夏井先生のプロフィール
夏井いつき◎1957年(昭和32年)生まれ。
中学校国語教諭を経て、俳人へ転身。俳句集団「いつき組」組長。
2015年初代「俳都松山大使」に就任。『夏井いつきの超カンタン!俳句塾』(世界文化社)等著書多数。
7月の審査結果発表
兼題「水着」
「天」「地」「人」「佳作」それぞれの入選作品を発表します。
沈船の島へ水着とフィン詰めて
清仁
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夏井いつき先生より
夏の季語「水着」ですから、明るくてワクワクするような句を選びたいと、選句のキャッチャーミットを構えていたのですが、案外その手の句が少なかったのは予想外でした。
掲出句は、まだ水着を身に着けていませんが、「沈船の島へ」という措辞にワクワク感があります。噂の海賊船でしょうか、戦闘で撃沈された戦艦の類いかもしれません。「沈船」と共に沈んだ秘宝があるのでしょうか、熱帯魚が魚礁としている美しい光景に惹かれての旅かもしれませんね。使い慣れた「水着」と「フィン」を詰めつつ、旅の計画に心が逸ります。
助詞「へ」の効果、下五を「~て」と言い切らない形にしている点など、こまかな押さえも的確に判断されている作品です。
言ったよなスクール水着で来いってよ
あたなごっち
例えば、バスケット部の合同合宿。女子部顧問の先生の台詞に違いない、と読みました。「スクール水着」という単語を、ここまで効果的に使ってくれるとは、実に痛快です! 口語の効果を十二分に発揮させている一句でもあります。
真つ赤な水着去つてぬれてゐる椅子
剣橋こじ
この句の工夫は、すでに居なくなっている「真つ赤な水着」の存在を「ぬれてゐる椅子」の映像だけで生々しく表現している点です。プールサイドの寝椅子の類いを想像しました。青いプールの眩しい反射までもが見えてくるかのよう。
ふやけたる四肢抜く狭き水着から
樫の木
脱ぐ様子に焦点を絞った句も多数ありましたが、ここまで描写に徹している点を大いに褒めたい作品です。長く泳いで「ふやけたる四肢」、それを引き抜く皮膚感。「狭き水着から」という感触を読者である私たちもありありと共有させられます。
昼を食ふ職員室の吾は水着
栗田すずさん
中学か高校の体育の先生を思いました。二限目あたりから一日中ずっと水泳の授業なのです。着たり脱いだりはめんどくさい。バスタオルかなんかを敷いて、そのまま「昼を食ふ」という学校アルアルを活写しました。
水着干す保育士空気抜く所長
ちょうさん
朝からビニールプールを準備し、日向水を作っての水遊びの日。さんざん遊んだ子供たちは、今はお昼寝の時間でしょうか。「保育士」さんたちはそれぞれの水着を干し、「所長」は片付けを始める。夏のある日の保育所の一点景です。
鰐の口出るやうにして水着脱ぐ森葉豆
水着干す子のをいちばん日に当てて山本先生
水着脱ぐ金星みづみづしきひかりRUSTY=HISOKA
祖母の水着か河童の脱いだ皮かあまぶー
これはまあ母には見せられぬ水着伊藤亜美子
この水着ならば攻撃力はある磐田小
ハネムーンダサい水着の奴とゐる卯之町空
水着のまま叱られてゐる男子かな可笑式
水着は着たくない保健室はしづかおかだ卯月
海の子のひとつきは水着とTシャツ花鳥風猫
引けど引けど水着は尻に食ひ込みぬ津々うらら
夕浜や黒い水着が死んでいる中岡秀次
水吸うて自分のものとなる水着宮武濱女
なまぬるき水脱ぐごとく脱ぐ水着津島野イリス
生気なきみづ剥ぐやうに水着脱ぐ平本魚水
抜け殻の水着夜風の学生寮苫野とまや
抜け殻の水着夜風に生き返るユリノイロ
抜け殻になつた水着の裏返り河上摩子
水着すすぐや抜け殻となるを干す井原昇
脱ぐときに海の重さを知る水着田村ヒロミ
水着脱ぐずくりと海の重みかな岸来夢
あがりきて海の重さの水着かな菫久
海出でて水の重さの水着かないくたドロップ
コンビニへ水着の尻に白き砂清水祥月
焼きそばの列の水着の尻の砂坂野ひでこ
脱皮するやうにずるりと脱ぐ水着川越羽流
水着脱ぐ龍が脱皮をするごとくどくだみ茶
幼子の水着の脱皮ぴっかぴか宵猫
砂に足あと水着へと脱皮する海野青
水着着て大泣きの子が座り込みEarlyBird
ボール追ふ臍にピアスの水着かな愛燦燦
コンクリざらざら水着履く蹠青井えのこ
紺褪せることなく六年の水着青居舞
水着様々取り揃へて妻は一人蒼空蒼子
夕日また刻を呑み込み水着干す青田奈央
南国の花咲く水着またしまうあおのめ
全身空腹ぐしょりと濡れた水着青花潜
カットアウトの脇腹白し海水着赤尾双葉
濡れてなほ濡らして洗ふ水着かな赤富士マニア
コンビニを駆けるふたりの水着の子赤馬福助
三級に上がれぬ吾子の水着干すあかり
水着もう持つて行かない再従兄弟ん家赤尾実果
休憩のベルに逆らふ水着かな愛柑
籠の底うんとフリルの水着かな空地ヶ有
ビキニの子前の水着の跡真白秋月あさひ
三つ編みのしたたり終はるまで水着秋野しら露
顔伏せる水着のクラスメイト来る秋星子
水着姿おどけて決めるサイドチェストアクエリアスの水
うちふるう水着水滴みずみずし芥川春骨
少しだけ重き水着や帰路のバスあくび指南
水着なぞもう買わないと思ってた淺井翠
あのときの海砂水着の裾から朝雲列
またパンツ忘れ水着の男子らは朝月沙都子
立ち席は水着水着ぞ山陰線あさのとびら
びりなればゆるり水かく水着かな浅乃み雪
水着の子小さき波にのまれけり朝日雫
高三ぞ水着は太陽色とする芦幸
あの時の水着と瓶の星の砂あじさい卓
海眩し幼馴染の水着かな葦屋蛙城
夕映えの国道水着の子ら渡る飛鳥井薫
絵日記に描きし水着や極彩色あすなろの邦
太陽の死角に隠くる水着かな阿曽遊有
水着干す海の記憶を陽に晒す藍創千悠子
逃げちやおうか紺の水着は窮屈だ足立智美
縫い直す水着の名札明日は晴れ我孫子もふもふ
ゆふぐれの軒に水着のみづにほふ天風月日
水着五着小さい順に干されをりあまぐり
ドロップスぶちまけたよな水着かな天鳥そら
少年の視線の先の水着かなあみま
水着でけんけん潮騒鳴る鼓膜雨乙女
水着干す内ポケットの砂ひとつ雨霧彦(木ノ芽)
江の島の匂ひのついた海水着彩香
ほの昏く水着のままに入る厠綾竹あんどれ
宿題を残したままに水着着て綾竹ろびん
この先は着ることも無き水着かなあややD.C
思いっ切り水着は走る高気圧荒木響
その子二十歳ビキニ水着の隠岐の島荒木ゆうな
二の腕と腿覆ふ緋の海水着有村自懐
イヴのごと胸反らせたる水着かなアロイジオ
じわじわと肌に馴染んでゆく水着淡湖千優
恋ひとつ弔ひ水着仕舞ひけりアンサトウ
相席の水着の女うどん食ぶ安春
水着の衣嚢湿りし千円札飯塚煮込
