夏井先生のプロフィール
夏井いつき◎1957年(昭和32年)生まれ。
中学校国語教諭を経て、俳人へ転身。俳句集団「いつき組」組長。
2015年初代「俳都松山大使」に就任。『夏井いつきの超カンタン!俳句塾』(世界文化社)等著書多数。
9月の審査結果発表
兼題「蟷螂」
「天」「地」「人」「佳作」それぞれの入選作品を発表します。
蟷螂やほとんど水の臭ひの死
ほろろ。
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夏井いつき先生より
水辺で死んでいる蟷螂を思いました。この死に様は針金虫のせいに違いありません。針金虫は蟷螂などに寄生し、脳をコントロールして水辺へ向かわせます。蟷螂が水に入ると、針金虫は宿主のお尻から出て、己の生殖のために体をくねらせて泳ぎ出すのです。実際にヨロヨロと水を探して歩く蟷螂や、蟷螂から出てきた針金虫を見て、これがそうか!と驚きました。さらに、寄生された蟷螂自身の生殖能力はほぼ奪われるという事実を知って、衝撃を受けました。
中七下五は蟷螂の死の実感であり、上五「蟷螂や」は生態系の中で担わせられた運命への詠嘆でもあります。「ほとんど」という一見曖昧な措辞に、強いリアリティがあることに感銘を受けました。
蟷螂や食ふとき軋む顎の骨
樫の木
蟷螂の雌は交尾中に雄を食べるのだそうです。蟷螂の顎の動きをこう表現したのかもしれませんが、蟷螂の習性を思うと、モノ食う己の顎の骨の軋みが気になってくる、という句かもしれません。
蟷螂は神の折り紙かと思ふ
池之端モルト
蟷螂を眺めていると、三角の顔や大きな目や折れ曲がった手脚が、折り紙みたいと思ったのです。創造主である神は、折り紙を楽しむかのようにこの生き物を創ったのかも、という想像に惹かれます。
神がわからない僕に蟷螂が首を捻る
蟻馬次朗
神という存在が理解できない、信仰を持てない。そんな僕を蟷螂が見詰めています。首を捻ったように見えるのは蟷螂の習性に過ぎませんが、僕自身への不信や自嘲を蟷螂に託した作品なのでしょう。
巨影の鎌振り上げ斜陽の蟷螂
いさな歌鈴
蟷螂が鎌を振り上げる句は沢山ありましたが、「巨影の鎌」という詩語、「斜陽の蟷螂」という切り取り方に個性があります。五七五を逸脱した調べは、恐ろしげでいて哀しげな内容に似合います。
小かまきり吹き落とされてまた登る
登りびと
蟷螂の子が産まれてくる様子を描いた句も沢山ありました。が、中七下五の描写力は秀逸。動詞を多用しての映像化は実は難しいのですが、過不足のない言葉が的確な語順で選び取られて見事です。
手の甲の蟷螂この子不登校小川天鵲
二重とびする足元の蟷螂よ鈴吉
かまきりの目玉鋭く陽を弾くあ・うん
蟷螂や戦火のがれる術もなく愛燦燦
蟷螂やそろそろ父の三回忌あおいなつはやて
遅れ来ぬ胸に蟷螂ぶら下げて青海也緒
蟷螂や父の怒りの真正面蒼空蒼子
筆談の余白に座する蟷螂かな青田奈央
葬式の群れや蟷螂はさびしい青蜥蜴
蟷螂や獲物の翅は喰い残す青野遊飛
蟷螂やぬちぬち睨むノルマ表蒼鳩薫
蟷螂を袂に入れて君に逢ふ蒼來応來
蟷螂や下校の子らの放たれりあさいふみよ
蟷螂の両脇をタイヤ通り過ぐ赤松諦現
蟷螂よ切れぼくの右手首切れ赤馬福助
蟷螂や合掌土偶は左利きacari
かつちりとかまきりのかまねらひうち明惟久里
何度見てもやはり便座に蟷螂秋沙美洋
蟷螂や全て鋭角なる身柄明田句仁子
蟷螂や総裁選を勝利する昭谷
蟷螂の2ミリくらいの擦り傷あきののかなた
蟷螂や生きてる君は雌らしい秋代
蟷螂や怖くはないか背を空けて秋吉孝治
日の薄き午後蟷螂はカサと鳴く芥川春骨
蟷螂や悪魔を睨む大天使あさいふみよ
一遍の詩で蟷螂の空に傘あさきまほろ
蟷螂や鎌の先の手しゃぶりよる朝倉カグラ
むまさうな夫と番ひていぼむしり朝月沙都子
螳螂の一叢残し草を刈る麻場育子
あおそらに透き通る風飛ぶ蟷螂亜紗舞那
幽鬼に対峙す隻腕の蟷螂芦幸
てふの影揺る蟷螂の貌のまへあずお玲子
蟷螂の卵ぞ三月の戦果なり飛鳥井薫
蟷螂の一太刀庁舎動かざる足立智美
引き出しを溢れてけだし子蟷螂akkotas
蟷螂や九州は結納飾りも大sakura a.
ニセンチのかまきりやわらかき蒼あまぐり
飢ゑゐたる大蟷螂の口は赫あまぶー
蟷螂や魑魅魍魎の母ならむ朱頂蘭
縁側の三面記事をいぼむしりあみま
蟷螂の構えは薩摩示現流雨霧彦@木ノ芽
かまきりの一刀ごとに星の鳴る綾竹あんどれ
蟷螂の石の色して石垣を新多
蟷螂や富士のふもとの演習場蛙里
蟷螂は喰ふ子守唄うたふかにありあり
蟷螂の猛き体躯を挟む指ありいかな
蟷螂の貧しき翅で飛び行けり有本俊雄
ふるるものみな随へて子蟷螂有本仁政
タミル文字めく蟷螂の貌たひらかアロイジオ
園児らは凝視カマキリは動かず杏樹萌香
蟷螂の三つ目の眼はかなしみを飯村祐知子
蟷螂の死骸拾へば切れにけりいかちゃん
蟷螂よ夫はそれほど可愛いか郁松松ちゃん
懇ろに食む蟷螂は蟷螂を池内ときこ
蟷螂よそれは私の自転車だ池田華族
蟷螂は拝まず阪神は勝てずイサク
蟷螂や胸のしこりを落としませ唯沢遥
螳螂を背よりつまむといふ卑怯石井一草
虚ろなる目もてたうらう身をゆるぐ石井茶爺
紅きランドセル蟷螂と登校石岡女依
蟷螂やエンディングノートのペン回し石垣
蟷螂や轢かれ乾びて吹きとばされ石垣エリザ
やらかした記憶蟷螂の卵よ石川巴里
レジ横に蟷螂のいる夜勤かないしきひさき
蟷螂の斧にはいくつ刺がある石崎京子
蟷螂の斧は怒りではなく怯え石塚彩楓
しゅんしゅんと湧きあふれ出る子かまきり石橋千佳子
蟷螂のさみどりの眼に昼の月石原由女
蟷螂の目のおおきさよ冷たさよ石本美津
蟷螂や靡かぬと決め生き抜いて和泉月子
蟷螂や滓(かす)舐めながらする目立和泉攷
孤なる窓に蟷螂のぼり来たる午後いずみ節子
ゆらゆらわたしを否定する蟷螂泉千尋
蟷螂と告解室を分け合へり石上あまね
鎌切の鎌を静まりゆく翅音板柿せっか
かまきりや臓器移植の適合性いたまきし
振り上げて食うてまた野へ蟷螂や市川りす
蟷螂の不動や空の青を見ゆ一太郎ラン坊
人恋し掌に蟷螂の重さかないつかある日
光ひらくやう蟷螂の美しき翅斎乃雪
かまきりや人間くさき顔したる伊藤順女
女蟷螂セロの風音ヘ尖りゆく伊藤治美
農神の遣いと睨む蟷螂や伊藤柚良
風やさし老蟷螂の鎌やさし糸川ラッコ
逆さまの蟷螂の腹はち切れさう井中ひよこ号
螳螂をよけて回覧斜め置き稲葉こいち
ずぶ濡れた蟷螂われに言葉なし稲葉雀子
蟷螂の背ナ掴むより開く翅稲畑とりこ
団欒に蟷螂混じる誕生日伊縫音々
はやにえの蟷螂の翅乱れけり井納蒼求
古書店の椅子に張り付く子蟷螂いまいやすのり
マルボロの箱に蟷螂持ち帰る妹のりこ
ぬれ縁が好き蟷螂も年寄りも伊予吟会宵嵐
周りみな敵蟷螂の目の光る岩木順
蟷螂や子らは強きに味方して磐田小
背の気配夜の蟷螂に見られゐし岩橋春海
蟷螂の抜けがら怒る透けてなほ色葉二穂
蟷螂を落とさぬやうにドア閉ぢる上原淳子
カマキリが切ったゴッホの片耳魚男飛男
蟷螂や歯科の自動ドアは開かずうからうから
撥条の弛み蟷螂のぎくしゃくうさぎまんじゅう
蟷螂や「か」の字の如く絡み合い宇田建
蟷螂や茎のごときムネつまむ宇田の月兎
蟷螂の眼にゐる我の目に蟷螂内田こと
英語のスピーチ虫籠の蟷螂内田英樹
蟷螂は顎より我へ向きなおりうつぎゆこ
蟷螂を飼ひたし猫を飼へぬなら靫草子
かまきりや『休館日』がおおきくてこわいうどまじゅ
昼休み小さき蟷螂名を与ふ卯夏野心
ゲルニカの陶板画窓の蟷螂梅里和代
電柱の蟷螂猫に食はれをり梅野めい
蟷螂は目まで緑やこちら向く浦文乃
蟷螂のちろちろひかり透くる翅浦野紗知
レシーブの構へ緞帳に蟷螂詠頃
天に挑む蟷螂や君の碧し江藤薫
思案する蟷螂少し揺れている戎居多佳子
かまきりのかほ威嚇とも悲哀とも朶美子
蟷螂の近眼わたくしの花眼M・李子
解体の看板睨む蟷螂やえりいも
首だけを回し舌打ちいぼむしり円美々
月細し蟷螂は死に所求めえんかず
蟷螂が異国の壁画めく轍遠藤百合
鎌はまた空振り飢うる蟷螂よ遠藤玲奈
共食いの口淀みなくいぼむしりおいらくの鯉
蟷螂は眼に夜の色宿しけり大紀直家
蟷螂や女系家族の三代目大熊猫@四句八句
蟷螂に見られて本を落としけり大倉千古
蟷螂のどこを持つても壊れさう大黒とむとむ
手から手へ歩く蟷螂すみれ組大小田忍
螳螂の渇ききつてる咀嚼音大庭慈温
一心に蟷螂明日を喰つてゐる大和田美信
ぐじゃぐじゃとぶつかり合つて子かまきり岡れいこ
蟷螂のまなざし柔く死へと誘ふ魚返みりん
