエイリアン⑦パパ@いつき組広ブロ俳句部
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春待つ君に蕾つきはじめすぐそこまで七海
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陽だまりの野良猫団子春を待つ名前のあるネコ
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春を待つ再開発待つ白い街なみ夢めも
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春待つや迎えとともに良い便り成瀬桃うさぎ
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春待つ京都タクシー乗り場立ち話なわむすび
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春待つや中三の子の腕試し新美妙子
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春待つや手製の切り絵が貯まりゆくにいやのる
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春待つに妻の機嫌をまず取って西尾照常
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戦禍乗り越えて北国春待ちぬ西尾至雲
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春待つや側溝越えてバイト行くにしざわゆうと
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十万の釣り竿磨き春を待つ西陣太郎
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寿ぎを春待つ君へ一筆箋西村小市
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軽口を叩き春待つ母と娘と二和田躬江
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春を待つ十四センチ吾子の靴沼宮内かほる
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春待つやハァと呪いささくれにねがみともみ
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大空を背に立つ鳥居春を待つねぎみそ
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待春や脳トレ励む朝の卓猫辻みいにゃん
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うつむいて春待つ爪にペディキュアを濃厚エッグタルト
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検索はカヌレのレシピ春を待つ野口雅也
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巻きなおす形見のマフラー春を待つ野点さわ
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待春やTodoリストに「告白する!」ののr
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春待つ日高崎山のサル団子のの俱楽部
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空青し茶飲み話は春待つやののさわうらら
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春待つやふと口ずさむ数え歌野原蛍草
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春待つや山人夫聞く木々の声則本久江
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汗かきて春待つベンチ整へり稗島塗小太郎
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春待つは土中のいのち思ふこと白咒と蒸しエビ
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奥歯の噛みしめほどきつ春を待つはごろも856
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春待つやコップに挿せし松と赤い実橋爪利志美
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がん告知春待つ空にジェット雲波止浜てる
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春待つや貸し農園を探す妻馬笑
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植えこんでみとせ過ぎたり春待つ樹蓮見玲
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雑踏の春待つ気配スニーカー長谷島弘安
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春待ちの諸々狂はす温暖化蜂鳥子
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春待つやカード来ぬまま誕生日葉月けゐ
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年金の増額通知春を待つパッキンマン
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青空に春待つ枝の突き出たり服部たんぽぽ
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前髪をバッサリ切って春を待つ初野文子
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庭を見て次は何咲く春を待つ花岡浩美
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春待ちて蕾ほつるる今日ひとつハナオカヨシコ
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春待ちの巡回猫や耳動く花弘
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春を待つ越南珈琲さらさらと花咲めだ香
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春を待つ等間隔に並ぶ鉢はのん
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春待つや止まり木ゆする群雀早川令子
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春待つやみな袖たぐるファッション誌林省造
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春を待つ耳を澄ませばここかしこ林田リコ
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飛火野の鹿の糞春を待ちけり林眞亜紀
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戦なし欣求浄土の春を待つ原厚子
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春を待つ今日の日差しに励まされ原善枝
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春待つや朝刊配る午前四時原島ちび助
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春待つや障子に入る陽日ごと増しharu.k
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春待つや貧乏神の肥え太る春あおい
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春待つや赤み帯びゆく結婚線晴田そわか
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春を待つ母の帽子の山バッチ葉るみ
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「国原」の師の軸掛けて春を待つ春海のたり
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春を待つ物干しさんさん植木鉢はるる
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暖房費高騰喘ぐ春待つ日ひーちゃんw
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側道の春待つ君の凛々しさよ東明美
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片足を上げて春待つ京の鳥東の山
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春を待つ父の形見の名刺入れ東原桜空
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床下を這ふ駆除業者春を待つ比企野朋詠
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押入で春待つマジンガーZ菱田芋天
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春待つや「火の鳥」と言ふ列車乗るひすい風香
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嘴の黄色い鳥や春を待つひと粒の種
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春待つやうろ覚えなる新住所ひなた和佳
