夏井先生のプロフィール
夏井いつき◎1957年(昭和32年)生まれ。
中学校国語教諭を経て、俳人へ転身。俳句集団「いつき組」組長。
2015年初代「俳都松山大使」に就任。『夏井いつきの超カンタン!俳句塾』(世界文化社)等著書多数。
10月の審査結果発表
兼題「赤い羽根」
「天」「地」「人」「佳作」それぞれの入選作品を発表します。
赤い羽根挿す場所本当に胸か
綱長井ハツオ
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夏井いつき先生より
こんな問いを突きつけられるとは思いもしませんでした。「赤い羽根」へ募金をすれば、胸に「赤い羽根」を付けてくれる。なんの疑いもなくそう思っています。が、このように問いかけられると、「赤い羽根」を付けてもらう時の不思議な緊張感が蘇ります。それは、他者の顔が我が胸のここまで近づくことの違和感でもあるでしょう。思わず息を止めるという句が毎年量産されるのも、この共通体験が生み出す結果に違いありません。
「赤い羽根挿す」という表記は、金色のピンを「刺す」という印象を引き出します。他者が自分の「胸」に(細いとはいえ)金属を刺す不安感。「本当に胸か」という呟きは、募金という行為の裏にあるささやかな自嘲も匂わせるかのようです。
アフリカの赤痢近所の赤い羽根
宇田建
「アフリカ」では「赤痢」が流行り、「近所」には「赤い羽根」募金を呼びかける人たち。ア音の韻、「赤」の文字を重ねる効果、「アフリカ」と「近所」の対比など、言葉の配置が巧みな作品です。
小さきを外れと思ふ赤い羽根
あいむ李景
「赤い羽根」の材料は鶏の羽ですから、自ずと大小はあります。「小さき」ものが我が胸に付けられた時、一瞬「外れ」だと思った自分を苦笑う自分。小市民的共感を抱かずにはいられない一句。
西新宿五丁目愛の羽根塗れ
水面叩
「西新宿五丁目」の駅周辺にはオフィスビルと昔からの住宅が混在しています。敢えて「愛の羽根」としたのは、作者の心をよぎる偽善的思いの表現でしょうか。「塗れ」にもそれが読み取れます。
赤い羽根駅の出口を封鎖せり
ももたもも
「封鎖」とは、待ち構える「赤い羽根」募金の一団でしょう。別の入り口で募金した時にもらった「赤い羽根」が胸についているかを確かめ、「出口」への階段を上っていく作者がみえるようです。
せんべろの釣り銭入れる赤い羽根
あくび指南
「せんべろ」とは千円でベロベロに酔える飲み屋の俗称。「釣り銭」を募金する句は沢山ありましたが、上五によって、酔ってる人物やら「釣り銭」の額やらがありありと分かる。見事な選択です。
愛の羽根つけてローンの話かな水面叩
愛の羽根くたくたとなる帰宅かな水面叩
赤い羽根挿す切除した方の胸足立智美
赤い羽根挿し十グラム軽い体足立智美
赤い羽根つけて朝礼台高いさとけん
赤い羽根消印のごと貰ひけりさとけん
赤い羽根つけてはとバスツアーかなにゃん
赤い羽根はづしどこへも捨てられぬにゃん
赤い羽根もちひろの赤もあたたか風ヒカル
焼き鳥のお釣りチャリンと赤い羽根風ヒカル
砂けぶる来賓テント赤い羽根滝川橋
川の辺のフエンスに震へ赤い羽根滝川橋
赤い羽根挿してナニワの金融屋戸部紅屑
本番の直前付ける赤い羽根戸部紅屑
赤い羽根つけて人混みへと戻る馬祥
街頭の手話休みなく赤い羽根馬祥
雨だけど昼は明るい赤い羽根播磨陽子
葬式の帰りに貰ふ赤い羽根 播磨陽子
赤い羽根まだ見ぬ今朝の丸の内あみま
朱雀門ひろばで拾ふ赤い羽根あみま
脱衣所に落ち愛の羽根なほ赤しいかちゃん
赤い羽根献血バスとすれ違ふいかちゃん
赤い羽根ラーメン食べる時外すかむろ坂喜奈子
標的を俺にするなよ赤い羽根かむろ坂喜奈子
赤い羽根しんと濡れゆく夜を祈るぐ
赤い羽根相場なんぼと問うてくるぐ
赤い羽きっとティラノサウルスの羽ぐでたまご
宿題忘れましたあかいはねだけありますぐでたまご
ゲームセンターへ赤い羽根集団けーい〇
酒煙草競馬新聞赤い羽根けーい〇
園からの手紙と募金赤い羽根こぶこ
赤い羽根付けるキャップはタイガースこぶこ
ひざまづきさづけられたるあいのはねこま
赤い羽根束ねうたた寝宿直室こま
赤い羽根い・ろ・は・す一本買いに来てさぶり
終電に眠る酔漢赤い羽根さぶり
心音は讃美歌めいて愛の羽根じゃすみん
学らんの深く腰折る赤い羽根じゃすみん
次々に赤い羽根来る1番線シュリ
赤い羽根「なんて名前」と犬撫でるシュリ
ぴかぴかの星の社章や赤い羽根せり坊
宝物の缶にいつかの赤い羽根せり坊
転校のあいさつ胸に赤いはねそうり
昨日の嘘を突き刺す赤い羽根そうり
総理より低めの位置に赤い羽根たろりずむ
高橋の橋の隠れて赤い羽根たろりずむ
赤い羽根婦人部長がよく笑うちゃうりん
赤い羽根つけて貧しき身の軽さちゃうりん
4年12組名札に赤い羽根としなり
子のこゑに疼きて赤い羽根求むとしなり
星空とは寂し赤い羽根温しトマト使いめりるりら
白鳩の夕影柔し赤い羽根トマト使いめりるりら
赤い羽根この偽善者め偽善者めひでやん
小切手も一円玉も赤い羽根ひでやん
用務員さんにも赤い羽根あげるふるてい
留学生トムのドル札赤い羽根ふるてい
赤い羽根きらりとさびしさが唸るほろろ。
赤い羽根ひらひらこんなのでも綺麗ほろろ。
箱数の硬貨にぎりて赤い羽根もつこ
らうめんの煮卵分を赤い羽根もつこ
子の数の赤い羽根差し帰路の父よしざね弓
赤い羽根こどもの声はまっすぐによしざね弓
赤い羽根見目麗しき事務次官伊予吟会宵嵐
朝九時の暗きニュースや赤い羽根伊予吟会宵嵐
赤い羽根ボスにやさしくしようと思う宇佐美好子
赤い羽根君の胸元吾の手元宇佐美好子
不登校三日目握る赤い羽根下丼月光
コンビニのおつり七円赤い羽根下丼月光
赤い羽根はづし任侠映画かな可笑式
赤い羽根まつすぐにさす真つ直ぐな父可笑式
網棚の土産に点る赤い羽根夏湖乃
