夏井先生のプロフィール
夏井いつき◎1957年(昭和32年)生まれ。
中学校国語教諭を経て、俳人へ転身。俳句集団「いつき組」組長。
2015年初代「俳都松山大使」に就任。『夏井いつきの超カンタン!俳句塾』(世界文化社)等著書多数。
12月の審査結果発表
兼題「凩」
こがらし。冬のはじめから、木の葉を吹き散らして、木を枯らす勢いのある強い風のこと。
いよいよ冬の到来である。
「天」「地」「人」「佳作」それぞれの入選作品を発表します。
凩に磨かれ唖の木叫びけり
テツコ
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夏井いつき先生より
「木」は言葉が話せません。「唖の木」という詩語が胸を刺します。「凩」は「木」を磨くように冷たく吹きつけます。裸木でしょうか。「磨かれ」という描写が、その幹の硬質なひかりを読者の脳内にありありと再生します。さらに「凩」という季語を強く表現しているのが後半の措辞。言葉を話せない「木」が叫ぶかのように揺れます。強く冷たい葉擦れの音。揺れに揺れる枝。冷たく光る幹。「磨かれ~叫び」という動詞が共鳴し合い「凩」という季語の本質を描き出します。「叫びけり」という下五の強さに、また胸を衝かれます。
「唖の木」という比喩に対して擬人化「叫びけり」を重ねているのに、言葉の質量のバランスが崩れてない。その技術にも感嘆します。
木枯のひよおと明るい夜空かな
比々き
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ネオンの明るさとも読めますが、私は月夜の「木枯」を思いました。「ひよお」は「ヒョウ」と発音すればよいでしょう。このオノマトペが冷たい月夜の風の音として、私たち読者の耳に響き渡ります。
凩を呑むや肺腑は巻貝に
中原久遠
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「凩を呑む」という比喩を「や」と強調し印象を深めます。さらに比喩に比喩「肺腑は巻貝に」を重ねる展開にも驚きますが、二つの比喩が肉体的リアリティとなり得ている高いテクニックの一句。
本命馬抜いて凩ぶっちぎり
葦たかし
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「本命馬抜いて」いったのは対抗馬か穴馬か、と思いきや「凩」だという展開が愉快。「凩ぶっちぎり」という乱暴な語りも、この句の内容にぴったり。競馬場の喧噪も一句の背後に聞こえてきます。
こがらしやこの×なんのばつなんや
ゆいのすけ4さい
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「こがらしや」と季語を上五に置いての取り合わせの句は沢山ありましたが、「この×なんのばつなんや」という呟きが絶妙。冷たい風の中で「×」を見つめる人物が四歳だと分かると、またまた愉快。
『今日をもってこの食堂は・・・』凩ぞ
うどまじゅ
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カギカッコの中は貼り紙の文言に過ぎませんが、季語「凩」によって光景が立ち上がります。「ぞ」に万感の思いも加わります。明日あたりは貼り紙の端を凩がバタバタ揺らしたりもするのでしょう。
凩の町夕焼色を取り戻すいさな歌鈴
5号てふ名前もなくて凩いさな歌鈴
凩や生物は水底に眠るいさな歌鈴
凩や岬に閂かけました宙のふう
空の吐く凩ばうばう鬼太鼓宙のふう
木枯や砂場の海にシャチの鳴く宙のふう
凩やビルは音叉のごと震ふさとけん
凩や信号の赤長いよなさとけん
木枯やまことしやかに乾く月さとけん
象の眼は蒼し木枯の心音じゃすみん
凩や病みあがりめく月曜日じゃすみん
木枯や竪琴透ける星の村じゃすみん