蟷螂の三歩進みて御辞儀せし岡﨑宙夏
蟷螂の声なきこゑや翅ふるふ可笑式
蟷螂や聞けば正論答へさう岡田雅喜
蟷螂や子へ身を捧ぐてふ美学岡山小鞠
蟷螂の夜想見つむる眼の真黒小川野棕櫚
蟷螂と交はす無音の殺気かなおきいふ
蟷螂の立禅したり雲流る奥田早苗
虫めづる姫に蟷螂会はせたや奥寺窈子
コンバイン帰る蟷螂乗せ帰るオサカナクッション
帆を張れと蟷螂朴の葉に乗りておざきさちよ
蟷螂や不動というは痛ましきおだむべ
腹太き蟷螂の翅乱れけり音のあ子
蟷螂や煩悩は火に焼べてやる音羽凜
蟷螂や裏通りから救急車おばたよう
蟷螂や論破の果ての餌を口おぼろ月
山姥より逃ぐる蟷螂のいた道快晴ノセカイ
蟷螂は場末のネオン好きらしい海鮮丼
蟷螂の節やはらかにぶら下がり海峯企鵝
右利きの傾きを抱くいぼむしり火炎幸彦
斧たたみ蟷螂の腹やわらかきカオス
蟷螂の斧上げたる骸に風案山子@いつき組広ブロ俳句部
蟷螂の翅一枚を土に帰すかこ
蟷螂や飛ぶための羽根隠しをり風花まゆみ
蟷螂の腹冷え冷えとふくらみぬ霞山旅
散歩道蟷螂の腹ずっしりと春日山太郎
落下する蟷螂と目が合ひにけり加世堂魯幸
鱗粉に染まりゆく蟷螂の口風ヒカル
一服の農夫の足袋を子かまきり加田紗智
草むらの流線型蟷螂と化す花伝
救急車の音かまきりは産卵中門未知子
カマキリの喰うカマキリは兄でした加藤ゆめこ
蟷螂のかまえの静か父逝きぬかとの巳
蟷螂の前世は正しすぎた人かなえの
蟷螂や軽き命の咀嚼音神長誉夫
蟷螂のてふはむあをのけうらなりカフェオレ草
蟷螂やだれかのたてしスローガン白鳥古丹
目だらけにして蟷螂の昏さかなかむろ坂喜奈子
蟷螂の雄に力点作用点亀田荒太
かまきりのはねおさまらずかなしさう亀田かつおぶし
半胴のいぼむしり夫の耳に血亀の
腹膨れり蟷螂の喰い始めより亀山酔田
ほの苦き頭部かじりつく蟷螂花紋
腹破けたる蟷螂のなおも歩めり加裕子
休校のいつの傷あと子かまきり果禄
蟷螂の似たよな貌を食うておる河原つばめ
蟷螂やささくれ捲る五時間目江南和波
窓越しの蟷螂五限目は物理河村静葩
蟷螂や人の営みややこしき川村昌子
蟷螂の郵便受けをふさぎたり閑蛙
夜間頻尿また蟷螂と目の合いて閑々鶏
蟷螂を逃がして痒きたなごころ邯鄲
蟷螂や押し黙りたる甥に似て看板のピン
玄関に面傾けつ蟷螂よ紀杏里
夜の間に猫の捧ぐるいぼむしりキートスばんじょうし
蟷螂の赤さびの鉄橋に立つ岸野草太朗
担任の説教蟷螂の威嚇季切少楽@いつき組広ブロ俳句部
蟷螂に食わるる昼の静寂かな北野きのこ
鎌しめりたるか蟷螂の空振り北藤詩旦
蟷螂や武器なる物を我もたず北村礼子
蟷螂の大群衆に微動する木寺せんゆう
蟷螂を追い詰めている子等の足城内幸江
蟷螂になりたいただの女です木野まち
かまきりを大きく一歩踏まぬようきべし
蟷螂や餌食の腹もふくふくと木村となえーる
喫煙所の窓にいぼむしり居ってQ&A
蟷螂や鍵盤に手を置いたまま久助
読経が聞ゆ蟷螂じつと居る紀友梨
不機嫌は甘え蟷螂孕むとき清永ゆうこ
蟷螂に何も背負えぬ背中ありギル
ダムの夜蟷螂色の何かを見る銀紙
蟷螂のサドルの離席待つ夕べ銀長だぬき
蟷螂の咲ける野突つ切つて出社ぐ
蟷螂の斧浪江の水素エネルギーくぅ
蟷螂を宥むる呪文考へよ久我恒子
生殖器らしき蟷螂たりしものぐでたまご
蟷螂を飼ひ慣らす胆嚢の底くま鶉
念力を送られている鎌切に倉岡富士子
蟷螂やバイク跨がる兄貴の子倉木葉いわう
蟷螂這はせ教頭の腕細き倉木はじめ
“ジキルとハイド”剣呑なる蟷螂栗子
蟷螂は死すフランス革命の夜栗の坊楚材
飛んできた蟷螂転ぶ着地下手空流峰山
駄菓子屋の婆さんは留守いぼむしり久留里61
蟷螂のあやうき腹のやはらかさ黒沢まる
かまぎっちょ光悦寺垣に参上桑田栞
恐竜の排泄物として蟷螂けーい〇
干す靴に立て籠もりたる雌蟷螂欅山四十八景
蟷螂や過ぎし風にも鎌上げて健央介
蟷螂やほんとの怒りしづかなる剣橋こじ
蟷螂のまなこ魔除とならむとぞこいぬ
蟷螂ぽつんスシローの駐車場公木正
蟷螂に昨日の嘘を見透かされ柑たちばな
たうらうやゆめのつづきのふくじやうし幸田柝の音
蟷螂や絡まりそうな足六つ神戸めぐみ
だうだうとおびえてゐたりいぼむしり古賀
臨月の胎引きずりて蟷螂来五月ふみ
蟷螂の眼に星の沸きにけり五月闇
自転車の籠に草臥れた蟷螂こけぽて丸
蟷螂や自分で研ぎし安包丁小笹いのり
一太刀に風斬る関の老蟷螂コスモス
かまきりを肩に来たるや自治会長小だいふく
入念なる拝み太郎の手洗いよ小手鞠しおり
蟷螂轢死す鎌振り上げしまま後藤三梅
蟷螂の仔や三分の鎌を振りかざす来冬邦子
蟷螂や雨の古城の野面積み小殿原あきえ
かまきりの腹やはらかく死んでをりこなごな
蟷螂やびゆんと一喝をんな寺このみ杏仁
蟷螂に負けじと上げん五十肩虎八花乙
仰向けの蟷螂に雨青眩し小林のりこ
かまきりを挟まぬやうに引戸閉め小山晃
目玉ごと拭ひ蟷螂吾に構へ今野淳風
かまきりを囲む園児の膝がしらさいたま水夢
きりきりと蟷螂の眼の渇きをり彩汀
捕らわれの蟷螂の目や黒々と齋藤杏子
立ち尽くす蟷螂ぜんまい切れたごと斎藤数
顔洗ふ蟷螂雨を呼ぶやうに斉藤立夏
喰い喰われ雌雄溶け合う蟷螂かな宰夏海
蟷螂や何れわたしは丸くなる早乙女龍千代
蟷螂の戦ぎ爆心地の古木榊昭広
蟷螂も羽乾かねば朦朧と坂島魁文
背徳の接吻の先に蟷螂坂まきか
ジャムの蓋固し蟷螂柔らかしさくさく作物
蟷螂や過去の男の似て非なるさくやこのはな
ぷちゃぷちゃとたべるかまきりおとはないさくら(5才)
背から摘まれてカマキリに武器なしさこ
蟷螂もベンチも錆びて陽は落ちて雑魚寝
蟷螂のまあ重たげに飛びにけり砂舟
蟷螂の片方の眼のつぶれたる紗千子
蟷螂を釈放したる裏の山里芋
蟷螂や孕みて薄き腹の色さとう菓子
大手飛車取り縁台のいぼむしり佐藤恒治
蟷螂や顔も名前も知らぬ姉佐藤志祐
蟷螂のサッシにさかさにかさかさに佐藤儒艮
怒りとは束ねた愁ひいぼむしりさとけん
蟷螂よ東京の空見飽きたり里すみか
蟷螂や耐火金庫の黒光り里山子
蟷螂の鎌の重きを知る構へ真井とうか
祖父の指さす首のない蟷螂サバナ光風
蟷螂や慈愛のやうに食む供物錆田水遊
蟷螂の怒りと遊ぶ余生かなさぶり
逆光の蟷螂すんと斜めなりさむしん
振りかぶる蟷螂へ分筆の杭さるぼぼ@チーム天地夢遥
ずぶ濡れの民主化デモよ蟷螂よ澤田紫
かまきりのもちかたはらのよじりかた澤村DAZZA
かまきりの力む節々反りむくり三休
川面浮く蟷螂の翅はみ出せり紫瑛
螳螂の前肢たたみて果ててをり塩沢桂子
蟷螂もどこか恐竜気分かなしげとし
閉店の八時ガラス戸を蟷螂獅子蕩児
シュプレヒコール蟷螂の後退り篠原雨子
蟷螂の威嚇や遠く逃げる雲芝野麦茶
蟷螂や光を食べて暮らせたら渋谷晶
蟷螂はさみどり巫女の舞しゃらん島田あんず
蟷螂や男は女から生まる嶋村らぴ
蟷螂の校長室で待ちにけり清水祥月
蟷螂や逝きし貌貌食うた貌清水縞午
蟷螂の産卵風に吹かれおり芍薬
蟷螂の兵たるを貫きぬジャスピン
蟷螂や窓辺に酸素濃縮器じゃすみん
揺らぐ金の田よ蟷螂の格闘ジャックスレッチ
蟷螂や漬物石は動かさず沙那夏
蟷螂の鎌を掛けたる室外機写俳亭みの
蟷螂の歩幅程度に自尊心砂楽梨
蟷螂の羽音激しく二メートルしゅういずみ
賽銭に蟷螂威嚇せる社柊二
翅だけを残し蟷螂逝きにけり寿松
蟷螂の首を潰そか咬まれよか獣羅
八日目の蟷螂蜂を仕留めたり春雪
蟷螂の鎌の堅気の角度かなじょいふるとしちゃん
蟷螂の平等院のごときかな常幸龍BCAD
片斧の蟷螂風に放ちけり正司志津
蟷螂さん早く出てこい幼い挑発白とり貝
蟷螂の部首めく脚を見つめて子白プロキオン
食むたびに顎から生きぬいぼむしり白よだか
蟷螂やアフガンに大佛ありき深幽
蟷螂や宗教史とは死のあまたすいよう
かまきりの腹に入りてゐる何か澄海舞流生
鎌切の鎌より火吹く造船所すがりとおる
あたたかき蟷螂の四肢草の中杉本果ら
カマキリが車内羽ばたき死ぬところ筋村
蟷螂の三寸継目まで青し鈴木由紀子
蟷螂の後にデモ隊つづきけり鈴木麗門
厠臭ひて蟷螂の目の丸しすずさん
蟷螂の斧や静まる波状雲主藤充子
充電を終へかまきりの反りかへるすりいぴい
祈りいる蟷螂や複眼の深静江
蟷螂の緑眼我を見透かしてせいしゅう
睨まれて持ちし蟷螂放しけり勢田清
蟷螂は光合成の骸を喰む世良日守
蟷螂の歩まばマリオネットめくそうり
蟷螂翔ぶ息を呑む虫愛づる婆婆そしじみえこ
蟷螂やたちまち整う美しき翅そまり
蟷螂の微分を知つてさうな顔染井つぐみ
蟷螂の怒張す生臭き緑空野兎
蟷螂を眩き川に蹴り落とすぞんぬ
