夏井先生のプロフィール
夏井いつき◎1957年(昭和32年)生まれ。
中学校国語教諭を経て、俳人へ転身。俳句集団「いつき組」組長。
2015年初代「俳都松山大使」に就任。『夏井いつきの超カンタン!俳句塾』(世界文化社)等著書多数。
10月の審査結果発表
兼題「草の花」
「天」「地」「人」「佳作」それぞれの入選作品を発表します。
腰抜けの手に石つぶて草の花
青海也緒
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夏井いつき先生より
一読、幼少の子規が浮かんだのは、前回兼題「子規忌」がまだ、我が脳内にたゆたっているからでしょうか。子どもの頃の子規は、泣きみそで弱みそ。外に出るといじめられては逃げ帰ってくるので、妹の律が石を投げて兄の敵討ちをしていたそうで、母八重の言葉を借りるならば「それはヘボでございます」という子どもでした。
上五「腰抜け」は、困難に直面する己を表現する一語でしょうが、「手」の中には「石つぶて」が握られています。それは、なにくそという意志であり、反骨であり、この先の人生を生き抜く力の核。踏まれても踏まれても、健気な花をつける「草の花」が、寄り添うように配されています。人生のエールのような一句を、我が手にしっかりと受け止めました。
草の花五日鞄にある手紙
あまどかに
鞄に入れたままの手紙。偶々ポストに入れるタイミングがなかったのかもしれませんが、季語「草の花」との取合わせは、投函するかしないか、迷う心を思わせます。「五日」という時間に切ないリアリティがあります。
水筒の遠心力や草の花
さくさく作物
水筒を振り回しながら歩いているのは子どもでしょうか。子どものように振り回してみたからこそ、その手に感じとった「遠心力」かもしれません。「草の花」の道は先へ先へと伸びています。楽しい秋です。
濁流の中州明るし草の花
ふくじん
昨夜来の大雨が「濁流」となって逆巻いています。取り残された「中州」が、ほんのり明るいことに気づきます。あれは、様々な「草の花」が咲き満ちているのだという小さな発見。祈りのような希望のような「草の花」です。
草の花次の仕事は昼がいい
字土街海
秋草が風に揺れる土手にいるのでしょうか。久しぶりの休日でしょうか。はたまた夜勤明けの朝でしょうか。「次の仕事は昼がいい」は思わずこぼれた呟き。明るい秋の陽射しの中、ぽつねんと佇む影が一つ。
ご家族と看取りで合意草の花
いなだはまち
最期をどう看取るかという「合意」と読みました。最期まで病院でお世話になることを望む家族もいれば、最期だけは家で看取りたい家族もいます。介護に携わる仕事の現場。その心の襞に「草の花」が揺れます。
草の花聖の声のしない方常幸龍BCAD
番号の付られし豚や草の花梓弓
雲探すヒッチハイクや草の花あみま
草の花牛の鼻輪に乾く泥綾竹あんどれ
地蔵様のコップはアトム草の花阿波オードリー
川を見てときどき草の花を見ていかちゃん
猫探すひとにくははり草の花板柿せっか
キヤラメルのセロフアンぴるる草の花うからうから
草の花ここ右ペット納骨堂新子熊耳
ギャロップの朝日彈くや草の花あ・うん
無加工の空広がりぬ草の花EarlyBird
かき鳴らすフォークギターや草の花愛燦燦
草の花送りし道を戻りたる相原洋子
草の花山の醤油の甘し濃しあいむ李景
文や来ん今朝咲き初めし草の花逢來応來
車椅子押せる歩幅や草の花青井えのこ
草の花やトロンボーンのソロは彼葵かほる
送電塔の真下は聖地草の花青井晴空
草の花そろばん塾のご明算青居舞
学校に来ないともだち草の花蒼空蒼子
草花や鳥は目的有し飛ぶ田奈央
握る手に錆びた匂いの草の花あおのめ
結納の疲れし肩や草の花赤波江春奈
存分に使ふおしぼり草の花赤松諦現
よく小銭拾ふ土曜日草の花赤馬福助
城跡の道標朽ちる草の花あかり
かはりゆくエキプ・ド・シネマ草の花明惟久里
磔刑の烏に退る草の花空地ヶ有
持久走なかばは歩く草の花秋野茜
草の花グレーチングを零れ出づ秋野しら露
草の花友を誘って名をあてる秋代
五百円握りおつかい草の花朝霧七海
草の花やたら付箋のある詩集明後日めぐみ
下町の子供食堂草の花あさぬま雅王
一人つ子の一人遊びや草の花淺野紫桜
草の花道行く非常勤講師あさのとびら
車椅子視線は低し草の花麻場育子
廃坑の長屋の時間草の花あさひ
草の花お山すわりの影ふたつ芦幸
草の花鬼の雪隠てふ遺跡あじさい卓
金ピカの仏壇に義母草の花あしたはあした
達筆の父に及ばず草の花阿曽遊有
野の花や異動の内示伝えられ愛宕平九郎
スクワット欠かさぬ畦の草の花あたしは斜楽
くさのはなほんとはひとつとうめいよ足立智美
円楽の毒舌が逝き草の花あたなごっち
五所塚へ風通る道草の花天晴鈍ぞ孤
十字架の墓標小さし草の花あなうさぎ
草の花吾に馴染まぬ迷ひ猫天風月日
ベビーカーに仔犬三匹草の花あまぐり
草の花後ろ姿のぐりとぐら雨戸ゆらら
草の花内緒話の部室裏あまねくみぞれ
来世にはどれになりましよ草の花あまぶー
草の花牧野博士の虫眼鏡雨李
あみだくじチラシの裏へ草の花あやたか
廃線の噂ありけり草の花荒一葉
草の花妣「ごめんね」と言ひすぎし荒井類
話すことまだあつたよね草の花あらかわすすむ
はじめての事の未だあり草の花新多
受け流す風の重奏草の花蛙里
翅傷め草の花てふゆりかごにありあり
逝く母よ風と陽浴びて草の花ありいかな
ぶらんこに蹴とばされては草の花在在空空
新任はまだ微笑まず草の花アロイジオ
草の花ソの音の出ないハーモニカ淡湖千樹
山羊の仔の産まれる朝や草の花アンサトウ
草花へ草花へ引くマルチーズ安寿
山里の紙漉く響き草の花安春
髪揺れてあきよちゃんと草の花杏っ子
花咲いてやっと名前のわかる草安藤ツトム
寄書きの恩師の文字や草の花飯村祐知子
かぶりつく団子きき手に草の花飯村ヤーキン
レゲエとは平和を謳う草の花いくたドロップ
最低賃金上がつて草の花生野薫
草の花や番号のみの十字架群いくみっ句
神殿のごとくに崩れ草の花池内ときこ
風下に人の住む家草の花池田悦子
草の花おっと!BB弾発見!!池田華族
あゝそこは茶の間の跡や草の花池田桐人
体温の遺る厩舎や草の花池之端モルト
工場の予鈴あかるし草の花イサク
直角な祖母の謝罪よ草の花いさな歌鈴
草の花今朝も仕事に行けました石井一草
友の皆どこか病みたり草の花石井茶爺
草の花女王の馬お辞儀するいしいるぴなす
ヒロインになれなかったよ草の花石岡女依
堆き廃車の底の草の花石垣
草の花ひとり細く立つ紫石垣エリザ
母の髪切る陽だまりに草の花石川巴里
旧道の石敢當や草の花石塚碧葉
草の花ひらがな拾う専門書石の上にもケロリン
立て札は渡船場跡とか草の花石原花野
過ちを赦し合えるか草の花石間毅史
草の花ボールは二塁抜けていく石本美津
渾名持たず静かに生きて草の花和泉攷
象小屋は今日より無人草の花磯野昭仁
草の花トタンバケツによき凹み石上あまね
ふるさとを捨てる吾子の背草の花いその松茸
吸殻の残り火ちりり草の花磯むつみ
一尺を測る手のひら草の花いたまきし
草の花解体進む社長宅いちご一会
制服も姉のお下がり草の花無花果邪無
「美しみ」はかなしみと読む草の花一秋子
帰城する国母の棺草の花伊藤亜美子
野良猫の浅き眠りや草の花伊藤順女
あきらめた進路があります草の花伊藤どらやき
草の花母のジャンプの一センチ伊藤柚良
お御堂の当番最後草の花伊藤れいこ
ヒジャブの娘と乗り合う帰路や草の花伊藤小熊猫
女子校の塀高きこと草の花糸川ラッコ
草の花揺るる関東ローム層稲垣良一
持ち時間着実に減り草の花井中ひよこ号
ほのぼのと木綿の暮し草の花伊奈川富真乃
草の花ベンチで開くお弁当稲葉こいち
泣き出せばなかなか止まぬ草の花稲畑とりこ
靴下は穴だらけです草の花稲見和子
猫の歳分かりにくくて草の花居並小
草の花くの字のままのショベルカー井上れんげ
獣行く方へ倒るる草の花井納蒼求
ほかほかの牛糞草の花眩し井原冴
城門を風とくぐるや草の花今西知巳
拾いたる母の骨白し草の花今村ひとみ
低ければ低い風受け草の花妹のりこ
草の花県背負ひたるユニフォーム伊予吟会宵嵐
マタニティマークの揺れて草の花伊予素数
孫の乗る電車に草の花揺れて彩人色
花籠に盛りて寂しき草の花五郎八
草の花摘み保健室登校す色葉二穂
草の花いずれは此処を出るつもり岩木順
草の花わたしはこれで良かったか岩崎鑑子
早朝の犬の鼻息草の花いわさちかこ
国々に神ゐる星や草の花磐田小
鳴り物の稽古する子ら草の花ういろ丑
ヤクルトの殻の分だけ草の花植木彩由
家系図に賞罰は無し草の花上野眞理
星の夜の静寂を吸うて草の花上原淳子
ぐい呑みに生けて眺めて草の花上原まり
よくやったとは誰も言わない草の花宇佐美好子
参観日ゆうきの挙手や草の花うた歌妙
神殺すニーチェも死んだ草の花宇田建
草の花踏みつけカワイイモノを撮り宇田の月兎
小さきは小さく揺れて草の花内田こと
産休の残りひとつき草の花卯月紫乃
子を産みに帰る家郷や草の花空木眠兎
祝詞聞く目で摘んでいる草の花うつぎゆこ
野の花や二両編成奥羽線 卯波まり
朽ち果てた小舟弔う草の花海口竿富
草の花「死ね」と描かれた教科書へ海野あを
セルフレジ二百円なり草の花うみのすな
草千里赤牛跳ねる草の花梅尾幸雪
救急の曇りガラスや草の花梅木若葉
草の花一息入れて行く木曽路梅里和代
草の花父子の会話のない散歩梅鶏
臨月の足むくみをり草の花梅野めい
草の花ぽろんと止まるオルゴール浦野紗知
三輪車こいで歌うよ草の花うらら茉瑠
朝の日をかすかに授く草の花吽田のう
草の花思春期の鼻触る癖詠頃
草の花さだめて土はあまからん蝦夷野ごうがしゃ
義仲の武具捨てし池草の花越前岬
地下足袋の親父元気か草の花越冬こあら@QLD
日記には嘘を並べて草の花絵十
草の花手は給食のコッペパン榎風子
上京を認めぬ父や草の花笑姫天臼
スペインの壺に挿したる草の花朶美子
草の花今日も誰とも話さぬ日M・李子
ひとりでは広過ぎる空草の花えりいも
子に言へば子は夫に言ふ草の花えりべり
ドローンの着地に戦ぐ草の花遠藤千草
ご先祖はきつと足軽草の花遠藤一治
球拾ひの子のみ出逢ふ草の花遠藤玲奈