凩の軽し両手を溢れ落つ綱長井ハツオ
凩のさやか車窓を波にほふ綱長井ハツオ
街灯を凩とゐて星を見て綱長井ハツオ
凩にひかがみ白き少女かな多々良海月
凩や鼻をかみたる占ひ師多々良海月
凩はあの山脈に孵りたる多々良海月
木枯らしや跫音硬き大阪駅中岡秀次
木枯らしや犬探すビラ電柱に中岡秀次
木枯らしや乗り換へ駅は人まばら中岡秀次
凩やビルは傾きさうである登りびと
木枯やチャールズ・チャップリンの無声登りびと
y=凩とせよ放物線登りびと
掌の地図凩の夜を捲る内藤羊皐
凩や路上で唇を塗る老婆内藤羊皐
凩に献体の義母還さるる内藤羊皐
凩やオコゼのような顔ばかり白よだか
凩や呼吸獣のごと荒し白よだか
凩や青青と燃ゆチコの星白よだか
凩はうたふ雑木のれくいえむ比々き
凩をいたぶつてゐるシーツかな比々き
凩や空に踏ん張る星ひとつうさぎまんじゅう
凩の跡や夜空の近づけるうさぎまんじゅう
凩やウェットティッシュ乾からびてしかもり
凩や打楽器となるシャッター街しかもり
木枯や飛べない鳥と飛べる鳥すりいぴい
こがらしや栗鼠のしつぽは疑問形すりいぴい
凩に鳥の顔してバスを待つせり坊
凩を注いで青空の無音せり坊
凩やがろんとメリーゴーランド古瀬まさあき
凩や掻き毟る新宿の底古瀬まさあき
凩に遠く夜汽車の灯の軋む彩楓(さいふう)
凩や鶏下す舟着き場彩楓(さいふう)
透明な道のありける凩かなあー無精
凩に巻き込まれたる乳母車あー無精
おほかみの声や匂ひや凩来あまぶー
凩こがらしからからからすのこはわらふあまぶー
凩を大外刈で捌きたるぐ
玄関に凩ひとつ飼つてゐるぐ
こがらしに一本の木でありにけりぐずみ
凩やパ行の尖る高麗語ぐずみ
凩や行列店の隠し味くま鶉
凩や火星の砂塵連れ来たりくま鶉
凩やぞうきんがけのすべるすべるちま(4さい)
凩やころんでうったくちいたいちま(4さい)
凩の錆びゆくところハーモニカとしなり
不二の樹海の瑞々し凩やむとしなり
凩やヒールの足音が痛いはまのはの
凩の「ラシ」が鼓膜に突き刺さるはまのはの
土曜日は凩ばかり気になってひでやん
休むこと知らぬ若さよ凩はひでやん
凩や眦をさくベートーベンふじこ
凩のさらひ尽くして虚空かなふじこ
凩や形見はここにある日差しほろろ。
凩や六等星を愛してるほろろ。
凩や真珠色なる土星の輪みやこわすれ
凩や星を弾いて観覧車みやこわすれ
凩や月の怒りに触れし夜哀顏騎士
凩の悩みをそっと聞きました哀顏騎士
凩の疎密は鋸の如く塩谷人秀
凩を濾して夜空を手に入れる塩谷人秀
凩や心に近い火傷跡花屋
凩や眼窩に二尾の魚飼へり花屋
木枯しや空き屋に黐の木の太き輝久
木枯しや友へ弔辞の墨をする輝久
凩の鳩尾に来る淋しさよ久我恒子
凩来「そうだね」で夜を片付けて久我恒子
凩や飼い主散歩させらるゝ宮部里美
木枯に受け取る献血のティッシュ宮部里美
凩が骨の途中に止まりぬ玉木たまね
凩に狙われているやうな夜玉木たまね
凩はサハリンから否もっと北から古田秀
窓叩く木枯保育器の明かり古田秀
凩を通す屋台の演劇論溝口トポル
凩がもつ焼いてゐるガード下溝口トポル
凩の地に屹立す風車群斎乃雪
凩や砂場へ残す三輪車斎乃雪
交通安全の旗木枯らしが引きちぎる榊昭広
十字架に凩連れて鴉五羽榊昭広
凩の無機質を識る聴診器次郎の飼い主
「大切なお知らせ」きつときつと凩次郎の飼い主
木兎に聞け木枯しの生家なら七瀬ゆきこ
凩は吹かれたい人に吹いてます七瀬ゆきこ
凩を飼うて蜂蜜色の酒小川めぐる
見るな見るな凩が泣いてゐる小川めぐる
失恋や立ち漕ぎで凩を行く森田まなみ
凩やC判定の志望校森田まなみ
凩や空っぽばかり増える町青海也緒
凩や育てたように育ったな青海也緒
凩や骸骨がかくかく歩く惣兵衛
凩と喧嘩したくなる辛い夜惣兵衛
凩や天に大きな金の穴多事
凩や鉄臭深き街に住む多事
凩や音を集めてスロージャズ辻が花
凩の吹き込む源氏物語辻が花
凩を生みて御空に死屍いくつ土井探花