大仏は薄目開けたり赤い羽根夏湖乃
ギザ十の錆匂う指赤い羽根夏雨ちや
心中は明日の予定愛の羽根夏雨ちや
赤い羽根一羽分にもならぬ村霞山旅
赤い羽根つけて借金返済日霞山旅
百円のあかりを胸に赤い羽根海野碧
収賄の市長の胸の赤い羽根海野碧
赤い羽根つけて俯く終電車樫の木
赤い羽根刺された胸が痛そうで樫の木
ちつぽけな胸に赤い羽根も空も岩のじ
おとなって言い訳ばかりね赤い羽根岩のじ
赤い羽根つけてハロワへ出陣す喜祝音
太陽の欠片は軽し赤い羽根喜祝音
世話役へ七軒分の赤い羽根輝久
皺の手に折られし紙幣赤い羽根輝久
赤い羽根着けて渦中の二世議員吉行直人
赤い羽根とユミちゃんうばうけんたくん吉行直人
滑り台つややか赤い羽根そよぐ宮武濱女
回覧の判子ますぐや赤い羽根宮武濱女
この街に来て七日目の赤い羽根宮本象三
離婚調停夫の胸には愛の羽根宮本象三
回覧に募金の収支赤い羽根玉響雷子
職場にも封筒回り赤い羽根玉響雷子
赤い羽根に少し浮かんで歩きをり玉木たまね
赤い羽根飼うごと篭に入れにけり玉木たまね
宝島15ページに赤い羽根古賀
政治家の赤い羽根になりたくなかった古賀
赤い羽根傷み泪の真くれなゐ古瀬まさあき
赤い羽根掲げ新聞屋がまた来古瀬まさあき
赤い羽根梅田の地下の獣臭古田秀
地下街の光は痛し赤い羽根古田秀
赤い羽根落つるロツカールームかな高橋寅次
赤い羽根刺され真心より血潮高橋寅次
「一万円入ります」告げるな赤い羽根の子よ高田祥聖
赤い羽根集めて泣きたくなる世界高田祥聖
ランドセルのふたはばたばた赤い羽根今野淳風
からまはりしがちなせいぎあかいはね今野淳風
駅前のドトール赤い羽根の列佐藤儒艮
弟に勝つて赤い羽根のふはふは佐藤儒艮
愛の羽根しぼまぬやうに傘かかぐ斎乃雪
赤い羽根折り目の著き制服へ斎乃雪
再開を告げる館長赤い羽根坂まきか
連弾の街角ピアノ赤い羽根坂まきか
ぞんべりとしたりんとした赤い羽根山本先生
渡辺のいないクラスや赤い羽根山本先生
赤い羽根貰へば吹いて差しにけり山名凌霄
領収書と共に貰ひぬ赤い羽根山名凌霄
地下道の隅に折れたる愛の羽根山羊座の千賀子
手のひらに硬貨のにおい赤い羽根山羊座の千賀子
牛丼屋花屋薬屋赤い羽根芝野麦茶
左手は繋ぐ右手で赤い羽根芝野麦茶
飛びそうな優しさ胸に赤い羽根小川めぐる
赤い羽根刺して水飲み鳥こくり小川めぐる
心臓の鼓動に近き愛の羽根小池令香
透明な町といふ箱赤い羽根小池令香
赤い羽根つけた左がこそばゆい小野睦
くひちがふ主張ふんわり赤い羽根小野睦
車椅子増えていました赤い羽根松井くろ
取り敢えずふなっしーから赤い羽根松井くろ
赤い羽根ひかりいつぱい含みをり城内幸江
赤い羽根ウルトラマンのポーズの子城内幸江
赤い羽根落ちても拾わない教師常幸龍BCAD
この町に子供はひとり赤い羽根常幸龍BCAD
これから職安赤い羽根ありがとう新蕎麦句会・凪太
あかいはねぜったいわるいひとじゃない新蕎麦句会・凪太
ポケットの底より愛の羽根見つけ森山博士
歌舞伎町の朝や愛の羽根眩し森山博士
二人乗り交互にそよぐ赤い羽根仁和田永
赤い羽根ラの音のとき少し揺る仁和田永
回覧の有無を言わせぬ赤い羽根清波
花揺らぐごと老尼の胸に赤い羽根清波
赤い羽根どっちつかずの性自認斉藤立夏
赤い羽根落つ青空に鳥とならむ斉藤立夏
愛の羽根つけ一対の指輪買ふ石井一草
赤い羽根つけて稟議を押し通す石井一草
古本の甘き香に挿す赤い羽根石垣
君が代と同じ重さの赤い羽根石垣
赤い羽根昼の電車に踏まれをり石塚彩楓
赤い羽根インターホンに付けてあり石塚彩楓
赤い羽根失くす企業戦士だもの雪陽
赤い羽根失くす駆け込み乗車かな雪陽
愛の羽根ちくりと甦る恋よ倉岡富士子
快晴や羽ばたきさうな赤い羽根倉岡富士子
赤い羽根ごと洗われし名札かな倉嶋志乃
赤い羽根後ろの席へまはしけり倉嶋志乃
心臓はからつぽ赤い羽根ふるふ倉木はじめ
赤い羽根つけ知り合ひのゐない街倉木はじめ
窓すこし明るい赤い羽根唄ふ早田駒斗
赤い羽根はづし入れ物めく夜空早田駒斗
赤い羽根脱脂ミルクはほの甘し蒼空蒼子
落ちさうなシフォンの胸の赤い羽根蒼空蒼子
また談志聴きたくなつて赤い羽根多事
洒落者はフェルトの帽子赤い羽根多事
赤い羽根つけらるるべくひざまづく多々良海月
変声期らしき声あり赤い羽根多々良海月
星らしき星の東京赤い羽根大和田美信
赤い羽根そよぐ小脇に週刊誌大和田美信
ごみの日の袋に透ける赤い羽根短夜の月
胸元から外せばただの赤い羽根短夜の月
予想紙を買うてついでの赤い羽根池之端モルト
赤い羽根胸に角打ちする昼間池之端モルト
押し売りと言ふに愛らし赤い羽根中岡秀次
赤い羽根つけて歩けば星がきれい中岡秀次
夫と吾と互ひの胸へ愛の羽中原久遠
ひとくさり着色のこと赤い羽根中原久遠
轍には赤い羽根一本陽のかたぐ宙のふう
老画家のパレットにあか赤い羽根 宙のふう
樟脳の匂ふ襟元赤い羽根天陽ゆう
赤い羽根つけ旅人となりにけり天陽ゆう
赤い羽根ブラックサンダー一個分杜まお実
大臣の襟元傾ぐ赤い羽根杜まお実
赤い羽根聴こへぬ耳をなでてみる東原桜空
向かい風抗う胸の赤い羽根東原桜空
赤い羽根受くるや顎の置きどころ奈良素数
変声期の子も二三人赤い羽根奈良素数
混雑のバスに数ふる赤い羽根内藤羊皐
挨拶のつづく行列赤い羽根内藤羊皐
赤い羽根チクチク異国の学生デモ南風の記憶
赤い羽根地雷は一個五百円南風の記憶
赤い羽根スリーピースの胡散臭い南方日午
新しき街新しき赤い羽根南方日午
定年のデスクマットに赤い羽根尼島里志
我が赤い羽根森英恵エプロンへ尼島里志
髪切って明るき頬や赤い羽根如矢
赤い羽根朴念仁と思うたに如矢
声小さき男子負けるな赤い羽根白プロキオン
愛の羽根に隠せる父の遺品かな白プロキオン
日のかけら啄むように赤い羽根白よだか
終戦の頁開けば赤い羽根白よだか
空缶にカシャカシャ赤い羽根の針板柿せっか