ランニングの兄ちやん草の花避けて旺上林加
静謐や覇王の墓に草の花近江菫花
転勤や小さき草の花は真白おおい芙美子
草の花今宵ひつそり門を出て大木紅貴
ぼうけんのはじまりのうたくさのはな大紀直家
はじつこに吾の句のあり草の花大黒とむとむ
草の花素振りの跡の残りけり大越マーガレット
縄跳びは一人でできる草の花大小田忍
母訪えば庭に遊ぶや草の花大谷如水
地鎮祭近き空地や草の花大塚恵美子
高村山荘へ草の花香る大槻税悦
草の花尖閣沖へ巡視船大西カズミ
万葉の土そのままに草の花大野喬
荒波の潮の届くや草の花大村真仙
母校での野球教室草の花大谷一鶴
百草の花よ三輪車のわだち大山和水
子の目まで屈む先生草の花大和田美信
家族葬定着したり草の花岡井風紋
ならまちに三笠買ひをり草の花おかげでさんぽ
川岸を吹ききらぬ風草の花可笑式
縄文の女も愛でて草の花岡田明子
霊園へ坂道ばかり草の花おかだ卯月
三年生去りし部室や草の花緒方朋子
草の花風のかたちに混み合えり岡田雅喜
うつろへる野に再会の草の花オカメインコ
草の花張り子うさぎの中は空岡山小鞠
草の花崩れて白き浜の墓小川しめじ
曳船を遠くに丘の草の花小川天鵲
地の上に天体を踏む草の花小川野棕櫚
ピアニカの息吸ふ音や草の花小川野雪兎
人影の声よく響み草の花小川都
草の花わらべ地蔵の二頭身小川めぐる
島猫の白の遺伝子草の花おきいふ
君の呼ぶ名は私です草の花オキザリス
象の浴びる砂は金色草の花沖原イヲ
父母の命日おなじ草の花沖らくだ@QLD句会
円楽の人情噺草の花 合掌荻原湧
城跡の石垣の反り草の花奥田早苗
草の花ケーキ焼けたよ来ませんか奥野悦穂
遠足のシートが覆ふ草の花奥の昼行燈
息を吐いて「死体のポーズ」草の花小倉あんこ
草の花通信制に決めました小椋チル
オカリナの透るラの音草の花おこそとの
売れぬ土地訳知り顔に草の花おざきさちよ
草の花鉄路の先を土砂ふさぐおさだ澄恵
だんだんと家具減らしをり草の花小沢史
どなたさんとまた問ふ母や草の花音館由佳
草の花筑波が座る地平線おだむべ
自分の戒名考えてみる草の花越智空子
鎖場の岩の窪みや草の花乙華散
小さきものあまた匿ひ草の花音のあ子
ウェストン碑の襟元へ草の花音羽凜
まつすぐに紙飛行機や草の花おひい
草の花あだ名みたいな名の駄菓子オペラ座の俳人
草の花皮肉の棘のかけら無しおぼろ月
草の花夕の梵鐘ゆらゆらと小山田之介
県民も知らぬ剣豪草の花海音寺ジョー
読みかけて栞をはさむ草の花械冬弱虫
草の花お囃子はずむ塩むすび海堂一花
我の死に我は泣くのか草の花灰頭徨鴉
チップスの膨れを噛みぬ草の花海峯企鵝
鷲掴むボールもろとも草の花火炎幸彦
小さきには小さき蝶きて草の花カオス
草の花伯父の柩の蓋は白案山子@いつき組広ブロ俳句部
今日こそは打ち明けんとす草の花笠谷たか子
昼休み一人弁当草の花風花美絵
根の先に陽の色宿す草の花加座みつほ
鎧ひたる埴輪の馬や草の花霞山旅
野の花に囁き今日を締めくくり梶浦正子
草の花名を知らざれば名を与ふ樫の木
くさばなや五才もねむる殉教碑華胥醒子
墓守を託してみたし草の花柏原淑子
草の花わっしわっしとひかれおり風早杏
草の花きみと一緒の図書当番風ヒカル
仔を守る猫の目険し草の花片岡明
草の花挿して山崩しを終へる片岡六子
君に似た草の花みな枯れてしまえ交久瀬小夜時雨
この辺にタイムカプセル草の花加田紗智
草の花数は減れどもデモ隊はかつたろー。
草の花舌を絡める牛の口勝瀬啓衛門
制服の馴染んできたり草の花花伝
幸不幸選べぬ草の花よろし瀬紀
塹壕の双眼鏡や草の花金井謙雄
バネ指の治りが悪い草の花金井登子
休職の閉じたる心草の花金田由香
番号で呼ばれ尿出す草の花仮名鶫
草の花父の煙草のお使いに金子あや女
朝練の声を浴びたる草の花かねつき走流
草の花避けて香箱座りかな カフェオレ草
挨拶の明るい声や草の花花星壱和
鉄棒の錆の匂ひや草の花釜眞手打ち蕎麦
鉄塔の愚痴は小声や草の花神谷たくみ
立入禁止を分け入る猫や草の花紙谷杳子
草の花孤独は天にうつりゆく亀井汀風
犬の死を家族で送る草の花亀田荒太
心臓に月の瞬き草の花亀田かつおぶし
屋上で空を見ない娘草の花亀の
摘み貯める玩具のばけつ草の花亀山酔田
草の花あの約束は秘密ですかもめ
カンロ飴は琥珀のこころ草の花花紋
退き口の土を枕に草の花加山シンゴ
草の花前行く人が名を呼べり加裕子
野の花しかないとこまで家出しよ加良太知
ぶうぶうもぱおんぱおんも草の花狩谷わぐう
吾の影におさまる草の花の百川越羽流
急行のすぎて首ふる草の花川田典由
草の花喪中はがきの絵柄選る川辺和香
君奪う人になりたし草の花河村静葩
暮れやまだ草花摘んでたい娘川村ひろの
悲しみを消化しない胃草の花閑々鶏
習わねど達筆な小父草の花邯鄲
草の花課外授業のちりぢりに勘八
寄席太鼓軽やかに聞く草の花看板のピン
親馬の横目遣ひや草の花閑酉
ガラス瓶束ねしテラス草の花紀杏里
日時計の音は透明草の花喜祝音
草の花ひとりのために読む絵本キートスばんじょうし
草の花はも怖がりて彼の人は岸野草太朗
制服の丈を伸ばすや草の花岸本元世
指切のつなぎたるもの草の花岸来夢
草の花抱えた膝のあたたまる北大路京介
堀口の石碑は読めず草の花北の星
にげもせず交尾ぶんぶん草の花北藤詩旦
四十路にて反抗期終ふ草の花北村季凛
雌牛は牛若とふ名草の花木寺仙游
瘡蓋のやうな匂ひの草の花城内幸江
草の花だれのものでもない時間きのえのき
草の花上り框のほの白し木下桃白
おまじないなんて知らない草の花木原トモ
陽当たる野陽当たらぬ野に草の花木原洋子
草花よ私はいつも聞き役さきべし
リハビリの左手の摘む草の花木ぼこやしき
閉店となりしうどん屋草の花Q&A
往診の女医の白衣や草の花Qさん
貰ひ犬の身のかろきこと草の花きゅうもん@木の芽
御朱印の余白も僅か草の花鳩礼
泰然と牛が阿蘇踏む草の花京野秋水
半焼のスナックかれん草の花杏乃みずな
草の花鄙の社の由緒書清瀬朱磨
抜け道の先客は風草の花霧島ちかこ
孤児院にシャツは十着草の花ギル
草の花リフトの足の触れさうに菫久
山の息草の花へと口移し銀髪作務衣
草の花ピアノへ雨のしびしびとぐ
レンタルの山羊残したる草の花くぅ
草の花キリン研究者は卒寿久我恒子
坂道の可笑しくもあり草の花久木田紀子
草の花きのうの透ける摺りガラス鯨尺
くづし字の伯母の日記や草の花葛谷猫日和
草の花予選通過ののど自慢ぐずみ
実験のラットの眠る草の花くずもち鹿之助
ひらがなで書かれておりぬ草の花工藤雨読
寝転んで匂い濃くなり草の花國吉敦子
草の花吾の笑いを肯うや窪田睡鯨
草の花YouTuberに食われをり句保田凡
ジオラマにこそ理想郷草の花くま鶉
産土を迷子のやうに草の花熊谷 温古
草の花高きはすべて墳丘墓クラウド坂の上
事故物件なかなか売れず草の花倉岡富士子
草の花喪服を着くずしてベンチ倉木はじめ
草の花つめられたるはだれの靴眩む凡
草の花浄化センター取り囲むぐりぐら京子
草の花牛の尾つぽのぺちんぺちん栗田すずさん
五個入パン四つになりぬ草の花栗の坊楚材
草の花挿した小瓶は空の色空流峰山
草の花介護休暇を申請すくるみだんご
草の花象もキリンも展示され久留里61
職を辞し階段下りて草の花黒田良@白井
草の花瓦礫の我が家の隙間から桑田さなえ
知らぬとはみつけることと草の花くんちんさま
かかと出て母のつつかけ草の花桂子
風呂浴びた首手拭いや草の花鯨野
まだ空に無き色を咲く草の花恵勇
透明は裏切りの色草の花けーい○
草花や地層になゐのおと深きげばげば
ふさがれし抜け道を抜け草の花謙久
草の花喧噪街へ裏道へ紫雲英
朽ち果てた首切り台よ草の花ケンG
おしやべりなインコ埋めて草の花剣橋こじ
この道でよかつたらうか草の花小池令香
草の花大部屋役者五十年恋瀬川三緒
縁台の膝に日差しや草の花コウ
別れあり草の花あり風吹けり郷りん
野の花や知らぬ人しかおらぬ町剛海
会釈だとわかったかしら草の花公木正
草の花くぐりてそっと猫が逝く柑たちばな
お点前の心得いくつ草の花 幸水
赤錆の戦機のむくろ草の花幸田柝の音
草の花休み時間に開く本香田ちり
草の花母の仏衣の薄むらさき紅茶一杯
草の花液体歯磨き沁みる朝幸内悦夫
野仏と身の上似たり草の花宏楽
湯治場のバス停ひとり草の花幸織奈
こころにも数字ふらうか草の花古賀
草の花揺らし介護のバス来たる古賀粋漢
ゆきかへり小さな手をふる草の花小久保ゆた夏
草の花や二冊目のお薬手帳こけぽて丸
草の花摘みとる子らの髪に咲くココヨシ
山羊小屋に山羊の居なくて草の花小笹いのり
廃校の懸垂棒や草の花小嶋芦舟
名前では呼ばれぬ草の花も吾も木染湧水
嘴に光る小魚や草の花虎堂吟雅
人種問わぬ丘の霊園草の花後藤周平
ひとり遅れ登校の子や草の花後藤三梅
草の花姉の名かすれし絵具箱来冬邦子
また解けた右の靴ひも草の花古都鈴
千草の花廃線の消失点粉山
手相見の言葉過りぬ草の花このみ杏仁
独り身は身軽と言われ草の花虎八花乙
草の花こぎつねこんこん母惚けてこひつじ@QLD句会
補欠でも休まぬ部活草の花小藤たみよ
鍵つ子の達者な料理草の花こま
駄々っ子の地団駄軽し草の花駒野繭
両親の蔵書を売れり草の花駒村タクト
食事可のテラス千草の花ゆたか小緑ふぇい
置き去りのタイヤの山や草の花小山晃
トランプの角まあるいね草の花コンフィ
草の花海へと抜ける切り通しさいたま水夢
木乃伊の胸に置かれし草の花埼玉の巫女
草の花良寛さまのかくれんぼ齋藤杏子
くみちやんが口を利かない草の花さ乙女龍千よ
人形を焼く草の花詰めこんで酒井おかわり
やさぐれたあいつの好きな草の花酒井春棋
草の花煙草を呑まぬ二十年さかえ八八六
とりあへず草の花挿す死者の前榊昭広
道添の軍馬観音草の花坂田貞雄
草の花発表会が終わったよさかたちえこ
草の花てがたの残るぐりとぐら坂まきか
草の花横隔膜が下がりきる坂本千代子
草の花イヤホンよりの追悼歌桜鯛みわ
背負い投げ決め草の花摘みにけり桜月あい
おとうとはたまにいらない草の花さくら悠日
九十九折り砲台跡に草の花桜よし榮
出張のコンビニ飯や草の花迫久鯨
石蹴りの石選びをり草の花雑魚寝
かけ足の歩幅あわせて草の花さざなみ葉
和紙漉くやうにことば選みて草の花笹野夕