凩や映画にはないさやうなら土井探花
一人が似合うからと凩を真似冬のおこじょ
ここには居場所がない木枯とゆく冬のおこじょ
凩や抽斗きしむ町役場藤色葉菜
凩ぴゅう霊園のセールスレディ藤色葉菜
木枯しや黙祷からの保護者会徳
凩や術後の胸を映したり徳
凩を次々渡し玄関先白樺みかん
凩の盗むあばらの骨ひとつ白樺みかん
木枯や遺品整理の窓厚く八木実
凩や浜の仮小屋砂まみれ八木実
目に鴉耳に凩残りけり柊月子
凩を嗅げばをとこの背の匂ひ柊月子
木枯しやねこに門限言い渡す福ネコ
木枯しや原発稼働告ぐテレビ福ネコ
凩や鉄錆めきて暮るる街野地垂木
床の本崩れ木枯唄いだす野地垂木
凩かジャワ原人の泣く声か椋本望生
凩に三たび打たれて老いにけり椋本望生
凩や駱駝のやうなつけ睫毛唯我独善
凩や明治生まれは五千人唯我独善
ジャム煮詰む隠し味として凩梨音
凩来(こ)けふは直球ではないの梨音
坂多き街凩の休校日鈴木淑葉
歩道橋より撮る凩の形鈴木淑葉
凩の亀甲殷の青銅器鈴木由紀子
木枯が広げた空に日の落ちる鈴木由紀子
木枯や肉まんくさき子を迎ふ露砂
凩に裂かれ鋭き夜となれり露砂
凩や消ゆる星研がれゆく星一斤染乃
凩や像へ迷わぬ鑿の音一斤染乃
凩の漢字の中の木の気持桑島幹
我にとっての凩一号吹く桑島幹
凩や火をつけたくなる衝動テツコ
凩や七千頭を埋める穴板柿せっか
凩の舌先にある吾の眼球豊田すばる
凩や駅員の押す尻尻尻葦たかし
凩に譲る空家よクゥ太の忌花南天
凩やむつき干されし廊下の灯ラーラ
凩を入れて久しき逆睫毛倉木はじめ
「木枯らし」と十回言えば口たのし田川彩
凩に殴られている警備員楢山孝明
凩を数匹飼つてゐる校庭播磨陽子
凩やこのホテルには窓が無い北野きのこ
凩や第二埠頭のタグボート有瀬こうこ
凩や美ら海億年基地百年牧野敏信
空にヘリ街に木枯海に土砂蝋梅とちる
大江戸線出て凩の大門へ朶美子
木枯や鉄を繋げる火の青し俳号確認中
凩や沙翁の科白不意に出づKISOBA・UFO
凩やハングルの塵漂着すあいだほ
凩や鼻持ちならぬ奴一人あけび二号
木枯や有楽町を足早にあつちやん
凩や豆を煮ながら磨く窓あまぐり
凩の無人販売所何でも百円あらあらた
凩や小さな嘘は砂糖菓子いくちゃん
凩の去れば見えゐる星一ついまいやすのり
凩の夜に振ることないぢゃないおくにち木実
凩や鯛焼きの尾を先ず齧るおざきさちよ
点滴を見つめ木枯らしを見る午後おっばあ
君だけが駆ける凩の校庭おんちゃん。
木枯らし一号ラーメンの汁飲み切ってカオス
凩やシーサーの顔歪みけりかつたろー。
凩や堀割抜くる果ての海かぬまっこ
凩や受け取り拒否の物ふたつかもめ
凩が行きつ戻りつ安酒場かわいなおき
凩や吾が一塊が手術台きゅうもん
凩にまかれ黄泉逝く人の父キョロちゃん
凩や肩を寄せ合うように街くりでん
凩や自転車の錆とがり立つけーい○
凩やバーの女の睫毛揺れケンG
凩や臨月の子へブラームスこすみ
木枯しやAマイナーの恋のうたサイコロピエロ
凩や行方不明の一号かさくやこのはな
凩や星の近くの無人駅さだとみゆみこ
凩や「何でもないや」と歌ふ夕すみ
凩や人魚の歌を遠く聴くたじま
凩や空き缶蹴れば奈落へとちゃうりん
凩も一葉も意地になりにけりてまり
凩の継ぎ目に回す回覧板としまる
凩や客に悪態明治の夫(ふ)なごやいろり
凩や黒鍵ふたつ音が出ぬにゃん
凩に告白ヒトに言へぬことぬらりひょん
子らの列輪郭に吹く凩よパシフィコ
てのひらに乳房のまろみ凩来ふみゑ
凩や娘の叱責は強しほしの有紀
木枯らしを木箱に詰めるアルバイトぼたんのむら
木枯に頭突きしペダル踏む子かなポンタ
木枯らしは「E」の音より吹き始むみかりん
凩を来て看取る夜の仮寝かなみなと
凩や鼓やみたる能舞台みやかわけい子
こがらしや無声映画のチャップリンみやこまる
凩や街中の色削ぎ落としみやこまる
凩や学校すごく遠くなるむらさき(6さい)
凩や巌窟王めく名の錠剤ゆすらご