水着咲き誇る大洗に浮かぶ飯村ヤーキン
大盥ぎうぎう詰めの紺水着飯村祐知子
友はみな水着の中の満ちてをりいかちゃん
よろこびの手足伸びたる水着かな郁松松ちゃん
おへそ見えてる水着ならもう平気池田悦子
水着の子ひかりのなかを駆けてゆく池田炭
夕暮れの芯は寂しや水着脱ぐイサク
背の痣の見ゆるスクール水着かな伊沢華純
ヒジャブの瞳極彩色の水着石垣ようせい
羽田着水着の跡の痛痒し石川巴里
バス旅行持ち物欄に「水着」あり石田ひつじ雲
意図的に忘るるものに水着かな石塚碧葉
水着の子水の浮力てふ自由石塚彩楓
夕日眺む水着のままの老夫婦石堂多分
青春や映画館とか水着とか石原しょう
初水着なれぬ手足の置きどころ石原花野
笑い声出揃う紺の水着かな石原由女
最長記録八メートルの紺水着石村香代子
昭和とはしぼる水着の塩素の香泉晶子
水着ぬぎホントの体とり戻す遺跡納期
一等星の阿吽のあはひ水着干す石上あまね
告白をするまで水着濡らすまで板柿せっか
水着干すロープをほどく船着場いたまき芯
見張り役妹の水着の試着室いちご一会
肩あたりたるむスクール水着の子無花果邪無
水着きらきら肉体の躍動すいつかある日
まどろみに軒の水着の塩素臭一秋子
腹筋の休む暇なき海水着一愼
部屋干しの水着眩し不登校一杯狸
海水着影も一緒に干されけり伊藤映雪
華やかやケロイド隠したる水着伊藤恵美
家近し水着のままに行く帰る伊藤正規
板蹴つて青の水着の一直線伊藤柚良
貼りついた水着肌より肌のよう糸川ラッコ
太陽も水着も燃ゆるストーリーいとへん製作所
自己ベスト担ぐ縁起の古水着伊ナイトあさか
また着せるまだ濡れてゐる水着かな稲畑とりこ
皺くちゃの絞った跡の海水着いなほせどり
うつ伏せの水着食い込む肌赤し井納蒼求
マネキンの虚ろな手足水着買う妹のりこ
まわる水に追う星条旗の水着伊予素数
水着は正装きりりと飛び込み台いわさちかこ
まだ白き手足伸びやか紺水着岩清水彩香
断捨離の妻の水着に見惚れたり岩田勇
地平線余白に群れている水着イワンモ
どうやつてどこから着しや汝の水着植木彩由
この水着なら三ヶ月頑張れる上野眞理
金盥へスクール水着放ちけり上原淳子
ひかえめな水着のうえに羽織る海上原スマヲ
新しき水着に滲みる海の碧上原まり
潮の香を絞り残して水着かな鵜飼ままり
たとへば赤い水着とか嫉妬とかうからうから
水着買うスクール水着じゃない水着宇佐美好子
カツカレーぬるきしづくの水着かなうすい木蓮
蹴伸びしたまま半コースゆく水着うた歌妙
黄昏のリュック水着の重さかな宇野翔月
海鳴りに軒下水着揺れており海口竿富
朝市や濡れた水着で選る果実うみのすな
ワイキキの燈火水着のまま散歩梅里和代
身につけぬままが美しわが水着梅朶こいぬ
五十歳水着のゴムが朽ちている梅野めい
恋などの欠片もありはせぬ水着うめやえのきだけ
水着の子背中の小さき羽光る江川月丸
あのケバい水着はA組の山田江口朔太郎
蹴り出して水着の描く放物線蝦夷やなぎ
気休めに水着加える旅支度越冬こあら@QLD句会
水着干すぽぽぽと戻る水の味絵十
傍目には留まることなき水着捨つ江戸きりこ
大正の水着が妙に新しい朶美子
迷ひ迷ひやはり水着を旅鞄えりべり
水着買ふ着る予定無き試着かな円美々
水中へざんぶ水着の丁度良し旺上林加
緩やかな入水スロープ水着の子近江菫花
我が身より剥がれし水着の重きことおおい芙南
処理水といふもの水着重たくす大岩摩利
父の見ぬように干したる水着かな大久保加州
乙女子の水着の紐の頼りなし大竹八重子
水垂れる水着に水の多すぎる太田怒忘
子が海を知るために買う水着かな大津美
髪しぼり輪からはずれる水着の子大野美波
水着干す砂と思い出落ちていく大家港一
とびきりの水着見せ合ふバスの中大和田美信
吊るされし明日は歸りの水着かも岡崎佐紅
太陽がいっぱい水着がいっぱい岡崎未知
夕波の立ちて水着の砂はたく岡田瑛琳
光り合ひじやれ合つてをり水着の子岡山小鞠
塩ラーメン水着の列へ加はりぬ小川さゆみ
水着選びから始まる旅支度小川しめじ
皮を剥ぐやうにくるくる水着脱ぐ小川天鵲
制服を脱げば水着のあらはるる小川野雪兎
水着干すフリルの波の陰に砂小川都
山からの真水にすすぐ海水着おきいふ
いくつもの海辺を知つてゐる水着オキザリス
去年の水着今年のサドルカバー沖庭乃剛也
諦めるために水着を試着する沖らくだ@QLD句会
花柄の水着戦争のあった国荻原湧
潮湯治白き水着を母に着せ小倉あんこ
毛玉チョロチョロスクール水着臀部おこそとの
先生の水着離さぬ園児かな小島やよひ
子を寝かせ大三角に吊る水着遅狐
水泳部ひとり蛍光水着かな小田毬藻
背を向けて水着の胸の水逃がすおだむべ
水着しぼるコンクリの染みすぐ乾く越智空子
手洗いの水着の重い留学生おでめ
甦る水着のジャンヌよ瑠璃の海御成山
たこ焼きのソース水着を避け腿へおぼろ月
相撲部は下がりの横に水着干す香依蒼
肩紐の違ふ水着の跡ありぬ火炎幸彦
合宿のまだ湿ってる水着着る加賀くちこ
肩幅が父思わせる水泳帽案山子@いつき組広ブロ俳句部
お揃いの時代遅れの水着干し風花美絵
海水着元気と痣は生まれつき風早杏
子の抜けし水着くったり桶のなかかしくらゆう
水着ぬぐ沖ゆく船を眺めをりかじまとしこ
思春期やメビウスの輪のごと水着華胥醒子
とりあえず着てみた水着熟睡せるKAZU
真っ白きゼッケン眩し紺水着風薫子
おずおずと水着半分濡らしたり片岡明
砂まみれ光まみれの水着の児加田紗智
振り返るスクール水着じゃない水着かつたろー。
はや二人海の一部となる水着ひだまりえりか
逆三に小さき水着のをとこたち桂子涼子
性格が紺の水着をはみだして桂もふもふ
水着干す錆びた室外機の真上かときち
乃父には下着に見ゆる水着かな仮名鶫
着る着ぬはさておく水着選びかなかねつき走流
干されたる水着に夜の通りたる加能雅臣
水着脱ぎ海の匂ひを連れ帰る花星壱和
水着きて波打ち際を濡れぬやう釜眞手打ち蕎麦
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色白のいたたまれない海水着紙谷杳子
水着忘れたコーヒー牛乳まずい亀子てん
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子宮失き体ぽつかり浮く水着久留里61
波越しに緋色水着は沖見やる黒田良@しろい
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青空に太陽の塔初水着くんちんさま
吾は海に囚わる水着何処かなけーい〇
抱えられ夕暮れを蹴る水着の子月下檸檬
星かなし水着をひとつ干したればげばげば