引寄せし膝のたかさに草の花紗千子
チャペル坂犬に影くる草の花さち今宵
草の花そくばくなきことの強さ砂月みれい
いちめんの草の花熊鈴ひびくさっち
振り帰る道に人なし草の花さとう菓子
薬膳も湯も良き宿や草の花佐藤恒治
ポケットに鍵入れたはず草の花佐藤志祐
草の花揺れ古代湖の雨催ひさとうナッツ
木端仏舞い散る木端草の花佐藤佳子
草の花三十路無かりし友へ咲け佐藤レアレア
キャタピラのかたちに潰れ草の花里すみか
地図にない路地の目印草の花佐渡の爺
仮免のアクセルふわり草の花里山子
家出したつもりで草の花摘んで真井とうか
草の花嘲るもののみな偽名錆田水遊
草の花四代続く診療所さぶり
下校時のうちあけ話草の花紗羅ささら
草の花礼敷0でかまいませんさるぼぼ@チーム天地夢遥
夫ほどに善きひと知らず草の花澤田紫
草の花寡婦の記載に慣れ三年澤田郁子
『お便り』はよきよきばかり草の花沢拓庵
草の花土笛を吹く父のかほ山海和紀
野晒しの父のゴム長草の花三角山子
草の花ローマ遺跡に日は暮れて三月兎
もう母は見ない足元草の花三休
ネコソギのしたたりきれい草の花山月
鼻歌は嫌ってた曲草の花三水低オサム
定食屋更地となりて草の花しーちゃん
毎朝の歩行練習草の花塩原香
新品の服着るパグや草の花潮見悠
草の花子規さんお詠みた庭は消ゆじきばのミヨシ
知能より感情指数草の花紫檀豆蔵
草の花サナトリウムの径遠ししぶ亭
さみしさを捨ててさみしい草の花渋谷晶
一言のうまく出せずに草の花渋谷背馬
存分に犬の楽しむ草の花字坊人造
草の花廃院ぽつりぽつり増えしぼりはf22
登り窯破片埋もれて草の花島じい子
この星はまだ間に合うか草の花島田あんず
くノ一の抱ふる膝や草の花嶋田奈緒
草の花全部全部ぜんぶ上司の手柄かよ嶋村らぴ
単身の転出届草の花清水祥月
草の花手折り牛舎へ続く道清水明美
草の花去勢の睾丸揃へ置く清水縞午
合唱の声も聞かせよ草の花志村狂愚
草の花補欠同士のランニング下丼月光
嵐が丘の空はびうびう草の花芍薬
肺ふたつからだの不思議草の花じゃすみん
草の花みずのにほひに伸びにけり砂楽梨
草の花セントバーナードのっしと来朱胡江
柵越の舌にとどかぬ草の花柊ニ
子犬匂う仲良くしてと草の花秀道
袖口の去年の毛玉草の花寿松
草の花上手に朽ちてゆく故郷シュリ
草の花少しふらつく着陸機じゅん
古家の明日は解体草の花じゅんこ
女医さんのコップに揺れる草の花順之介@QLD句会
小さき声ほろほろ掬ふ草の花じょいふるとしちゃん
草の花生きてゆく意味など聞くな正念亭若知古
いつもここおしっこかける草の花白井百合子
珈琲に鉄瓶の味草の花四郎高綱
キャタピラの跡にふたたび草の花白猫のあくび
猿島の磯場に悼み草の花白プロキオン
太陽へ挑む飛球や草の花白よだか
珠算塾リュックと草の花揺れて神宮寺るい
草の花絡ませ謎の基板ありジン・ケンジ
廃校のもう踏まれない草の花信州のあっくん
好きなものまたひとつ消え草の花新城典午
廃線の危機や鉄路を草の花新濃健
草の花こんな所にクレヨンがしんぷる
継ぎ接ぎのアスファルト道草の花深幽
草の花猫の骨片撒くひかり水曜日生まれ
草の花犬の嗅ぎ出す蛇の道すがりとおる
畑への道だけ残し草の花杉尾芭蕉
墓碑の名のやはらかく消え草の花杉田梅香
一茎を栞としたり草の花杉田ひらさこ
水切りの少年のうで草の花杉本果ら
古墓さやぐ栖軽の児とぞ草の花鈴木隆史
誘導棒の照らす足元草の花鈴吉
百草の花や五段に息継ぎて鈴木由紀子
沈黙は思考の時間草の花鈴子
だるまさんがころんだ鬼も逃げ出し草の花鈴白菜実
黒板の数式きれい草の花清白真冬
かごにカナリア風の辺に草の花鈴野蒼爽
隣国の異常穏やかに草の花素敵な晃くん
よどみなきおとしばなしや草の花主藤充
しゃがむとき我の影あり草の花砂山恵子
定まらぬ元素の数や草の花すりいぴい
投げ捨てし陶片に咲く草の花せいしゅう
連れ立ちて敬語の二人草の花瀬央ありさ
きんいろの夕刻草の花は銀瀬尾白果
娘の婚なりて真すぐに草の花瀬紀
草の花牛に喰われず残りけりseki@いつき組広ブロ俳句部
沼垂の草の花垂る錆鉄路広ブロ&新蕎麦俳句部@摂田屋酵道
草の花朱に交わらず一吏員瀬戸尾陽子
退屈な図鑑に載らぬ草の花世良日守
野の花や捨てちゃおうかなハイヒール千@いつき組広ブロ俳句部
わが胸に赤子の笑みや草の花惣兵衛
片隅で迷子の私草の花そうま純香
撒骨も父の遺言草の花そうり
本名は知らぬ距離感草の花素空
おさがりを着たぬいぐるみ草の花外鴨南菊
石ころに帰る地蔵や草の花ソフィ
生きるって事に拍手や草の花そまり
野の花に水ロケットの無傷かな染井つぐみ
名曲の揃う有線草の花染野まさこ
仕事せぬ風車は六機草の花空豆魚
訃報はもうたくさん 草の花真白ぞんぬ
アイドルの引退報道草の花たーとるQ
草の花コーヒー染みのリーバイス大
野の花や今日から指定ごみ袋泰山
マンションの工事の予告草の花太平楽太郎
整然と補欠のリュック草の花平良嘉列乙
野の花に声かけ登山道はガス高上ちやこ
草花をさがし名まえをつける授業高尾里甫
草の花振り向きざまのさやうなら高木音弥
父母に届かぬ言葉草の花がし菓子
草の花どの産声もひとりごと高田祥聖
草の花誰も彼も鬱予備軍高嶺遠
草の花ゆらゆらと納骨の朝高橋朝絵
ため息は深呼吸だと草の花高橋芽澄
草の花誰もいないと風を呼ぶ高橋紀代子
甲冑で待つエキストラ草の花高橋寅次
草花や京都の横道の多し 高橋なつ
草の花尻の下には段ボール高橋ひろみこ
句敵の句なれど良き句草の花高橋ままマリン
髪梳けば齢はらはら草の花高橋光加
川岸に朽ちる廃船草の花高見正樹
草の花離婚するのはあきらめたたかみたかみ@いつき組広ブロ俳句部
先生来駆けだす子らや草の花高山佳風
草の花祖母は小さい方が好き滝上珠加
解体のほこりに揺るる草の花滝川橋
草の花ビルの底なる喫煙所多喰身・デラックス
草の花座らむとして座らざる竹内一二
名は知らぬ犬友だちや草の花竹口ゆうこ
あれそれで満たす会話や草の花竹田むべ
誰も毟らなかつたから草の花たけろー
草の花有給消化あと二日多事
眠るかに獣死し野の花は白ただ地蔵
保育器の子の手小さし草の花糺ノ森柊
ストリートビューに故郷の草の花唯飛唯游
草の花犬の火葬の煙立つ多々良海月
踏みしめて我も獣か草の花立川茜
淋しさ埋める草の花の瓶あり立花かおる
しねばみなおはかがいるの草の花ダック
吾子の手にレシートお釣り草の花立田鯊夢@いつき組広ブロ俳句部
馬の尾はしづかに垂れり草の花辰野史会
野仏の濡れる朝なり草の花たていし隆松
草の花ネアンデルタール人の歌声立石神流
野の花の名からはじまる物語立部笑子
古民家の梁厳めしく草の花田中勲
草の花きょうはわたしの発表会たなばたともこ
草の花家猫の耳あたたかき谷相
目薬のせいなの涙は草の花紀友梨
草の花ゴム輪で括る袋菓子谷町百合乃
廃棄するフラスコに活く草の花谷本真理子
鎌倉のなにかの石碑草の花田畑整
困り顔で糞(まり)する犬や草の花玉木たまね
草の花夜勤帰りのホテル街たま走哉
喪の波はいつも穏やか草の花玉庭正章
草の花肋骨の罅薄くなるたまのねこ
お供えの最中購い草の花玉響雷子
草の花なべて光の当たるようだんがらり
廃校の黒板反るや草の花丹波らる
然るべき星の順列草の花チームニシキゴイ太刀盗人
草の花波頭に臨む理想郷竹庵
遺産整理の売地にも草の花ちくりん
刻々と夜気かるくなり草の花ちっちのきも
風神が駆け抜け跡に草の花智同美月
草の花お迎へを待つ保健室千歳みち乃
草の花空が青くてズル休み千鳥城@いつき組広ブロ俳句部カナダ支部
草の花写真の母はおかっぱで千葉睦女
クーピーの先っぽ丸し草の花千代之人
草の花「別に」で会話また終わり彫刻刀
草の花夕ごころごと揺り揺られ澄心静慮
千年のうへに寝ころび草の花月岡方円
くさのはなたふとぶものはつちばかりつくも果音
ひざに乗る吾子の冠草の花辻瑛美
豆柴とくるぶしが濡れ草の花辻内美枝子
草の花角の豆腐屋旅立てり辻野花
自殺欲はげし草の花やさし土谷海郷
子パンダはころころころん草の花津々うらら
シルル紀よ千草の花はよくしなふ綱川羽音
ニキビといふことば恥づかし草の花ツナ好
野の花やポツンとユンボのまだ静か津幡GEE
雨粒はこころに落ちる草の花露草うづら
草の花獣医のさする馬の腹ツユマメ@いつき組広ブロ俳句部
草の花いつもの犬に吠えられるデイジーキャンディー
一服の庭師の胡座草の花丁鼻トゥエルブ
轆轤ひく泥にまみれし草の花哲庵
草の花揺れて崩れゆく地球てつねこ
草の花空にはブルーインパルスてまり
山羊の乳すこし癖あり草の花寺尾当卯
補聴器の拾えぬ音や草の花電柱
反芻の牛の目やさし草の花でんでん琴女
帰るなと言われし実家草の花天童光宏
居残りのいきもの係草の花天陽ゆう
草の花香を白風の贄として天六草太郎
草の花揺れて駅伝中継所土井あくび
草の花ポンプ押す手と差出す手トウ甘藻
母の漕ぐミシンに夕陽草の花東京堕天使
かの国に草の花咲く日は来るか峠南門
野送りのパンプス草の花騒騒東野律
再会を媚びざる別れ草の花藤白月
雨ふれば雨のよろこび草の花とかき星
年パスの期限切れ知る草の花時小町
鬼岩の頭割りけり草の花ときめき人
母は子のとはなるうつは草の花常磐はぜ
廃線となりて五年目草の花 Dr.でぶ@いつき組広ブロ俳句部
小さき土まんじゅうへ小さき草の花どくだみ茶
旗を振る安全太郎草の花戸口のふっこ
草の花大きくて読みやすい本殿村則子
デイサービスの迎え待ちたり草の花鳥羽ししまる
弟妹を預け登校草の花戸部紅屑
草の花さわさわそんなに泣かなくてもとまや
お迎えの首長うして草の花斗三木童
躓ける子を見守りて草の花友@雪割豆
みおちゃんは千草の花の中に居り登盛満
バスじゃない何かを待って草の花富山の露玉
だいどこの母の面影草の花鳥元優子
草の花通って風の乾きけりとんぶりっこ
土塁のみ残れる城址草の花とんぼ
星いつも疵つき易く草の花内藤羊皐
黒猫のゆたかなしつぽ草の花直
内輪では人望のあり草の花なおじい
我死ねば星に歌えよ草の花直美羽YC
心臓はどうして動く草の花なか かよ
藁縄を跨ぐ嫁入り草の花中十七波
草の花近つ飛鳥は風の谷中岡秀次
墓守の我にて途絶ゆ草の花中里凜