凩やだいだら坊の子守唄ゆづ
凩や通天閣の下を行く亜美子
凩や南へ南へ韋駄天愛燦燦
涎垂らして木枯の道を犬或人
受け取りしビラ凩に攫(さら)われる安部さくら
凩や神保町のキーマカレー伊勢史郎
凩やゴッホの如く詩人老ゆ伊藤順女
木刀もて退治てやらう凩を伊予吟会宵嵐
「心の旅」ポケットに凩清し永花
凩や珈琲は残りひと口加裕子
木枯や東に大き星ひとつ可笑式
凩や帰る我が家があればこそ花伝
凩は自販機の裏入りたい花紋
凩を遮るものなき海原や海口あめちゃん
凩や浄水場のカルキ臭海老名吟
凩や干し魚の青深まりて蛙里
凩の母を亡くせし子のやうに樫の木
凩や母の形見の置き薬閑蛙
凩の眼に山の色海の色亀田荒太
独酌や凩わたる野面(のら)の音吉良水里
立山の向こう凩吹く故郷橘美智世
凩を吹くストローを手に入れた宮坂変哲
木枯らし一号三番線に入ります宮武桜子
凩や砲台跡の錆赤し居升典子
凩の縦横無尽樹々尖る薫子(におこ)
被災地の砂哀しみて凩かな月の砂漠
凩はシベリア色に染めてった月夜同舟
外は木枯緊急手術の夜原口祐子
凩が星空開く1万尺玄武
木枯や犬小屋に敷く古毛布古都鈴
凩の大阪女装家のライヴ湖雪
凩や耳を塞ぎて馬眠る江川月丸
凩やみづうみはみづみたしたる紅さやか
木枯しや袋小路の骨董屋高橋寅次
凩や原始の聲の生き残り克巳
凩や芥のごとく飛ぶ一機今井淑子
木枯こがらし森ほがらかにひらけゆく佐藤儒艮
凩や提灯たたむ浅草寺佐藤千枝
凩が来たぞ栗毛のたてがみに佐藤比古太
凩や川中に鷺屹立す砂舟
凩に五十嵐君は仁王立ち三浦ごまこ
木枯やこれより先は廃線と三茶
鉤鼻に引っかかり凩の吹く山内彩月
凩や楢に食い付くチェーンソー市山利也
凩に抗ひ詩人めくカラス若井柳児
凩や子取りに子等の攫はるる宗本智之
君と行く凩の日の裁判所秋月なおと
凩や厠に落す古新聞秋水
木枯や夫は白黒つけたがる小鞠
凩や左手だけのピアニスト小山晃
凩やピカソの青のごと孤独小倉あんこ
凩や墓を巡りて夕の空小池玲子
映画館出るや木枯みな黙る小南子
骨軋む凩の原爆ドーム松山帖句
留年や凩お借りいたします松野菜々花
凩や人は転がっても立てる上原淳子
凩やモデルルームに人気なく上野眞理
木枯や夜の蔦はメデューサの如城ヶ崎由岐子
凩やうつむくことを許さない城内幸江
凩や三鈷の松はずんと立ち色葉二穂
凩や郵便受けにチラシのみ森弘行
凩や頭上に触るる神父の手森都
凩のわたるや北緯四十度深幽
銀の折り鶴凩は遠くあり水夢
凩やユンボ古屋を破壊せり酔進
血管を通り抜け凩走る雛まつり
凩や手向けの花のかたつぼみ杉本時子
凩や日付を修す経歴書瀬尾ありさ
凩や駅そばの出汁匂い立つ星善之
凩が夜汽車の音を乗せて来る晴好雨独
凩の繞き追越しゆくグリー西川由野
こがらしで心とまどがふるえたよ西村咲音
凩の中を電車人身事故の放送西村小市
凩が磨く山頂の星々石ころ
凩やカレー饂飩に七味足し石川ぱりん
森の奥で生まれたかぜは凩だ川畑心奈
一閃の光のごとき木枯よ大弐の康夫
凩や初老のバイト厨房に知音
木がらしや障子に星の切絵かな知足
凩やサドル盗られた帰り道中山月波
凩や連れてくるのは同じ歌昼寝
凩はヌーの真中へ入れない衷子
Suicaわすれた凩の摩天楼天津飯
凩や窓に張り付く蛾の骸天満の葉子
曲がるのは凩の本意にあらず田村利平
戸を揺する人誰ぞ凩来たり渡り鳥
凩や煮魚売りの声ちぎれ渡辺陽子
凩や関八州をなめ尽くす渡邉竹庵
父を待つ子や木枯しの無人駅都乃あざみ
凩やテノールは風の又三郎土屋雅修
凩や脈は時々打ちそこね藤井美琴
凩や木を風が庇ふといふ字藤田康子
木枯しを味方につけて二十歳の恋藤田真純
凩やマトリョーシカは厚化粧奈良香里
木枯の窓吾と壊れゆくひとと奈良素数
独人凩一号酒二合内本惠美子
凩や時給千円誘導員二鬼酒
凩や通天閣の足叩く尼島里志
こがらしちゅーやつは口笛が好き入江幸子