神像の鼻は欠けけり拝み太郎帝釈鴫
蟷螂にバックで迫る排気口橙と紫
かまきりは首持つといいよ先生平良嘉列乙
蟷螂の不動は風と在る不動高尾里甫
内角の和は百八十度いぼむしり高木音弥
パン屑はかつて聖体いぼむしり高田祥聖
蟷螂が仰向けの蝉襲いけり高橋基人
蟷螂の顎や揚羽のやはき胸滝川橋
黒き雨浴び蟷螂の乾く喉高橋寅次
蟷螂や恐ろしきこと始まりぬ高橋ひろみこ
鎌を挙ぐ蟷螂風に連れ去らる髙見正樹
蟷螂や背からの指を返り討つ高山佳己
虚空見上げる無のかごの蟷螂卓女
吾の首刈るは貴様か蟷螂か卓鐘
対岸にビール工場いぼむしり多喰身・デラックス
道問へば蟷螂首を傾げけり竹内一二
蟷螂の一瞥けはし風もなし竹口ゆうこ
蟷螂の一瞬びくとした時報武田歩
造成の掲示と祈り虫のみどり竹八郎
蟷螂に貪らるうち物となる多事
葉隠れに透き蟷螂のつらがまえたすく
祈り虫海一望の慰霊碑に多々良海月
螳螂の子らの群れ出る昭和かな立葵
蟷螂の一掻き雲のちぎれゆく橘まゆこ
祈り虫赤いミサンガまだ切れぬ立田鯊夢@いつき組広ブロ俳句部
蟷螂の易々と子に捕えられ辰野史会
蟷螂になつかれたままの洗濯田面類
蟷螂や獲物押さふる左利き蓼科嘉
蟷螂の死神負へりのそのそと谷口詠美
蟷螂や銃を落とした儀仗兵谷本真理子
折り紙のやうに蟷螂立ちあがる玉木たまね
蟷螂や不法投棄の裁断機タマゴもたっぷりハムサンド
中庭の蟷螂みづみづしきチヤペル玉庭マサアキ
蟷螂や背中に食い込む赤ネイルたまのねこ
食われつつ蟷螂はなお翅ひらく玉響雷子
獲物狩る前にかまきり首傾ぐ田村利平
立派なる蟷螂のゐて吾子何処田本雅子
蟷螂よ届かなければそこが空たろりずむ
結婚で叔父は狂った祈り虫ダンサーU-KI
蟷螂や農夫の胸のマリア像丹波らる
蟷螂の掴めば翅の多きかなちっちのきも
蟷螂や咀嚼す吾の蝸牛管千歳みち乃
蟷螂の最後にしゃぶる鎌の棘千鳥城@広ブロ俳句部カナダ支部
蟷螂の色なき時や風苦し千風もふ
蟷螂の鎌にひかりは固すぎるちゃうりん
蟷螂は刃毀れの無き鎌を持つ中トロ
蟷螂の亡骸よけて子らの列澄心静慮
蟷螂の眼玉に映る赫い月長楽健司
蟷螂に喰はれて月の欠けてゆくツカビッチ
ぢつと見る蟷螂ホロヴィッツの音で月岡方円
産み場所は死に場所母蟷螂に雨月硝子
教室にカマキリが居てぼく一人つきのひと
螳螂や漢方堂の硝子瓶辻野花
草渡る蟷螂うかと月を切る対馬清波
たうらうを掌に遊ばせる修道女露草うづら
蟷螂や鬼が動かぬかくれんぼツユマメ末っ子9歳@いつき組広ブロ俳句部
病窓の辺に罅入つて小蟷螂鶴小なみ
蟷螂も彼女の足を好みけり電柱
溶接の火の弧の先の蟷螂よてんてこ麻衣
翅すこし仕舞ひ忘れて蟷螂の夜でんでん琴女
蟷螂の祈りは懺悔食い尽くす天童光宏
蟷螂や意固地なまでの夕の黙蚕丸
蟷螂の貌食む蟷螂の恍惚天陽ゆう
植物採集話題はおもにカマキリどいつ薔芭
蟷螂の腹の全き楕円かなdoいつもcoいつも
蟷螂や宥める兄も反抗期苳
かまきりのおとなをがんばってる時間とうい@登りびと
噛めば水滴りそうな蟷螂よ遠山有馬
蟷螂の見詰むる水の冥きこととかき星
蟷螂や議事堂前に機動隊とき坊
無人の喫煙所動かぬ蟷螂独星
蟷螂や錆の浮きたる時刻表Dr.でぶ@いつき組広ブロ俳句部
蟷螂の腹に油断のやはらかさトポル
蟷螂や星は悲しき空の傷トマト使いめりるりら
蟷螂よ4度の戦争父生きて冨川精子
蟷螂の飛ぶ翅空を映したる友@雪割豆
フロントガラス蟷螂に向かい風富山の露玉
浴室の蟷螂己が鎌囓る内藤羊皐
蟷螂や眼光刹那ひるの闇内藤由子
蟷螂の草にひそめば草の色中岡秀次
蟷螂や市の広報の人探し中島圭子
蟷螂のあまた生まれて無音なり中嶋敏子
蟷螂も緑の井戸もちょっと不気味中村こゆき
蟷螂の目の中にある物語なかむら凧人
蟷螂の夜目は冥王星の色新蕎麦句会・凪太
蟷螂や剣聖のごと火の構えなしむらなし
かまきり対かまきり風のはりつめる夏草はむ
赤錆のポスト仰ぐは鎌無き蟷螂夏雲ブン太
突風や蟷螂羽を閉ぢ損ね夏湖乃
かまきりのかわりに泣いてあげました夏野あゆね
蟷螂やグラマン墜ちし岡しづか夏雨ちや
腹喰われ羽破れても祈り虫七国独楽男
食はれゆく蟷螂の眼は閉じられず七瀬ゆきこ
蟷螂は米軍基地のフェンス越ゆ⑦パパ@いつき組広ブロ俳句部
蟷螂やまた少年の眼に戻り名前のあるネコ
逆光の茎より突如いぼむしり奈良素数
蟷螂は斧いからして我の手に南行
蟷螂やプラモのバリもそのままに西川由野
いのちよりいのちへあをき蟷螂よ西田月旦
蟷螂や悪者を吾をやっつけよ西原みどり
蟷螂や怖きものなき若き頃西村棗
蟷螂やいきなり不格好に跳ぶ二重格子
うつとりと蟷螂かまを舐めてゐるにゃん
蟷螂や御嶽山は鎮もりて楡の風
葉の揺るる名残を蟷螂の揺るる仁和田永
糞のここ蟷螂の腹反りにけり鵺之疾秋
蟷螂や産月の身のおきどころ暖井むゆき
子宝草に休む身重の蟷螂と沼沢さとみ
下駄箱のひなびた匂い蟷螂や根々雅水
蟷螂や詩人の首を切り裂いた涅槃girl
蟷螂の硬き胸にも怯む指野井みこ
蟷螂に鎌の手なげく夜のあらむ野地垂木
蟷螂やのたりのたりと老いの道埜水
蟷螂やふくるる腹の半月形白庵
蟷螂や眼やら鎌やら磨きたる白雨
蟷螂の声を聞きたきつらがまへ白水
蟷螂や婆ちゃん怒ると怖かったパクパクポンタ
蟷螂や風呂場にいるし裸だしはごろも856
かまきりの微かな鼓動ひかり透く畑詩音
片鎌の痩蟷螂や風強し畠山悊央
螳螂よそこから先は嵌め殺し畑田ほずみ
蟷螂を試しに浮かす流し釣パッキンマン
蟷螂やチェックメイトの時が来た八田昌代
蟷螂や人は言葉を武器にする初野文子
公園のベンチへ予鈴いぼむしりはなあかり
竹箒のさき蟷螂の卵あり花岡浩美
太陽を透かし翳ろういぼむしり花岡淑子
かまきりめすっとんきょうなかおしてら花結い
蟷螂を因数分解した報いはのん
もう七度蟷螂踊る獲物跳ぶ馬場勇至
蟷螂のにゆつと出たる自動ドア浜けい
蟷螂や眼に哀しみの星二つ浜友輔
蟷螂や潔きまで草の色アクエリアスの水
かまきりやさし同じ空を見ている林たまさか
蟷螂や死を溜め込みし青い腹林山小春
頬杖の女の如き蟷螂よ原野乃衣
蟷螂やゴッホの空は渦を巻き巴里乃嬬
地に埋む蟷螂のめくれた後翅ハルノ花柊
艶柱撫でつつ落つるいぼむしり葉るみ
仏滅の蟷螂けふは枝のままはれまふよう
閉店の張り紙蟷螂の睨み東原桜空
おれ癌だった蟷螂に呟く夜菱田芋天
羽を広げたかまきりのやわらかさ弥日
晴天や垂直交尾の蟷螂秀田狢
蟷螂や螺子を巻かねば止まりさうひでやん
腹の子や雌蟷螂のはちきれさうひなたか小春
何に負けたか美しき蟷螂よひなた和佳
何をして蟷螂に似るつていふひな芙美子
どこかウィトゲンシュタインめけりいぼむしり比々き
蟷螂と仮設トイレで睨みあうヒマラヤで平謝り
蟷螂や男はなべて枯れ易し氷室茉胡
蟷螂や選挙カーの手触手めく妃可
蟷螂の小首と鎌と死にざまと日吉とみ菜
騙されてやる 葉隠れの小かまきり平井千恵子
取り入れるシャツより不意にいぼむしり平井由里子
十三億屯食糧廃棄祈り虫平本魚水
蟷螂や熟年離婚てふ仕打比良山
蟷螂のゆらゆら鎌を舐めにけり昼寝
蟷螂の怒れば天の渦巻けり広木登一
セクハラの詳細蟷螂よ怒れ広瀬康
調律の音や蟷螂の動かざり風慈音
白山おぶって蟷螂柵の上福井三水低
腹癒せに惚れさせてやるいぼむしりふくじん
蟷螂の殺気に怯む枝鋏福弓
雌蟷螂の蒼白き咀嚼音福良ちどり
蟷螂や飴色の背に雨の痕ふくろう悠々
気の弱い蟷螂だっているんだぜ藤井聖月
後朝の蟷螂の腹やはらかし藤色葉菜
螳螂の斧に月光したたらせふじこ
濁音符めく蟷螂の鎌と翅藤咲大地
手ほうきに付いて蟷螂離れざる藤里玲咲
蟷螂や食うて食はれて草しづか藤田康子
かまきりのふにふにのとこもつそつと藤田ゆきまち
雄を食む螳螂の目のあをあをと藤原涼
サドルより蟷螂二頭ぴっと落とす藤丸子
蟷螂や食うても食はれても無心藤雪陽
蟷螂の黒い瞳や宵庚申文月さな女
蟷螂の腹ふくよかに腥ぐさく冬のおこじょ
蟷螂の目総裁選の報じらる古川シアン
ほのと蕊青く蟷螂立ちゐたり古瀬まさあき
こどもの国野外炊事場のかまきり古田秀
前かごの網目かまきりいつ落ちんふるてい
蟷螂の掴む虚空や地雷原碧西里
腹大きかまきり鎌をねぶるねぶるペトロア
一万年先はかまきりばかりの世紅ズワイガニ海老美
死に際の蟷螂斧も錆びつきぬべびぽん
蟷螂へ差し出す安全靴の先干しのいも子
枝を突き蟷螂怒らせる遊びほしの有紀
接種後の待合カマキリがみているポップアップ
蟷螂を見たかまづ問ふ薬剤師梵庸子
駐車場かまきりはなんとも遅し真壁和子
蟷螂の鎮魂の夜は長きなり曲がりしっぽ