キーパーの弾く足もと草の花中島葉月
祖父の忌の土塊の影草の花中島圭子
ジョギングの妻は戻らず草の花中島走吟
草の花ラジオはジャズを奏でをり中嶋敏子
若さとは足掻くことなり草の花永田千春
生乳の匂い甘やか草の花中鉢矢的
お袋の爪を切りたる草の花中原柊ニ
蹴り倒されたとき見ゆる草の花中平保志
子牛にも好みのありて草の花仲操
保健室が教室でした草の花中村すじこ
空っぽの2Kに鍵草の花凪ゆみこ
呉服屋も下駄屋も更地草の花なしむらなし
草の花中を葬禮通りけり那須のお漬物
草の花縄文人の墓標かな夏風かをる
草の花誰かのママで奥さんで夏草はむ
草の花雑兵の死は語られず夏湖乃
朝の陽を分け合い草の花一叢夏椿咲く
爆音に刈られてゆくが草の花夏釣り
独裁者の靴 孤島に草の花夏雨ちや
こけしの顔入れや草の花わらう七草木香
草の花ひかりは殿に甘し七瀬ゆきこ
よきことをひとつと数え草の花七森わらび
吉報は遠回りして草の花 菜々の花畑
自販機の光をまとい草の花名計宗幸
草の花市井にあまた佳人あり西川由野
友からの謝罪待ちをり草の花西爽子
学童をすねて朝は草の花西田月旦
カーナビは道なきを指す草の花西の京あんこ
草の花手取り十万円で生く西村棗
飛石の歩幅小さし草の花にっきい眞理
草の花母の記憶のまだ確か新田 ダミアナ
埋めてやる鳥の名しらず草の花 にゃん
月満たず生まれ来し子よ草の花二和田躬江
石を置く地図の四隅や草の花 仁和田永
石だけが残る陣地や草の花沼宮内かほる
西風に家禽の匂ひ草の花沼沢さとみ
寺世話の務め2年と草の花猫辻みいにゃん
給食を残して帰る草の花涅槃girl
城跡の発掘調査草の花ノアノア
銘菓なきふるさと訪ね草の花野井みこ
草の花じゅうと聞ゆるソースの香濃厚エッグタルト
草の花ふらんすえいがのよに歩く野地垂木
草の花揺らして朝のストレッチ埜水
草の花摘んで僕らが名付け親ノセミコ
草の花朴念仁がおりまして乃立喰咽
草の花わが名を好きになりにけり野点さわ
めいっ子のくせっ毛編むや草の花野中かべちょろ
車椅子の母の無言に草の花野々かおり
針箱はクッキーの缶草の花野ばら
羊水の眠りと草の花の呼吸登りびと
軽やかな淋しいワルツ草の花野村起葉
太閤の野点はるかや草の花則本久江
ブランコの最長不倒の草の花灰谷素数
結界や草の花なりに整然白庵
水中の村に陽届き草の花 白雨
草の花アニメ1枚200円白銀の月
山羊を飼ふ人は奔放草の花はぐれ杤餅
草の花またいつかといふやくそく橋本こはく
あいみょんが詩にしそうな草の花馬笑
飼い主のお喋り長し草の花長谷川水素
誓詞もて立つ若人よ野の花よ長谷機械児
草の花崖の牧場の糞の上蜂鳥子
草の花きのふの色はきのふまで葉月けゐ
草の花友の残した猫車パッキンマン
草の花左遷告げられてゐる朝はっしー
草の花生まれる前の景色にも八田昌代
引退の試合近づき草の花花咲めだ香
「フレイル」を語りて万歩草の花花南天あん
汽車ごつこ草の花へと笛ひびく英凡水
前庭を行儀良きかな草の花はなぶさあきら
手出しせぬ介添へ風の草の花英ルナ
廃校の尊徳像や草の花花和音
草の花金稼がねば去る家族馬場勇至
草の花ここは安全地帯だよぱぷりかまめ
在ることに少し疲れて草の花浜けい
坊さんの子を泣かせた日草の花浜友輔
遺棄されしタイヤぶよぶよ草の花葉村直
草の花養鶏場は5km先原水仙
この先は砂防ダムあり草の花原野乃衣
手を合はす神も阿修羅も草の花巴里乃嬬
底ぬけの杓へ草の花へ雨播磨陽子
戦いの炎吹き抜け草の花haru.k
草の花今宵初めて恋をする晴田そわか
無人駅バラスト除ける草の花バルバルバルサン
最後まで歩く気力や草の花葉るみ
草の花退院の先ず第一歩 春海のたり
今はもう古墳に見えぬ草の花春幸
足早に犬の齢や草の花はれまふよう
宰相の国葬のあり草の花HNKAGA
立ち上がる気配に揺れる草の花東の山
木道の靴音止みぬ草の花比企野朋詠
野の花や鳥居の先の闇を踏む菱田芋天
君逝きしことは人づて草の花美竹花蘭
生涯の友は幾人草の花ひでやん
草の花今季最後の外野フライ日向こるり
草の花仮設園舎の戸の軽しひなた和佳
摘便をした手が生ける草の花比々き
不人気の役にあぐる手草の花ヒマラヤ杉
草の花水森亜土のおもちゃ箱ヒマラヤで平謝り
草の花フリーフォールを二度三度緋夢灯
古民家の再生まぢか草の花日吉とみ菜
草の花空き家に人の気配あり平井由里子
おひさまがつめたくなって草の花比良田トルコ石
七転び八起の日記草の花平林晶子
ベルリラのきざむ光よ草の花 平本魚水
不登校女子の押花草の花比良山
草の花ロードバイクの横に寝る広木登一
草の花の中のひとつと目が合った廣重
殿の名を忘れる城下草の花広瀬康
半音を分ける笛の音草の花琵琶京子
草の花増えて僻地の診療所フージー
草の花草の光の草の中風慈音
夜の庭へ傘を差し置く草の花風泉
草の花もう腐らない怒らない深町明
ペンキ塗る終いの住居や草の花福ネコ
五万回斬られた男草の花福良ちどり
草の花螺髪くすんで雨の色ふくろう悠々
夕暮れに鍵隠されて草の花藤井かすみそう
マウンドは球場の臍草の花藤色葉菜
その本は枕にしよう草の花藤丘ひな子
草の花思い描いた未来来ず藤倉密子
草の花伏目やさしき聖母像ふじこ
草の花ひとつ欠けたる永久歯藤咲大地
火のやうな岩のやうな手草の花藤白真語
草の花保健委員の僕と君藤田咲
俯瞰図に小さき駅も草の花藤田康子
草花や遠き荼毘所の白煙り藤田ゆきまち
五言語併記の立札かこむ草の花藤雪陽
草の花酒の止めれぬ奴だった藤れんぎょう
草の花名前で呼ばれたき女藤原訓子
アスファルトほやほや草の花に湯気藤原素粒子
夕暮れの大気が甘い草の花風友
有線のお知らせ四方へ草の花冬のおこじょ
影を出てまた影街の草の花古瀬まさあき
草の花まみれや弾薬庫跡地ふるてい
琥珀色の風の死を見る草の花碧西里
尾根道に光衰へ草の花茫々
臀(ゐさらひ)の冷えゆく石や草の花茫々
君と踏む足に絡むや草の花芳明
埋め立ての進まぬ土手を草の花北欧小町
草の花土手に揺れ命日近しぼくのはね
牛の子の鳴き声低し草の花星月さやか
神話てふ戦の記録草の花干しのいも子
ちかちゃんはきらいひとりの草の花星乃ぽっち
立ったまま食べるコロッケ草の花ほしの有紀
草の花なべてがむしゃらブルドーザ甫舟
利用者の手のひら温し草の花星善之
草の花返し忘れた理科ノート細川小春
ミサイルの雨降り止まず草の花堀卓
獣道一筋くねる草の花堀隼人
草の花踏みつけぬやう上手投げ堀邦翔
お手玉の戦時の歌詞や草の花凡々
四十歳からの友だち草の花梵庸子
いさかひや靡けば戻る草の花前田冬水
父はチチと言葉になりて草の花まがりしっぽ
道すがら口遊む手話草の花まこ@いつき組広ブロ俳句部
雲掴み足を取られる草の花眞熊
草の花に落ちて満塁ホームランまこちふる
おうどんにおあげさんのせ草の花眞さ野
草の花亀の渡りし遊歩道まさを
仮住の開かぬ窓や草の花町田勢
朝の陽に轍荒らか草の花松井酔呆
日を浴びてよき名ばかりや草の花松岡重子
君を呼ぶ口実として草の花松平武史
草の花アウトが取れぬ我がピッチャーまつたいら西
片足を引きずる猫や草の花松田慶一
半額の弁当下げて草の花松野蘭
草の花父に似てきし鼻の下松本裕子
二上山皇子を囲みて草の花まりい@木ノ芽
糠漬けは今朝上加減草の花まるにの子
無事終ふる夫の法事や草の花丸山隆子
水道で肚を充たせる草の花まんぷく
ボイジャーの行方は知らず草の花みい
骨組のままで一年草の花三浦にゃじろう
旧式の戦車の音や草の花三重野とりとり
帰るさに一掴みして草の花澪つくし
電柱は地下へと消えて草の花帝菜
草の花聖母子像の足元の三茶F
草の花土管を埋めてできた道岬ぷるうと
先生の口紅の色草の花三崎扁舟
猫いくつ埋めて千草の花の庭水須ぽっぽ
草の花まっすぐ空の光受くMrふじやん。
草の花砂場に遊び疲れをり三田忠彦
草の花ちょん切る首は兄の首道端ハコベ
草の花顔見ぬ祖父は近衛兵巳智みちる
草の花実家の跡地は駐車場みちむらまりな
土砂積みて野の花と休むトラック美月舞桜
草の花部活帰りのパンの耳みづちみわ
父に訊く母の秘密や草の花満る
向かひあふ墓に人あり草の花みつれしづく
キルトには祖父のイニシャル草の花南方日午
納骨の読経短し草の花水上ルイボス茶
掌中の備前も冷めて草の花皆川徳翁
ミサイルが頭上を飛んだ草の花水無月葉子
ギタ一弾く従兄がロッジ草の花みなと
草の花つぎはプールになる廃墟港のパン屋
避難車で行く散歩径草の花みなみはな
草の花しゃがみこむ子と薄闇に美村羽奏
草の花小さき十字架守りたる宮井そら
胴乱は思い出の箱草の花みやかわけい子
嫌だとは言へぬ徴兵草の花都乃あざみ
長押には部下の寄せ書き草の花宮坂暢介
石蹴れば乾きたる音草の花宮武濱女
草花やインコの葬儀たのまれてみやま千樹
草の花炒飯崩す手を止めて宮内翠々
遠くから煮豆のにほひ草の花ミラベル
草の花牛の睫毛の長きことみらんだぶぅ
ようこそと水をやる母草の花三輪白米
草の花かまぼこ板に二人の名夢雨似夜
ゴンドラの音遠かりし草の花麦のパパ
草の花駝鳥の一羽脱走す麦のパパ
歩かねば草の花咲く小径かな椋本望生
スパイクの跳ね上げる土草の花無弦奏
五歳児の理不尽ゆかい草の花むめも
老犬を待ちて背伸びす草の花村上の百合女
草の花仕舞ひしまゝの文あらはる紫小寿々
草の花あをし絶交の友とゐて村瀬っち
左利きの鋏はいずこ草の花むらのたんぽぽ
山に遇う挨拶うれし草の花室依子
草の花外人墓地に仮装の子暝想華
草の花摘みて送らむ天の径目黒千代惠
草の花返信のない既読数杢いう子
城跡を包み込むなり草の花モコ
国道39号石北峠に草の花望月ゆう
踏切に鈍行の風草の花望月和美
中年や着る服も無く草の花望月朔
仙人は明日髭を剃る草の花本村なつみ
荷揚げ機を操る腕や草の花桃井ゆらら
平原に地雷のありて草の花桃香
草の花繁るや僕は脈遅し百瀬一兎
草の花だんだん鈴の近づいて百瀬はな
草の花包帯傷に張り付いて桃園ユキチ
求人票の行間を読む草の花ももたもも
草の花持ちて入りたる縁切寺森佳月
ごめんねと言えずごめんね草の花森日美香
草の花尻窄まりの宛名書き森毬子
富士山に向かひて歌へ草の花森佳三