木枯やLP盤を売りました猫愛すクリーム
凩や剃り後なほも剃り上ぐる埜水
古布を裂く指赤らむや凩来播磨陽子
信号を渡ったさきもまた木枯らし梅納豆
サルベージ船くぐり木枯沖へ行く梅里和代
木枯しや檜の匂い尾根に沈み白雨
ひとり実家へ木枯の一本道八幡風花
凩や山羊の鳴きたる吉田寮飯村祐知子
凩の窓論文を裁断す彼方ひらく
凩に管巻く朽ちた雨戸かな比良山
凩や無言電話の午後三時琵琶京子
凩やピアノが家にやって来た姫山りんご
木枯しや今朝の腹立ちみがく鍋百合乃
凩や無理難題は要りませぬ浜けい
あの星もこの星も過去凩す富山の露玉
凩や生身のような菩薩像福泉
凩や巻き上がるものみな烈し本上聖子
凩や乳房に未練なかりけり凡鑽
凩やピテカントロプスに成り難し麻場育子
木枯や背くに時の遅かりき抹茶金魚
木枯吹き上ぐる新聞「辺野古土砂投入強行」明田句仁子
凩の遊びきわめし観覧車門未知子
凩や世界の果てにジョンレノン野ばら
凩に龍馬の像や海を見る野中泰風
凩やどつかと座する昼間酒油井勝彦
凩や君の作れる参鶏湯油揚げ多喰身
凩や中心線の如きもの有本仁政
凩や落ち合ひたるは響灘由づる
凩や易者の言葉手になぞる葉るみ
凩の果つれば燃ゆる夜だかの青鈴木あむ
三叉路を右へ凩鬼ごつこ鈴木麗門
凩や線香のさき挑発す惑星のかけら
凩の今朝は宇治茶を所望せり侘介
凩や大殺界のど真ん中巫女
校庭の子ら追う鬼は凩なり暝想華
凩や乳房切除から5年櫻井弘子
凩を号令として駆け上がる洒落神戸
凩や人力車夫の太き腕淺野紫桜
凩や消えた昼間のルミナリエ祺埜箕來
凩やいつも飲んでる頭痛薬籠居子
凩や日比谷十三番出口邯鄲
木枯の嘆き渦巻く夜の街momo
凩やシャッターの貼り紙を打つnid
まつ先に凩が信号わたるときこ
木枯に荒ぶるがごと鯨幕はむ
凩や湿布の匂ふバスの中ハルノ花柊
凩やいぬやおとこが纏い付くリリー
凩の皀莢坂を吹きくだる羽沖
木枯や淡き明かりの豆腐店遺跡納期
凩の向こう飛び込むラーメン屋卯さきをん
凩や日の丸の旗売られをり塩沢桂子
凩の匂いを探る肥えた猫河畔亭
付け慣れぬコロン凩騒ぎたる灰田兵庫
端布千枚パッチワークの夜は木枯し原田彰子
木枯へ纏うレイトショーの余韻五月野敬子
凩や地震の爪跡赤銅に佐々木ななみ
凩や肉まんふぅふぅ分かつ恋渚
凩や目覚めたる夜の子規句集村松登音
木枯しやベランダ走る紙袋中山白蘭
きみ放つ窓より木枯らしのにおい田川さくら
凩や駅へと急ぐピンヒール白いたんぽぽ
凩の鳴らす空き缶蹴り返す白瀬いりこ
凩に遠きサイレン夜半の風呂飯塚千鶴
凩に頬叩かれる夜勤明け美帆
犬一匹木枯らしの街住めぬ街風泉
凩や屋根を転がる影となる風紋
木枯らしやボーっと生きて何が悪い穂積のり子
凩や夫の背中の老いにけり岩品正子
凩や友出棺の薄化粧岩野翠
凩や君を好きになればよかった橘薫
反抗期凩のなか部活行く植田かず子
木枯に向かって走る部活かな藤原訓子
凩や幸せな人も肩すくめ真繍
凩やはたと止みたる笑い声青萄
好々爺めく師住むかの地は凩か痩女
凩にこがらし追うは凩よ村上敏子
木枯しや明治の墓は凛として槌田一成
凩のホーム待つは片恋人田畑尚美
凩やうさぎの帽子お願いね理佳
校庭に凩残し下校かな連雀
凩を連れて富山の薬売り鷲尾さゆり
木枯らしの名乗れず二号三号もAKI
子に代わり凩ぶらんこ軋ませるANGEL
凩や熱燗の待つ家路かやいずみ
凩や校庭マラソンタオル飛びいっちゃん
凩にモロー反射の手の小っさいのり
凩に酔い醒まされて熱を出すいろをふくむや
木枯しを追う木枯しや木枯しやうい
凩や車の下に野良の声うっしー
凩や心の澱も吹き散らせオカメインコ
凩や迷う芸妓の盆の窪おぼろ月
凩に休息の季節(とき)知るいのちお品
凩や伊勢の注連縄届きたりかわせみ
凩や井戸端会議終わりたるきなこもち
凩やシーソーゲームの新人戦きみえは公栄
木枯しに追ひ立てられて父帰るクジラ
薄紅の煌めく湖面凩やくるみだんご