不意打ちの心臓洗う蟷螂よ真喜王
蟷螂や除染袋が破けてる松井くろ
蟷螂や動かぬ如く動くなり松平武史
蟷螂の卵静かに閉じている松村貞夫
蟷螂や背中に湖を従へてA茉莉
蟷螂や溜まり場だった校舎裏真宮マミ
脱輪の錆びたミニカーいぼむしり丸山隆子
蟷螂を充せる贄のこれつぽちまんぷく
蟷螂や縄文人に喰ひつかれ三崎扁舟
しんがりの子の見つけたる大蟷螂みつれしづく
かまきりの腹のふによりと弾けさう南方日午
自販機のボタンかまきりで押せない水無月葉子
いぼむしり親しき友の貌したりみなと
蟷螂の交尾パソコンの文字化け南風紫蘭
蟷螂のゐてむず痒き枝となる水面叩
かまきりや今日は記念日怒らない宮井そら
蟷螂を飼へば寂しき夢ばかりみやこわすれ
浦の木戸裏を木戸色の蟷螂宮坂暢介
蟷螂や母の生ひ立ち嘘と知り宮武濱女
蟷螂や構へる素振りせぬ構へ宮田羊
堂々の蟷螂虫かごより出でし宮原みかん
蟷螂の吾を軽々と翔び越せり宮村土々
蟷螂のかほ二分の一の四角形椋本望生
共喰いの蟷螂捨てた投げ捨てた睦月くらげ
ワイパーへ蟷螂ベートーヴェンが鳴る村上牛蒡
蟷螂や赤本解けよ戦へよ紫小寿々
蟷螂や愛は奪へとやつは言ふ村瀬っち
雨上がる蟷螂は句碑這い上がる村松登音
蟷螂とガン飛ばし合ふ夜勤明け暝想華
グラウンドくつに囲まれいぼむしり望月ゆう
重い腹蟷螂臭い息を吐く百瀬はな
蟷螂や果てしネオンの歌舞伎町杜まお実
蟷螂や背に糸ほどの傷沁みて森毬子
首無しの蟷螂廻りたる砂場もりさわ
かまきりの怒りに触れぬ奇声かな森田かな
永田町荒れ蟷螂は動かない森田まなみ
蟷螂に食べ残されし翅しづか森永青葉
満たされて蟷螂のまなざし静か森中ことり
磔の蟷螂何の罪ならむ杜乃しずか
大仏の人差し指に小かまきり森山博士
絵馬揺れて蟷螂揺れて縁切寺もろ智行
蟷螂の捕食見つめる風さらり八重葉
頭なくても動いてるかまきりだ八島清麟
離婚届の用紙かまきりの鎌八島裕月
かまきりの足を狙えば勝てる筈ヤヒロ
蝉おさめ今蟷螂の太き腹山内彩月
蟷螂の右に蟷螂果ててゐるヤマコー
蟷螂の眸の底に千々の空山科美穂
蟷螂や退院の日は入居の日山田啓子
眼力を残して去れりいぼむしり山田蹴人
蟷螂や妻の言葉に矛盾なしやまだ童子
かまきりの三角頭落としけり山田文妙
蟷螂に表現力の一太刀目山本先生
かまぎっちょ父の骨上げ草ぼうぼう山吉白米
蟷螂の夜毎太れる月の下柚木みゆき
蟷螂の眼夜の震えを捉へけり雪音
蟷螂の羽根の収まりにくきことゆすらご
蟷螂のはみ出す翅や直せばや宙美
蟷螂の左脳優位の構へなり羊似妃
子かまきり子かまきりを踏み越えて地へ横縞
御霊までしゃぶり尽くせり疣むしり横浜J子
蟷螂をしづかに置くや滑り台吉川拓真
蟷螂に余るみどりを授けけりよし季
洗面に蟷螂がいて僕がいるよしぎわへい
闘いを終へて蟷螂目を拭ふ吉武茂る
掃き出しの折れ曲がりたる蟷螂吉田びふう
蟷螂の鎌の痛みも棺の中吉野川
蟷螂の飛び去りて後晴れし空よしみち
蟷螂を踏み苦そうな靴の裏吉行直人
蟷螂やわたくしは似非フェミニストラーラ・K
蟷螂や優しく撫でる手は無くて雷紋
蟷螂や朝を濡れたる神の杜RUSTY=HISOKA
蟷螂や象の墓場の番をする楽花生
翅噛み砕く蟷螂の眼の洞ろ梨音
蟷螂や手鏡に棲む修羅のひと柳絮
7階のマンションのドアに蟷螂流流
蟷螂の水を閉じ込めたる瞳るんやみ
蟷螂の残れる頭朝の庭蓮花麻耶
蟷螂の禅師の如く眼の炯々連雀
断食の三日目に蟷螂になる和光
学校の便所の蟷螂見張りつつわたなべすずしろ
朝礼の緞帳蟷螂見失ふ渡邉一輝
家事調停室2係にカマキリ渡邉桃蓮
蟷螂や斧の向こうに淋しき目侘介
四時間後蟷螂だけが生きる籠笑笑うさぎ
蟷螂のしづかに翅ひらいて怒り水蜜桃
蟷螂や静かに怒り漲らせ七朝まるよ
満月を睨む隻腕の蟷螂高石たく
はらわたを晒す蟷螂月煌々橘乎夏
いぼむしりはいはい俺が悪かつた田中木江
蟷螂に尾崎豊の尖りかな富野香衣
月明かり蟷螂の目の黒光り直
ひろげたる地図を旅する蟷螂と中十七波
蟷螂の洗脳みづに解けてゆくはぐれ杤餅
蟷螂の飛びて大きさ知る日和平松一
蟷螂やモジリアーニの顎と首みやざき白水
落ちる葉を右斧のみの蟷螂やあやたか
本当に戦うつもりか蟷螂よあやや
蟷螂班女が閨の訪問者荒井類
いつ頃か姿見ずして蟷螂を池内ねこバアバ
落武者のよろぼふ様やいぼむしり伊奈川富真乃
蟷螂や翔んで初めて華となるゐのかたゆきを
蟷螂や一技ごとに鞘収む今西知巳
蟷螂や保育器から声吾子の声井上愛理
蟷螂のゼンマイほどけ昇天す入江幸子
蟷螂の斧や描くは円相か内海七奏
蟷螂よたまには力ぬき給へ越前岬
蟷螂や画数多き立ち姿旺上林加
獲物狙う蟷螂背後に雀大阪駿馬
三日月と蟷螂の鎌相見ゆ大谷寿鶴
蟷螂や股覗きするピラミッド大谷如水
かまきりやずっとおしゃべりしているね大史華家
蟷螂よその足子供抱けぬじゃろ大本千恵子
蟷螂や「敬礼」「直れ」「休め」嗚呼岡井風紋
蟷螂も贄となりたる枝の先鬼平哀歌真改
蟷螂の利かぬ右手に楊枝添えおんちゃん。
蟷螂や少女の股の絆創膏海音寺ジョー
孤立無援鎌振り上げし蟷螂柏原淑子
蟷螂やタフな銀幕の悪役かつたろー。
緑にはミドリ茶にはチャの蟷螂桂子涼子
明日に死ぬけれど蟷螂ひもじかろ加藤雄三
蟷螂や妻の萌黄の下着干す仮名鶫
はばかりに蟷螂もゐて張りつむ間河南朴野
蟷螂や長き着丈のモーニングかぬまっこ
蟷螂や鼓動伝えるピンセット神谷米子
結果出せず蟷螂の目冷ややかに見かめよかめ
蟷螂の腹撫でて大屋敷にとべ狩谷和寓
蟷螂やスラッシュ式にあまりなしKII
蟷螂の風切り口のうすみどり喜祝音
蟷螂の鎌迫り来る寝覚めかな酒暮
女王の落ち着かぬ夜青蟷螂北大路京介
風受けてつんのめる蟷螂まなこあおきた実実花
蟷螂をつまむ子の金色の頬木下桃白
蟷螂や店先に刃物研ぎ屋来Qさん
蟷螂のスカート軽し庭を翔ぶ菫久
蟷螂やちょっかい出す子怖がる子葛谷猫日和
鎖鎌投げんとするや大鎌切楠田草堂
蟷螂や来島めざす手漕ぎ舟ぐずみ
夜の障子はたり訪う蟷螂翁窪田睡鯨
蟷螂は陽炎舌を噛む夕餉海月莉緒
最終便蟷螂が斧刃のこぼれ紫雲英
蟷螂やこんな感じの漫才師元喜@木ノ芽
蟷螂の後ろ姿や岳父の背ケンG
蟷螂や棘を捧げて命喰ぶ研知句詩@いつき組広ブロ俳句部
蟷螂や憧憬の彼方より在りさくら亜紀女
ポケットに蟷螂入れてた子教師になる佐藤しのぶ
虫博士カマキリを熱く語る佐藤佳子
蟷螂の錆びた冑の勝鬨や鈴野蒼爽
蟷螂と喜寿の虫取り少年と瀬央ありさ
小蟷螂小さき斧を小さく振る素空
ひと思いに殺せ蟷螂のおちょぼ口空豆魚
蟷螂よわたしはおっとをたべません薩摩おごじょ
蟷螂や夫は美味くない美味くない鷹之朋輩
かまきりのゾロゾロと出て一センチ高橋光加
葉葉葉葉葉葉葉葉蟷螂葉葉葉葉葉たけろー
蟷螂いたらまあまあの金縛り黄昏文鎮@いつき組広ブロ俳句部
陰茎のごとく蟷螂反る愉快ツナ好
蟷螂や米軍への戦思い出す田村モトエ
蟷螂のやはき胎擦る土瀝青ツユマメ@いつき組広ブロ俳句部
蟷螂となって貴方を喰ひにゆくテツコ
螳螂やあの代議士も雄を喰む哲山(山田哲也)
鎌切や母のいなりは俵型東京堕天使
蟷螂や網戸切るつもりじやなかろ桃和
蟷螂や尾崎豊の路上唄ときめき人
蟷螂や父の手固さふと思う徳田ヨーコ
蟷螂や綺麗な羽根を鎌に抱くどこにでもいる田中
浅黄着た母の面影蟷螂よ七森わらび
かまきりを飛び越え飛び越えランニング猫野ふく
蟷螂や卒寿の母と何話す馬笑
かまきりを外せよ我の香を嗅げよ長谷川水素
カマキリの疾走こいさんの散歩華樹
満つる腹鎌舐め始む雌蟷螂はなぶさあきら
蟷螂が墓前で合掌ちと嬉し針子のネコ
蟷螂よ狩りとして何匹を抱くやはんばぁぐ
この雌しべ蟷螂の子や潜めけり万里の森
蟷螂と侵略の討論せばやHNKAGA
虫かごのカマキリ頭当たりけりひーたん@いつき組広
山里や雌蟷螂の太き腹樋口滑瓢
蟷螂に託けてやる花一輪緋乃捨楽
かまきりはめすがでかくておすころすひろし(3歳)
蟷螂や袖に秘めたりジャックナイフ風泉
似ているね蟷螂の眼とAIがフェリシア
大人になって蟷螂を捕まえるひろ夢
蟷螂の物憂い掘削を分かつ深川佳子
蟷螂の翅音飛行機雲に乗る深蒸し茶
蟷螂の目に我映り空映り深夜のり子
蟷螂やしかと絶え入るための武器星詩乃すぴか
まぐわいのとどろき果てに死、蟷螂星乃ぽっち
蟷螂や真青き影で川面飛ぶ盆暮れ正ガッツ
蟷螂やするり脱皮の闇夜かな凡狸子
揺るぎなき斧の一撃いぼむしり前田冬水
蟷螂の外せぬ鎌の健気なりまこ@いつき組広ブロ俳句部
迎撃の構え蟷螂足を攣る眞熊
選挙後は蟷螂の斧たたみ去る松井研治