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春待つやスタッドレスの溝に石ヒマラヤで平謝り
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ルリルララ子らや春待つ大合唱向日葵姐@いつき組広ブロ俳句部
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鴨川の瀬音さわさわ春を待つ姫川ひすい
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春を待つブラウス揺れるベランダでひめりんご
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春待つや遅い発語の笑みまぶし平岡梅
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カタカナ語辞典引き引き春を待つ平岡花泉
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春待つや聴く惜別の吹奏楽平松一
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奈良町を一人歩いて春を待つ平本文
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春待つや沖縄便をクリックす昼寝
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ピンク色のショルダーバッグ春を待つ廣重
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春待つや百年を待つ姫しづか広瀬康
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仰ぎ見る色づく雲や春を待つ廣田惣太郎
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黒ずんだ指先春待つ通院ひろ夢
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春待つや陽だまりの鷺ビオトープ琵琶京子
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春待つやパート契約更新すびんごおもて
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北陸の前売りきっぷ春を待つフージー
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春待つや分かたぬ闇へ込む光風慈音
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掛軸を南天に替え春を待つ風信子
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床上げの支度整ひ春を待つFUFU
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春を待つ候補者の顔晴れやかに深谷英丸
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あれこれと遣り繰り算段春待つ日福川敏機
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出逢いと別れに心揺れ春待つ福田もふもふたん
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手術終え点滴ぽとり春を待つ福田公明
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春待つや古希祝う日の朱の椀福ネコ
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ショーウィンドウ春待つ青のワンピース福弓
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待春の皮脂を吸ひ取るヒートテック福良ちどり
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春待つ笑って済ませぬこともあるふくろう悠々
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春待つや友のこごみをお裾分け藤井かすみそう
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何事も無くて春待つ縁の母藤井眞おん
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手のひらにサボテンの鉢春を待つ藤丘ひな子
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おとしやかに制服きりり春待つ藤川好美
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赤飯の小豆の匂い春を待つ藤永桂月
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春待つやパンプスの箱開け閉めす藤原訓子
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春待つや老犬よろけつつ一歩一歩布野一学
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春を待つパンプスはミントグリーン風友
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箪笥開け春待つ私ピンク色ぶるーふぉっくす
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春待つ日膝の皺見ゆ前屈し古川しあん
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バリトンで孫自信げに春を待つ古澤久良
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一階の妻戸開けたや春を待つ古谷芳明
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春待つや待つ暇もなくすぐ傍にヘッドホン
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春待つやガーデニングは定年後鳳凰美蓮
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岩肌をこそげこそげて春を待つほうすい
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春待つや衝動買いの白ブーツぼくのはね
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クレヨンの並びの匂い春を待つほこ
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春待つや戦禍戦渦の消ゆる日よ星雅綺羅璃
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春を待ちスモーキーピンクのルージュ細野めろん
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喫煙所ビルを見上げて春を待つ歩楽坂
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春待つ遠き国ミサイル飛び交ふ堀隼人
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モノクロの枝先囁く春待つとぽんきちぽんこ
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春待つや浜のシーサー苺色梵庸子
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春待つやマスク外して深呼吸凡狸子
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春を待つサラダチキンと筋トレと舞白祖父登山
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春待つや名づけ辞典の候補六つまこ@いつき組広ブロ俳句部
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ティッシュ買い春待つ鼻は不安大まこと(羽生誠)
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君想ひただただただに春を待つ雅蔵
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待春や今日か明日かスニーカー眞さ野
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ロッカーの名前貼り替え春を待つまさを
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春待つやユーミンの曲ラジオから増山銀桜
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春待てばびゅうとひと吹きつむじ風またあ
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春待つや日の這う卓の花瓶敷町田勢
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春待つ夜火鉢で炙る昭和の手町屋の日々輝
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春待つや生麩田楽愛でながら松岡重子
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春待つやさだかな明日も知らぬのに松岡玲子
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雨音に目覚めた朝は春を待つ松尾老圃
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春待つや父の法事を決めてより松川梅子