息つぎが綺麗草の花も星ももりさわ
天神ヘおこづかいと草の花メレンゲたこ焼き
山影の迫る廃村草の花森茂子
最終の給料明細草の花森下薫
鎌積みしシルバーカーや草の花もりたきみ
草の花ランドセルの輪唱隊森田祥子
草の花慣れぬスーツと靴擦れと森中ことり
故郷の山はどつしり草の花森の水車
おかっぱの眉間の皺や草の花杜まお実
人生はへのへのもへじ草の花森山博士
草の花Bマイナーにピアノ曲もろ智行
ガードマン立つ精神科草の花山羊座の千賀子
人力の翼折れるや草の花八木実
整列の哺乳バケツや草の花簗瀬玲子
鉄都燦燦山頂に草の花八幡風花
お屋敷は駐車場になり草の花山内彩月
草の花ささめき合ひて砲台跡山河穂香
来し方に吾の悔ひ無きや草の花山川腎茶
草の花触れしこの手のごつきかな山口絢子
一葉の通ひし井戸や草の花山口一青
母逝くや紫きれい草の花山口たまみ
いつまでも星はみずいろ草の花やまさきゆみ
草の花長い睫毛の仔犬寄る山下義人
乳房の子如何にか捨てむ草の花山下古竹
赤白の草の花より普賢岳哲山(山田哲也)
介助犬立ち止まりたる草の花山田蹴人
草の花母のごと食ふ釜の粒やまだ童子
草の花淫祠を拝みつつ威す山田喜則
臆病な私も素敵草の花やまな未
十字架を刻む石あり草の花山野麓
草の花離れし沢と又出会う山薔薇
砲撃の筒より出でよ草の花山歩子
草の花少女剣士の果し状山村楓
狛犬の阿の歯欠けたる草の花山本先生
草の花洗濯物は生乾き山吉白米
グランドで一人拗ねる子草の花ヤン子
厩舎からモモを呼ぶ声草の花唯果
草の花砂のプリンのおもてなしゆうきはな
草の花揺れ炭鉱町にこゑ遊羽女
草の花楔となりし褒め言葉有野安津
不発弾まだ一つ地下草の花宥光
神社出る担ぎ手の手に草の花ゆうみりん
まだ止まぬ花一匁草の花雪音
道の辺に脈打つ薄き草の花柚子こしょう
往診は庭突っ切って草の花ゆすらご
丘ふたつ公団跡地草の花宙美
妹へ兄のまなざし草の花ゆめの常盤
草の花ひとけ少なきキッチンカー夢見昼顔
草の花燃して大腿骨頭白し湯屋ゆうや
草の花時間薬の副作用羊似妃
簡単な遺書をスマホに草の花横縞
予定地の予定わすれて草の花横浜J子
草の花大仙陵古墳の謎横山雑煮
草の花田麩しかないちらし寿司吉岡幸一
草の花パトカーパトカーまたパトカー吉田郁
鉄橋を渡る二両や草の花吉田蝸牛子
注連縄を作りませんか草の花吉野川
草の花みんな最後は雲になる吉行直人
草の花寝かせる和紙のなまこ蔵四葉の苦労婆
シェルターを愛犬と出づ草の花余田酒梨
放蕩の男は優し草の花ラーラ・K
子を産めば名もなき母や草の花雷紋
赤子と鳩のことば似てゐる草の花RUSTY=HISOKA
草の花みんな不揃いえじゃないか楽花生
格子なき牢獄に咲く草の花リーガル海苔助
志願して千本ノック草の花梨音
野の花や総員点呼つつがなし柳絮
草の花泡立つやうに彩雲へ流流
草の花踏んで測量工場跡良俗倭人
クレパスの輪郭薄く草の花ルージュ
手術痕薄くなりけり草の花蓮花麻耶
六地蔵並びは変えぬ草の花六地蔵と狛犬
湿田の轍大きや草の花ろまねす子
草の花土手を通れば駅近し若井柳児
ランドセルやっと慣れたか草の花わかなけん
友人の結婚を知る草の花渡辺飛鳥
ひっ算のページに挟む草の花亘航希
旧かなのゐやゑの如し草の花侘介
平飼いの餌は散り散り草の花笑笑うさぎ
陶房に絵皿と草の花の庭犬山裕之
※今月の入選作品の発表で、12月12日まで多くの作品が掲載されていませんでした。お詫びいたします。
摘みとれぬ名前はなーに草の花丘るみこ
一人来て草の名問うや草の花小林昇
幼子に草の花の名教わりぬGONZA
野の花の名を聞いた子母となるさざんか
我が名を知らされぬまま草の花数多未完
草の花名も無きことの気高さよ安蔵典道
教わった名は忘れても草の花海野穴熊
草の花錆溢れ出し大花へ丑十八夜書ク
草の花蹴って少女の男ことば内本惠美子
草の花轍を辿り童歌 岡塚敬芳
草の花紫好きな母傘寿小川さゆみ
草の花愛ほしくなる齢かな奥田美和
うなじの綺麗な娘がいい草の花尾頭朔江ヱゐチ
草の花一輪挿しかゴミ箱か笠江茂子
認知症の姉は笑顔よ草の花鹿嶌純子
野の花や初の自炊の写メ来たり花鳥風猫
草の花名残りの帽子いっぱいに桂子涼子
草の花可愛い嘘の言える女桂葉子
草の花花占いは「好き」だった翡翠
草のはな雲感覚の遠さかな北川颯
「可愛い」はやはり嬉しい草の花木村となえーる
舞降りし紙飛行機や草の花家古谷硯翠
色淡き草の花吾の鏡なり紅紫あやめ
ど根性だけ褒められて草の花西條恭子
嫁ぐ日の間違い探し草の花さくやこのはな
片えくぼ素数語りて草の花潮風の台所
草の花ひそひそ話する如し塩沢桂子
草の花歩道車道と首伸ばし四季春茶子
「おかえり」の眠たい文字と草の花篠雪
よく来たと祖母の煮物と草の花柴森爽
少しだけ枯れかけが好き草の花釋北城
草の花素泊まりの猫縁の下15センチの庭
ポイント還元電卓たたき草の花珠桜女絢未来
恋仕舞ふ所作までが母草の花すいよう
草の花小樽見おろす温泉路駄詩
吾子の手で冠になる草の花田鶴子
大空や万歩計止める草の花田村モトエ
キラキラと水滴重し草の花ダメ夫
縄張りを共に侵さず草の花田村利平
夕暮れやバイバイと草の花振る千夜美笑夢
草の花こうなりたいと君の言う露口全速
逆光に皆金色に草の花時まる
古戦場骨粉となり草の花十津川ポロ
草の花こうおつ無しにむねはって冨川きよこ
宇宙より星屑降りて草の花富野香衣
全地球青い空あり草の花なかむら凧人
明日また遊ぶ約束草の花なつふじ
宴なき旅なき暮し草の花奈良素数
草の花明日は今日よりいい日かもにいやのる
其々に輪郭有りて草の花塒小判
座禅後に気づく景色や草の花根々雅水
草の花さらに薄まる星のせゐ野口雅也
草の花ウォーキングは大股で早川令子
古希なんか知らぬ世界だ草の花原善枝
水切りを七つ数えた草の花原田民久
青春の翳り残せり草の花東山たかこ
草の花バク転女子とお兄ちゃんひろ夢
鏡台に映りし草の花一輪船橋こまこ
雲梯を二つとばして草の花 ペトロア
北海道弁はあります草の花べびぽん
草の花紙パンツ履く夜を託つ細野めろん
傍らに出汁引く男くさの花ポップアップ
草の花こぼれだまよりよみがえり丸太
年下を密かに想う草の花澪那本気子
誕生日祝ひの電話草の花未来に詩編む
割烹着履く下駄は紅草の花ムーンサダコ
風ふかば森に追はるる草の花向原てつ
寄り道の好きな男の子や草の花安井コスモス
草の花坂道にあるは思い出か山崎鈴子
街燈点滅草の花妖艶山田蚯蚓
バイトからバイトへあの娘草の花大和杜
草の花握り父の背負われたり山本蓮子
草の花心の痛む歌謡ショー横山子守熊
寄り添つて四十五年や草の花吉武茂る
孫の婚終えて熱い茶草の花よしだばあば
「ぽい捨てはやめて下さい」草の花理佳
この次に生まれるならば草の花リコピン
したたかに咲く草花のしぼみ待つ321ちいに
草の花種はフーテンの旅に出るANGEL
通学路雀戯れ合う草の花安威網代
踏ん張れど散り行く脆き草の花相澤泉
草の花雑と言われどしゃんと立ち藍田落星
板前の青い手袋草の花藍野絣
草の花痩身美顔が野に集い間岳夫
前世には如何なる生ぞ草の花青井季節
野の花や集い睦みて帰る寂しさ大竹八重子
文系のなんでもない子草の花青に桃々
来し方を妻と語れば草の花蒼鳩薫
名を上げぬ生き方も善し草の花赤尾ふたば
気づかれずそっと咲いてる草の花赤子沢赤子
雑草と呼ばれてもなほ草の花あかね茜
なごり星こぼしてきらり草の花赤松鴨
草の花ベランダの隅におりあかめちゃん
道端に隠れんぼだよ草の花了朗
紫、黄色草の花あふれけり聰子
自転車のよけて止めたり草の花秋白ネリネ
教会に誰が活けたか草の花昭谷
凛と咲く夕べに散るも草の花秋野萱
あら更地消えた工場に草の花空き家ままごと
反抗の具現のかたち草の花秋吉和紀
草の花簪にして姫気分アクエリアスの水
失敗も小さく見える草の花芥茶古美
リハビリの靴に寄り添う草の花あくび指南
草の花忘れかけてたあのベーゼ淺井翠
ラーメンとカレーのまんなか草の花あさいふみよ
草の花国境線の両側に朝雲列
吾子の手に笑顔あふれる草の花朝日雫
空蒼く山目和みし草の花亜紗舞那
道を行く人に怯える草の花明日良い天気
草の花スマホを落とす夢の音アシツノカラ
ゴム毬の空気凹ませ草の花葦屋蛙城
拾い種ひととせ長し草の花飛鳥井薫
向日葵の百分の二の草の花あすなろの邦
バイバイと電車見送る草の花あすなろの幸
草の花プランターの中で揺れているあぜ道さんぽ
草の花全ての民に冠を麻生ツナ子
青空を見上げた脇に草の花アツシ
路地裏の野の花摘んで登園す渥美こぶこ
にわたみず足突っ込みて草の花渥美謝蕗牛
愛犬が跨ぎ排尿草の花跡部榮喜
ママ友らまだ立ち話草の花姉あね猫
風呂桶を小脇に抱え草の花あねもねワンオ
草の花屋根まで咲いた避難跡阿部八富利
バックミラー路肩は草の花ざかり天川滴翠
登り来て山門脇の草の花尼津彦
草の花木々の紅より色深しアマリリスと夢
草の花昼は菜飯を食うと決め雨降りお月さん
ドイツより帰りし孫と草の花あやや
草莽の生家間距離草の花荒木俊充
まだ続く長き道のり草の花有本としを
駱駝には地球の水や草の花有本仁政
ままごとの真ん中にいた野の花なり飯田孝子
主なき生家の屋根に草の花イカロス
戦場に静寂夜明けの草の花粋庵仁空
思い立ち早期退職草の花郁爺(蟹組)
慰めの言葉はいらず草の花郁松松ちゃん
はっと咲くもう踏まないね草の花池愛子
草の花かれんなる身にとげもちて池内ねこバアバ
ままごとの昼餉となれり草の花池田の炭
草の花踏みしだかれし枝わけて池ノ村路
草の花倍の力で立ち上がり石井秀一
草の花数えて所詮素数の積いしきひさき
公園の子ら踏めど咲く草の花伊敷代左美
手入せず荒れた庭にも草の花石崎京子
躓きて草の花よけてG難度石原直子
土手遊びティアラ作りし草の花泉恵風
にちにちのリハビリ見入る草の花泉陽之助
出立を仰ぎみたるや草の花伊泉不洋
草の花出勤前の可燃ごみ遺跡納期
傘で撫でる雨上がりの草花や市川りす
草の花墓石拭く手の白き皺市川隆一
野の花も一輪させば画材なり市場さと枝
草の花寄る辺なき身ぞ城の跡いつかある日
祖母の家草の花活く桂籠一久恵(橋本恵久子改め。俳号)
剣山の小さな森と草の花一軒家