ビーナスの背に蟷螂の翅がある松茶巴
共食いのかまきりに贈る讃美歌松本裕子
蟷螂の目は夜に染まりゆく奈落真冬峰
蟷螂や土手の草むら焼かれをりまやみこ恭
蟷螂の揺れて宇宙と交信中みい
蟷螂や錆びゆく指は無いけれど三浦にゃじろう
螳螂の斧の光や無言館ミズノああくすぶちゃん
蟷螂も大僧正の袈裟にゆれ光子
蟷螂や舌打ちをする十五才みなみはな
蟷螂はドレス拡げて潰れをり三宅雅子
一閃なり螳螂の斧過たず目黒千代恵
かまきりや僧帽筋は嬰記号本山喜喜
蟷螂や鎌振る先の一番星桃香
蟷螂や遊ぶ人なき一輪車もりたきみ
ない袖に風が吹きたる蟷螂よ森田祥子
鎌もたげ風を指揮する蟷螂か森山遊鳥
蟷螂や午前の株価じゃまだ高い杜若友哉@はなばた俳句会
鎌振ればパッと蟷螂鋭い眼諸岡萌黄
へばりつく蟷螂がっと吾の顔に山羊座の千賀子
蟷螂や籠の虫ども食うて逃げ痩女
飛びいづるかまきり待ちて緩き昼奴
蟷螂の鎌を掴めば怖くないやっちっち
参拝終へれば頭頂に蟷螂八幡風花
蟷螂が家族で仲良くかまをふる山田樂
かまきりや峠に古き休憩所山薔薇
カマキリを乳歯ケースに閉じこめて山本貫太
小蟷螂蕎麦切る音の響きけり陽花天
蟷螂の歯はステントを噛みきるか欲句歩
カマキリは小さい虫食べかまをふる吉田結希
風光る迷う若人ナビ片手ラメールしんのすけ
とうろうもオフィーリアもどこへゆくろんろろん
蟷螂の肢体錆びゆく姿勢取り若井柳児
わが袖に手欠け蟷螂仰ぐ空海神瑠珂
怒る吾子肩で操る蟷螂やわたなべいびぃ
蟷螂や見えぬ敵にも斧を振り渡邉わかな
蟷螂や人に挑みて籠の中ANGEL
蟷螂よ何に向かって斧挙げるあいあい亭みけ子
歌舞伎座に立ちて螳螂見得を切る藍彩々
蟷螂の狙ふおかかの握り飯間むつみ
文楽のごと蟷螂の背を何か葵新吾
蟷螂や宇宙へ還る二分前青井猫
うすみどりの羽衣かまきりが飛ぶ青井晴空
一本の肢欠けたりし祈り虫大竹八重子
道に死す蟷螂の翅うす緑青野冴女
目に優し蟷螂の矜持うす緑あおのめ
かまきりをとってもらった子供時代赤子沢赤子
顔洗う蟷螂の下乾く靴紅紫李依
蟷螂よカマを振り上げ深呼吸天空海まりん
螳螂や千切れし斧へテンゴングあくび指南
蟷螂や歌舞伎役者の見栄をきりあけみ
雄しがむ雌蟷螂の無表情朝雲列
蟷螂や癌もむしつてくれまいかあさのとびら
子供らの弾ける先にカマキリ君麻の実薫
置き配のクロネコ蟷螂にらめっこあざみ
かまきりの引き摺る腹に夢数多明日良い天気
カマキリとメンチ切るなり酔っ払いアシツノカラ
古木の舞台蟷螂見得を切り麻生恵澄
蟷螂や尖る心に柔い腹あそぼ葉
蟷螂や腕にタトゥーの優男あたなごっち
隻腕の蟷螂の背に陽のひかり新子熊耳
蟷螂や土間へおくどさんの前へ渥美こぶこ
捕獲肢小澤征爾かいぼむしり跡部榮喜
過去未来断ち切り立ちぬ病まふ蟷螂天川滴翠
憤激に鎌振るっても小蟷螂数多未完
蟷螂と同じ角度で首傾げ雨戸ゆらら
蟷螂のお願いポーズに譲る道アマリリスと夢
蟷螂の威嚇に猫は知らん顔雨李
蟷螂に王者のポーズ習う孫あゆか
蟷螂や心身貪る我の妻あらかわすすむ
螳螂の微笑む先に目が合ひて荒木豊
蟷螂や静かに構え威嚇だけあらせもんじ
蟷螂の真っ直ぐ生きれば友の去りあらら
蟷螂さま鎌ふりあげて仁王立ち有馬裕子
蟷螂や叫ぶムンクの顔貌アンサトウ
速贄となりて松の枝いぼむしり安春
蟷螂に睨まれて私弱い虫飯田淳子
父母参り拝む蟷螂オマエもか飯村ヤーキン
蟷螂よ轍に死せしなほ睨む粋庵仁空
「ん」の顔蟷螂首をかしげたり生野薫
葉の上の動かぬ蟷螂隻腕なりいくみっ句
無農薬菜園のちから蟷螂や池愛子
帰り道集う子の影見し蟷螂池ノ村路
蟷螂の目に殺された愛の末十六夜薪助
蟷螂の口をすぼめて独り酒石井秀一
カマキリの静かに挑む貫禄や石田恵翠
蟷螂め這う子の前へ我も母石の上にもケロリン
蟷螂の悪役切なき光る斧石原直子
蟷螂よ擬態のままで逝くなかれ石間毅史
蟷螂も立ち向かひたる摩天楼伊集院十走
腹太き蟷螂共を食べたのか遺跡納期
蟷螂や登板過多のサウスポー磯野昭仁
蟷螂になぜ動かぬと聞うてみるいその松茸
蟷螂よそんなに虚勢をはらずとも伊多波良子
蟷螂の畑の番人小さき鎌いちご一会
草臥れて蟷螂の利鎌ねだる母樹十後
庭いじり蟷螂に遭ひて一服す一秋子
斧ふるう蟷螂ポーカーフェイスなり伊藤亜美子
蟷螂の眼に深き生のあり伊藤節子
マスク持ち枝の蟷螂そっと採り伊藤美由紀
度胸あり蟷螂我が家迷い込み伊藤れいこ
蟷螂はドアの取つ手で威嚇中稲垣由貴
子蟷螂ためらいもなく野に散れり今井淑子
蟷螂のほの白き腹蠢く仔イマスノリコ
じゃれる猫斧振り立てていぼむしり井松慈悦
蟷螂の揺れやタクトの予備動作今村ひとみ
動かぬ蟷螂の眼力に怯む彩人色
蟷螂のレゲエ聴きをりガラス越し五郎八
首傾げ左右に揺れる小かまきり彩花詠
蟷螂の姿に向きを変える犬いわつよ8
相手喰らう切なき蟷螂の生 vivi
蟷螂は怒る宇宙へ帰れずにういろ丑
刃向かうかこのわたくしに蟷螂や植田かず子
蟷螂も我も明日と戦いて上野眞理
わんぱくが蟷螂仕込む手妻箱上原まり
蟷螂や花占いの手を止める宇佐美好子
蟷螂や秒殺のラブゲームなりうた歌妙
「内角の和は?」と迫り来る蟷螂卯月かりん
真緑の蟷螂草に擬態して空木眠兎
捕食者は化けた蟷螂空仰ぐうっちーまみ
蟷螂の重さを知りぬ露落ちし宇野翔月
蟷螂や上段構え隙はなし海口竿富
蟷螂や還暦の日のこの庭に海野碧
蟷螂の刹那の命空を切る海野洋
螳螂や孤高の画家に決めポーズうめがさそう
蟷螂はかかつて来いと鎌をあげ麗し
蟷螂は吉村の面様に似て吽田のう
蟷螂や優しくなれぬ吾も又江川月丸
蟷螂のさながらドンキホーテかなs葉子
蟷螂もいのち惜しけり拝みけり蝦夷野ごうがしゃ
風ヒヤリ蟷螂の目に何映る江田綾子
蟷螂の世渡り上手二刀流越後縮緬
蟷螂や異星より来て野に潜む絵十
多肉狩り目を皿のごと蟷螂や榎本はなちゃちゃ
螳螂と違うところは夫健在海老あまびゑ
蟷螂やブルースリーの目は哀し笑姫天臼
幾日まご蟷螂助け恩返るえみばば
蟷螂の緑眼にみる殺意かな江見めいこ
蟷螂や透き通る身体まだ小さく遠藤愁霞
蒼天へ鋸振りかぶり青蟷螂近江菫花
蟷螂や「おい」と呼ばれて三十年おおい芙美子
益虫蟷螂の餌害虫大江戸小紋
温暖化未来見つめる蟷螂よ大江風鈴
蟷螂の餌も乏しき鎌細る大島一声
蟷螂の目は静か葉陰に身落とす大嶋メデ
蟷螂の手入れする鎌煌々と大槻税悦
蟷螂山今年も見えず夢終る大西千景
落日のカレーの香に染む蟷螂か大野静香
大蟷螂鬼神のごとき目の力大野喬
カマキリ対三毛猫 カマキリの勝ち大野美波
蟷螂の濡れる白玉明日を待つ大原妃
夕日背に親蟷螂とにらめっこ大原雪
蟷螂の鎌も借りたいみじん切り大神阿修羅
鎌切の頑固一徹雄の老ゆ大村真仙
夜さんぽはしゃぐ背中に蟷螂が大森大
待ち伏せの姿クールに蟷螂くん大山きょうこ
蟷螂の斧降参か万歳か大山小袖
螳螂や姿留めん銅鐸に岡崎俊子
抜ける空おの振り上げる蟷螂の岡田一了
蟷螂を怒らせたるや埒も無く岡田明子
コロッセオなる籠に斧虫二匹緒方朋子
子かまきりわさわさ行くは獣道岡田ぴか
蟷螂の戦闘態勢真似てみるおがたみか
カマキリの威嚇にひるむ庭いじりオカメインコ
螳螂や二百匹の子沢山はほっとけず丘るみこ
蟷螂や選挙ポスター見上げおり小川さゆみ
蟷螂の鎌ふる掟果てるまで小川都
私には幸運を呼ぶ蟷螂よ小口純子
蟷螂はムエタイ選手拝む形奥ノ木蛍子
蟷螂や空振りの後空仰ぐ奥野魚夢
蟷螂はユラリと一歩見得を切り奥の昼行燈
肉食らふ蟷螂今日も独法師小倉あんこ
威嚇する独居老人いぼむしりおぐら徳
肩越しに気配蟷螂にらみ合い小栗福祥
蟷螂の支点は顔の下五ミリおこそとの
仔を孕む蟷螂をもて遊ぶ猫小澤ほのか
両手曲げ蟷螂我に命乞いお品まり
兄隠す蟷螂子産み母激怒尾関みちこ
威嚇してくるワイパー上の蟷螂が越智空子
落ちる葉を右斧のみの螳螂やおでめ
凛としてかまきりりゅうじ此処にありおひい
蟷螂やアッパーカット得意技沢瀉明美
蟷螂のかしげる首よ羽持つ娘小山田之介
蟷螂のふくれた腹にある命温湿布
コチラにも目線下さい蟷螂さん!おんちゃん。
泡の命薄利多売の小かまきり諧真無子
祈り虫経唱うごと光をりかいぐりかいぐり
蟷螂や三角形に空を裁つ海瀬安紀子
踏切やかまきりの眉いちもんじ灰頭徨鴉
蟷螂や一点病なる午の職かえる
籠の蟷螂のっぱら恋うカフェカーテン果音
蟷螂や妻は逞しき母となり加賀くちこ
草むしり蟷螂夫妻に睨まれる笠江茂子
吾もふたご産み子かまきりや二百匹梶浦多見子
平和な日おがむ褐色の蟷螂鹿嶌純子