ただいまの声はなにいろ赤い羽根板柿せっか
去年までここが定位置赤い羽根比々き
愛の羽根つけてぬらりと答弁す比々き
赤い羽根行き交う街に号外舞う樋口滑瓢
雨の街針を無くした赤い羽根樋口滑瓢
赤い羽根つけてぞろぞろパンダ館福蔵
居酒屋に忘れてゐたり赤い羽根福蔵
赤い羽根黒いインクは詩となりて福良ちどり
赤い羽根傾ぐ路上のシンガーへ福良ちどり
デパートの美しき惣菜赤い羽根平本魚水
防護服閉づるテープや赤い羽根平本魚水
象徴は錆びるか赤い羽根ぎっしり碧西里
空にかざして赤い羽根踊りさう碧西里
区入りせぬ家にも回す赤い羽根穂積天玲
封筒に三百世帯の赤い羽根穂積天玲
赤い羽根つけて誕生日の抱負北大路京介
赤い羽根拾えば猫の振り返る北大路京介
赤い羽根古びた点字プリンター北野きのこ
赤い羽根素直に落ちる一円玉北野きのこ
せんせえにつけてもらったあかいはね岬夕顔
赤い羽根おたより帳に挟まれり岬夕顔
ランドセルの底にも赤い羽根いつの木江
赤い羽根混じる算数セットかな木江
風向きを考えて立つ赤い羽根木染湧水
赤い羽根シールは風になびかない木染湧水
横断旗ぱたるり赤い羽根ふわり夜行
酸化するごとほどけゆく愛の羽根夜行
赤い羽根少し孤独を忘れたり柚木みゆき
オーケストラみなブレザーに赤い羽根柚木みゆき
赤い羽根付けて与野党審議入り来冬邦子
握りしめた熱い十円赤い羽根来冬邦子
赤い羽根地球は丸かったと知って雷紋
お隣は五百円だと赤い羽根雷紋
にわか雨濡らすな胸の赤い羽根朶美子
大島紬にどうつけようか赤い羽根朶美子
胸元に針だけ残る赤い羽根柝の音
四方八方駅に口あり赤い羽根 柝の音
大阪のおばちゃん飴と赤い羽根洒落神戸
鼻ピアスモヒカン刈りや赤い羽根洒落神戸
おうさまのいないまちです赤い羽根澪つくし
大声の網に掛かりて赤い羽根澪つくし
新品の靴履いており赤い羽根翔龍
アメリカのテレビ見ており愛の羽根翔龍
銀座三丁目で拾う赤い羽根宇田建
襟元は赤い羽根やらバッチやらあらら
赤い羽根挿して生活保護を受けあさのとびら
痛さうに折れ曲がりけり赤い羽根髙橋なつ
模試会場憧憬れの制服に赤い羽根ANGEL
偽善にも善にも赤い羽根ひとつdoいつもcoいつも
赤い羽根雨に打たれて震へをりHNKAGA
赤い羽根去年もこの日このスーツito
届きたる束の市報と赤い羽根M・李子
赤い羽根つながる空へゴスペルをnid
付箋忘れ代わりに赤い羽根をつけQ&A
そこに陽のとどまつてをり赤い羽根RUSTY=HISOKA
エレベーターの戸を押さえたる赤い羽根あいだほ
赤い羽根柴犬の尾っぽへ居候あさきまほろ
とこしへに不確か愛の羽根拾ふあずお
釣り銭と名簿とまわる赤い羽根あそぼ葉
もう風は見えぬか赤い羽根は紙あたなごっち
赤い羽根名札の横にそっとそっとアポロ
一円玉隠して入れて赤い羽根あまぐり
赤い羽根胸に院長御回診あまぶー
握りをる五円の湿り赤い羽根いさな歌鈴
赤い羽根祖父の遺品の襟のとこいづみのあ
赤い羽根一日署長をなびきをりいなだはまち
赤い羽根シャッター街の募金箱いろどり五島
訊く人も訊かれる人も赤い羽根ウィヤイ未樹
徹夜明け借りたノートへ赤い羽根うさぎさん
赤い羽根坊主の袈裟に真新しうさぎまんじゅう
ふるえている赤い羽根わたしておわりうどまじゅ
赤い羽根無言のカーラジオやさしうめがさそう
盲目の吾子の右手の赤い羽根えちごひめ実
風吹く橋君に刺したよ赤い羽根おがたみか
赤い羽根遺骨のごとく抱く箱おきいふ
赤い羽根ふわふわ玉子焼甘いオサカナクッション
バス待ちの風やはらかや赤い羽根おひい
愛の羽根ライカは宇宙船の中おぼろ月
赤い羽根アンケートには嘘を書くカオス
赤い羽根つけた子どもの片えくぼかしくらゆう
教卓に赤い羽根三十二本かぬまっこ
理事長の一礼赤い羽根揺るるきなこもち
赤い羽根我にも風を受ける部位ギル
赤い羽根ひとりだけなき参観日くま鶉
ペコちゃんの缶より出でし赤い羽根くんちんさま
赤い羽根しゃりんと軽いアルミの音こまたれぶー
赤い羽根国は豊かになりにけりさくやこのはな
そーっと赤い羽根ごと着がえし夕餉かなさくら亜紀女
赤い羽根胸に来賓長ばなししゅういずみ
行きすぎて戻る青年赤い羽根ジョビジョバ
赤貧の昭和ありけり赤い羽根しんぷる
橋ひとつ越せばドヤ街赤い羽根すがりとおる
もうひとつ欲しいとせがむ赤い羽根すぎやん
赤い羽根こころ少しだけ飛んだすりいぴい
モルヒネを打つや白衣に赤い羽根スローライフ
赤い羽根塩鯖の骨すっと抜くツユマメ末っ子@8歳
こそばゆく赤い羽根ちと揺れてゐるでぷちゃん
百円分のくすぐったさや赤い羽根ドイツばば
赤い羽根だれかが踏んでゆきましたとかき星
赤い羽根イーハトーブの風の使者ときめき人
新札を封筒に入れ赤い羽根どくだみ茶
ただいまの息に揺れてる赤い羽根なかむら凧人
赤い羽根戦後の空は開きたりののr
赤い羽根家族数聞く町会長パッキンマン
会見の議員さかさま愛の羽根はなあかり
交差点誰かの赤い羽根踏まれはむ
赤い羽根母の針山に仲間入りハルノ花柊
なみだにもしあわせがある赤い羽根ひなた娘
赤い羽根市長もボクも同じ色ふくじん
赤い羽根胸に予報士晴れを告ぐふじこ
赤い羽根つけた同士の犬談義べびぽん
赤い羽根形見の日記に戻す夜まこ@いつき組広ブロ俳句部
赤いはね日本の丸はやさしそうまこちふる
戦いのごとくに配る赤い羽根まりい@
明日への道順訊けば赤い羽根まんぷく
赤い羽根けしゴムに刺し後期授業みちむらまりな
赤い羽根インタビュー受け照れているみつき小夏
紛争のニュース背広の赤い羽根みつれしづく
朝よりも円き声なり赤い羽根みやかわけい子
赤い羽根付けて町内掃除の日みやこわすれ
ツァラトゥストラ聴く赤い羽根宙に浮くみやざき白水
状差に赤い羽根刺さる母の家むゆき
予備校へ胸のちくりや赤い羽根もりさわ
パチンコへ向かう途中に赤い羽根ヤヒロ
板書消す赤い羽根へとチョークの粉やまぐちこう司