遠き日の華散りてのち草の花五つ星
今生を恵みと受ける草の花和泉明月子
細くともコンクリ割りて草の花伊藤薫
猫の頬撫でるように草の花伊藤キア
行人の坂につくばふ草の花伊藤節子
リフォームの学び舎に声草の花伊ナイトあさか
またひとつ主なき狭庭草の花稲葉雀子
草の花「ありのままで」と我にエール伊波智恵美
月曜の雨に光るや草の花伊縫音々
草やぶき屋根いちめんに草の花井上幸子
体臭の消えてほのかの草の花ゐのかたゆきを
草の花休耕田をつつみけり井原昇
人生は瞬きする間草の花今井みどり
休耕地を可憐に飾る草の花今井正博
ベビーカー屈む高さに草の花今井モコ
束ぬれば故郷にほふ草の花いまいやすのり
日の光求めて高く草の花井松慈悦
草の花終の棲家よ何故此処に今乃武椪
渋顔のやや緩みしか草の花伊代ちゃんの娘2
走り終え記念に妻へ草の花いわつよ8
病む夫に摘めば儚し草の花植田かず子
一隅を照らす心や草の花上野徹
窓際の亡父の花器に草の花うさぎと
ラブレター先輩を待つ草の花うちだまみ
団地ポストへチラシ千枚草の花靫草子
轢かれた猫を通り越し草の花宇野翔月
夜勤明け雨に打たれる草の花浦文乃
草の花手折りて二日萎えにけり麗し
逝くものの記憶を宿す草の花江川月丸
草の花よくぞ続けし体操会S・葉子
バス停の列うつむきて草の花蝦夷やなぎ
胡座かき人懐っこさ草の花越後縮緬
草の花もつれあい前線通過江藤薫
草の花鼻歌混じる風安し榎木田智子
愛犬と散歩よくした草の花えみばば
負へ波動放出させよ草の花絵夢衷子
黄色やら白やら赤も草の花縁穐律
休耕田おそるべき数草の花円美々
うずくまる生家の跡地に草の花大江鈴
名ばかりのものの多しや草の花大岡秋
草の花踏みて進みぬ軍靴かな大久保加州
上京し草の花さえ見ぬ三歳大河内夏親
寄る辺なくコンクリの割れ目に草の花大越総
草の花連峰眺めにぎりめし大阪駿馬
草の花我もかくあれ生き延びろ大島一声
参拝の石段に咲く草の花大嶋宏治
言の葉の理会の遅る草の花大津美
亡き人を偲ぶ歩幅に草の花大野静香
ここにきた証となった草の花大野美波
草の花朝の散歩にこぼす愚痴大原妃
逆上がり励む子の背に草の花大原雪
草の花愛でるあなたに浄化され大村朱希花
摘むは易しそのままにする草の花大本千恵子
草の花青空取り込む小花達大山小袖
そっと咲く草の花好んだ祖父に岡由紀阿希
草の花明かりのごとく点々と岡崎蹊
月曜のはやため息や草の花岡田瑛琳
草の花踏まれる度に強くなり岡田恵美子
草の花握った子の手緑たつ岡田ぴか
草の花にぎってとびこむ母の胸おがたみか
草の花五年ぶり会う元気色岡本
初恋や並んで摘みし草の花岡本選魚
星空を仰ぎ微睡む草の花奥寺窈子
草の花天気になれと靴飛ばすおぐら徳
歩道沿い朽ちたバス停草の花小栗福祥
年寄りのブランチ草花の直売所尾座鬼
寝ころべば隣りに草の花香りお散歩じいじ
草刈り車去って静かな草の花お品まり
草の花oneofthemの句沢山落句言
草の花この瞬間咲くのは明日のためおでめ
野うさぎが遊ぶ野山と草の花お寺なでしこ
登園の子は手に父と草の花音羽実朱夏
「気にするな」そっと囁く草の花小野寺さくや
白髪とのっぽの影笑む草の花小野ぼけろうじん
ままごとに兄ちゃんもをり草の花帯壱
草の花カタカナだけの祖母のメモおんちゃん。
とんとんと語る卒寿や草の花かいぐりかいぐり
抜け道は神社の裏手草の花快晴ノセカイ
草の花忘れていくが人の意地かえるL
犬嗅ぎていばりかけらる草の花垣岡凡才
手の平にくたびれ気味の草の花柿野宮
誰よりも空は大きや草の花風花まゆみ
事業主古希からの草の花ぴりけん
赤白黄踏まれてつよし草の花かじまとしこ
膝に傷薬草探す草の花花純
決めた道日々繰り返し草の花片岡龍一
草の花手折り如来へ供えたり桂田和京
他所は他所うちはうちなり草の花勘解由小路白湯
草の花しゃがみ眺むる子と母と加藤水玉
レントゲン影が焼き付き草の花加藤麗未
藍洗う冷たき川の草の花叶田屋
老父母と居るやすらぎや草の花かぬまっこ
忘れじのひとに似ている草の花兼子さとみ
長雨に打たれ草花惑う色金子真美
採用の祝いの帰り草の花カバ先生
墓参り路傍の草の花もそえ神谷米子
散るまでは抜くこと待ちし草の花亀田稇
生きているだけでお手柄草の花亀山逸子
草の花片手に歩く残りたびカラハ
草の花見事に咲くよ地方の野川口聡美
教室のカースト制度草の花川端芙弥
新築に惑わされるな草の花川村記陽子
草の花念佛唱ふ防潮堤川村湖雪
廃屋に繁茂すピンクの草の花カワムラ一重
かすかに揺れて「ここにいるよ」と草の花川村昌子
草の花走る子供の誕生日神田優梨
草の花尾瀬を彩り暮れてゆく樺久美
路傍から天を見上げる草の花漢方十七錠
霊園の外はぐるりと草の花季々諧々
草の花弾けて巡る小宇宙木口まり子
草の花田んぼの跡は駐車場季切少楽@いつき組広ブロ俳句部
野生化を果たした栗鼠に草の花規田素乃子
鼻唄のあいみょん側に草の花北岳醍醐丸
国道の曲がりし草の花ぐぬぬ北村崇雄
草の花名乗ることなく咲いている紀田有介
草の花供えて弾むあの話木野まち
散り際の色鮮やかし草の花木村かおり
ハードルを跳び越す先や草の花木村かわせみ
牛曳いて帰る畔道草の花木村修芳
野の花や走るトロッコ風を切る木村隆夫
すずめ来る垣根の隅や草の花木村波平
大水の痕なんのその草の花きゅうせき
病院はギャン泣き草の花そよぐ紀友梨
野の花に等身大の我を見る教来石
吾子の自転車練習や草の花清鱒
廃墟墓場火事場跡に草の花銀溟さきのすけ
ままごとのご飯だったか草の花銀長だぬき
目立たない民の生き様草の花草道久幸
野の花で遊び呆けて日が暮れる楠田草堂
草の花大きくしなりしぶとい楠美翠
つつましく生きてしあはせ草の花工藤遊子
知れずとも皆かんばしや草の花國枝瞬山
草の花ライアーハープを射す朝日曇ゆら
草の花あるだけ植えて吾子恋し来ヶ谷雪
遠ざかるなで肩の背な草の花紅さやか
豆を挽き草の花飾り君を待つ黒瀬三保緑
瓶にさし小鳥の墓に草の花桑田栞
辻地蔵子ら供えしか草の花桑原和博
ユーミンも50周年草の花健央介
草の花ひそかに生きて老いを知る源氏物語
草の花うしろの小さきマーキングこいぬ
草の花見えないものを見る力幸久
草の花踏みそうよけてケンケンに康寿
植えし覚えなけれど愛し草の花五雨論愚
草の花今日は茶会の床の間に古烏さや
草の花香水瓶におさまってコケコッコー
認めよと咲くや歩道に草の花小杉泰文
夕暮れのそば屋の灯り草の花小だいふく
草の花袂惹くよに風に揺れ後藤方丈
古民家の借景になり草の花小鳥乃鈴音
目を細め箱座りの猫草の花小林のりこ
草の花いちゃいちゃ揺れて命継ぐこまたれぶー
歳重ね私はわたし草の花こむぎ
里の香やサラダの中に草の花小山秀行
食堂のカウンター席草の花五葉松子
野仏に行き着くまでの草の花今藤明
かくれんぼ少女が踏みし草の花西條晶夫
過疎村の昼のしづけさ草の花彩汀
帰り道一緒に揺れる草の花さいとうすすむ
ファインダー電車とともに草の花齋藤鉄模写
実になれば棘角喇叭草の花さいとうるち
名前なんぞあってもなくても草の花宰夏海
ほうけたる母にぎりしむ草の花さおきち
茅葺きに今は昔と草の花坂上一秀
名は知れぬ千草の咲く地濡れし花坂島魁文@回文俳句
草の花ちらほら咲て刈り残す相良まさと
草の花ほら足もとに踏むまいぞ咲まこ
草の花光鱗のごと道凪ぎるさくらあきじょ
草の花「長いお別れ」読み返す櫻井こむぎ
草の花大雪山の峰はるか櫻井紫乃
もう充分頑張りました草の花櫻井弘子
草の花孫遊びゐるままごとに桜華姫
いとこ会いずれを見ても草のはな桜姫5
草の花ベビーカーからのぞく足笹おいけ
マフィン焼く吾子やコップに草の花砂舟
地蔵荒れ寄り添うのは唯草の花幸
ジョギングの疲れも癒やす草の花薩摩じったくい
犬小屋の前に置かれし草の花佐藤しのぶ
草の花負けるな固有種ここに有り佐藤俊
退院の朝呼気ゆつくりと草の花さとマル
かりそめの笑顔の翳り草の花さむしん
草の花微かに香る癒しかなさわだ佳芳
君の黙胸さす夜に草の花桑港
ひたすらにただひたすらに草の花紫雲
脇道の馬頭観音草の花紫瑛
野仏の小瓶に咲きし草の花しかの光爺
巡礼の一歩に力草の花四季彩
妻退院ワイングラスに草の花じつみのかた
図鑑にもデジタル機能草の花実本礼
あそこにもここにもあるぞ草の花芝G
散骨はサステナブルか草の花縞子勾苑
アスファルト割き咲く草の花ここにしまのなまえ
名も知らず明日までもつや草の花嶋良二
草の花禍にまみえず母転院の朝清水容子
ウーロン茶の酔い冷ます風草の花霜月詩扇
手枕の前思い見る草の花釋愚拙
カラミ煉瓦の精錬所跡草の花沙那夏
草の花愛でて一生過ごしけり写俳亭みの
スーパーの店頭に咲く草の花じゃむぱん泉
橋立の股のぞきまず草の花秀耕
満面の笑顔はじける草の花朱康君
大海のパヤオのような草の花種種番外
犬の鼻嗅がられ揺れる草の花祥雲
耳を掻く三毛の震わす草の花庄司しづく
草の花愛しい愛の小瓶かなショートケーキ
草の花よ国道の傍に祈る人白井佐登志
名乗るほどの者ではないと草の花森牧亭遊好
堆肥場の根際のらんまん草の花水佳
洋花に負けるな我も草の花酔軒
をさな子のリュツクにゆれる草の花酔芙蓉
底辺の吾の靴跡や草の花水蜜桃
草の花訪うひとの疎らかな瑞陽庵
草の花妻のひとみに星ひかる杉浦あきけん
除草から逃れし一輪草の花杉浦真子
草の花名前知らぬが仏様杉柳才
草の花摘みし亜子の手露きらり涼風亜湖
「私にも名前あるわ」と草の花鈴木暮戯
ランドセル放り転げた草の花鈴木もま
草の花活き活き咲けり崖の上鈴屋いるか
昼飯を父母と食べる草の花すまいる大王
草の花あの日の母を語りけり諏訪次郎
草の花写メール届く「生きてるぞ」静江
老いぼれの犬鼻先に草の花晴好雨独
野の花やグーグルレンズ向けて知る青児
草の花墓場へ続く細い道勢田清
隠しても証拠は残る草の花星夢光風
幾千の涙ひろいし草の花関根杏華
いつよりか知らねどそこに草の花関根洋子
草の花残し刈られる遊歩道瀬戸ティーダ
野の花の故人をしのぶわが娘瀬野広純
ここにいるわ誰か気づいて草の花早春(SOSHUN)
草の花皆の優しさあなたのせいそしじみえこ
リハビリで草の花見て空見上げ園蜩