凩やシャッター街を鬼ごっこくるめ絣
凩と赤や黄の葉が駆けてくよさかたちえこ
凩が庭に絵を描きフーンと息しかめっ面
凩に追い越される小さな足しろくま
もういっそ腕組み行こう凩よしんび
産衣の芽こがらしまだと子守唄たすく
木枯しや五歳のヒーロー仁王立ちチコ
窓は凩戯れて団子めく吾子らてんてこ麻衣
凩に真っ向勝負三輪車とみことみ
凩や乳房片方拐われるなおこ
凩やあまたの星を流しけりなんじゃもんじゃ
凩や積み上げられし菜の青さねぎみそ
凩の吹きてわが耳いつも切れねこバアバ
凩の空へ鴨脚樹まっすぐにのど飴
凩やメイン通りも路地裏もひかるこ
凩の秩父宮に沸く歓声ひこぞう
愛猫の粉骨舞う凩かなひできの
いとなみの凩ぐらいで身じろがずひな芙美子
凩や閉店セールで選ぶ服ひろ夢
姉見舞う御詠歌ひびく凩なくてふじかよ
凩の吹かぬ年にもダウン着るふじたけ
凩の夜道でさらう鍋レシピぷるうと
凩や銀座を抜けてジャズとなるぷろたん
君が去り凩浴びてリスタートヘッドホン
凩やふたりの夜道肩寄せてほそみん
木枯らしに負けたふりして涙ふくほたる純子
平成の終わる凩ふとさびしまさ
凩やへや着のままの免罪符みかん
居残りの時刻々と木枯らしもつこ
凩の勧めぞ一本浸けてくれモッツァレラえのくし
凩や肩の荷物を揺り上げるももたもも
凩が恵となりぬ寒野菜やったん
音の無き凩眺む食堂車ヤッチー
木枯らしや耳そばだてる湯舟の子ゆこ
凩やヒグマの吐息含みをりよにし陽子
木枯しを首をすくめて受け入れるるりまつり
こがらしや痛く白髪晒し候う亜紀女
凩に傍らの友暖かし亜紗舞那
凩や負けじ鞭打つ有馬記念愛宕平九郎
家々の戸を敲きして木枯ゆく安川紀利
背を向けて暫し木枯遣り過す安田蝸牛
こがらしや赤子すくめる首手足安曇野多恵
凩や梢の先に星一つ伊藤節子
ペンギンは凩に立つ南極地井上早苗
吹き抜けて凩遊ぶ大通り井上繁
凩に宙舞う葉っぱワンコ追う一枝
凩が我が家を今日も揺らしてく稲垣由貴
凩に煌々と咲く月一輪右茶
凩や咆哮静めよまどいせん影山治子
凩や動じぬハート年季入り永井基美
木枯の吹かぬまま過ぐ日和かな円
凩はすれ違いざま頬つねる遠藤百合
木枯らしや知り人のまた世を去りぬ横山薫子
木枯や迷いつ同じ手帳買い岡れいこ
木枯らしやご女の菅笠荒ぶ綱加藤俊子
凩や泰然自若たるは富士加藤哲
凩が連れて来ちゃうんだ焼き芋屋嘉藤継世
吹く風に凩負けじ音を添え河童翁
凩やダイヤモンドのイヤリング花節湖
凩や孫と湯船で十数え霞草
凩に背中押される帰省かな海碧
ため息が凩をもっと冷やして笠原理香
凩の堤の別れ千曲川蒲公英
凩や夜の寝床に軋む音甘平
凩や音うずまきて午前二時岸本元世
凩に巻かれて走る夜辛い祈り桜
凩や災禍の町のブルーシート紀泰
木枯しもまた道連れに遍路道亀山逸子
木枯らしやエチュードほどでなき暖地菊原八重
地下鉄を出れば木枯風の中菊池風峰
凩の声を聞かずに年を終ふ菊池洋勝
木枯らしに家路を急ぐ子らの声吉成しょう子
凩や小枝の如き妻の脚さする吉田びふう
凩も転んだかのよな坂の石銀長だぬき
凩がフロントガラスを横殴り空龍
置き去りの指輪木枯さらい行く栗子
凩や胸に切なさ今もなお恵翠
木枯らしとわだつみの声辺野古海畦布哲志
凩や駅舎のベンチ二つだけ蛍子
凩も『最後の一葉』落とせない原善枝
車内にて紅引く女に木枯らし原田
凩の地下ふきぬける通勤路古史朗
凩や単身暮らし幻想し戸根由紀
木枯や墨絵の梢そらあおぐ枯楓
凩の吹き溜まり入る小屋の前光子
凩とステップ踏めば頬染まる弘
木枯に老犬の服クリックす香子
凩やまなこ見開く仁王立ち高橋なつ
凩に会話途切るる二人かな高橋りつ
凩や臍下丹田力込め高橋英廸
塩害か凩吹けど葉は落ちず高辻康治
凩や行く先誰も知らぬ旅合馬博子
凩に帽子走り去り車道の中黒川光博
凩の今宵は遠き家路かな根本葉音
凩は浅間の峰より駆け下りつ佐久馨子
木枯しや実家なき故郷吹き荒ぶ佐保子