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ヨロヨロと立ち上がるミケ春を待つ松島美絵
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春を待つ牛乳パック切りながらまつたいら西
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SLの汽笛響くや春を待つ松田慶一
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春待つかおくるみで寝る嬰児や抹茶あん
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退院を父と望んで春を待つ松野蘭
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春待つや流れる川のたおやかさふくじろう
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名前書き準備万全春を待つ松本俊彦
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麦の節数えて遠き春を待つ松本牧子
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春待ちて金婚旅行実行すまりい@木ノ芽
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春待つや眼に潜む蚊に愛を三浦金物店
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春待つやもう自転車に乗れぬけど三浦ゆりこ
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病室の窓三センチ開け春を待つ三重野とりとり
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パフェふたつ予約を入れて春を待つ澪那本気子
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二階から春待つトレッドミルの音帝菜
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爪磨き虎視眈々と春を待つ三粂ニ乙
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春待つ夜辞書を枕ににぎり飯美乎梛
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春待つや刺すは麻の葉花ふきん三茶F
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春待つや終末時計止まらんか三崎扁舟
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過去問を解いて解いてと春を待つ三島瀬波
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春待つや二軍キャンプの猛練習水越千里
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春待つやパパになるのか次男坊MR.KIKYO
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花時計咲く時刻み春を待つ水谷佳未
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薄日射し濡れ羽広げて春待つ水之江辰
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両耳出し座敷わらし春を待つ三隅涙
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春待つや岸壁みつむあの日から道端ハコベ
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春待つや名入りが並ぶペンケースみちむらまりな
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薔薇ジャスミン香タオル春待つ朝や美月舞桜
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春待つと予備校生の二段跳びミツの会
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鏡見る春待つ老の白髪染め皆川徳翁
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春待つ日学用品も揃いけり湊かずゆき
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とんタタン春待つ調べ夕さんぽ南風草々
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春待つや結ぶみくじの細き指みなみはな
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もう少し春待つ猫の背を撫でてみのり甘子
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春待つやウイルスの蠢く地球美村羽奏
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タコ足のタオルクルクル待つ春よ都乃あざみ
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香箱を組み春待つや浜の猫宮原みかん
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息子から春待つ甥へ一張羅雅乃珠晃
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春待つ子ボール蹴る頬赤くなり美山つぐみ
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春待つは日にち薬といふ言葉みわ吉
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春を待つ机にかじりつく吾子と三輪白米
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春待つや千春のために編むバッグ睦月くらげ
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ワクチンを済ませ春待つ犬の耳むめも
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春待つ樹あいあい傘の刻まれぬむらのたんぽぽ
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畦道を踏みしめ急ぐ春待つ日名扇初江
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配達の爺の足あと春を待つ暝想華
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春待つや戦場の都市ウクライナ恵のママ
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赤き枝伸ばし春待つプラムかな目黒千代惠
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バス釣りや春待つ匂ひ野の匂ひめでかや
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春待つや蝋梅植わる小径ゆくもうり尚月
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春を待つ白寿の伯父の便りかな茂木りん
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春待つや石に掛水山の母木曜日
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断捨離の本を束ねし春を待つモコ
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夢に見る変わらぬ街の春を待つもちだひろみ
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食道を春待つ太巻の長さ元野おぺら
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繰り越しの春待つ君に幸願う樅山楓
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春待つやたぬきうどんに卵のせmomo
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春待つや猫眠る場所右の脇桃井ゆらら
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猫抱いて春待つ夜のミルクティー百瀬つきか
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病室で君に無理言う春待ちて森佳月
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目の上に手をかざす吾子春を待つ森理衣子
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春待つよ小さき君の向かう先もり葵
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挑むぞと春待つ草の根を伸ばし森の水車
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春待つやスケジュール帳の丸印諸岡萌黄
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風やみて庭の雀も春を待つ焼津昌彦庵
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春待つは十二センチの赤い靴八重葉