蟷螂や疲れた後は任せたぞ花純広場
緑葉を砕き虫捕る蟷螂の目粕谷聰子
蟷螂の本性隠すこともなく片栗子
蟷螂や右の鎌なき哀れなり花鳥風猫
蟷螂の上ぐるはのこぎり鎌に似て勝田雅夫
自衛隊ヘリ行くを観よ小蟷螂克巳@夜のサングラス
葦ペンで描いた蟷螂夢に出づ桂葉子
蟷螂にゆずってくれと言えたなら加藤紗子
蟷螂の綿菓子を持つ通学路かなた小秋
物干しに蟷螂歩く里の家兼子さとみ
蟷螂の前脚幾度くうを切る金子真美
童心のままに蟷螂つかみけりかねつき走流
蟷螂や恍惚として水に入る釜眞手打ち蕎麦
夢は人斧は蟷螂携えて竈炊き
団欒を覗く蟷螂ふとい腹紙谷杳子
蟷螂も猫もかまえる昼下がり亀井汀風
蟷螂は幼きときも戦士なり亀田稇
蟷螂の子の振りかざす小さき鎌亀山逸子
蟷螂や労わってくれ病む我をかもめ
蟷螂やJAZZBARの戸でスィングす唐草もみじ
蟷螂を掴みて持たぬ心地とは加良太知
ぬし去りて庭に佇む蟷螂やカラハ
蟷螂の口よりも手の早さうな川越羽流
蟷螂の雄はあはれに食べられし翡翠
蟷螂やワクチン打ちて帰り道川村記陽子
ウイリアムモリスのクッションを蟷螂川村湖雪
蟷螂の赤ちゃんうじゃこ鎌しかとカワムラ一重
蟷螂や闘志燃えるか赤子さえ甘羽根
笑っちゃう異様な構えかまきり君樺久美
カマキリや雨上がり畦草を刈る菊川寝ん猫
いぼむしり手が先に出る患者かな菊池洋勝
蟷螂や鳴かずか鳴けずどっちかな木子結雲
呟きに首を傾げる窓辺の蟷螂如月霞
カマキリや集団下校の最後尾岸本元世
頼りなく信号渡る蟷螂か北川颯
蟷螂や女は弱し母強し北雀ちえ
蟷螂やいつ頃見しか覚え得ず北の貴子
蟷螂や打ちっぱなしの剥げた芝きなこもち
蟷螂の我を窺う思案の間木原洋子
蟷螂や怒りは兎角滑稽で木ぼこやしき
キラリと目くさ葉の影に蟷螂が木村かおり
蟷螂の狛犬の背で鎌上げん木村かわせみ
蟷螂の飛びたつ待ちてドア閉める木村修芳
色褪せた蟷螂に残る獰猛さ木村波平
カマキリよアフガン目指し鎌を振れ鳩礼
蟷螂や誰ぞに似てる紳士面木葉
蟷螂が二天武蔵と構えけり京野秋水
蟷螂やタイの夜に咲く爪踊り教来石
枯葉色の蟷螂の眼や八雲の忌桐野鈴子
蟷螂の羽根つれづれに猫じゃれる空龍
顔こするカマキリ捕捉肢は寛大楠美翠
にらみ合いカマキリの目の黒い点朽木春加
蟷螂の鎌の上下で呼ばれたる国島智香子
蟷螂の子はまだ淡き緑かな國吉敦子
蟷螂や産卵の丈子を想う國吉隆仁
蟷螂の無念の死や立ち往生熊谷温古
草陰や風に抗ふ子蟷螂くるみ今日子
蟷螂やにらみ合う子の四つん這い紅さやか
蟷螂や我も難敵に立ち向かう黒田良
みてみてとかまきりかざす幼女かなくろべぇ
蟷螂や等身大に生きさせてクロまま
道端で蟷螂にらむ散歩の子桑田さなえ
蟷螂や頷くことの無き世かなくんちんさま
子蟷螂小さき鎌を持て余し景清華
蟷螂や戦闘強し鎌翳す恵風
蟷螂や地球の大きさ測りおり鯨野
早贄を背に蟷螂の鎌と鎌恵勇
蟷螂や無双がまえでじっと待つ月昭
蟷螂の声や手術へ向かふ母げばげば
蟷螂やケーキを奪い合う女子会ゲンさ~ん・は~い
蟷螂の眼の鋭さや息をのむ源氏物語
我が畑に害虫駆除の蟷螂氏鍵盤ポロネーズ
蟷螂の声なき咆哮笹の陰小池令香
蟷螂やキリリと力むにらめっこ弘
あぜ道の蟷螂と吾子見つめ合い郷りん
空に斧振りゐる嘴の青蟷螂剛海
一人立ち革命ポーズ蟷螂よ紅紫あやめ
掌の蟷螂挑む構へかな上月ひろし
蟷螂や相手見下す火の構へ宏楽
蟷螂や色枯れてなお闘わん幸織奈
蟷螂の支点一気に稼働せり古賀未樹
蟷螂の斧窓際の独りごち古烏さや
復古調を装ふ蟷螂ランウェイ小久保ゆた夏
蟷螂や吾子と待つ残業の妻五々寛太
物言はぬ庭の蟷螂七七忌小嶋芦舟
かまきりの虚勢に吾子も腕広げ孤舟
退職日蟷螂大股開き征く小舟千里
蟷螂やシザーハンズをもてあます小杉かおる
いぼむしりこがるるどうし自由なり小杉泰文
脱皮する蟷螂を見るしない我木染湧水
草のなか草とりすがた蟷螂に木積
蟷螂の我に刃向う嫁のよう孤独士
蟷螂と出くわし身構え時とまる小鳥沢やすこ
かまきりに見張られてゐる庭そうじ古都鈴
掌をざくと切り裂きたるは小蟷螂こま
長靴の底よりぽたり痩せ蟷螂小松甘夏
深き眼の蟷螂がいて我を観るこむぎ
蟷螂の影に居るらし日の名残GONZA
静と動常在戦場の蟷螂今藤明
蟷螂のあつけらかんと夫を食ふ紺乃ひつじ
蟷螂の愛深くして夫も喰う西條晶夫
研ぎ終えて千客万来待つ蟷螂西條恭子
俺は蟷螂高嶺の花へ挑め齋藤むつは
蟷螂やボクサーのごとふみこみぬ彩由
灯篭の蟷螂捕ろう蟷螂拳酒井重治
蟷螂や踊ってみるかいフラメンコさかたちえこ
精巧な重機と見紛う蟷螂や坂本千代子
伏流や涌き出る様の子かまきり相良まさと
蟷螂や食べることとは生きること櫻井弘子
夫を食ひ子供ぞくぞく拝み虫桜姫5
蟷螂や崖垂直にショベルカーさくら悠日
蟷螂や己に従っているだけです迫久鯨
蟷螂の斧振り上げしジャンケンポン佐々木和代
蟷螂や小顔の容姿ポーズ取り佐々木邦綱
みえ隠れ揺れる葉先に蟷螂を佐々木幸江
蟷螂や音に合わせて釜を振る紗々
蟷螂や大嫌いな顔遠い日幸子.S
蟷螂のツイッターデモ初参加さっち
蟷螂や斧を翳して能舞台佐藤綉綉
虫等消え籠に蟷螂一匹か佐俊俊
あらいたの蟷螂逃げるパセリ畑佐藤しらべ
虫の音に何を思うか蟷螂よ里海太郎
細き足庇いて挑む小螳螂佐藤美追
新チームカマキリと共球拾い佐藤睦美
蟷螂の眼光に雄光る鎌佐藤里枝子
蟷螂や艶なる緑臓器冷え里羽豊後
蟷螂は自身も目立つじっと見るさなぎ
蟷螂の猫と向かひて動かざる佐野由美子
カマキリの食後の行方たずねし夜さばさんば
色褪せて蟷螂死期を悟るらし澤田郁子
小蟷螂の群れて小さき鎌揺らす沢拓庵
「ガシャポンみたい」蟷螂を手に童澤野敏樹
蟷螂の水に飛び込む悪夢かなさんとうせい
猫に追はれ必死の蟷螂つまみあげ塩原香子
蟷螂や地球一周分のジョグ紫檀豆蔵
ブローチの如き蟷螂服に付くじつたけ
手の繰りはロボットのごといぼむしり品川笙女
キラキラとした水へ無我の蟷螂東雲
門番のごと蟷螂に遠回り篠雪
馬力任せヤレヤレ痩せ蟷螂は渋谷武士
雌蟷螂は涙して居るに違いないしぼりはf22
ガシガシと蟷螂の口咀嚼音島じい子
三角を三つ重ねて蟷螂ぞ嶋田奈緒
天窓にその身反らせて蟷螂死す嶋良二
蟷螂や母は強しと言ふけれど清水容子
かまきりの顎のかすかにあまたたび清水三雲
蟷螂の雑な産卵腰痛む十一月菜名
見つめ続けど蟷螂は餌喰わぬ下丼月光
螳螂や全て成し終え土の上秀耕
野良猫に斧振り上げる蟷螂や秀道
蟷螂をつかみ斧あげ威張り顔じゅこ@トーキング
蟷螂やアイドルの結婚ニュース珠桜女絢未来
恙無く終はる婚礼雌蟷螂シュリ
カクカク動く蟷螂われの如し湘南じじ
ゆらゆらと蟷螂図る間合いかな正念亭若知古
蟷螂のカンフーパンチ何を斬るじょん爺
蟷螂も痛めし肢か空うらめし白井佐登志
かまきりに一発くらう家の猫白井百合子
蟷螂や気持ち悪いからあっちいけ白浜ゆい
蟷螂の胸にはりつきかたまりぬ紫龍
蟷螂の堅き胸摘み鉢替える四郎高綱
蟷螂や再提出の宿題す新開ちえ
ふりかざし泣くこともできぬ蟷螂新城典午
蟷螂や寒武利亜紀の存在者新濃健
蟷螂の影冷ゆ曇り硝子かな新花水木
カーテンに揉まれも勇まし蟷螂めしんび
阿修羅なり蟷螂鎌を振りかざすしんぷる
微風吹く蟷螂の斧振り回し森牧亭遊好
不眠症蟷螂の眼は怨念か水花
蟷螂や交渉先の門にをり水牛庵乱紛
ブログ書く蟷螂の斧きるきるきる酔軒
蟷螂の子ら車内に散らばれり酔進
野原のナルシスト蟷螂は孤独か菅原ドージ敏子
蟷螂や頂上拝む愛宕山杉浦俊
蟷螂や墓石にのぼり武者ぶるひ杉浦あきけん
蟷螂ににらまれ止まる庭仕事杉浦真子
構へはや大人の形の子蟷螂杉尾芭蕉
かまぎっちょ破れた網戸顔をだし杉山博代
蟷螂も緑の星の一味なり杉柳才
蟷螂や男女平等は幻想鈴木(や)
校門で片手挙げ見送る蟷螂の子鈴木ゆみこ
蟷螂の葉裏の影の鎌上がる清白真冬
蟷螂や75ccのカブ鈴ノ樹
爺の研ぐ鎌より尖る蟷螂や素敵な晃くん
鎌と口蟷螂蝉を搦めけりスナップえんどう
首傾げ動かぬ蟷螂の殺意静
蟷螂の飛ぶとは言へぬ至近距離晴好雨独
蟷螂に指噛まれるかと幼き日清香優
どきどきに合わせ蟷螂ゆれにけり醒子
飛翔する蟷螂低くヘリに似て青児
自慢げに昆虫飼育茶蟷螂星夢光風
小さき斧気迫身につけ子蟷螂関とし江
蟷螂よ拝む仕草は似合わない関むさし
動かない蟷螂睨む先の生瀬戸ティーダ
城跡の大奥あたり蟷螂住む惣兵衛
蟷螂や燕尾服着たシルエットそうま純香
蟷螂のぎりり睨んで小半時曽我真理子
大漁の蟷螂なりや膨れ腹ソフィ
蟷螂や玄関前で構えつつ染野まさこ