宮古ブルー乾かぬ水着つける夕謙久
マスクより小さき水着や心ぼそケンG
零れそな花柄模様水着買ふケント
湘南の無敵ヒョウ柄の水着小池令香
湾曲を見せる水着の縞模様紅紫あやめ
水着にはさっきの海が残りおり柑たちばな
従姉妹らも水着持ち来る七回忌幸田梓弓
合宿所串刺すやうに水着干す宏楽
黒潮を両手に水着まず濡らすごーくん
閑さや水着は線となり落つる郡山の白圭
生温き死を産むやうに水着脱ぐ古賀
水着干す雫に海のかけらあり古烏さや
東京に豪雨の予報水着抱くココヨシ
駄菓子屋や当たり棒持つ水着の子小笹いのり
重力に水着の浮力いとけなし小杉泰文
うち寄せて水着は砂を纏ひけり小園夢子
水泳部と同じ水着のはずだけど木染湧水
お下がりの水着や鼻の奥痛しこてぬぐい
水着直す指の描く曲線を追う粉山
競泳水着特攻兵の如く入る小林脱太郎
低気圧赤の海パン仁王立ち木挽町豆奴
試着した水着と不意に鉢合わせ小町波彦
女むんずと水着へ乳房押し込めり駒村タクト
水着脱ぎ君の自由は漂えり小望月あうる
ブラジルのリズムに水着弾みおり小山晃
海用の水着を持たぬ水泳部GONZA
岩陰にひそむ水着のまくれなゐ彩汀
日本海吸ひし水着を持ち帰る齋藤桃杏
ぬけがらの水着明日から新職場さかえ八八六
廃校に水着干されて山の雨榊昭広
気だるげに水着脱ぎ隅に蹴るだけ坂島魁文
濯ぐほど雲母しゃらしゃら子の水着坂まきか
水着の子走り回るに部屋狭し坂本雪桃
きゅいと鳴る水着ゴムボートに寝ればさくさく作物
水着愛でし往年の真っ只中さくら亜紀女
一枚の海くしゃくしゃにする水着桜鯛みわ
水着出す着るか着まいか着まいか着るか桜姫5
ひとりだけ可愛い水着着てアノコさくら悠日
壁なんてないように跳ぶ水着の子佐々木ヨウジ
思い出は気化して水着夜に眠るさざれいし
二の腕に日差し刺さるや海水着砂月みれい
新調の水着眺めて松葉杖薩摩じったくい
ガードレールに水着干さないでください佐藤茂之
かへりみる水着濡らさぬ母の浜佐藤儒艮
水洗いOKとある水着かなさとう昌石
誘惑を色にするならこの水着さとう隆明
足浸す冷たさ水着の立ち往生里海太郎
水着からはみ出しさうな好奇心佐藤ゆま(歯科衛生子改め)
洗濯ばさみから伸びきつてゐる水着佐藤レアレア
「いぢわる」を明かく象る水着かな錆田水遊
やゝ派手な水着や夫と海へ行くさふじわよ
豹柄の水着の女性歯科医らしさぶり
めじるしは青い水着とだけそつとさむしん
児はまるで着せ替え人形水着干すさやじゅん
跪き水着を濡らす試合前紗羅ささら
軒先や水着の子らに肉を焼く紗藍愛
海岸へ水着放出太平洋沢井如伽
海に入らない方の水着だと云ふ沢拓庵◎いつき組カーリング部
ぱっと着てぱぁぁと見せてこそ水着澤田紫
派手なんていいのよ水着なんだから三月兎
日に何度水着洗濯する元気三休
干涸らびし水着を水へ生き返る三尺玉子
水着の吾海風受けて帆となりぬ塩原香子
忘らるる水着回転寿司の床鹿澄
根性のぬけがらとして脱ぐ水着四條たんし
オーバーヒート水着のままでJAFを待つ信濃のあっくん
モルジブの夜明け水着は生乾き篠雪
水着着る医ケア児の下肢ゆらりゆらり芝歩愛美
まだ残る水の気怠さ水着干す渋谷晶
太陽よ水着になれば解放区しぼりはf22
夜の水着はなてば海の形なる島田あんず
弟は海に水着を脱ぎたがる清水縞午
離れては母の水着の朱を探す清水三雲
鑑よ鑑吾の水着におどおどす清水容子
三男の水着はヒーロー色褪せて霜月シナ
手術痕隠す水着の花もよう霜月ふう
水着干し太平洋の滴れり下村修
水着てふ鱗の記憶みづを欲るじゃすみん
飛び込めばするり鱗になる水着沙那夏
濃紺の水着ひとりだけの補講砂楽梨
昼下がり水着だらんと生あくび滋庵風
空青しもう使わない水着干す樹海ソース
放逐のエデンの園や水着着るシュリ
水着着てみて文鳥を驚かす順之介@QLD句会
一斉に蹴伸びの子らや海水帽じょいふるとしちゃん
水着絞るじゆわんと海があふれ出す常幸龍BCAD
色選ぶ露店に風と水着の客白井佐登志
白水着伯母は人魚を食うた人白沢ポピー
オロロンを駆けるタンデム海水着四郎高綱
まだ無垢な水着が海の香を知る日白よだか
水着の子走る旅館の廊下かなジン・ケンジ
太陽の角切り貼って水着来る新城典午
これはほら清水の舞台の水着水蜜桃
想ひ出がヒリつく肩の水着跡杉岡ライカ
お互ひに御披露目となる水着かな杉尾芭蕉
半べその赤い水着の迷子かな杉田梅香
ぬうるりと水着の胸に這入る海鈴木由紀子
川藻ごと絞る水着よゆふまぐれ鈴白菜実
夜の駐車場水着絞りし黙鈴野蒼爽
生贄のごとく水着を干しにけり主藤充子
若さとは水着を花にするといふ砂山恵子
水着から昨日の海を絞り出すすりいぴい
水着脱ぐ滴る水の生温し瀬戸ティーダ
水着紐固しひとりの更衣室爽々
水着着て地球の一角撹拌す惣兵衛
太陽を吸うて重たき水着かな草夕感じ
ひと駅を水着ぽたぽた日本海そうり
砂の城聳ゆ我だけ黒き水着空豆魚
ガジュマルに水着干されてゐる夕べぞんぬ
あれはクレオパトラの水着ではないかたーとるQ
にわか雨美し制服の下水着だがし菓子
管を巻くやうに水着の脱ぎにくく高田祥聖
大臀筋まろくつくなり水着の子たかはし千百
筋肉に装着をしてゆく水着高橋寅次
たゆたひて海へととろけゆく水着たかみたかみ・いつき組広ブロ俳句部
膝の砂きれいにつきぬ水着の子高山佳風
除喪前夜揃ひの水着浮かれをり滝上珠加
水着干す山国大海の砂粒滝川橋
水難救助員水着は龍柄たきるか
もう水着着てをり西武新宿線多喰身・デラックス
波ひとつ切り取るやうに水着の子竹田むべ
水着着て母どこもかも柔らかし太之方もり子
指ふやけ水着の重さ絞りたるたすく
赤、青の後泣きながら黄の水着多数野麻仁男
水着つけ相似形なる夫よ子よただ地蔵
浜焼きに並ぶ水着の同じ色糺ノ森柊
水着にて太平洋の一滴に多々良海月
黒水着脱いで私は海になるだっく
平らなる水面砕きて水着の子立田鯊夢・いつき組広ブロ俳句部
水着買ふ友と揃ひのSとL田中みどり
水着で泣く子波も怖い犬も怖い谷本真理子
息継ぎの補習つまらぬ水着きて玉家屋
水着きる羽も鱗もはやさづに玉木たまね
水着干す生きてる臭さ落としてるたまのねこ
鋭角の水着の胴に豹の貌玉響雷子
一塊のぼろ切れのやう水着干す田村利平
水着にTシャツ一串のはんぺん鱈瑞々
シャツは脱がない水着なら着てるけど千夏乃ありあり
セイバーの筋骨透ける水着かなちくりん
私だけちがう水着の転校生千歳みち乃
腰骨へ水着ズシンと夜勤明け千代之人
ダム造る砂塗れなる水着かなつーじい
ウォータースライダー水着の臀薄し月岡方円
泣いた子の水着へなへな軒に揺れ槻島雫
水着にて離婚いきなり告げらるる月城龍二