吟行きて立ち止まりては草の花空
いつかは日比谷へわたしは草の花それいゆ
夕暮れの橋脚にカビ草の花太閤検地郎
いつからか空き家となりて草の花大ちはる
庭先のぽつんと一つ草の花大督
薬効を静かに秘めて草の花平たか子
プリンカップ一輪挿しに草の花たかこ姫
草の花我が子の得度見届けし高橋基
島っ子やそこらじゅうみな草の花高橋久恵
木漏れ日に草の花あり稚き手田上コウ
他愛なき夢の畔に草の花滝谷朗
停車場の小さきコップに草の花たくじょ
あるじ居ぬ庭野の花咲いた咲いた卓女
愛犬の墓穴に草の花一つ竹内菊香
Googleに名を尋ねけり草の花竹内久雄
球拾ふイチローもゐる草の花武田豹悟
草の花鎌倉御家人夢の跡多胡蘆秋
知らぬ間に百草の花柵越ゆるたすく
気疎しや草花繁き考の庭鶴群
草の花空に憧がれ地の星に橘春容
あの人は元気でいるか草の花田中紺青
道路脇手入れされたる草の花田中洋子
笑いあう白髪の姉妹草の花田中ようちゃん
心細し五時限目の草の花たなべまるこ
炊き出しの列に寄り添う草の花谷卓生
踏みそうになり止まる足草の花谷口あきこ
小さくも負けず輝く草の花谷口美奈子
草の花野より映えしや李朝壺 旅女
名も知らず草の花摘む幼かな玉井令子
草の花「見っけ」が迫るかくれんぼタマゴもたっぷりハムサンド
人住まぬ庭となりたり草の花たむらせつこ
草の花バックダンスの帰路の酒ダンサーU-KI
村を出づ個々に別れの草の花知恵さん
どの草もけっきょくすべて草の花千鳥
とぼとぼと旧街道を草の花ちゃあき
サブ6のランナーの友草の花 長楽健司
畦道のランウェイ立つや草の花塚本隆二
プラ製のカップへワイン草の花月石幸
龍泉洞草の花のみ知る祠つきのひと
草の花たどり万超え万歩計つきのみう
草の花雨粒纏いきらめけり月待小石
匠座す切り株に添う草の花月見里ふく
流れゆく雲のゆるやか草の花柘植雅一
ふらついて腰を下せば草の花つこささ
帰り道朝日に映えて草の花辻ホナ
野の花や風車は海に回転す対馬清波
草の花色々あれど凛として辻本四季鳥
一服の腰の隣に草の花土屋ひこぼし
父逝くや散歩の白い草の花椿律
ペダルより跳ねたる足や草の花弦欧淹
踏まれても形残るや草の花鶴富士
少しだけ連れて帰ろふ草の花寧陪禰
草花も集うよ母の墓前祭手嶋錦流
草の花予選駆け抜け箱根路へ哲山(山田哲也)
偶然×(かける)必然=(は)草の花てつてるよしき
重機去りなお此処に在る草の花徹光よし季
自分には無理と思ひき草の花手毬まりこ
水桶重き墓参の坂に草の花輝由里
薔薇よりも草の花愛で母の庭どいつ薔芭
幼の指ほんのり染まる草の花苳
犬が糞散歩の土手に草の花道見りつこ
鹿罠に至る道々草の花遠峰熊野
いくつもの出逢ひありけり草の花とき坊
草の花地平線の果て赤色徳庵
ゲートルの行軍泥濘草の花どこにでもいる田中
風ゆれて視線いちいち草の花としなり
目立たなく我が人生は草の花戸田静雄
夕散歩犬に連れられ草の花杼けいこ
草の花猫と娘が笑ってるどてかぼちゃん
草の花小さき手のひらから三つ 戸根由紀
草の花今日で三日目朝散歩鳥羽せつこ
白装束刀を添へて草の花とはち李音
人の行く道だけ空けて草の花冨川友香理
胸の児の小さき寝息や草の花戸村友美
テーブルに小ビンに生けし草の花とよ
この店も値上げしてるか草の花鳥田政宗
百均の小さきグラスに草の花とわずがたり
陵を巡りて半里草の花豚々舎休庵
車椅子の犬もはしゃぐや草の花内藤清香
リメイクのシャツでお出かけ草の花内藤未来仁
未だひとつ出来る事増ゆ草の花内藤由子
人生や路肩にて咲く草の花naoki
いつの間にそよそよ香る草の花中川新潟
草の花村の太鼓も響く頃中嶋和久
野の花や咲くのか遠き戦禍の地中嶋京子
裾飾る立ち小便の草の花中島隆
道の辺に踏まれてもなお草の花中嶋緑庵
シニアカー車輪の下の草の花中瀬すみっこ
前を見て僕がいるよと草の花中村こゆき
また其処に咲いていたのか草の花中村あつこ
けもの道君待つピンクの草の花中村ぴとみ
草の花ウクライナにもロシアにも中山由
草叩く傘の子赦す草の花夏雲ブン太
草の花千の喜び匂ひけり夏空なみ
夕暮れの土手にすわれば草の花夏野あおのり
草の花宿る名も無き命たち夏目十貫
夕闇の熾火の照らす草の花七国独楽男
埋められし池に祠と草の花菜々乃あや
ああ母校少子化過疎化くさの花浪速の蟹造
淡々と日々の暮らしを草の花名前のあるネコ
寝不足の目にふわふわと草の花鳴滝いたち
急ぐ道一緒に急ぐ草の花新美妙子
それぞれに愁ひやあらむ草の花西尾至雲
草の花摘んで家路の女の子西尾照常
歴史旅仏閣飾る草の花西谷寿
日活の純愛コンビ草の花西村小市
草の花乱獲されておままごと二重格子
草の花踏みしだかれて杣道やにのまえはじめ
草の花キウスに吹く風はやわし庭野環石
草の花ルージュの伝言スマホからねがみともみ
無音の細雨草の花の淡々ねぎみそ
初舞台子の成長や草の花猫野ふく
子には子のブーケあるらし草の花野中苦泉
裏庭やどんどん喰らう草の花野中泰風
草の花ほほえむ地蔵あい間からののふく
出棺を見送る路傍草の花野原蛍草
草の花佇む先の赤子かな稗島塗小太郎
靴ひもにじゃれて遊ぶは草の花袴田ひかり
東雲やいつもの路地の草の花白咒と蒸しエビ
名も知らぬ草の花ほど根の強しはごろも856
草の花握り幼子図書館に来る橋爪利志美
草の花握って初孫病室へ波止浜てる
ウイルス禍どすこい我は草の花馬笑夫
草の花妙に懐かしクラス会長谷島弘安
草の花探す散歩で一万歩初野文子
庭の墓標ピンクに染める草の花花岡浩美
草の花飾れば虫のシャカシャカと花岡淑子
薙ぐ風に依る雀添う草の花華樹
草の花混ぜて色良く籠の中花弘
通学路母へのみやげ草の花花咲みさき
草の花そよぐ老犬のほほえみ花咲明日香
草花やシャッター街に親子猫はのん
道端に名もなき主張草の花羽馬愚朗
草の花母の教えし名のありてはむこ
草の花認知の母のフラダンス林省造
足もとの小さきそよめき草の花林田リコ
激戦の街にポツリと草の花原島ちび助
草の花一人夜道を歩きけりharu_sumomo
駆け回る吾子とスピッツ草の花晴菜ひろ
草の花ゆれる頭上の老細胞榛名ピグモン
何処へ向く指の曲がりや草の花万里の森
化野の石仏囲む草の花ひーたん@いつき組広ブロ俳句部
青い空猫の絨毯草の花ひーちゃんw
草の花土に抱かれる根の有りて東津村流坊
廃校のブランコ脇に草の花東原桜空
草の花摘みし孫らの咲(ワラ)ふ朝ひぐちいちおう(一応)
雑草とふ草なし千草の花ざかり樋口滑瓢
泣きてなほ種を飛ばすや草の花ひすい風香
天変地異ありてその地の草の花ひな扶美子
草の花しゃがみ込む子の背の丸み向日葵姐@いつき組広ブロ俳句部
草の花踏み間違えて胸痛みひめりんご
幸せの中に寂しき草の花日向守順子
庭の辺に引かず残さむ草の花平井千恵子
噺家の訃報かけぬけ草の花平岡梅
愛らしさ気づき微笑む草の花平岡花泉
強さゆゑ香りは要らじ草の花平野孤舟
投函の足下楚々と草の花平林政子
草の花靴ヒモ締めて登坂平松一
スカイツリー曇天重し草の花川辺和香
草の花撮り送りたき友のいて昼寝
草の花網持つ子らに踏まれおり廣岡好優→俳号:釋愚拙
気取らずにおふくろの味草の花FUFU
握った手右と左に草の花深蒸し茶
風を切る野の花歌うランニング深谷英丸
草の花一輪挿しに収まらず福川敏機
嵩押さえプラごみ奥に草の花福田みやき
屋台車の影に真白の草の花福弓
失恋の似合ふ女よ草の花袋小路綴乃
草の花残し草刈る老農夫藤井弘子
明けぬれば光る玉抱く草の花藤井眞おん
迂回路の道を超え行く草の花藤川鴎叫
窓の外庭いっぱいの草の花藤川哲生
見渡せば風にたなびく草の花藤川雅子
庭掃除抜くか抜かぬか草の花藤田陽太
草の花夫連れ出し朝散歩藤田充子
寝転んだ君の髪から草の花藤永桂月
幸あれかし名もなきひとに草の花布施無門
渡し舟キラキラ揺れて草の花双葉@あさ葉会
愛らしき草の花は私のテーマ布野悠乃
草の花遠回りする帰り道冬野とも
極相の子らよ路傍の草の花ふる雲
草の花レンズ選びの難しさ古澤久良
廃屋の傍で煌めく草の花ヘッドホン
ベランダの鉢植え草の花だらけへなけん
草刈りの跡一輪の草の花ベニヤサン
朝日浴び水やる松に草の花鳳凰美蓮
迂回して草の花愛でて家路行くほうすい
草の花君の足下猫二匹房総たまちゃん
野の花よ我が人生もかくあらん墨純
亡命す野より床まで草の花ほこ
草の花こっそり罠やトゲの種星雅綺羅璃
厚底の吾は魔物なり草の花星詩乃すぴか
厚底の吾は魔物なり草の花星詩乃すぴか
草の花タコとパンダを焼くお店星野はいかい
孫と来て孫のため編む草の花堀籠美雪
失業の届けて明日は草の花凡句楽直
婆となり心あそばす草の花本間美知子
介護へと走る車窓に草の花凡狸子
立ち話復活候草の花茉叶
おやそんなところに咲くの草の花真壁かん
草の花踏みしめ行けば戻る影真喜王
境内に占い二軒草の花牧野冴
太古から変わらぬが良し草の花牧野敏信
草の花ゆるしたくさの放し鶏正岡丹ん
わかれうた元気でいてね草の花雅蔵
チェアリングの香るコーヒー草の花増山銀桜
名も知らず雑草と呼ぶ草の花増田華蓮
またここでゲームオーバー草の花魔星蟲ダークネスライザーI世
見舞客送りし後の草の花またあ
草の花泣くことできぬ子守かなまだらめ
ひっそりと隅で愛嬌草の花松井研
ただいまとひっつき虫と草の花松浦ののふく
悔い多き生を思ほゆ草の花松岡玲子
放棄地の主公と成りぬ草の花松尾祇敲
垣根越し今年八十路の草の花松尾美郷
道端に咲く草の花スマフォ撮り松尾老圃
旅先のここにも咲くや草の花松川梅子
晩学の俳句雑詠草の花ふくじろう
ひと駅を歩き得する草の花松本俊彦
草の花露に映しておもたげに松本牧子
草の花去年の鉢にこぼれ種茉莉花
草の花三毛の親子がつゆはらい招き幸運
駆け落ちはいつか指切り草の花真冬峰
空晴れて草の花蹴り子は走るまほろば菊池
青空に雲ばかり見て草の花まめばと
峠より盆地の底へ草の花まやみこ恭
風の音妹の声草の花瑪麗
草の花見入りひろがる小宇宙真理庵
廃線の踏切り跡の草の花マロ爺
人待ちて足元みれば草の花三浦ユリコ
草の花重なりあいて暖をとる三日月なな子
廃墟なる生家の屋根の草の花三上栞
野の花や笑いさざめく寡婦四たり三島瀬波