突然の蟷螂脱衣籠のふち駄詩
蟷螂や面で攻め勝つ女子高生泰山
蟷螂がいるとも知らずに扉開けたいやきは腹から食べるにゃんこかな
果てた平面の夢蟷螂やたおたおぱいぱい
まだ飛べぬ蟷螂にもプライドあり高嶺遠
蟷螂の卵産む場所雪じるし高橋紀代子
蟷螂に斧を持つ日の重すぎる髙橋なつ
蟷螂の鎌をねぶりて潜みけり高橋裕樹
蟷螂は当たりだからと写メを撮る高林学
蟷螂に出くわすもそれ知らぬ顔瀧本敦子
蟷螂や残されしはバラバラの足卓女
対を成すジョックロックや蟷螂や竹一
蟷螂の咬み跡がある蜂むくろ多胡蘆秋
喰ひ尽くすガジュモシャガリリ蟷螂よただ地蔵
風つよし蟷螂の翅オーガンジ糺ノ森柊
蟷螂よ天に祈るか闘うか唯飛唯游
蟷螂あんたウチの虫食べたやろダック
カマキリだ叫ぶ子供ら空の青田鶴子
蟷螂や三角顔の病み上がりたていし隆松
蟷螂の寄生されたるを嗤う友楯縫十四二
添い果てし荒れ地の草と螳螂と立山枯楓
蟷螂や祝いのライン息子に贈り田中洋子
出会うたび螳螂手を挙げ胸を張り谷相
蟷螂や墓守りするか草陰に谷口あきこ
蟷螂やどこか近しき一構え谷町百合乃
蟷螂の鎌にうごめくものは何田畑整
悪役の見得美しき蟷螂よたむらせつこ
蟷螂に狙われぬよう息潜めダメ夫
鎌切に伸び縮みする子らの影淡水亭
虫の国カマキリ王のお出ましだちえたん
網戸越し蟷螂睨む勝手口千葉睦女
蟷螂がそこにと言えぬ叱られ子衷子
蟷螂や言ひたきことも言へぬまま月影の桃
儚きや蟷螂の恋命がけ柘植雅一
ボクサーの目して蟷螂カーキ色辻内美枝子
蟷螂や右往左往なマリオかな辻巣雀
蟷螂の卵で集合午後三時つちのこ
落ちてなお構える気骨子蟷螂土屋紅蠍
寂寂と蟷螂の脱ぐひとくだり綱川羽音
蟷螂は残響愛でるマエストロ椿こちょすけ
孫を待つ墓は蟷螂従えて津幡GEE
カーテンに蟷螂のはら透けて見え露口全速
稲を刈るフリしながらも蟷螂や弦巻英理華
『天気の子』見たあとのような蟷螂やT-京條
あの父の蟷螂や雌へ挑むデイジーキャンディー
白き泡溢れこぼれる小蟷螂哲庵
蟷螂の見つめる先にマリア像鉄猫
蟷螂や大好物がまた一つてまり
蟷螂のたんたんとして夫を食ふ寺尾当卯
蟷螂や生命を喰ひ決める見栄トウ甘藻
蟷螂の鎌持て余したる夜東京子
ずるさうに笑む蟷螂の細い貌遠峰熊野
蟷螂や微かな音を捉えけり徳庵
蟷螂や救急車両威嚇せりどくだみ茶
蟷螂の六肢揺動草となるとしなり
生か死か吾子と蟷螂いざ勝負杼けいこ
蟷螂におそるおそるの孫の指戸塚なみ子
蟷螂に上司の名つけアッカンベー十音
蟷螂の護身の構えおそろしや戸根由紀
干し傘の芯を蟷螂居としけり戸部紅屑
蟷螂や構え解くのは死す時か冨川友香理
蟷螂の目きときとと獲物狩斗三木童
蟷螂や贖罪を課し喰らひつくTomo@雪ん子
蟷螂や独りよがりのグータッチ登盛満
蟷螂の首傾げたりおさな児も豐田雄二郎
完登の岩や狭間にいぼむしり鳥さん
観覧車の座椅子カマキリを掬う鳥田政宗
蟷螂は生きる残酷さを知れりとんぶりっこ
蟷螂に切られ出る血の赤黒く中里蛙星
蟷螂や人形振のよよと泣き中里凜
蟷螂や人を誘う草の中中島葉月
蟷螂は手合わせ願う吾子の幸中嶋京子
蟷螂の身動ぎもせぬ自信かな中島走吟
握り玉いざ戦わん蟷螂哉仲田蓮謙
蟷螂やチャリに卵塊孵化を待つ中中
ベランダの蟷螂の卵そっと撫で中西歌子
ネコパンチ蟷螂の鎌好勝負ながのりりー
墓参り大蟷螂に先越され仲操
蟷螂のメシは美味そで残酷で中村まさあき
黄泉への光探す蟷螂のあわれ永谷部流
蟷螂やまた連れ帰り密の庭凪ゆみこ
カマキリの首周る潜望鏡か那須のお漬物
蟷螂の共食ひ残る雄の鎌夏目坦
雄蟷螂不動とそろり首落ちて浪速の蟹造
蟷螂のおもちゃのユンボへと向かい名計宗幸
蟷螂拳法で虫の世界を席巻しなまけもの
戸袋のあまた生ひ出づる小蟷螂なみ夢めも
蟷螂の激減せしは誰のせいなんじゃもんじゃ
蟷螂や雨にあわてて葉と同化新美妙子
蟷螂はみなしごハッチの敵役にいやのる
誤解だと言えぬ蟷螂見ぬふりす二階堂恵
蟷螂に明日の世界を尋ねけり西尾至雲
蟷螂や千切る勇気に満ちた頃尼島里志
戦士の目に愛嬌のあり蟷螂西村小市
蟷螂や終わる命に気魄見せ二上松風
蟷螂は無理や昆虫さわれても庭熊彩和音
虫かごに似合はぬ目玉いぼむしり二和田美枝子
鏡には色づく葉っぱと蟷螂とねがみともみ
如実に蟷螂の動くもの射る猫詠たま
蟷螂の抱擁離婚のジレンマノアノア
蟷螂の蔵ひ損ねてシャツの翅野口雅也
蟷螂やウーシューの髄伝えけり野中泰風
秘密裏のケーキぎろりと蟷螂や野々香織
昨日見し蟷螂とまた目が合うて野ばら
腹の虫おさまらぬ朝蟷螂や野原蛍草
我が庭ぞふと蟷螂と傾げあう延杜
蟷螂の足踏ん張るやブロック塀則本久江
草むらの蟷螂はひとり風静か橋爪利志美
蟷螂や侠客のドスは懐(クワイ)に橋本恵久子
蟷螂や廃墟の町のレクイエム長谷川小春
蟷螂の目をこすりつつ餌を捕らふ長谷機械児
首かしげ蟷螂ゆらりまたゆらり長谷島弘安
風まかせ葉先に蟷螂揺れてをり畑中真土
蟷螂の威嚇と猫の後ずさりパチンカー貞子
蟷螂の首かしげるはただの癖葉月けゐ
どろどろの白き鞄にいぼむしりはっしー
送風口風かとおもや蟷螂一匹服部たんぽぽ
蟷螂のかまえる姿後ずさり花岡幸嗣
太陽が待ち遠しいな蟷螂よ花岡紘一
瓶の中蟷螂の詩響きあう花弘
草むらの合唱の指揮かまきりなり花咲みさき
螳螂は緑私は薄黄色花咲明日香
蟷螂の飛ぶやとばずや暫し佇つ花野
蟷螂や化石のやうな藁人形ぱぷりかまめ
鎌もたげ威張るな蟷螂敵いるぞ浜口好山
蟷螂に習ふ食事の最後かな浜崎ナオト
涙目をぬぐうてほしいいぼむしり濱野菜摘子
蟷螂や草むら飛び立ち亡夫となりて林誠子
いきり立つ三角あたま蟷螂ぞ林田りこ
吾に触れ二メートル跳ぶ子蟷螂原宣子
蟷螂の仔食うて喰われるだけの生原善枝
雄を食う雌蟷螂の目がぎらり原島ちび助
子蟷螂威嚇の鎌は薄緑原田民久
カマキリは火星からきた宇宙人晴海南風@木の芽
かまえてるカマキリ鎌を振りかますはるる
力貸すよい子になれよ蟷螂よばんしょう
蟷螂の網戸越しなる決めポーズ榛名ぴぐもん
蟷螂や小首かしげてなに見てるひーちゃんw
蟷螂が重き孕翔ぶ吾も臨月ひがし小波
電池切れ夜更かしの吾とかまきり東の山
痩せ蟷螂今朝も居るのか人訪わず東山たかこ
蟷螂や口動かして鎌止まる光源爺
蟷螂の卵形見の長靴悲観論者砂糖
蟷螂の斧や強者仕留めたりひぐちいちおう(一応)
螳螂や巣より三百散散とひすい風香
大切な命支える蟷螂よ美泉
黄昏や切り絵となりぬ女蟷螂美竹花蘭
猫にさえ蟷螂鎌で威嚇する一人静か
蟷螂の腹はぽつたり飛ぶ用意日向こるり
蟷螂の生き抜く凄み背負い投日向の熊
かまきりやワンエンツーエンいい感じひなた娘
老蟷螂愛を欲して泣く日暮れ向日葵@いつき組広ブロ俳句部
蟷螂や目を合わせたくない上司姫川ひすい
蟷螂に似た上司思い出しひめりんご
卵塊の低きを願う蟷螂にひよこねいさん
蟷螂に凄味利かされ犬呑気飛来英
雨上がり蟷螂睨む眼エメラルド平岡花泉
ゆうらりとかまきりかぜになつてゐる比良田トルコ石
身を反らし貴婦人のごといぼむしり平林晶子
いぼじりやいかで見ばやと吾思ふ平本文
蟷螂危うし昆虫食の未来廣重
蟷螂や母に逢いたく草の墓琵琶京子
ファイティングポーズの蟷螂後ずさり福川敏機
黒幕は蟷螂の尻うねうねと福田みやき
コンバインの上に蟷螂昼休み福ネコ
吾の犬と真っ向勝負は蟷螂か福山文子
蟷螂の腰をつまみて虫メガネ藤丘ひな子
かまきりの拝むふりして獲物待つ藤倉密子
生き切ってさぞ悔いの無き雄蟷螂藤の湯
でんぼ消ゆ石切さんか蟷螂か 藤原訓子
はじめまして首傾ぐ吾子かまきり藤原咲希
鎌かけた口説き上手の雌蟷螂船橋こまこ
蟷螂や地蔵の血痕舐りけり風友
蟷螂よ我を観るのか見越すのかぶるーふぉっくす
蟷螂や女郎蜘蛛の巣にあっけなく古澤久良
蟷螂や悪を滅ぼす革命児ヘッドホン
スケッチに澄まし決めたり祈り虫ベニヤサン
サトゥルヌスのごとく子を食ふいぼむしり茫々
小蟷螂戦闘モード一丁前ぼくのはね
わらわらと宙目指しゆくコカマキリ星雅綺羅璃
放課後のバックネットを青蟷螂星月さやか
蟷螂やあんた誰やと偽瞳孔星善之
宙づりのまま脱皮蟷螂の孵化細川小春
蟷螂の怒気を尻目に草むしり堀卓
つまづいた歩道は危ない螳螂よ堀江弘子
蟷螂は待ち伏せ上手葉に同化堀隼人
蟷螂の複眼孫の円らな眼堀邦翔
蟷螂や恩師の顔の浮かびくる梵多
わめかずに螳螂つかむ転校生凡々
蟷螂よ吾も老ひたり影薄く本間美知子
身の程を知らぬかカマキリ猫の爪ほんみえみねこ
蟷螂や子の生育オレもみたいma_tant.