夜毎干す水着や補習明日終る月待小石
水着また水着の跡に重なりぬつくばよはく
落日に砂落ちてゆく水着かなつくも果音
心が干からびる前に水着買う辻瑛炎
車窓から海服の下は水着辻ホナ
売れ残る昭和のような水着かなつちや郷里
波ついに水着まで来てなほ眠るツナ好
あの星に流行る水着の干されけり椿泰文
水着からみづ滴らせ肉を焼く坪田恭壱
水着に填め込んだ心透けている鶴富士
ケロイドに食い込む紺碧の水着丁鼻トゥエルブ
脱け殻を繕い纏うごと水着徹光よし季
青だけが小さきクレヨン水着干すてつねこ
水着とは云へぬ水着のへばりつく寺尾当卯
水着脱ぐ何か出そうな更衣室電柱
耳の水なかなか抜けぬ水着の子でんでん琴女
疲れ切り地球の皮となる水着天童光宏
乾かぬままの水着トゥクトゥクへ風天陽ゆう
人間の祖先は魚水着着る土井あくび
黄色の水着太平洋の出口はここどいつ薔芭
水着着て源流辿る少年ぞときめき人
つまみあげ水着とわかる紺のもの常磐はぜ
脱け殻の水着戦争は止めませう徳庵
水着は忘れない吾子は反抗期Dr.でぶ
悪しきこと流して軽き水着かな戸口のふつこ
様々に罪隠したる水着かなどすこい早川
夕暮れの枝に絡まる水着かな十津川ポロ
号砲に跳び水着まだ横一線となりの天然水
駆くる児をママの水着のゆつさゆさとはち李音
透明のバッグに水着夕陽影斗三木童
脱衣場に水着取り残されて夜富野香衣
真っ青な空の造りし水着かな登盛満
色違ひの水着隣の試着室友@雪割豆
生物学実習水着要るなんて富山の露玉
海水着滴る水の疲労感とよ
たこ焼きを食って水着の乾きかな鳥田政宗
星を見る物干し脇に干す水着豚々舎休庵
レンタルの水着に妻を任せけり内藤羊皐
監視役仰せつかりて古水着なおじい
腕の良き盲腸痕や海水着中原柊ニ
太陽の惑星となる水着の子仲操
水着干す何かのかけらまたかけら中村すじこ
抵抗の低い水着の筈ですが梨山碧
恋は直線、愛は曲線水着かな夏風かをる
江ノ島の海を滴らせる水着夏草はむ
お母さん朝には水着乾くんよね夏雲ブン太
六秒も記録更新水着の子ななかまど
しがみついてた水着が水を出ぬと云ふ七瀬ゆきこ
絞った手開けばふわり出る水着名計宗幸
おさがりの水着肩紐ゆるみたるなびい
手と足と魂ふやけ水着干す奈良素数
水着詰め明日のテストを憂う夜南全星びぼ
着納めを伸ばし伸ばしの水着かな西尾至雲
砂に寝て紐の水着に導火線西川由野
ずるいわね少しずらして紐水着西こでまり
水着美し椎間板ヘルニア西田月旦
前席のブラウス越しの水着かな西村小市
なまぬるい海を手に持つ水着かな二重格子
山間の水着の駐車場係二十八
オイル塗る水着の紐を持ちあげてにゃん
水よりも重き水着を絞りけり仁和田永
広ぐれば黒き砂吐く海水着庭野環石
水着脱ぐだめなをとこを捨つるごと暖井むゆき
黒髪の雫したたる水着かな布村柚子
車高短に干され水着の交みをり沼野大統領
私をうけいれぬのかこの水着猫ふぐ
とりどりの水着許せしけふの海猫またぎ早弓
水色の水着あたしも水になるねこむらさきご
そそのかす水着奔放な重力野口雅也
目の前にビキニの水着来る真っ赤埜水
水着きる彼女大人の線になる野瀬博興
臍下の傷を水着にまた噛まれノセミコ
冷えし身を焼けたる椅子に水着ごと白雨
撥水のホクロ透けたる水着かな白山一花
引き出しに戻す薔薇色の水着橋爪利志美
水着の娘天狗現れそうな空橋本有太津
原色の水着を重き裁鋏橋本こはく
桃源郷のやうに水着売られをり蓮井理久
大の字や水着のぶら下がる仏間長谷川水素
水泳帽小癪な髪の自己主張長谷機械児
波音を数えて帰る水着かな畑美穂
水着からぽたぽた波の余韻落つ葉月けゐ
干からびたするめのごとき水着かなはっしー
おそるおそる水着へ足を踏み入れる八田昌代
うたた寝の水着にさなぎめく少女羽奈あかり
砂浜へ海こぼしつつ水着の子花南天あん
ぬるき湯にすすぐ水着のさくら色花はな
姉たちの水着を親父知つちよつか?はなぶさあきら
水着の子波の尻尾をつかまえて花見鳥
恋終わりお釣りのやうに干す水着花和音
護送車を横目に水着談笑す葉村直
甲斐蒼し紺の水着の似合ふ国林省造
夕風をサドル濡らして水着行く原水仙
アンカーの水着は翼みづを裂く巴里乃嬬
救急へ水着のままに運ばるる春あおい
アスファルト水着の水はすぐに消えharu_sumomo
かはせみになりきり飛込の水着晴田そわか
水着絞れば雨のにほひの更衣室春野ぷりん
海昏て水着を捨てて恋を捨て春海のたり
本当は水の嫌ひな水着かなはれまふよう
水着のままこれ見よがしにテラス席パンドラみかん
八哩水着江田島風物詩HNKAGA
濡れ満ちて水着淋しき色となりピアニシモ
水着洗う魔法のとけた砂さらり東田一鮎
ミサイルを発射しさうな水着かな樋口滑瓢
腰タトゥー見せんがための水着かな美竹花蘭
いやじゃないけどトレンドじゃない水着ひでやん
きみの背に水着の紐の紅い蝶日向こるり
この水着着るとしゃっくりやむらしいひなたのふくたろう
水着で隠せるくらいの羞恥心ひなた和佳
水着着る意味ないじゃない目立たなきゃひな扶美子
水着より離れミザントロープ座す比々き
水に入り吾になじみくる水着かなヒマラヤ杉
カップ麺すする水着の濡れしまま平井由里子
ぐっしょりと重き水着のほの温し平野芍薬
惜別の如く張り付く水着かな平山仄海
両肩の水着の跡やほの眩し廣重
ねぢるねぢるみづ終はりなき水着かな広島じょーかーず
姿見や水着に我を試されて広瀬康
水着剥きぷるると爆ぜる圧縮体広野光
さゞめきて水着よ隠せ胸の鐘広ブロ&新蕎麦・摂田屋酵道
水着跡過激に残し銭湯へ琵琶湖亀
詞華のごと統ぶる水着となりしかな風慈音
あの七海が黒の紐パン水着だと深町宏
サメ映画で喰われてそうな水着の娘ふくじん
号令に後れ半乾きの水着福田みやき
競泳の水着涙を明日を蹴る福ネコ
教員試験俺は競泳水着福間薄緑
女王の水着は肉を収めけり福良ちどり
月光の重力水の水着よりふじこ
水着替ふ波止場の隅のひとところ藤咲大地
波音を胎児に捧ぐ水着かな藤里玲咲
腥く重たき水着押し込みぬ藤白真語
来年はもう着ないかも水着干す藤原涼
円周率数え彼女の水着見る伏見レッサーレッサー
ランドセル忘れる忘れない水着ふにふにヤンマー
二枚とも尻破けてる水着干すふみづきちやこ
つま先にひろふ脱け殻めく水着冬島直
去年より五センチ上の水着あとぶるーふぉっくす
水着にて走る砂浜いま狭し古澤久良
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水着干す砂の混じった空の皿古道具
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真水吸ふ水着の痩せてゐるやうなもりさわ