終電のホーム無傷の赤い羽根よにし陽子
赤い羽根落とした電車見送りぬゐのかたゆきを
目の癒えて赤い羽根さす月曜日葦たかし
愛の羽根は心臓から生えてゐる綾竹あんどれ
ずるそうな狐の鳥居赤い羽根案山子@いつき組広ブロ俳句部
赤い羽根つけて嬉しき昭和の子伊藤亜美子
赤い羽根つけて半額パン旨し伊藤興味
膝折りて胸の高さの赤い羽根磯野昭仁
赤い羽根株式欄を折りたたみ稲葉雀子
赤い羽根を摘み脈打つ指と指浦文乃
赤い羽根整えカメラへ3、2、…浦野紗知
揚げパンに添えて届ける赤い羽根影山らてん
右肺を病みて左に赤い羽根塩原香子
動物園からのバス赤い羽根落つ横縞
乗付けるロールスロイス赤い羽根横浜J子
だとしても人を信じる赤い羽根加世堂魯幸
愛の羽根台紙の上で靡きたり加裕子
鉄棒の下にふうわり赤い羽根夏雲ブン太
赤い羽根ビル間につむじ風円か果禄
顔に赤い羽根のこそばゆく花岡淑子
めかし屋がきのふの赤い羽根をさす花屋英利
メルシーと白髪に挿す愛の羽根花結い
赤い羽根落とし心臓落ちたやう花伝
野球団の少年並ぶ愛の羽根花南天
赤い羽根付けたる人に道を問ふ雅喜
托鉢の袈裟に挿したる赤い羽海口竿富
指先の硬貨しずかや赤い羽根海瀬安紀子
抽斗に十二年目の赤い羽根海老名吟
地味服の差し色にして赤い羽根蛙里
赤い羽根バスを待つ間は単語帳葛谷猫日和
赤い羽根募金小銭ざらりと入れて行く叶黄不動
落とし物届く赤い羽根と共に干しのいも子
答弁の胸に今年も赤い羽根閑蛙
しずしずとシルバーカー来愛の羽根丸山隆子
赤い羽根消毒液と並びおり岸本元世
赤い羽根柱に二本刺してある亀山酔田
赤い羽根胸に明日の日記書く亀田かつおぶし
不貞してあとから届く赤い羽根蟻馬次朗
自治会の会費集むや赤い羽根菊池洋勝
あら!赤いはねいつもとはちがうわねぇ吉田結希
友達の服にこわごわ赤い羽根吉野春夏
すきっ歯の隙間は豊か赤い羽根橘まゆこ
金色の針の痛みや赤い羽根久我恒子
赤い羽根普段言えない事少し久留里61
町会費併せて集金赤い羽根久瑠圃
池のごみ拾う仲間や赤い羽根宮坂暢介
人通らねばおしゃべり赤い羽根宮部里美
雨の河童ばし龍之介と赤い羽根京野秋水
赤い羽根紺の制服寝押しして近江菫花
住民票待つ赤い羽根弄ぶ金のキウイ
抽斗に十五本目の赤い羽根栗野海馬
ベレーから落ちかけている赤い羽根薫子(におこ)
赤い羽根つけてもろたんやけどなあ畦のすみれ
オクターブ高いお願い赤い羽根原田民久
夜の底かすかに光る赤い羽根甲山
ぴかぴかの硬貨を選び赤い羽根高橋無垢
赤い羽根得たる翡翠のランドセル高尾里甫
胸元でるるると揺れる赤い羽根高嶺遠
消しゴムに差して吹いてる赤い羽根克巳@夜のサングラス
赤い羽根あなたは空を指さした今藤明
実家の柱に赤い羽根のいつか根々雅水
いじめつ子外れさうなる赤い羽根根本葉音
赤い羽根つけてスーツの紺深し佐藤花伎
貯金箱のブタに付いてる赤い羽根沙那夏
コロッケを急ぎ袋に赤い羽根細川小春
ヘリコプターの音寄せてくる赤い羽根桜姫5
愛の羽根グリコ一箱分の愛三浦にゃじろう
千切れ雲湖に映りて赤い羽根三島瀬波
愛の羽根人の行き来にをののけり三泊みなと
メルカリの売り上げ下ろし赤い羽根山﨑瑠美
赤い羽根なくして泣く子なぐさむ子山口一青
この下に心臓あります赤い羽根山太狼
すれ違ひざまに震へる愛の羽根山田啓子
赤い羽根の赤がやつぱり恥ずかしい山内彩月
赤い羽根遥かメリーゴーランドの音市川りす
赤い羽根抜けた羽根ではなかろうに糸川ラッコ
しあはせが怖いか赤い羽根つけて七瀬ゆきこ
赤い羽根力道山もつけていた斜楽
赤い羽根つけてえくぼのへこみたる紗智
キャバレーの呼び込み胸に赤い羽根若井柳児
公報に赤い羽根付けて数合わぬ若林千影
叱られて目は先生の赤い羽根主藤充子
出勤時赤い羽根つけ「よし」と言ふ秋夕介
洗濯機底に誰かの赤い羽根秋沙美洋
赤い羽根に赦されるなどと思うな潤目の鰯
赤い羽根さして馴染みの居酒屋へ小だいふく
政治家の背広に傾ぐ赤い羽根小鞠
家計簿の栞に母の赤い羽根小山晃
付けたまま夕げ支度や赤い羽根小川都
青空を透かしてをりぬ赤い羽根小田龍聖
明日といふ入り口開く赤い羽根松本裕子
赤い羽根わかものの声すきとほる上原淳子
ぬかるみの轍の中の赤い羽根新濃健
赤い羽根夫が形見の背広かな新米子
赤い羽根濡らす嘘など言わないで真冬峰
花を手にお釣りを募金赤い羽根真理庵
待ち人や夜雨に萎る赤い羽根神長誉夫
愛の羽根炎は何処につけましょか神誉
銀座裏帽子に付ける赤い羽根水夢
着けてない赤い羽根財布に五つ粋庵仁空
赤い羽根夜のホームに落ちにけり杉浦真子
赤い羽根社章外して掃く往来世良日守
赤い羽つけて渋谷をやめておく清島久門
羽根の根の短き今年の赤い羽根西川由野
強制ではありませんから赤い羽根西村小市
赤い羽根一本取って回覧す青い月
赤い羽根飛んでいっても追いません青井晴空
モノクロの町に萌して赤い羽根青田奈央
赤い羽根素直につけて貰ひけり石井茶爺
赤い羽根挿すはたましひある高さ石原由女
裏側に白き筋ある赤い羽根石崎京子
赤い羽根小さな塚にさしてあり赤松諦現
偽善とはぼくの血の色赤い羽根赤馬福助
雑踏にひとひら踏まれ赤い羽根雪井苑生
赤い羽根きょうはきれいごとをふたつ雪乃
赤い羽根重たい紙の貯金箱川村栄
貧者にも志あり赤い羽根船橋こまこ
空気銃打って赤い羽根落とすか曽我真理子
点字の本借りてみた日の赤い羽根早乙女龍千代
赤い羽根妹に付けている五才蒼來応來
酒臭き息止め胸へ赤い羽根多喰身・デラックス
一滴の血の澄みゐたる赤い羽根太田洋子
まちピアノスイングしてる赤い羽根対馬清波
何処へ行こうか独り身の赤い羽根大橋勇司
赤い羽根新閣僚ののぼせ顔大山小袖
子連れで来る町内会の赤い羽根大小田忍
赤い羽根つけて米寿と輝けり大村真仙
赤い羽根目立たぬやうな服選び大庭慈温
赤い羽根第一声を躊躇う子丹波らる