蟷螂の生存競争昭和なり茉叶
蟷螂に阻まれ畑耕せず牧野敏信
シャムネコのつもりでエサをカマキリへ正岡丹ん
蟷螂の小首かしげて思案中正岡恵似子
蟷螂よ喰われてナンボの男意気雅蔵
蟷螂や限界集落眺めけり眞さ野
手に蟷螂羽広げ鎌に吾子絶叫マジカニャンチョロー
君までも蟷螂なれば我の死すまたあ
命尽く蟷螂の眼に揺るぎなし町田勢
独居庵カマキリ独り立ち続け松井酔呆
蟷螂や人魚の像に挑みけり松岡幸子
油断すな蟷螂猫に喰われけり松尾祇敲
ベランダの蟷螂吾を蔑む松島美絵
蟷螂をつまんで追いし小さき恋松田迷泉
螳螂やうちの爺ちゃんあほやねん松高網代
蟷螂やひたすら鎌を研くひと松田文女
蟷螂の残る右脚なれの果て抹茶子
蟷螂の強がりを見せても一人まつとしきかわ
蟷螂の目に映る吾はあはれかな松野蘭
蟷螂の祈りは人の如くなり松本修
保護色の蟷螂踏まずホッとする松本寿泉
ひた急ぐ蟷螂追いかける二才松山のとまと
ピラミッドの頂点みえたか蟷螂まどん
花鋏そこに在すかいぼむしりままマリン
先客は無賃乗車か嗚呼蟷螂豆福樹々子
横顔を盗み見るのか蟷螂の繭玉
子蟷螂湧き溢れ出る泡の中真理庵
蟷螂に懇願されて場所譲るまりい@木ノ芽
喰われても満ち足りている蟷螂やまりおR
蟷螂の斧と歌ひき応援歌眞理子
蟷螂を包む手のひら通学路三浦ローズ
蟷螂のまなこ虚空を捕らえけり三浦金物店
蟷螂の拝んでいるや葉の上に三浦ユリコ
喰うてきたように喰われけり蟷螂澪つくし
土佐犬に立ち向かうかに蟷螂は帝菜
蟷螂にさえ断つこと願うコロナ禍よみかん氷
蟷螂や理系のにほひ纏はせて三茶F
蟷螂も二刀流なる構へかなみさふじゑ
サッシ走るや巻き込まれて蟷螂三島瀬波
蟷螂と共に暖とり独りごつ水乃江辰
百歳と鎌で争う老い蟷螂道明チョコ
漆喰塗る肩に蟷螂親方や巳智みちる
蟷螂の手提げかばんの刺繍かなみちむらまりな
お砂場の赤熊手乗る小かまきり美月舞桜
蟷螂よ土日役所はお休みだみづちみわ
蟷螂の嚥下の音や秘密基地光峯霏々
美味しいと言って欲しくて蟷螂は満る
蟷螂よ祖母の病を斬ってくれ緑風音女
蟷螂や首をつまんで裏返し湊かずゆき
蟷螂に見張られながら草を抜く三保鶴
蟷螂や肉食女子の強かにみほめろ@いつき組広ブロ俳句部
鉢花に潜む蟷螂水そっと見屋桜花
蟷螂の子どもがおおく数えれず宮階愛子
蟷螂と干し場に出会ふ月曜日みやかわけい子
蟷螂を摘んで急ぐ家路かなみやがわともこ
蟷螂の子のはぐれたか駅トイレ都乃あざみ
我もまたとうろうあれど勇みゆく宮田恵里
戦の構へ蟷螂の果つるまで宮部里美
蟷螂や重機の如く動く鎌美山つぐみ
ベランダに蔦伸び放題カマキリも深山涼水
殺気鋭しもしや雌蟷螂か宮村寿摩子
蟷螂や捕食後の雌の恍惚妙
見かへるは蟷螂赤きボンネットミラベル
蟷螂の斧やリーチはピンフのみみわ吉
蟷螂の歌舞伎役者のごとく立つ夢雨似夜
ファイティングポーズ翅立つ蟷螂よ無弦奏
蟷螂や出会い頭にぴょんと跳ねむねあかどり
六道を巡り来て野に蟷螂と無恙庵閑酉
蟷螂や早朝の壁に独立す紫けい
めでたしよ身重蟷螂我が庭へ村島まさこ
孵化したるかまきり鎖の首飾りむらのたんぽぽ
犠牲てふ愛の全ういぼむしり目に若葉
蟷螂や束ねし枝の上に立ちモコ
靴よけて蟷螂武士になりにけり望月朔
かまきりや鎌を捨てたき時もありmomo
蟷螂や男系男子の嗣げるYももたもも
蟷螂翔ぶ大事な鎌をもてあまし森佳月
孵化の蟷螂ヒッチコックの「鳥」のごと森翠
同化する蟷螂見つけし走る吾子もり葵
蟷螂や歯科医の顔のふと浮かび森の水車
保護色を纏い蟷螂敵を待つ森ひのき
蟷螂に道を尋ねし無人村森谷拓之
摘む手を何度も前に蟷螂へもり葵
蟷螂の細き脚より湧く闘魂矢口知
蟷螂よ子が問うバッタおいしいか柳井るい
カマキリVSチャリンコ愚連隊柳川耀一郎
物哀し命を紡ぐ蟷螂よやのかよこ
蟷螂になって太陽睨みたし矢橋
茄子を採る伸ばしたさきの蟷螂や山内なおみ
蟷螂や子孫死守のカニバリズム山内なおみ
何思ふ獲物を睨む蟷螂は山川腎茶
蟷螂や犬と遊びて絶え絶えに山川芳明
蟷螂を窓より逃がすまろき母山口絢子
塀の上掃除の後の蟷螂や山口香子
嫌われし蟷螂いつも控えめに山口雀昭
三日ほど子に飼われたる蟷螂よ山口たまみ
生託し勇姿蟷螂空青し山崎鈴子
蟷螂や吾はDINKSの果てなるぞ山崎のら
子の掴む蟷螂の目の肝っ玉山﨑瑠美
小かまきり親そのままに生まれけり山育ち
アスファルトもがく蟷螂似よう僕山田歩智子
蟷螂の震えて枯れていのちつく大和屋としより
友の墓蟷螂ならばそこに居てやまな未
蟷螂や食って食われて全うす山野花子
トライアングルに魅せられし蟷螂山本莞爾
蟷螂の振り上げた鎌如何せん山本康
餌を捕ふ細き蟷螂の獰猛山本ひろゆき
緑の大地にそよかぜ蟷螂の卵山本らん
蟷螂のおちょぼ口してまだ喰らふ雪井苑生
急ぐ朝家飛び出すや立つ蟷螂雪ノ下青観
玄関にひつく蟷螂落とさぬよう弓原トーヤ
蟷螂のカマ技巧み腹を掻くゆめの常盤
忘れし籠白き鎌切わらわらと夜香
孫が追う低空飛行の蟷螂横田信一
蟷螂や触れて牙むく獣のごと吉哉郎
Sing,Sing,Sing,Sing,Singいぼむしり余jii詐
怒り蹴り構へ蟷螂は弁慶のごと葦たかし
サフランに蟷螂遊び陽は麗吉田まゆみ
蟷螂や留守番の子の友となる吉藤愛里子
蟷螂よ遊郭編が始まるぞ吉村おもち
蟷螂よかぶりもの嵌まる歌舞伎者四葉の苦労婆
念入りに大鎌ぬぐふ祈り虫余田酒梨
とってとってムリ蟷螂拝んでるY・りこ
斧あげて潰れし蟷螂の目の静か龍華院
オスのせて夕日をのせて女蟷螂凛々
蟷螂や隙を逃さず的狙い麗詩
尽きるまで蟷螂たるを秘めし女紫雲英田
蟷螂や刃先とぎとぎ狙い打ち蓮風
蟷螂を逃がす人あり山手線籠居子
蟷螂の斧にも言えぬ秘密ありわかなけん
振り上げるだけの蟷螂わたくしは若林千影
蟷螂や食後の鎌の掃除中若宮直美
蟷螂の頭かしげて敵を見る鷲野の菊
蟷螂の首傾げをる暗剣殺渡野しえん太
蟷螂や売られし喧嘩買いますよ渡辺香野
蟷螂の陣取る手摺り前は藪渡辺陽子
- 夏井いつき先生からの一言アドバイス
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●投句者の皆さんへ
○俳号とは、その句が自分のものであることをマーキングする働きもあります。ありがちな名前、似たような俳号での投句が増え、投句者双方の混乱も起こっています。
共に学び楽しむための俳句欄を維持していくため、〈俳号に姓をつける〉あるいは〈差別化できる俳号を工夫する〉ことを、ささやかな約束事としてご協力願います。
●俳句の正しい表記とは?
- かまきりの こうげき!いぬは どうじない!倉嶋志乃
- 生コント カマキリ憲法 究極芸裕子
- 格好いい 吾が蟷螂の 立ち姿鈴木パンダ
○「五七五の間を空けないで、一行に書く」のが、俳句の正しい表記です。まずは、ここから学んでいきましょう♪
●一句一季語から練習
○一句に複数の季語が入ることを「季重なり」といいます。季重なりはタブーではなく、高度なテクニック。季重なりの秀句名句も存在しますが、手練れのウルトラ技だと思って下さい。まずは「一句一季語」からコツコツ練習していきましょう。
- 秋深し庭に佇む蟷螂やお寺なでしこ
- 蟷螂が固唾を呑んで蝉睨む亀レオン
- 蟷螂の斧はこぼれて枯れ尾花田中玄華
- 白泡や動かぬ蟷螂朝さむしトムとジェリー
- 笹舟にカマキリ乗って梅雨が行く波止浜てる
- 蟷螂のスローモーション秋深し古下翠照
- 枯草の蟷螂ひとり冬を待つ松井研治
- 耕して蟷螂見つけ秋感じ檸
- 炎天下のいぼりむし鎌を研ぐ○エツねも
- 子らの聲蟷螂じいさん稲刈りに!!山崎彩遊
●兼題とは
- 夕暮れや夏虫達の合唱団市川秋桜
- 小獣の孤高の麗し威に魅せられ津国智之
- 風乗って暗き床までキンモク星和香
○今回の兼題は「蟷螂」です。兼題を詠み込むのが、本サイトのたった一つのルールです。
●もしや字を見間違えた?
- まつすぐな汝に目を閉じる蝙蝠でゐるさくら
- 蝙蝠と風に舞う舞え新聞紙白沢修
- あらら首位陥落蟋蟀も鳴く柴桜子
- 西山に千の煌めき蜻蛉かな戸村友美
- 月明かりに蜻蛉の羽根せつなく震えharu.k
- 木漏れ日に共に楽しや蜻蛉と松本牧子
○兼題「蟷螂」という漢字を、脳がとっさに、コウモリ、コオロギ、トンボと読み違えたのかもしれません。兼題の季語の漢字、まずはきちんと確認しましょう。
●前回の兼題
- 池に映る立秋の雲眺め居り愛華沙羅
- 立秋の雨に匂ひのなかりけり岩のじ
- 立秋や御手洗川に木々の影倉田碧
- 立秋や星を眺めていたい夜佐藤花伎
- 立秋や墓わたりきる揚羽蝶まこちふる
- 立秋の君待駅は明日廃駅山村楓
- 立秋や話は尽きてあらぬ方結壱隆月
- 立秋や空は私の予報長海純
○これは、前回の兼題「立秋」ですね。〆切間際に投句してしまったのか。投句は余裕をもって!
●季語深耕
- 卵嚢のそばを痩せゆく枯蟷螂あいむ李景
- 虫籠の枯蟷螂やひとり逝く樋本霧帆
○確かに「蟷螂」という文字は入っていますが、「枯蟷螂」は冬の季語になります。歳時記を確認することを習慣にしましょう♪
- 蟷螂のごと古嫁の仁王立ち海碧
- 最近は蟷螂の様男子殿加島
- ハンガー両手に挙げぼく蟷螂よかねた奈津子
- 世の栄え蟷螂のごと夫婦たれ桑原和博
- 蟷螂の子の畝るごと娘の子幸内悦夫
- 義足蹴り蟷螂の如く大ジャンプ髙上ちやこ
- 蟷螂のごとく猛母に向かいたる立山はな子
- 妹の蟷螂戦法兄負ける豚ごりら
- 吾にありや蟷螂のごと守るもの槙由梨子
○これらの句は、季語「蟷螂」が比喩になっていたり、蟷螂の真似をしているという句だったりします。そのような使い方をすると、季語の鮮度は一気に落ちます。あくまでも生き物の「蟷螂」として描くことを考えて下さい。
お待たせしました!9月の兼題「蟷螂」の結果発表でございます。
SNSで「俳句生活」を検索してみると、「兼題予想」という独自の楽しみ方をされている人がいらっしゃって編集部一同、毎月楽しく拝見しております。ちなみに今月の「鶏頭」はどなたも予想外だったそうで、SNSで特に盛り上がっていましたね。さて、11月の兼題は何なのか、みなさんも予想してみてください、ヒントは5文字です(編集部より)。