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白沙散り星座となるや紺水着有野安津
厳正に選び水着の試着室宥光
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朝練の水着もいちど着る真昼湯屋ゆうや
倦怠を水着に包む昼下がり緩木あんず
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朝の湖波紋の核となる水着横山雑煮
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濯ぐほど砂粒出だす水着かな楽和音
飛び込めば忽ち皮膚となる水着楽花生
コンビニの前に水着の屯して理佳おさらぎ
窓際のなびく水着や学生寮リコピン
夕暮れて干されし水着うとうとと理真
空振りの恋の思ひ出水着干す柳絮
競技より戻りて水着脱力すルージュ
海水着簀子香れる更衣室ルーミイ
半分水着の少女ら駅の待合室烈稚詠
その子二十歳後れ毛揺らす水着かな朗子
お互いを屋号で呼んでいて水着ろまねす子
水着着て身の置き処なき濱辺わかなけん
水着の子あれがアメリカ大陸と若林かな
国連の旗の靡きや水着の娘和光
風凪ぎて滴り止まぬ水着かなわたなべいびぃ
皆人は裸に生まれ水着かな渡部克三度
サンバでも踊るつもりか水着買う渡辺香野
水着干す湘南の空切り取って渡邉わかな
しんしんと水着の影の乾びたる亘航希
水着着て小魚ばかり追つてゐる蒼鳩薫
百円を入れるポケット付き水着海音寺ジョー
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浜までの二分水着の駆け抜ける紅三季
ビニールバックに水着とクマとお守りと里山子
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紐水着波打ち際に溶けて砂青空豆千代
乳房切り今世無用の水着かな青砥転典
虎柄の水着部員の替え水着青水桃々@俳句迷子の会
月曜日濡れた水着を学校へ青村秋入
万国の最強水着や位置に着く赤坂みずか
座禅惑わす君の推し水着かな赤目作
木陰揺る清らなスクール水着かなacari
諦めた水着の数々クロークの中聰子
水着着てツーリングする男女かな昭谷
少年の視線が痛い濡れ水着空き家ままごと
名札には不思議な名前水着かな芥茶古美
陽に灼けた膚に真白き水着かなあさぬま雅王
黒白に肌色分けて水着かな麻場育子
キラキラとしずくに笑顔水着の子亜紗舞那
水着乞う天空わたる一回忌明日に翔会
潮風にリボン揺るるや海水着愛宕平九郎
砂払う水着のあの娘眩しくてアツシ
目を剥いてしぶきに触れる水着の子at花結い
ムスリムの笑顔は見せる水着かな渥美こぶこ
百グラム金髪美女の水着かな渥美謝蕗牛
新素材水着を走る銀の泡あなうさぎ
園庭に並ぶ水着の赤ラインアニマル可秘跳
ゴーグルつけて水着着て潜れますようにアニマルヘム猫
水着跳ね砂のコートへボール落つあねもねワンオ
百年後はみんな水着よシャンゼリゼ我孫婆
枕にする袋に水着を感じつつ阿部八富利
湯にしみる水着の跡がまたひとつあまどかに
水着干すカルキの匂いまだ消えず雨戸ゆらら
水着の試着室友の品定めアマリリスと夢
水着からちらりと覗く臍ピアス雨李
ビーチバレー切れ込み深い水着かなあらあらかしこ
ごみ袋の底へ元カノの水着あらい
古水着捨てて飛び出す蒼き海あらいゆう
いつまでだった赤ふん水着あの川であらかわすすむ
軒下に並べて水着大と小蛙里
気に入りの水着八十路の吾に派手有本としを
負けたのは水着のせいよあなたじゃない在在空空
縞々の海パン水と戯れる飯田淳子
制服の内の内緒の水着跡飯沼深生
それぞれの思い出刻む水着跡飯沼比呂倫
食べ過ぎて水着の縄に掛かりけり五十嵐真人
水着着てめいは無敵な女の子生野薫
捨てられぬ水着引き上げて水の中池愛子
スクール水着でいい足短いし池内ときこ
窓全開部屋の中では元水着池田華族
親の目を避け水着に替へる子となりぬ池田桐人
顔に水付くのこわくて海水帽伊澤遥佳
公園のじゃぶじゃぶ池で水着売り石井久次
大中小竿の水着は子供用石岡女依
さてもなほ前田美波里や水着紀元石垣エリザ
押し入れに何年眠る水着かな石川明世
青空やVサインして海水着石川明
この水着似合う浜辺は湘南かイシカワナオキ
オムツから水着になりしママバッグ石の上にもケロリン
プレゼント水着そのまま八十路過ぎ石本美津
濡れしことひとたびもなき水着これ和泉攷
箪笥より出し水着すてられぬいたおみき
波追って追われてまろぶ水着の子市川卯月
還暦やスカイブルーの水着買う五つ星
シャワー浴び水着絞れば一握り伊都
シャワー室置いてきぼりの海水着伊藤薫
幸あれと紺の水着の乙女等よ伊藤順女
目をつぶり水をかけ合う水着かな伊藤節子
問うてくるスマホのアラーム水着着る?伊藤テト
水着の子波と戯れ風変わる伊藤ゆめ安
娘らの「この水着やば!」試着室伊藤小熊猫
派手過ぎか家の鏡に見る水着井中ひよこ号
浜の茶屋水着のままで腹満たす伊那寛太
先生の水着は黄色ゆびのあといなだはまち
桃色の水着濡れれば透けにけり稲所恵
お揃いの子らの水着に吾も加え稲葉こいち
上の空水着カバンに模擬テスト稲葉雀子
帰る子の首冷やしたる水着あり居並小
恐る恐る海に足入れ水着かな井上幸子
うちの子はボーダーレスの水着買う猪子石ニンニン
流木に座して水着の子らの笑みいまいやすのり
茄子紺のスクール水着背に校章井松慈悦
懐かしき塩素の匂ひ濡れ水着伊予吟会宵嵐
青春がキラキラしてる水着かな岩木順
沖縄の海に恋して水着買う岩佐りこ
真っ先に断捨離された水着かな植田かず子
TUBE聴く人生最後の水着着てうえともこ
水着つけ女優気取りのおしゃま哉上野徹
すれ違う同じ水着の女子二人空木眠兎
早く言え夜空に明日の水着干すうつぎゆこ
ゴールまで歩く水着は吾を隠せず靫草子
決勝戦水着のラメはギラギラと梅田三五
水着脱ぐ潮の匂いのまだ残る梅鶏
貝殻を拾う水玉水着の子浦野紗知
松林スク―ル水着整列す麗し
豊満なボディー溺れる水着かな吽田のう
ワイキキや古りし水着で綺羅眺むS・葉子
おととしの水着ヨレヨレ思案時越後縮緬
新札と昔の水着箪笥中越中之助
リゾートや水着姿でカクテルをえのき絵巻
水着きて子ら達はしゃぐ光る海えのき筆丸
お下がりの水着のゼッケン付け替えて榎本奈
バカンスの水着買いたる夜勤明け笑姫天臼
水着干す風のリードやフラダンス淡海なおあき
白き肌焦茶の水着似合いけり大久保一水