赤い羽根常より白きビルの壁池内ときこ
赤い羽根挿して東京競馬場池之端昇雲
拾った赤い羽根を堂々と刺す仲田蓮謙
赴任地へ届く着替えと赤い羽根津幡GEE
割烹着淋しい白に赤い羽根辻内美枝子
リカちゃんに手渡す赤い羽根ひとつ田本雅子
黄昏に帰宅の匂ひ愛の羽根斗三木童
天火よりパン焼ける香や愛の羽根渡邉真砂
赤い羽根さして痛みを知つてみよ渡邉桃蓮
赤い羽根つけて進路を北西へ島田あんず
右端の「せーの」を待ちぬ赤い羽根嶋田奈緒
赤い羽根形よきもの選びたり東京堕天使
赤い羽根つけろッて秘書が云ふからさァ藤色葉菜
赤い羽根知らない町の知らない子藤田ゆきまち
魚の目は硬く赤い羽根は軽い徳
赤い羽根付けず街は無彩色徳庵
常会にひと羽づつ置く赤い羽根那須の月
赤い羽根に歓迎されて駅に入る楠田草堂
赤い羽根国会答弁にどよめき二重格子
箱が来てお金はここへ赤い羽根埜水
貼り付かぬシールに毛玉赤い羽根馬場勇至
赤い羽根付けてもらえるとは知らず背馬
濡れぬよう傘をさしかけ赤い羽根柏原淑子
赤い羽根挿して爪弾くアルペジオ白沢修
昼の街に無言の会釈赤い羽根畑詩音
赤い羽根うちの黒猫見ましたか八田昌代
赤い羽根着陸音が震わせり八木実
青い空ばかりみてゐる赤い羽根飯村祐知子
ポケットにキャラメル名ふだに赤いはね緋乃捨楽
使いみち困る正義の赤い羽根美月舞桜
俯きて顎くすぐらる赤い羽根菱田芋天
赤い羽根胸の波動の音の濃き百合乃
校則の紺はどこまで赤い羽根富山の露玉
おさなごの血のきよきかな赤い羽根武者小路敬妙洒脱篤
赤い羽根あすの背広に移動中風香
道草に拾ふ針無き赤い羽根風慈音
野球帽になびく左右の赤い羽根風泉
いっせいに街はゆらゆら赤い羽根 風紋
赤い羽根テレビに映る大家族福井三水低
朱よりも赤らしいあか赤い羽根福月スミレ
実直な父が自慢や赤い羽根文女
長身をかがめてつける赤い羽根平たか子
返却の本からふわり赤い羽根片岡佐知子
人のことどころじゃないが赤い羽根片栗子
好きな子の指が近づく赤い羽根弁女
赤い羽根はさむ母子健康手帳蜂喰擬
砂場のオブジェ勲章の赤い羽根北川そうあ
本命馬外した赤い羽根つけた北村崇雄
赤い羽根ポップコーンに鳩寄り来北藤詩旦
虐待のニュース赤い羽根のアナウンサー妹のりこ
照れくさいと言うて外さぬ赤い羽根椋本望生
週末は大雨予報赤い羽根名前のあるネコ
アイヌの唄みみに赤い羽根むねに明惟久里
深々と下げる禿頭赤い羽根木下桃白
赤い羽根報道ヘリの旋回す野地垂木
赤い羽根毛羽立ち直す小さき手よ柳川心一
脈を打つ心はココと赤い羽根唯飛唯游
赤い羽根つけて探鳥会しづか有本仁政
「もしもし」の顎をくすぐる赤い羽根遊飛@蚊帳のなか
児の衿に片膝折りて赤い羽根葉るみ
赤羽根胸にこれより役こなす立葵
懸賞のハガキと赤い羽根並ぶ龍季
赤い羽根ならぶワルツの譜のごとく瑠璃茉莉
赤い羽根放送室の変声期鈴ノ樹
制服の袖まだ長き赤い羽根鈴木敏之
壁に刺す宝の地図と赤い羽根鈴木由紀子
灯のごときツイートぽっと赤い羽根蓮花麻耶
赤い羽根つけてりゃいいってもんじゃない浪速の蟹造
アンパンマン口ずさみつつ赤い羽根六手
部活より声の大きく赤い羽根和光
ポケットに百円あった赤い羽根國吉敦子
愛の羽根10口からと回覧板廣重
お隣りはシングルマザー赤い羽根梵多
赤い羽根つけて満塁ホームラン涅槃girl
引き返し手持ちを捧ぐ赤い羽根澤田郁子
教科書に押し花のごと赤い羽根琲朴
街角のカップルの踏む赤い羽根齋藤むつは
ふり向けばくちびる触れし赤い羽根笙女
愛の羽根8×100円隣り組篝
赤い羽根ラッシュアワーに揉まれけり茫々
赤い羽根さっさと猫に呉れちまふ山科美穂
出迎えの猫ガン見する赤い羽根遠藤百合
赤い羽根善なる鳥となる私遠藤玲奈
校門のあいさつ清し赤い羽根かねつき走流
赤い羽根ページに挟み降りる駅カワムラレンタ
山手線新書に挟む赤い羽根空心斎
赤い羽根いつもの広場いつかの歌羽沖
人の分まで赤い羽根つけたがる花紋
営業は好調胸に赤い羽根佐藤志祐
赤い羽根連絡帳に◯募金松山のとまと
赤い羽根不実な男の胸に刺す石垣エリザ
村初の女性村長赤い羽根冨樫由美子
晴天の朝の人波赤い羽根福ネコ
梅に雨静まり返る投票所登久光
梅林の低きにつどふ老人会都乃あざみ
ドナー待つ無菌室から梅見かな長谷島弘安
満開の少しすぎたる梅見かな池内ねこバアバ
安産の祈祷のあとの梅見かな梅里和代
元夫と梅見決して愛でなく播磨陽子
報道の画面に灯る赤い羽根木村となえーる
愛のはね回覧板の十戸分acari
回覧板自分で付けし赤い羽根AKI
回覧板誰も取らない赤い羽根あさぎけんいち
各戸一本回覧板で赤い羽根かつたろー。
回覧の赤い羽根ふわりふわり来さむしん
回覧板広報に交って赤い羽根はるる
回覧板の減らないままの赤い羽根ままマリン
赤い羽根つけ連泊の回覧板みい
赤い羽根の寄付金つのる回覧板山口花子
今は無き回覧板に赤い羽根柴桜子
赤い羽根回覧板の空き袋大槻税悦
赤い羽根回覧板に残りけり朝雲列
赤い羽根五枚残れる回覧板文月さな女
赤い羽根減らぬ町の回覧板門前町のり子
回覧板一本取りぬ赤い羽根巫女
回覧板取り残されてる赤い羽根櫻井弘子
足早の通勤明日こそ赤い羽根花咲みさき59歳
ひとつだけ喧嘩の元の赤い羽根樟本明子
舞ふやうに嘘を重ねて赤い羽根桃葉琴乃
赤い羽根抱へ向かふは地獄門98
端っこの子が挿してくれ赤い羽根⑦パパ@いつき組広ブロ俳句部
缶コーヒーポケット温む赤い羽根8の月
下校時のセーラー服に赤い羽根A.盆暮れ
赤い羽欲しがる吾子に五十円Dr.でぶ@いつき組広ブロ俳句部
合コンのスーツが襟に赤い羽根GONZA
愛の羽根胸から落ちて盤の上haru.k
赤い羽根つけて胸張る金バッチKへりくつ
政治家の胸に鎮座す赤い羽根momo
赤い羽根連れて帰りし部活の子Qさん
赤い羽根あかるい明日へ翼なれsakuraa.