戸を叩き空を鳴かせる凩かな妻有
凩の朝練さらのシューズ出し坂巻紙青巻紙
こがらしは美人の背だけ押して行く桜姫5
指に嗅ぐ公園の鉄こがらしよ山沖阿月子
凩は高笑いして街を征く山口トシ子
木枯らしや破れ障子を張替えて山口義正
角曲がる凩凝る行き止まり山口正百
木枯や花束一把谷戸の辻山口要人
凩や寝返り数え冷えた頬山川恵美子
日本海突き抜けくるや凩よ山川芳明
凩や座敷童のかくれんぼ山本ふじ子
凩の中に抗いそこにある山本康子
凩の陰車中の二人こちら見て紫雲英
凩や夜なべの母は正座する紫香
凩の狙い定めしひざ小僧児玉香織
凩や千手観音髑髏持ち慈悦
凩や突きぬけ走る救急車鹿嶌純子
凩や背中に真綿祖母紡ぐ修芳
凩に回覧板も踊りだす秋代
日本人凩よりも困惑し重仁
木枯の過ぎて地蔵のひとりぼつち春響
凩の止みて半月空分かち春耕
凩やいちょう並木をけちらかし春風
凩に冷えきった耳手で包む初野文子
凩の孤独なるかな戸を鳴らす宵猫
凩よ芥払うて復興へ松ちゃん
淡い恋何もかも千切れ凩や松岡幸子
凩や町内放送聞き取れず松田和之
凩へいってらっしゃい子らのチュウ真宮マミ
凩へ立ち向かうのだママチャリで真冬
凩や時代劇めく物飛びて真壁正江
凩やデイサービスの車行く真野悠
また凩愛読書棚取り置きぬ真優航千の母
凩の唸りをききて雨戸しめ真理庵
凩ぞ耐えぬくことの始まれり神谷米子
凩の中でも上着脱ぐ子ども水野祥子
凩や病院カフェでジャズを聴く山田啓子
凩やジャズ聴きし手に赤ワイン杉浦夏甫
凩に背をむけ遊ぶ子供たち杉浦晃
胸のうちすべてあげます凩に菅原千秋
木枯しに吹き寄せられて星連む正岡恵似子
凩や妖精おどるごと枝葉清水祥月
こがらしに列がみだれるランドセル清水仁
凩やつけて来るくる布留の宮清水容子
凧よ翔べ山嶺なぞり腹減るまで生駒しのぶ
凩できりっとするの意外に好き聖月
万歩計今日は凩道ずれに西原さらさ
凩に押され戻され遊ばれる西村圭
凩と競争しながら帰る道西村優美子
凩や困った風とひとりごち西尾至史
母探す野良の子猫に凩が西條晶夫
木枯らしや軽トラで来る灯油売り青い月
凩に逆らつてゐる柿の蔕青山あじこ
凩の吹く様子なく今朝の飯青児
凩に踊る猫脚我誘う青飛猫
凩や強引なだけじゃ口説けぬ赤馬福助
木枯しにバス待つ列も詰めて立ち千川小舟
負けはせぬ向かう凩四つに組み千鶴姫
むかしを語るこがらしの夜のいろりばた川村昌子
木枯をかきわけ到る新天地川端孝子
子の寝息木枯までも暖める川畑彩
タイミング木枯らし1号まだ吹かず泉
凩や吹き飛ばせ人混みの列双子の父亮介
凩やポスターの美女身をよじる倉岡富士子
凩に気づく人気づかない人倉澤慶子
木枯らしに負けんと強くペダル漕ぐ早山
山を覆う雲は鈍色凩ぞ早川博子
凩に消えゆく「月の砂漠」かな走流
凩が決意固めてくれた朝増田典子
凩にキラキラ光る指輪かな村上一杯
モノトーン凩さんの好きな色村人改め松虫姫の村人
凩や古木の一葉くるくると多田ふみ
凩やきしむブレーキ父帰る駄詩
凩や叱ってくれて有難う大久保響子
凩や世代交代後押しし大山小袖(俳号)
バス降りて顔に弾ける凩かな大小田忍
凩を洗濯干す手が感じてる大本千恵子
木枯や結納の日のすれちがい卓女
凩に背中押されて帰り道谷川秋子
凩や急ぎ猫小屋の模様替え池愛子
凩の音曇りガラスに忍びこむ池上敬子
木枯や昨日の友がライバルに池田功
凩やサイレンにリキの遠吠えす竹口ゆうこ
凩が目や口鼻に突き刺さる中山清充
凩やまた救急車走り抜け中村純代
凩は蹉跌の隙間吹き抜ける中谷典敬
凩や四角四面の小役人中島圭子
凩や国をば想いペダル漕ぐ中嶋純子
木枯らしの飛行機雲をじっと見る長谷島弘安
凩迷ふ大江戸線の六本木直木葉子
木枯を綾なす君の黒髪や椎の木くるみ
凩の途絶えし空や幾光年田村伊都
木枯や炭焼き小屋のうす煙田中ようちゃん
木枯に背中押される家路かな田中玄華
木枯らしや踏み出す一歩向かい風田良穂