干すほどに色あせ透けるスクール水着大越総
ビーチバレーみんな水着は砂まみれ大越マーガレット
記録生む無駄なき躰の水着かな大澤眞
はらっても水着の砂のしつこさや大嶋宏治
水着着て濡らさないでと逃げ回る大谷如水
水の中歩く為買う水着かな太田鵯
塩素染む水着手洗ひ母思ふ大村想
水着乾きビーチボールの跳ねる音大本千恵子
新作の明日着る水着晴れ予報大谷一鶴
伊豆の海水着貼りつき空に立つ大矢香津
水着脱ぎて型紙のごと素肌かなおかえさき
見学は水着忘れし我ひとり岡邦俊
カナヅチ卒業水着脇より摩耗おかげでさんぽ
水着身にボートで描く青海波岡田恵美子
水着にて鳶浚うアメリカンドッグ岡田きなこ
赤褌一筆巻きの水着かな岡塚敬芳
尻沾つや平瀬に屈む水着の子男鹿中熊兎
あまりにも小さき水着に老婆心岡村恵子
小さき水着竿に干されてなおはしゃぐオカメインコ
水着ランウェイ姉妹のパリコレ岡本
ウォータースライダーにスクール水着丘るみこ
捨て活の袋に最後水着入れ岡れいこ
水着持たず所在なき海の一日(ひとひ)かな奥寺窈子
ふりふりの水着はじける吾子三才お品まり
濃紺の水着をしぼる幼き手小田ビオラ
学校と違ふる水着君遠し落句言
海岸に映える水着と波しぶきお寺なでしこ
木のビーズしやらりと鳴らし水着脱ぐ音羽凜
若き人の眩しき水着海に映え小野ぼけろうじん
ほたほたと水着ひからせ塩むすびおひい
チュチュ水着爪先き立ちて浜歩く折口一大
箪笥奥小さき水着が役目終え海堂一花
気にしない過去の水着の境界線械冬弱虫
水着の子肩甲骨は我が翼海峯企鵝
ハンガーに水着ゆらゆら明日を待つ甲斐ももみ
濡れ水着今日も元気に登園し柿本苧麻
水着の子じゃぶじゃぶ跳ねる公園で影夢者
水着買う団子虫のメランコリー笠谷タカコ
水着なる少女恥じらひの始まり風花まゆみ
波しぶき笑い声染む古水着梶浦和子
秒速を競いし水着擦れのあり 梶浦正子
休みあけ水着のあとの見せあいこ鹿嶌純子
撫肩のワインボトルや海水着梶原菫
砂浜の水着の花の咲き揃い和
星の砂払いし水着ひとり旅風かおる
水着から色に出る恋瞳ブルー桂葉子
初孫や水着ではしゃぐ庭の蔭金澤孝子
いつ消える子にはもうない水着跡可児真由美
ぴつぴつの軆のラインだす水着かぬまっこ木ノ芽
水着着る一組男子二組女子金子泰山
目隠しのすき間より見る水着かなカバ先生
水着忘れて急遽ふんどし水飛沫花蜜伊ゆ
水着の吾小麦色したエアバッグ神島六男
お陽さんに白旗の如水着干す神長誉夫
陰干しの水着五体干菓子の木型神谷米子
水着あり開けしリュックの二度目なり亀崎波
場違いの水着売場や脇汗るかもね
青春の記憶眩しい水着あと鴨の里
水着跡小指でなぞる深夜二時かもめ
水着の子若魚のごと水を跳ぬ川崎ルル
点呼に三角座りの水着の子川村湖雪
絞っても水着重たしツーピースカワムラ一重
スクール水着の伸びやかな白き脚川村昌子
水着進化の歴史見んさあ五輪邯鄲
ばあちゃんをイルカに変える水着かな菅野まこ
水着着ず盥ではしゃぐ昭和の子樺久美
城創る水着ポケットシーグラス岸壁の龍崎爺
タンスには今は入らぬ水着かな季川詩音
ヒリヒリと痂皮を剥ぐ跡水着跡如月ゆう
黒歴史刻む水着は男物岸野草太郎
ふる里の潮騒しのぶ水着かな岸野孝彦
日射し避く子らの水着はラッシュガード岸本元世
まだ残る着ない水着の色褪せて基人
九十九里黒の水着が似合う人酒暮
現実は甘くなかった水着かな北大路京介
老いの家小さき水着の揺れる竿北川茜月
リモートで水着披露の友笑顔北乃大地
バケツの底の海の砂水着干す北の星
器用なる水面の底や海水着北村崇雄
キューピーのパンツぷよぷよ水着の子きのえのき
皮算用水着を買ってナンパ待ちきのこ
孫の名を三代記せし水着かな木村かわせみ
着るだけを楽しむ水着試着室木村弩凡
海外の挙式に持たす水着かな木村波平
海水のにほひ部室に干す水着QandA
水着特売にむらがるピアスと色爪ときゅうもん@木の芽
新作の水着売場は素通りす鳩礼
水着あと見せ合う子らの笑い声喜楽胤
民宿に一番星や水着干す霧澄渡
一昨年の水着や深く息をする銀長だぬき
笛の音を水着に替える五時間目近未来
泳ぐよりファッションという水着かな草道久幸
夜の海水着姿は影ばかり楠田草堂
タグ付きの水着はコレクションとなりくすみ輝く
マネキンの水着をずらす子供かなくずもち鹿之助
またしても出てきた水着出番なし國本秀山
砂浜を爪先歩きの水着かな國吉敦子
スタート台水着へ跳ねる水の粒くぼたみどらー
ドーバー横断水着の婆熱き熊谷温古
濡れている水着があって今日はパス曇ゆら
子等に買う海用水着ネオンカラーぐりぐら京子
水着着て私と彼だけの浜辺来ヶ谷雪
まだ濡れぬ水着で菓子を選ぶ子ら空流峰山
濡らさじと雨宿りせる水着の子愚老
砂浜の数多水着の色彩美黒猫さとみ
水着は紺個性主張は足元で桑田さなえ
水着痕痛痛帰宅とちゅうのオロナイン圭
オリンピック水着ピチピチセーヌ川月昭
傷心は隠し原色水着をば欅谷風来
くっきりと水着のあとの蝶結び紫雲英
泳げねど最先端の水着買う恋瀬川三緒
夫の留守に昔の水着出して着る輝雲彩
休日は紺の水着でない水着剛海
部屋に着る水着に吠えるポメラニアン公木正
鍛え上げ水着鱗や鰭と化すこうだ知沙
顔ねらい暴れるホース水着かな幸内悦夫
水着などとうに捨てたと母の言う郷りん
紺色の水着に朝の波静か氷山れいみ
夜干しするスクール水着生乾きこきん
旅支度隅に押し入る水着かな越乃杏
由比ヶ浜の潮騒を呼ぶ水着かな小嶋芦舟
濡れた水着が乾くまで岩の上虎堂吟雅
ふたりともスクール水着の浜辺かな後藤三梅
飛行機雲や君の水着の肩越しに来冬邦子
水着の子腹ペコペコと潮むすび小鳥りこ
Tシャツの首元ちらり水着かな古都鈴
はての浜水着はたけば星の砂このみ杏仁
水着着る人魚の肌は小麦色小林澄精
桐箱のかつての恋を知る水着こひつじ@QLD句会
お手本は水着の校長だるま浮き小藤たみよ
トランクや水着を詰めしハネムーン駒形さかつ
潮風に開けっ広げや海水着こま爺
肉厚の水着飛沫も盛大に小南子
ローレライのごとし岩礁の水着小山秀行
カラフルと若さがありし水着かなコロンのママ
オンとオフ誰も水着と思わざる今藤明
真っ赤なる専攻科生の水着かなこんのゆうき
ためらって勇気の水着ためらった西條晶夫
新しき水着にふれて飛び込みぬさいたま水夢
曇り空唇震わせ水着脱ぐ齋藤鉄模写
じゃぶじゃぶと水着洗えば子らの寝息宰夏海
窓柵に水着ずらずら皆生浜さおきち
漸くのフリル水着は動きにくしさ乙女龍チヨ
大胆に水着きこなすマネキンよ酒井春棋
午後の庭うらがえしのジョロと水着榮紅
昔日の匂いの水着やまた仕舞うさかたちえこ
真っ白な水着に包む白き肌坂田雪華