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正代の帰る花道春を待つ八木実
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春を待つ神社の鳥居輝々として薬膳容子
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春待つ野月夜が照らす草木かなやずさん
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アイドリング春待つ朝の十分間安田伝助
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四度めの春待つうちに母病みて痩女
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春待つ蓑虫日差しにぴくぴくり柳井るい
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病む母のせめて春待つひとりごと柳川耀一郎
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春待つや伸びる日差しの愛おしさ柳荷無花果
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春待つやいつ働くのか我息子やのかよこ
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続編のチェックの履歴春待つや山川真誠
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北国の便り薪の香春を待つ山川たゆ
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推薦の合格通知春を待つ山口笑骨
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スニーカーの紐は水いろ春を待つ山口一青
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チケットを夫神棚に春を待つ山育ち
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お気に入り星座が西へ春待つ山田一予
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まっさらな平和よ来たれ春を待つ山田啓子
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携えた図鑑の付箋春を待つ山田はち
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春待つやクロワッサンの層ふわりやまな未
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春待つと軒端の影も細くなり山辺道児
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春待つは小さき靴の愛らしさ山本康
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口説かれて流行りのカット春を待つ山本たか祥
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春待つや「いもぼう」よろし土間三和土山本裕之
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春待つやグラスの底の赤ワイン山本蓮子
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春待つや珊瑚は月夜に産卵す山吉白米
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朝闇にスクールバスと春を待つヤン子
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鉢のめだか生きてるかしら春を待つ雪井苑生
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春待つやiPhone撫でてIなくて雪ノ下青観
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春待つや写らぬ君の隣り居て柚子こしょう
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穴ひとつ靴下のゆび春を待つ宙美
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春待つや多肉植物徒長する夢見昼顔
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朝ランの手袋の指春待つぞゆるランナー
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春待ちの楽器とわたしエアポート陽花天
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春待つや小さきあくびいじらしく陽子
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春待つや戸に窓に赤々と「福」陽光樹
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春を待つカビはえたナマケモノでも夜香
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そのうちに痺れを切らす春待たす横浜J子
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春待つや学生寮の管理人吉岡幸一
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「どん兵衛」は緑がきつね春を待つ吉川拓真
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玄関に石仏あり春を待つよしぎわへい
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春待つやスコップ長靴物置へ好子
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怒も哀も喜楽に変えたし春待つ日よしだばあは
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服重ね春待つ母の肩の凝り吉藤愛里子
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春待つ夜「健康管理」も一科目四葉の苦労婆
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立ち読みはガイドブックや春を待つ余田酒梨
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陰干しの靴や春待つ生乾き梨音
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ランドセルまた背負いまた春を待つリコピン
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五回目の「愛の不時着」春を待つ流流
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春待つやバラ寿司の彩絵手紙に麗詩
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枝先に淡く膨らむ春待つや蓮風
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コピー待ち春待ちランチなんにしよ籠居子
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春待ちてガラス越し母の産毛かな朗子
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軽トラの嫗と共に春を待つわかなけん
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春待つや伸びする猫のラテアート若和志歩
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春待つとは街に飛び出す時季の事若林雛げし
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親友に逢えぬ寂しさ春を待つわきのっぽ
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引きこもり春待つ早くなる夜明け海神瑠珂
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弱き陽に万年床の春待つや渡辺ヤスコ
-
空になる部屋を拭きつつ春を待つ和の光子
-
枕元ともに春待つランドセル割り箸
-
防護服脱げば濡れ髪春を待つ港のパン屋
- 夏井いつき先生からの一言アドバイス
-
●俳号のお願い二つ
①似たような俳号を使う人が増えています。
俳号は、自分の作品をマーキングするための印でもあります。せめて、俳号に名字をつけていただけると有り難く。共に気持ちよく学ぶための小さな心遣いです。
②同一人物が複数の俳号を使って投句するのは、堅くご遠慮下さい。
「いろんな俳号でいっぱい出せば、どれか紹介されるだろう」という考え方は、俳句には馴染みません。丁寧にコツコツと学んでまいりましょう。
●前回の兼題
- 十二月年が明けたら休めそう浅井誠章
- 吉凶の星ともに統ぶ十二月小川野棕櫚
- 雑用と行事ぎっちり十二月小野卯月
- テーブルの宿題ドリル十二月笹弓
- 十二月森の昏さのエレキギター玉庭正章
「十二月」は前回の兼題でした。十四句ありました。〆切を確認の上、ご投句下さいね。
●英語HAIKU?
- train windowbetweendaydreamsflashbackspassbyChristopher Calvin
本選句欄は、日本語のみの投句を受け付けています。なぜならば、選者の夏井は、英語に対応できないからです。ごめん(苦笑)。
●俳句の正しい表記とは?