凩め缶けり叫ぶ夕の庭嶋村紀子
奥能登を凩襲ひ一村黙嶋良二
木枯に吹かれてもなお心に灯徳庵
凩や握りたい手はどこへやら南行
凩やひしゃげる缶と排気ガス南風の記憶
木枯らしに赤き雲飛び船出かな楠田草堂
凩やブルーシートの屋根あまた波の音
凩に吹き飛ばされろ通知表婆若
木枯しに背なか押されて千鳥足馬場東風
断捨離にとまどう吾よ凩よ梅笠
また一人木枯らし友を連れ去りぬ白米
木枯に身を任せたりゆるり帰途函
凩や雨粒はしり匂いたち畑詩音
木枯しも三鈷の松は迂回する鳩礼
凩に座敷わらしの燥ぎけり板垣美樹
木枯しに足音高く日暮道美山つぐみ
凩につれされたるやとりの列風来坊
半割れで全避難の報凩や福弓
残る葉はガード凩はストレート福良ちどり
忘れたきこと凩に吹かれけり文女
凩や三婆揃いのスニーカー片岡佐知子
凩も身を細めけり法善寺弁女
凩よ我が人生の仕上どき本間美知子
凩のシャッター街やあちこちに抹香
手裏剣のごと木の葉凩の窓満る
鍋と酒凩加え旨味増し未田翌檜
凩やみそ汁作る母の指湊かずゆき
凩に思ひ出散らす裏街道蓑田和明
凩や猫歩みよる道の駅妙子
木枯しや八宝菜の餡かため夢見昼顔
凩や明日の夢より今日の飯無頓着
凩や紅のルージュを引き直す名ばかり宗幸
おい聞けよ木枯らし窓に八つ当たり明惟久里
凩や帰りし夫の手を包む明良稽古
凩に追い払われたり鬱ぎ虫門前町のり子
木枯の道の葉音も乾きけり野ゆき
凩のすぎて寂しき無縁墓地野胡のこ
凩やなべがいいなとメール打つ野紺菊
木枯の息継ぐ間の陽は温し野曾良
凩に並び飛び足家路つく野村相子
凩に針踊りたる花時計野木編
陽を初めて見るごとくなり凩は野良古
木枯や髪にからまる葉も枝も有馬裕子
葉一枚残して木枯し仕事終え有迷人
木枯らしやひとりの夕べ酒を飲む柚香
子の声に凩返すまあだだよ理学療法士
凩は心にも吹くからからと琉璃
凩に聞こえたような母の声礼子
眠れないのを木枯のせいにして鈴木(や)
歩いてくヨネヅケンシと木枯らしに楡野ふみ
凩にベリーショートの髪さらし淺紫
凩の摩天楼抜け放たれて澪つくし
木枯らしの戦跡たどる旅路かな眞
凩の砂丘に立つと寂しさ吹く茉梨花
身体ごと当つ凩の只中へ蓼科川奈
- 夏井いつき先生からの一言アドバイス
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季重なり
一句に季語が複数あることを「季重なり」といいます。「季重なり」はタブーではなく、難易度の高いテクニック。まずは一句一季語から練習していきましょう。
以下の句の中の、どれが季語なのか、歳時記で調べてみましょう。季語の知識を少しずつ増やしていくことも、俳句の学びです。- 木枯らしに揺れる情熱うめもどきとっちん
- 凩や雷火に映る防波堤阿武玲
- 凩が吹きて枯れ葉の舞踏会愛媛真紀子
- 陽だまりのダンス落ち葉と木枯らしと河村あさみ
- 凩やコート返れば裏起毛幸子
- 凩が吹くたびコートのエリをしめ真紀子
- 凩を切り裂いて行くオレンジのコート石垣エリザ
- 凩やコートにhugされ大通り仙台麦果酒
- 凩を感じで寂し冬の海大本光代
- 凩や堕ちまひと耐ゆ木守も長岡馨子
- 木枯しや抉って浚う鮭の腹渡辺音葉
- 凩や水泳終えて我に問う妃
本サイトは、兼題が出題されています。
- 夕暮て刺さったままの凧(いかのぼり)松浦麗久
- 初参り朱塗の下駄の音軽し星野茜
どちらも、それぞれ句としては成立しています。ただ、本サイトでは兼題と呼ばれる季語を毎回出題しています。それに合わせてのご投句お待ちしています。
ちなみに次回兼題は「マスク」で、〆切は1月31日です。
12月の兼題『凩』はこれまでの最多投句数を大きく上回り、2,440句をいただきました。ありがとうございました。
1月の兼題は引き続き冬の季語『マスク』です。入選を目指してぜひチャレンジしてください(編集部より)。