プロポーション目で追いかける水着行く坂本千代子
水着出す樟脳におい色あせり相良まさと
日差し浴びずれない様に水着あと咲美まき
子ら同じくっきりスクール水着跡咲まこ
鳴り砂のイタンキ浜や水着の子櫻井こむぎ
ハワイへは水着五着を先ず入れて佐倉英華
お下がりの水着は水でずれ下がり桜華姫
洗濯機絡みし水着赤と白佐々木佳芳
水着濡れ十年ぶりの海来たる笹木好里
テーブルに最後の水着お弁当笹桐陽介
ビキニなる水着きた日も有ったよねさざんか
喧騒と青い水着と塩素の匂いさちコアラ
水着着て視線の海へ歩き出す佐藤かりんこ
ワイキキの浜辺に水着買わされし佐藤公
松籟を受けて水着の乾きけり佐藤恒治
店員が能書き垂れて買う水着佐藤志祐
水着見て衝動買いに走る君佐藤俊
吾子水着表面積の小さかり佐藤浩章
誘われず着れずじまいの水着かな佐藤佳子
並ぶ子ら水着の背中まだ白く里こごみ
水着なの?ハテナだらけの今時のさわだ佳芳
島旅行スーツケースに先ず水着沢田恵子
フリル水着ウォータースライダー絶叫澤野敏樹
笛の音を待ちかねて飛ぶ水着の子沢山葵
おさがりの水着濡れたと大泣きし山賀
砂浜の膝の包帯水着見ゆ三角山子
ディオールの水着を睨みピラティスを珊瑚霧
雨しとど笑い止まらぬ水着連三水低オサム
水着あと従兄弟と競う祖母の風呂塩風しーたん
誰よりも母のリボンの水着かな塩沢桂子
ヒソヒソと水着売場の少女どち塩の司厨長
唾を飲むモデルのような艷水着しかの光爺
太陽に眩しさ光る水着かな四季彩
ホイッスルや一斉に咲く水着の弧志きの香凛
メダル獲る姿勢支える水着かなじきばのミヨシ
水着見て誤魔化すように咳をする紫月
還暦の真紅の水着セパレーツじつみのかた
親選ぶ水着買わぬと戻す吾子実本礼
水着はネイビー千倉海岸にて柴桜子
吾よくもこんな水着でワイキキビーチ島田ユミ子
まだ濡れぬ水着の君に目を伏せる清水阿貴子
朝練の小さき水着の逆三角霜川このみ
放課後の落とし物箱濡れ水着霜月詩扇
筋トレの成果水着に溢れ出す下丼月光
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水着にはとても思えぬ中高年写俳亭みの
還暦の仲間へ冠す水着かな柊二@冨美夛
岩陰で水着きがえる少女かな柊瞳子
水着脱ぎこぼるる砂と白き肌秋芳
水着頼もしらいふせーばー立てりじゅんこ
川流る水着の色はカメレオン正念亭若知古
水着干す今日も海辺に誘いくるジョージア
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ベタつきはラバー水着の血潮のよう青峰桔梗丘
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初めての波触る手縫い水着の子瀬央ありさ
乳房ひとつこぼしてそっぽ向く水着瀬紀
ヴィーナスにビキニの水着着させたしseki@いつき組広ブロ俳句部
ワイキキで波を見守る水着姿の弟の優しさ瀬野広純
水着手にこの道先の水平線泉幸
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水着きるボタンの掛け違いのなしそうま純香
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クルクルとまわりシュボンと水着消ゆ外鴨南菊
臍ピアス三つ付けてる水着の娘そぼろ
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恋の終わり今年はもう着ない水着大
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蟹腹のごとき腹筋水着穿く夏埜さゆり女
見比べる夫短パンと妻水着夏目坦
はちきれむ水着の声ぞ青青し夏雨ちや
ココナツツオイルとハワイ水着の香7パパ・いつき組広ブロ俳句部
つむじ風くじらのたれに水着落つ浪速の蟹造
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紐外し白さ競ふや水着跡みなづき光緒
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ぷにぷにと肉はみ出して水着の子源早苗
穿かれずに箪笥に眠る水着かな嶺乃森夜亜舎
幸せと思ふひととき水着かな美村羽奏
制服と産毛ブリーチさて水着三群梛乃
本日の戦闘服だ水着纏う深山柚仁
おもはゆし水着始めの砂の上宮村寿摩子
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勝浦の養勇講礼黒水着夢雨似夜
長い水着フィットして生む好記録ムーンさだこ
門柱のシーサーと水着のオジー麦のパパ
飛び込んで水着へろへろ川下り無弦奏
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遠浅をうかぶ水着のフリルの黄武者小路敬妙洒脱篤
うすれ行く水着の跡の懐かしさ霧想衿
競泳水着胸の国旗の誇らしきむねあかどり
手作りの水着でポーズとる子ども村のあんず
黴臭い水着褪せた映画チケットむらのたんぽぽ
ちびっ子の水着は印ばかりなり恵のママ
鏡まえ水着を胸に過去をみる恵美笑
川急ぐ三角漕ぎの水着たち目黒千代惠
紐水着顔を赤らめ文庫本めれんげたこ焼き
制服の中は水着や登校日茂木りん
いつの日か着る日を待ちつつ水着たち元村幸月
よこしまなココロを笑う水着美女樅山楓
薄着して目立つ去年の水着跡桃香
波を蹴る水着の子らの笑顔かな百瀬つきか
海水着出しては子供が熱を出し森佳月
水着見て妻の脚線まさる無し森嶋ししく
水着子や家から川へ一直線森野恵
星条旗胸に刺繍の水着買う森日美香
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決めあぐね水着じわじわ派手になり痩女
さりとてもたまの水着やむずがゆし八手薫
新品の水着胸張りスタート台柳井るい
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水着脱ぐ肩にくっきり水着痕山尾政弘
迷ひなく四肢は水着を繰り出せり山河穂香
訓練や避難タワーへ水着の子山川腎茶
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弁当と水着の間淡想い山口
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物干の娘の水着誰と何処山口笑骨