Z世代スマホでサクッと草の花MR.KIKYO
散歩道舗装の割れ目草の花水谷豊海
虫日浴び蜜を占有草の花水乃江辰
木漏れ日と照葉の会話草の花光子
草の花はっ!と気がつき手を止める湊 かずゆき
草の花リフトで下る高尾山見屋桜花
送り人のやさしき手と目草の花みやざき白水
アスファルト縁取り続くや草の花宮原みかん
杖ついて草の花摘み子に持たす雅乃珠晃
草の花散歩の列の伸び縮み宮部里美
溝そうじ抜かずに残す草の花美山つぐみ
嫁ぐ子にめでたく寂し草の花宮村寿摩子
轍跡踏まれてもなほ草の花宮村土々
草の花汚れ輝く作業服宮本モンヌ
顔色を伺ふ夜雨に草の花妙
もう一度駆けてごらんよ草の花みわ吉
草の花ハローワークの道すがら霧想衿
草の花うちの花壇に紛れ咲く睦月くらげ
一人旅道に迷ひて草の花むねあかどり
お疲れさん老舗旅館と草の花村先ときの介
置き去りの自転車覆い草の花村のあんず
草の花スマホ翳して知る名かな村松登音
草の花摘みし母への袖土産恵のママ
葺き替へし茅煌々と草の花毛利尚人
けんけんとじゃんけんのこえ草の花萌
馴染みなき駅に降り立つ草の花如芽一時
大姫のお堂の供花や草の花モギナオミ
草の花忘れてしまいたいことも茂木りん
昇る陽をふるえて臨む草の花木曜日
草の花「らんまん」待ちて予習して本山喜喜
草の花愛でて素直な恋を知る樅山楓
普段着の似合ふ娘や草の花もも
草の花さやか君との帰り道ももくりかんきち
還暦も仕事の一日草の花百瀬つきか
変わらぬ朝君の声よ草の花もり葵
特売を待つ列そよぐ草の花森居独人
電子化に古き書ありぬ草の花森海まのわ
あんたにはストレスないか草の花杜若友哉@はなばた俳句会
電話口耳遠し母草の花諸岡萌黄
廃屋をひそと囲みし草の花焼津昌彦庵
正当化にまさる良心道の花八重葉
暖色の絵の具減りけり草の花薬膳容子
草の花踏まれて強しまた起きるやずさん
夜深きビルの明かりは草の花野生の栗
草の花マスクの下に薄き紅痩女
また補欠道路の隅に草の花柳井るい
病室のカーテンぎゅっと草の花柳川耀一郎
登園時道草さそう草の花柳荷無花果
精一杯雑草と生きる草の花やのかよこ
草の花はじめて眼鏡を掛けた日矢橋
茎細く飛んでる如し草の花山口笑骨
生け垣を越えて伸びたる草の花山口香子
草木塔囲むは野辺の草の花山口雀昭
草の花仲良く出入り塞ぎゆく山崎かよ
草の花猫の名呼びてまた泪山育ち
濡れ渡り咲いて幽けき草の花山田季聴
先づ尋ぬ今日の天気を草の花山田啓子
賑やかな句会の火照り草の花山田はち
思い出に心揺さぶる草の花山田文妙
これなあに鼻に押し当てる草の花山野花子
華でなく草の花だと占い師山本康
磨きあげ明日墓仕舞い草の花山本たか祥
会わぬ日も照らしておくれ草の花山本裕之
介入で動く為替や草の花優木ごまヲ
花穂も実もみなないまぜに草の花柚木みゆき
ガーゼ噛む歯茎重きや草の花ユ綺
恐竜も嗅いで食べたか草の花雪井苑生
白じらと競馬場にも草の花雪ノ下青観
こっそりと風と踊るや草の花柚木啓
草の花そろそろカバン下ろすときゆりのゆき
日課ランおはよ!水滴草の花ゆるランナー
除草剤逃れし草の花と居る宵猫
あの人は少女のままね草の花陽花天
下校時は戯れていく草の花陽子
独り居の気ままな日々よ草の花陽光樹
じゃじゃ馬に赤きベベ着せ草の花陽のばぁば
街路樹の隙間にいずる草の花夜香
高速の高架の下や草の花横田信一
草の花手に取る吾子の嬉々として吉哉郎
赤子にはママに名はなし草の花吉川拓真
荒れたるる庭もそれなり草の花好子
動物あいごが夢なの草の花吉田結希
おむすびをほおばる吾子や草の花よした山月
久々の実家を彩る草の花吉田びふう
抜け路の野良猫隠す草の花よしだわさび
お見舞いの花たば子らの草の花吉藤愛里子
草の花そろそろお茶にしませうか吉本百花
母ちゃんの耳たぶキラリ草の花よみちとせ
年かさね目を遣る先は草の花Y・りこ
自己採点束ね持つ手の草の花楽和音
草の花母と私の心理戦らりっく
草の花追っかけ伸びる万歩計麗詩
近道を憚らせたる草の花烈稚詠
草の花ブックカバーと待ち時間煉獄佐保子
通勤も今日を最後の草の花連雀
廃線や足にまつわる草の花蓮風
次つぎと童が過ぐる草の花若林雛げし
頂点をめざして競う草の花わきのっぽ
孫ら皆冠作る草の花海神瑠珂
草の花に呼ばれ小徑に迷いおりわたなべすずしろ
夜の猫丸顔寄せし草の花わたなべいびぃ
「さらば」「さらば」去り行く友へ草の花渡辺香野
オスマンと解体終へて草の花渡辺桃蓮
子を探し惑いて踏まん草の花渡辺ヤスコ
雨上がりしやんと陽を受く草の花渡辺陽子
草の花負けず嫌いの三歳児渡邉わかな
愛犬を彩る草の花たちよ和の光子
※今月の入選作品の発表で、12月12日まで多くの作品が掲載されていませんでした。お詫びいたします。
- 夏井いつき先生からの一言アドバイス
-
●俳号のお願い二つ
①似たような俳号を使う人が増えています。
俳号は、自分の作品をマーキングするための印でもあります。ありがちな名、似たような名での投句が増え、混乱が生じています。せめて、俳号に名字をつけていただけると有り難く。共に気持ちよく学ぶための小さな心遣いです。
②同一人物が複数の俳号を使って投句するのは、堅くご遠慮下さい。
「いろんな俳号でいっぱい出せば、どれか紹介されるだろう」という考え方は、俳句には馴染みません。丁寧にコツコツと学んでまいりましょう。
皆で気持ちよく、この広場にて共に学び楽しめますよう、俳号の付け方にご留意ください。
●俳句の正しい表記とは?
- 風に酔う 揺れ散りながら 草の花宗月
「五七五の間を空けないで、一行に書く」のが、俳句の正しい表記です。まずは、ここから学んでいきましょう♪
●文字化け…
- ?りつけ風の淋しき草の花あらら
- ?泣きは今日でやめます草の花獅子蕩児
投句サイトにおける文字化けは、ちょっと不可抗力な……残念。
●兼題とは
- 義弟さま過度な援助で五十肩あまのじゃく
- 失恋の秋空いた右手に缶コーヒー王様先輩
- 花野行く好きも嫌いもある人と白玉みぞれ
- 落ちてこい小さな手と母新松子鈴木麻奈
- ちよつとしたパーティーのあり猫ぢやらし吉村おもち
- 雪だるま溶けて盧生の夢枕よっしー
本俳句サイトでは兼題が出題されています。今回は季語「草の花」での募集でした。次回兼題を確認して、再度挑戦して下さい。
- 君と見た名知らぬ花や手のぬくみいずみ節子
「草の花」をイメージして作った句だとは思いますが、「草の花」という季語をしっかりと入れる必要があります。
●季重なり
- 草の花ついばむ蝶やいとほしき藤川カモメ
一句に複数の季語が入ることを「季重なり」といいます。季重なりはタブーではなく、高度なテクニック。季重なりの秀句名句も存在しますが、手練れのウルトラ技だと思って下さい。まずは「一句一季語」からコツコツ練習していきましょう。
- 草も花抜くなと姉に百舌鳥の声乙姫雪
上五の「も」は、「の」の入力ミスでしょうか。季重なりの匂いがプンプンしています(苦笑)。
- 生まれすぐ立つ馬の仔や草の花松田慶一
「仔馬」「馬の仔」は春の季語です。
- 懸垂のコブの爽やか草の花和光
「懸垂のコブ」と「草の花」の取合わせはよいと思います。ただ、「爽やか」が秋の季語なので、そこが勿体ないですね。
- 野の花のあわひの蛇の匂ふかな片山蒼心
佳い感覚の句だと思います。が、この発想を活かすとすれば、主たる季語を「蛇」として推敲したほうが、より良い句になりそうです。
●季語深耕
- 木の枝につる草の実の首飾り飯田むつみ
- 近路の水田の畦芹の花河上輝久
- 忍び逢ふブーケ湖畔の秋の花抹茶子
「草の実」「芹の花」「秋の花」などは、季語「草の花」とは、違う季語です。
- 祖父逝きぬ千草の花の芽吹くころ齊藤巻繊
「千草の花」は「草の花」の傍題ですが、下五「芽吹く」となると、ここで季節感に狂いが生じます。「芽吹く」は春の季語です。
- 母のため野花摘む子の爪に土高石たく
- 「草の花」読んで野花の小さき知る樹魔瑠
- 仏壇に孫が供える野花かな佐竹草流
「草の花」の五音が入らなったから、「野花」三音としたのでしょうか。どこかのネット歳時記に、こんな傍題があったのでしょうか。音数調整ができないからといって、安易に傍題(らしきもの?)に頼るのではなく、「草の花」をきちんと入れるためにはどうすればよいか。その工夫に力を注いでみましょう。それこそが、俳筋力のトレーニングです。
例えば、一句目であれば……- 【添削例】 子の爪に土母へ摘む草の花
「子の爪に土/母へ摘む草の花」斜め線のところに意味の切れ目があります。こうすれば、作者の伝えたいことはそのまま伝わりつつ、「草の花」も生きますね。
俳句は、言葉のパズル。さまざまなアプローチを学んでまいりましょう。
■悩ましい句たち
- ハナノハも首をかしげる草の花ガラクタケータイ
この上五は、花判定アプリ「ハナノナ」の入力ミスでしょうか?地方によっては樒を「ハナノハ」とも呼ぶようですが……。
- 草の花は老杉と実のない話三尺玉子
草の花が杉と話をしている? という意味でしょうか。そのあたりが、ちょっと読み切れなくて……。
- ごんぎつね悪戯す日の草の花清水三雲
中七「悪戯す」は、「日」に接続するのではないかと思うのですが、「悪戯す」が終止形で切れてしまってます。
「悪戯する日の」とするか、音数調整して「悪さする日の」とするか。そのあたりを推敲してみましょう。
お待たせしました!10月の兼題「草の花」の結果発表でございます。今月も夏井先生からの「今月のアドバイス」は必見です。特定の花ではなく総称にも、季語の分類はあるんですね。12月の兼題「十二月」もふるってご応募ください。
ここでお知らせです。毎月、「天」「地」に入選された方には入選のお知らせメールをお送りし、賞典の宛名などをおたずねしていますが、まだお返事いただけていない方がいらっしゃいます。お心当たりのある方は、お手数ですが toukou@cataloghouse.co.jp までご連絡いただければ幸いです(編集部より)。
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