赤い羽根たくさん付けて空飛ぶかvivi
母子と行く子供食堂愛の羽根あ・うん
下校の途ふわりくすぐる赤い羽根あおいなつはやて
ばっさまの曲がった腰や赤い羽根あかり
あの胸の赤い羽根にも親の声あきののかなた
赤い羽根議員バッジをくすぐりぬあきみ
家逝きて首相の胸の赤い羽根あさいふみよ
赤い羽根思い出したる被災かなあさぎいろ
大通り母の手引くや赤い羽根あさみどり
真夜中のワンクリックや赤い羽根あずき
頬そめて10円にぎり赤い羽根あずきなこ
赤い羽根だら銭持たず素通りにいーいくまさん
宰相が共助と愛でる赤い羽根いくみっく
五歳なり澄ました胸に赤い羽根いけだひさえ
配られし赤い羽根の置き所いちご一会
鏡台に妣の忘れし赤い羽根いまいやすのり
学ランのうちにチラリと赤い羽根いろをふくむや
はしごするビッグイシューと赤い羽根うづら
いっぱしの仁者のごとし赤い羽根うるる
赤い羽根人事異動がゆくりなしえみばば
赤い羽胸に鮮やか新総理えむ
退色の街の華やぎ赤い羽根えんかず
赤い羽根信号は青空も青えんどうしん
カーテンにつける今年の赤い羽根おおい芙美子
左胸凛と風受く赤い羽根オカメインコ
政治家の襟に大きな赤い羽根おくにち木実
善き人たる証か枷か赤い羽根おざきさちよ
赤い羽根どこに貼ろうかボロ隠しおぱーる
速報の消えて命よ赤い羽根おばたよう
赤い羽根私も欲しい募金箱お寺なでしこ
交じらいの視点の先の赤い羽根お漬物
赤い羽根背丈の順に並ぶ子らお品まり
小さき手の中の百円赤い羽根かこ
赤い羽根ボトルメールに乗せてみるかたちゃん@いつき組広ブロ俳句部
小さき良きことがありそな赤い羽根かもめ
サビの浮く郵便受けに赤い羽根カワムラ
赤い羽根照れ屋は羽の反りを言うキートスばんじょうし
キャスターの襟赤い羽根朔日かなきた実実花
千円でおつりちょうだい赤い羽根きみえは公栄
赤い羽根少女の右手凛としてきむらときこ
誇らしい子らの笑顔は赤い羽根キラキラオーラ
国会を直立不動赤い羽根くるみだんご
赤い羽根ケーキと同じワンコインクロまま
閑居する祖父の外着に赤い羽根ケンG
赤い羽根遠き日の思い出のままこいそひさと
ICU遠くに聞こえる赤い羽根さいとうすすむ
制服の胸に初めて赤い羽根さかたちえこ
じゃんけんぽん負けたあの娘に赤い羽根さくら悠日
赤い羽根大合唱に気後れしささきなお
文庫本ひらけばいつぞの赤い羽根さとう菓子
おばあさん二度もお辞儀の赤い羽根さなぎ
そろそろと気ぜわしくと赤い羽根さぬきのにゃんこ
赤い羽根涎染み濃しぬいぐるみしかもり
もう誰も付けてはいない赤い羽根しぼりはf22
翌日の服に慌てて赤い羽根じょいふるとしちゃん
赤い羽根年々軽くなってゆくしらふゆき
どうやって捨てればいいの赤い羽根すずしろ
胸を張り背伸びした児の赤い羽根スッポン
武骨なる店主配りし赤い羽根すぴか
面接日白衣に揃ふ赤い羽根すみれ色の涙
改札ぬけ喪服に付けし赤い羽根そうま純香
キャスターの胸に早挿す赤い羽根そまり
タバコ代行き先変更赤い羽それいゆ
赤い羽根名札の裏に押し込んだたいやきは腹から食べるにゃんこかな
セーラー服につけてもらうよ赤い羽根たじま
赤い羽根淡い日差しに並ぶ声たすく
赤い羽根シールを貼ったアナウンサーたちあおい
菓子選ぶ親子のカゴに赤い羽根タマゴもたっぷりハムサンド
赤い羽根襟から帽子につけなおしたむこん
ネクタイのおのこ2歳の赤い羽根たむらせつこ
立ちばなし手元に震う赤い羽根ちっちのきも
赤い羽根路上に風とちりぬるをチャーリー・ヨシダ
訃報胸に留め会社へ赤い羽根ちやこ
眠る子の帽子のてっぺん赤い羽根ちょび
赤い羽根スクランブルに人まばらツユマメ@いつき組広ブロ俳句部
赤い羽つけて黄帽の駆けて行くティーダ
毟られし五千万本赤い羽根テツコ
着ぐるみもつい喋りだす赤い羽根てまり
筆箱の裏に集める赤い羽根てんてこ麻衣
赤い羽根決めねばならぬ鍔か襟トウ甘藻
園服の我が子を探す赤い羽根としまる
赤い羽根ちさき掌ワンコインとだまゆみ
通学帽誇らしげなり赤い羽根とみことみ
赤い羽根軽きカジュアルフライデーとりこ
今は昔胸に刺したは赤い羽根なをこ
幾万の善意のぬくみ愛の羽根なんじゃもんじゃ
声変はり前の少年赤い羽根にじのすみれこ
赤い羽根幾年超えて令和かなねがみともみ
同調の再生装置アカイハネねぎみそ
ちゃぶ台の家族会議は赤い羽根ノコモマ
それゆくよ「あんぱんまん」の愛の羽根のど飴
青い空元気に響く赤い羽根バカオ
マスクした吾子の胸にも赤い羽根はなばあば
作業所のパンも買おうか赤い羽根はまけい
少しだけ胸張り出社赤い羽根ひーちゃんw
赤い羽根挿した襟元風流るひぐちいちおう(一応)
赤い羽根「買うの?」とわたしも聞いたっけひげなでしこ
なわとびの得意な子から赤い羽根ひっそり静か
生き方の教科書欲しや赤い羽根ひなたか小春
赤い羽根勇気の鈴とあんぱんとひなた和佳
面映ゆく手提げの端の赤い羽根ひな芙美子
お気に入り帽子に付ける赤い羽根ひめりんご
赤い羽根集金袋に五百円ひよこねいさん
赤い羽根名札のありし良き時代ひろき
偽善者の名札についた赤い羽根ひろ夢
赤い羽根一つつけて人助けふく
塑像めく介助犬かな赤い羽根ふくろう悠々
門標の上に挿されし赤い羽根ふみ
赤い羽根秘密結社の気持ちしてふみくらのな
羽ばたけよまだ見ぬ君へ赤い羽根ぶるーふぉっくす
当たり前気づく印や赤い羽根ヘッドホン
甲高き声はまっすぐ赤い羽根ペトロア
学校で赤い羽根つけ胸を張るぼく、木です!