こつそりと選ぶ水着や初デート山崎かよ
原色の水着閃く万国旗山崎力
年月に我も水着もサイズ大山崎もな
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鎧捨て水着になる吾黄昏に山田啓子
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遠き日の水着の父母と川遊び山田翔子
水着眩し二度目のデート角田浜やまだ童子
赤信号足踏みをする水着の子山田はち
新しき水着と空とにらめっこ山田はつみ
江の島や男数匹水着の世山田秀男
紫の母の水着やいかにせん山野花子
警報に水着のままの防空壕山辺道児
水着あて鏡を謀るドローインやまもとのり。
被写体は水着の婦人須磨の浦山本美奈友
水着見て侘びしき想い老いの日々山本葉舟
時はやし娘が洒落た水着買いに行く雪兎
キティ柄はち切れそうな子の水着ゆず柴
海望む物干し竿に水着かな柚木啓
ファッションか機能か水着試着室宙美
水着買い祖母と私は腕比べ夢一成
初水着波がすくいし砂の足夢散人
ときめきの数だけ深し水着跡横浜順風
水着着たバナナボートのグアム旅横山道男
水着脱ぎ煙る焼肉欠伸して吉岡幸一
浮くのかな水着が怖い明日の海よしぎわへい
晴れてるけど水着忘れたことにしよ吉田蝸牛
高校の水着は緑のパイピング吉田かのこ
私は蛹くしゅくしゅ水着脱ぐ吉武茂る
髪ゴムを固く引張る水着の子吉田春代
水着着るどこまで人の世魚の世吉田ルイ
あの水着をつけたワイフが頭の中に吉野川
手洗いや水着の砂よ潮の香よ吉藤愛里子
赤い岩飛び込む緑水着の仔よしみち
水着買いワイキキの浜堪能すYoshimin空
手と足の揃ふ水面や黒水着よみ、ちとせ
海水帽だささに授業見学すらん丸
何処かしら他所行きの顔水着着てリーガル海苔助
強がりの水着ひそめて助手席や涼えつろう
襖越し水着に苦戦妻の声麗詩
水着絞る潮香飛び散る連雀
特売の水着抓んで戻しけり籠居子
家仕舞う見つからぬ彼の日の水着若和志歩
堂々とビーチ立つ豹柄水着若林くくな
くびれなき八十路の水着ウオーキング若宮直美
お下がりの水着は嫌と潤ませるわぎゃん
この水着似合うだろかと吾子は問い海神瑠珂
三着の水着試着の友待ちてわたなべすずしろ
くつきりと背ナにばつ字の水着かな渡邉花
ジェンダーレス水着もしかり令和かな渡辺陽子
気のおけぬ慰安旅行の水着かな笑笑うさぎ
- 夏井いつき先生からの一言アドバイス
-
◆俳号のお願い二つ
①似たような俳号を使う人が増えています。
俳号は、自分の作品をマーキングするための印でもあります。せめて、俳号に名字をつけていただけると有り難く。共に気持ちよく学ぶための小さな心遣いです。②同一人物が複数の俳号を使って投句するのは、堅くご遠慮下さい。
「いろんな俳号でいっぱい出せば、どれか紹介されるだろう」という考え方は、俳句には馴染みません。丁寧にコツコツと学んでまいりましょう。
◆ひとことアドバイス
●俳句の正しい表記とは?
若さから 孫氏の兵法 初水着ギザギザ仮面
金次郎 女子の水着で 照れる午後桐山榮壽
「五七五の間を空けないで、一行に書く」のが、俳句の正しい表記です。まずは、ここから学んでいきましょう♪
●兼題とは
息抜きと海風に舞う夢の色嶋谷菫
体見て明日を見据えて眠ります浄龍
小走りに焦る気持ちが宙をまう桃の助
本俳句サイトでは兼題が出題されています。今回は、季語「水着」での募集でした。次回の兼題を確認して、再度挑戦して下さい。
海開き十三年目の避難塔高辺知子
白砂の熱きを翔ける海開き白梵字
「水着」をイメージしているのかもしれませんが、兼題「水着」とあれば、その季語を詠み込むのがルールです。
●季重なり
プール開き去年の水着はもう着れず山村まさこ
水着にて素潜り泳ぎノーブレス会田美嗣
朧なる水着替えて泳げた日いちばほうすい
借り物の水着で泳ぎは自己流で笹靖子
スクール水着で泳ぎしハワイ島松下弘子
老いてなほ新水着きてバタフライ大原妃
臨月の水着ぱしゃんとバタフライ海月のあさ
なつかしの妻との夏の日水着写真Ken
夕立に着がえてなごむ水着あとゆう
艶やかなパラソルの下の水着たち小林弥生
日焼け跡触らずゆるり水着脱ぎ島じい子
水着きて裸のならぶ浜辺かな岡田ひろ子
一句に複数の季語が入ることを「季重なり」といいます。季重なりはタブーではなく、高度なテクニック。季重なりの秀句名句も存在しますが、手練れのウルトラ技だと思って下さい。まずは「一句一季語」からコツコツ練習していきましょう。「水着」以外のどれが季語なのか、歳時記を開いて調べてみるのも勉強です。
●この意味でよいのか? 迷います。
岩に干し岩を抱かるる水着かな 池之端モルト
作者の述べたい内容は、「岩を抱かるる」でいいのかどうか? 迷いました。作者の意図を聞きたいケースです。
ショッキングピンクの水着きのこ雲メディックス千里
「ショッキングピンクの水着」と「きのこ雲」の取り合わせに、何らかの強い表現意図を感じるのですが、それをどう解釈すればよいのか、これも大いに迷いました。
●今月の選外
しなやかに漢分けゆくビキニかな健央介
舞子浜白肌映える黒ビキニ十八番屋さつき
艶めかしい透けたパッ卜の白ビキニ夜香
「ビキニ」の句もあったのですが、幾つかの歳時記を調べてみましたが、季語としては載録してないようです。次代の歳時記には載るかもしれませんが、現状として情報共有しておきましょう。
ビニルプール満つ水着の子ら眩し明後日めぐみ
丸まったままのプールバッグ水着戸根由紀
子供等の水着は三色ビニールプール湊かずゆき
「ビニールプール」「プールバック」は、「プール」の傍題として考えるべきなのか。この取り合わせは、ちょっと判断迷います。
モノクロの水着写真に残る夢ふじい眞みこ
アルバムの昭和の水着セピア色まやみこ恭
満州のフォトポーズとる祖父は水着森上はな
回り道の本屋アイドルの水着多胡蘆秋
これはどの季語においてもいえることですが、写真や絵にかかれたものは、季語としての鮮度が落ちると考えて下さい。
更に、句意が読み取り難いもの、文法的に問題があるもの、極端に散文的なもの等を選外としています。選ばれなかった句のどこに問題があったのか、復習してみることが、俳句の筋トレになります。
お待たせしました!7月の兼題「水着」の結果発表でございます。今月も夏井先生からのアドバイスは必見です。今回は全体的に小さい子供の水遊びや体育の授業などの句が多い印象で、水着が懐かしさと強く結びついているのを感じました。9月の兼題「石榴」もふるってご応募ください。(編集部より)