- 春を待つ 瞳奏でる カノンかな山口秀樹
- 水ぬるみ ボート漕ぐ手に 桜かな渡辺紫猫
「五七五の間を空けないで、一行に書く」のが、俳句の正しい表記です。まずは、ここから学んでいきましょう♪
●兼題とは
- ショウウインドウ光るウィッグ春日傘周防陽子
- 蝋梅や老いの歓声笑い声高橋基人
- 陽澄みて舞う冬紅葉ゆるむ襟ちさ
- 顔あげて繋がっている青空でひさこってぃー
- 亡き父と白木蓮を膨らますぴりけん
- 時雨のアーケードピック跡のギター山岸美結
- 洗濯が乾く速さに梅香るyuix
- 初蝶の飛びそうな日よ訃にいそぐ芳川川
本俳句サイトでは兼題が出題されています。今回は冬の季語「春待つ」での募集でした。次回の兼題を確認して、再度挑戦して下さい。
●季重なり
- 雪深し春待つ鼬足跡よ大渕航
- 排雪の音に目覚むる春待つ夜三角山子
- 女子駅伝春待つ富士の雪化粧柊ニ
- 春を待つつぼみの上に白い雪長谷山菜乃花
- 除雪の間腰さすりつつ春を待つゆめの常盤
- 冬眠の亀が春待つ木造間山野花子
- 春待つよ寒くて出来ぬことばかり小林弥生
- 春待つ日落ち葉かぶって蕗のとう蕎仙
- かじかむ手春待つひとの息白しvivi
- 春待つと訪れる鳥ツバメなり奥原邦敏
- 春待つやあたたかくなるダイニング超絶スーパーウルトラ俳人・種田山頭火マーク2
- 緑の芽ちょこっと顔出す春待つ日茉莉花
- 鉢の蘭花芽をつけて春を待つ山薔薇
一句に複数の季語が入ることを「季重なり」といいます。季重なりはタブーではなく、高度なテクニック。季重なりの秀句名句も存在しますが、手練れのウルトラ技だと思って下さい。
まずは「一句一季語」からコツコツ練習していきましょう。「春待つ」以外のどれが季語なのか、歳時記を開いて調べてみるのも勉強です。
●むしろ福寿草の句……
- 福寿草土のなかから春のぞくしまむらモミジ
兼題「春待つ」ではなく、「福寿草」の句だと判断すべきです。
●これはむしろ雪女郎の句
- 雪女郎春待つ様に溶けましょう堀籠美雪
これは、「春待つ」が主役ではなく、「雪女郎」が主役ですね。
●意味・状況が今ひとつ……
- 経戦コ失せろ万々歳の春を待つ楠田草堂
「経戦コ」についての知識がこちらにないものだから、意味が分からなくて……申し訳ない。
●「春待つ」と似ているけど違う……
- 屋上の踊場鳴くや春近しまこちふる
ページ数の少ない季寄せなどでは、「春待つ」と「春近し」を一くくりにしているケースもあるとは思いますが、基本的には別建ての季語だと理解して下さい。「待つ」は心情に軸があり、「近し」は時間に軸があるということですね。
●「春待や」は?
- 春待や絵本バッグに五味太郎清水三雲
- 春待や矢印ぐっと我に向け時小町
- 春待や茶屋の団子のタレの艶望月ゆう
- 春待や彼女の独り言なんて六地蔵と狛犬
- 春待や娘の退院の声明るくいしこ
- 春待や八十路すぎての習ひ事奥の昼行燈
- 春待や抹茶一服文届く源氏物語
「待春」は傍題にあるのですが、「春待」は微妙です。「待春」のつもりで間違えたか?「春待つ」の「つ」が落ちてしまったか?はたまた「はるまち」と読ませるのか?悩ましいところです。
お待たせしました!2023年1月の兼題「春待つ」の結果発表でございます。今月も夏井先生からの「今月のアドバイス」は必見です。「春待つ」とは「春近し」より主観的な季語だと兼題発表にもありましたね。ちょうど「位置について、用意」と言われた時のような、期待や緊張感のある季語なのかも……と思い、しみじみと投句を拝読しました。3月の兼題「春雨」もふるってご応募ください。(編集部より)