赤い羽根つけて車椅子につばさほしの有紀
医療者に届けと願う赤い羽根ほんみえみこ
赤い羽根小さい白いにわとりよまあぶる
赤い羽貰わず去った伊達直人まこと(羽生誠)
くつたりとバッグの底の赤い羽根まじまみいきち
赤い羽根君の善意が胸に咲くマンデー久寿男
少年を選ぶ日曜赤い羽根みたせつよ
人と人共に生きたし赤い羽根みなと
ペラペラのシールとなりし赤い羽根みほめろ@いつき組広ブロ俳句部
東証はシステム停止愛の羽根ミラベル
赤い羽根つけて大人になれたよなみわ吉
赤い羽根ワンクリックに想い込めむゆらー
赤い羽根差し戯れる子らはリボンの騎士むらのたんぽぽ
10円を誇らしく持ち赤い羽根モコ
赤い羽根付けた昔シェアの今もりのまりりん
「ただいま」の数だけ増える赤い羽根やまな未
赤い羽根甘え幾らか母を呼ぶゆすらご
駅さみし赤い羽根にもコロナ風よしこ
帰り道追い越しゆれる赤い羽根よりこ
銀色の五百円玉赤い羽根ラーラ
針山にとりあえず刺す赤い羽根ルーミイ
赤い羽根補聴器付けたベートーヴェンロンよりショーコ
斎場に列なす人の赤い羽根わかなけん
幼き日大人の胸の赤い羽根わか佐
通学路黄色い海に赤い羽根わたなべいびぃ
よーぃドン気忙しい時期赤い羽根亜紗舞那
赤い羽根留める針や錆びてなお亜糖
曲がり角闇からぽっと赤い羽根愛燦燦
2冊目の交換日記に赤い羽根葵はるか
赤い羽根食せば思う子等の顔葦名雪子
ぷくぷくの幼子の頬赤い羽根安春
赤い羽根亡父の上着へ挿してみる安達晴己
席譲りし人派手なスーツに赤い羽根安樂安策電
制服の赤い羽根揺れ漕ぐペダル伊勢志摩子
赤い羽根テレビに写る偉い人伊藤ひろし
赤い羽根帽子に付けて老紳士伊藤順女
声かける学徒の恥じらひ赤い羽根伊藤小熊猫
清し声老若男女赤い羽根伊藤正子
愛はあるの?総理の胸に赤い羽根伊藤節子
キャスターの胸に灯るは赤い羽根遺跡納期
どの子にも小銭を入れる赤い羽根井松慈悦
無機質な人混みの中赤い羽根井上繁
赤い羽根外しぬいぐるみの胸に井中ひよこ号
朝日差す校舎の窓や赤い羽根郁松松ちゃん
足を止め息をも止めて赤い羽根一佳
飛ばぬ鳥抜けて巷へ赤い羽根一秋子
赤い羽根あたまにつけよかどうしよか一星
赤い羽根今日も隣は気配あり一太郎ラン坊
立ち止まる好機とらえて赤い羽根一番ぶろ
赤い羽根胸からはずし歩を速め稲葉こいち
青パトで黄帽子に揺れ赤い羽根稲葉木嬰
小学生名札に付ける赤い羽根羽馬愚朗
赤い羽根シールになった貼ってみた雨戸ゆらら
その昔赤い羽根はシンボルだった卯さきをん
強面に刺す手震える赤い羽根卯月かりん
混乱も季節巡りて赤い羽根永井もとこ
筆箱に鉄の匂いの赤い羽根永谷部流
駅前に響く声子ら赤い羽根越後縮緬
スコッチ呑む紳士の胸の赤い羽根円
胸に付くいまはまぼろし赤い羽根延杜
赤い羽根10円握り学校へ遠藤愁霞
募金するドラえもんの口赤い羽根塩沢桂子
風荒ぶ駅前広場赤い羽根奥ノ木蛍子
赤い羽根かけ声絶えしシャッター街奥寺窈子
黒ラシャに紅い絨毯赤い羽根奥田えりあし
赤い羽根朝の産院母となり黄桜かづ奴
パーマかけ気分はワルツ赤い羽根岡れいこ
乳に添ふやわくはかなき赤い羽根荻原湧
被災地に思ひ運べよ赤い羽根音のあ子
赤い羽根ひな壇で中指を立て佳子
赤ヘルは募金をしたぜ赤い羽根加島
赤い羽根還暦過ぎて見えるもの可藤虚
赤い羽顔赤らめて付けにけり嘉門生造
赤い羽根男盛りのハンチング夏目タンチャン
政治家の胸にはばたく赤い羽根河合弘子
政治家の免罪符めく赤い羽根河野なお
夕飯はカレー赤い羽根もらお火炎猿
赤い羽根付けるは難儀中学生花おうち
なびいて待つ掲示板の赤い羽花岡幸嗣
赤い羽根人形の髪にさしてみる花岡浩美
愛の羽根鼓動に触れて赤々と花咲明日香
縦笛の児ランドセルに赤い羽根花鳥風猫
老いたればすこし華やぐ赤い羽根花野
赤い羽根助けあおうとお互いに会田美嗣
晩酌の二杯ひかえて赤い羽根海碧
赤い羽根しおりにして返事する蛙里
もみじの手やさしさにぎり赤い羽根柿野宮
赤い羽根少年たちはまだ知らぬ笠原理香
幼子もジュース諦め赤い羽根笠江茂子
真つ先に議員のつける赤い羽根釜眞手打ち蕎麦
しゃがみこみ子らに飾らる赤い羽根茅ヶ崎水晶
赤い羽根もっと欲しいと泣く二歳閑々鶏
赤い羽根付けるは議員ばかりかな岩田勇
元気よく子らの声張る赤い羽根喜多吃音
右端のあのこがくれた赤い羽根季切少楽@いつき組広ブロ俳句部
モノクロの街に赤い羽根は灯る鬼平哀歌
赤い羽根挿しそれだけで良いのかと亀山逸子
無関心負けず声掛け赤い羽根亀田稇
赤い羽根刺して血の出ぬ身体かな亀田荒太
歩を少しお願いします赤い羽根吉哉郎
学童の黄色いぼうし赤い羽根吉田ペコリーヌ
赤い羽根しおりに読書カプチーノ吉藤愛里子
吹く風の和らかなりて愛の羽根久世有仁
赤い羽根さくらの硬貨落ち日暮れ久留里
赤い羽根たくさん付けて空を飛ぶ宮坂変哲
はにかんで帰る子の手に赤い羽根宮村寿摩子
慈善偽善我の中2の赤い羽根橋爪利志美
助け合いの気持ちも個々で赤い羽根橋本恵久子
受け止める手は温かき赤い羽根曲がりしっぽ
赤い羽根二日三日の記憶かな玉井瑞月
被災地の復興祈り赤い羽根玉井令子
老夫婦そっと付け合う赤い羽根金子真美
思い遣り集めた形赤い羽根金本節子
張る声や路上ライブと赤い羽根銀長だぬき
どの子から買うてやらうか赤い羽根句楽
その襟のバッジを外せ愛の羽根句滔点
健康の暮らしを守り赤い羽根空
振り返り立ち止まり去る愛の羽根空龍
風をきる部活ジャージに赤い羽根桑原和博
樟脳が匂う上着に赤い羽根桑田栞
赤い羽根となりの医者はけふも留守薫夏
赤い羽根落つる硬貨の音重し佳山@水戸
赤い羽根若い笑顔でありがとう恵享怜
本当は赤い羽根の鳥はいない蛍源氏
赤い羽根つけてしまった手配犯結壱隆月
とりあへず夫のへそくり赤い羽根月の沙漠★★
街頭に立てる勇気に赤い羽根月影キョロ
赤い羽根胸に付けられ銀ぶらか月昭
膝をおりつけてもらえた赤い羽根月城花風
赤い羽根5秒に1人の命消え研知句詩@いつき組広ブロ俳句部
赤い羽根障子に投げて叱られて見屋桜花
箱数の小銭にぎり行く赤い羽根鍵盤ポロネーズ
ひらひらと冷蔵庫横赤い羽根原宣子
赤い羽根目立つ行為の恥ずかしさ原善枝
三才も老母も同じ愛の羽根源氏物語
赤い羽根黄色い声がこだまする古庄秀樹
くまちゃんにつけてほしいの赤い羽根古都鈴
白マスク着けてお願い赤い羽根古澤久良
赤い羽根子どもの笑う声届く戸根由紀
ぼくん家もいとこん家にも赤い羽根胡麻栞
襟揺るる選挙目当ての赤い羽根光源爺
つけてきし赤い羽根もう帰りなし光子
脱衣所に赤い羽根ごと脱ぎ捨てる公木正
ゾンビ来る胸に挿したる赤い羽根向原かは
赤い羽根ぶつきらぼうに去りし人幸茜。
会見の都知事の胸に赤い羽根幸内悦夫
赤い羽根身につける事ないままに江雲
生放送アナウンサーの赤い羽根江見めいこ
赤い羽根さす手のふるえ忍ぶ恋江戸川ちゃあこ
バンクシー胸にはきっと赤い羽根江川月丸
寄せ鍋の湯気に煽られ赤い羽根江田綾子
滅罪は羽根ほど軽ろき赤い羽根江藤薫
落とし物空へリリース赤い羽根江藤すをん
愛の羽根日かげ日向もあたたまり甲斐しうん
訪ね来る区長の胸に赤い羽根甲斐紫雲
アルバムの遺品にまじる赤い羽根紅さやか
光燦々青空広し愛の羽根高橋淳子
赤い羽根街で見かけぬようになり高橋光加
赤い羽根ドルで募金の帰国子女高橋毛玉
赤い羽根軽し否手の小銭より重し高石たく
園児らの声に吸われて赤い羽根今井淑子
黒スーツ胸元輝く赤い羽根今西知巳
訳を知るや知らずや子らの赤い羽根今村ひとみ
赤い羽根子等の未来を胸に挿す佐々木宏
カブスカウトの親も負けじと赤い羽根佐藤佳子
淡々とテレビの中の赤い羽根佐藤直
ふうわりととげぬき地蔵に赤い羽根佐藤美追
ひなのごと並ぶ子らから赤い羽根砂楽梨
胸に赤い羽根まっすぐ前を向き砂舟
つないだ手離し背のびし赤い羽根彩人色
赤い羽根国会議員の胸に見し在芽里子
手退かねば気がある赤き羽根買ひて(回文俳句)坂島魁文
恥ずかしくも赤い羽根募金の声を出す坂本千代子
赤い羽根雲白々と疾く過ぐ榊昭広
苦しき世願いを込めて赤い羽根桜熊猫
満面の笑みスーツに光る赤い羽根皐月晴れ
気持ちだけ小さな思い赤い羽根三浦佐知子
政治家の付けて偽善の赤い羽根三々一
赤い羽根いらぬと五円入れるひと三樹卓求
抽斗に色かさなりぬ愛の羽根三宅雅子
赤い羽根お前も空を飛びたかろ三宅剛
テーブルに置かれたままよ赤い羽根三茶F
左胸つらぬき揺れる赤い羽根三木ちんぷい
コロナ禍に幸せ願う赤い羽根三和花子
助け合う心の証赤い羽根山﨑浩美
ひと声の有り難さ知る赤い羽根山育ち
黄金色の残香零れし赤い羽根山沖阿月子
地蔵の足撫でる老婆の赤い羽根山吉白米
消毒器隣にセット赤い羽根山口要人
正門に君の声あり赤い羽根山口たまみ
10円を握りし頃の赤い羽根山口香子
腹の中は黒いが赤い羽根を付け山口雀昭
無駄を止め胸にさわやか赤い羽根山崎鈴子
制服の少女美し赤い羽根山崎のら
赤い羽根白き衣の復員兵山川恵美子
赤い羽根募金の子等の赤いほほ山川芳明
かいな抱く赤子の寝息赤い羽根山村楓
赤い羽根街頭になく回覧に山田文妙
赤い羽根みんな揃ってお辞儀する山本康
輝き貰う帽子に射そう赤い羽根山本俳句知らず
赤い羽根謙虚と自慢胸の内山野花
赤い羽根刺して男の目の空虚獅子蕩児
ラッシュアワー頬をくすぐる赤い羽根紙谷杳子
すまし顔胸刺す針や赤い羽根紫雲英
小さき手に温む十円赤い羽根紫瑛
赤い羽根弓手で挿せぬ左胸紫小寿々
赤い羽根胸に女子アナ誇らしげ紫陽花子
老いていくだからみんなで赤い羽根汐海さくら
左胸突き出し待つよ赤い羽根鹿嶌純子
赤い羽根いらんと足早に募金篠雪
赤い羽根つけて下校の名札かな紗千子
赤い羽根歪み名前がかくれんぼ若葉一家
かさかさの赤ほっぺの子に赤い羽根朱沙
赤い羽根付けし胸元恋初めし朱頂蘭
赤い羽根幾千のタイガーマスク珠桜女絢未来
赤い羽根君が付ければルビーかな酒暮
タトゥある人の胸にも赤い羽根寿松
車椅子押す妻の胸赤い羽根秀耕
人生を染め直したか赤い羽根秀道
赤い羽根付けて揃いのゴルフかな秋代
ドクドクし曲がりて外す赤い羽根淑伶
ボロボロの手帳に挟む赤い羽根初野文子
お菓子買う数減らしけり赤い羽根勝目文子
似合ふ顔似合はぬ眼愛の羽根宵猫
密避けて電子決済赤い羽根小栗福祥
赤い羽根かみそりとぎの胸にあり小崎順也
ランチ後のマダム十円赤い羽根小笹いのり
白内障明日は手術の赤い羽根小杉泰文
よれよれの背広に付ける赤い羽根小雀
赤い羽根通学帽にふわふわと小川モモンガ
この村は回覧で来る赤い羽根小川天鵲
赤い羽根生徒の嫌ふ教師かな小川野棕櫚
赤い羽根「LINEペイ」での募金かな小倉あんこ
やさしさの心くすぐれ赤い羽根小田慶喜
赤い羽根付けて戻らむ夜勤明け小田虎賢
赤い羽ねいらないママのかみの色秋さやか
孫の手の届きさうなり赤い羽根小田和子
少年の呼び掛け響け赤い羽根小龍
吐く息にほわっと胸の愛の羽根小林のりこ
夕暮れや児童の胸に赤い羽根庄野酢飯
黒猫は狩りのまねごと赤い羽根昭谷
政治家の胸に着きたる赤い羽根松岡哲彦
赤い羽根羽根を寄付する鳥が居て松高日子
赤い羽根少し恥ずかし内側に松村貞夫
退院の雨あがる朝赤い羽根松尾義弘
強豪校胸の高さに赤い羽根沼沢さとみ
赤い羽根はにかみながら胸にとめ焼津昌彦庵
赤い羽根福祉車両はあたたかし笑笑うさぎ
赤い羽根けして捨ててはをりませぬ鐘ケ江孝幸
総務課の誰も彼もが赤い羽根上月ひろし
コロナ禍の駅に人なく赤い羽根上原まり
纏う人なぜか目の合う赤い羽根上原郁美
議員には行き渡りたる赤い羽根植田かず子
赤い羽根五本あまりて捨てられず色葉二穂
赤い羽根犬の頭に貼る家族新開ちえ
冷蔵庫扉を装う赤い羽根新美妙子
赤い羽根戦災孤児と呼ばれもし森佳月
足並みは揃わぬままに赤い羽根森の水車
赤い羽根小さき手から吾の胸に森中ことり
赤い羽根虚ろなホットミルクかな森牧亭遊好
赤い羽根想い起こすや実籾大火深山涼水
赤い羽根は子の手土産にふところへ真井とうか
おさげの書記係赤い羽根二つ真宮マミ
返信を待ちをりポチと赤い羽根真繍
赤い羽根二十メートル黒土嚢真優航千の母
亡き父のスーツケースに赤い羽根神or愛
通学帽赤い羽根一際目立つ未来へと神作よしえ
新聞のニュースの芯に赤い羽根神谷米子
あの頃はみんなつけてた赤い羽根人見則江
駅頭に若い声する愛の羽根須知良正
赤い羽根今日だけ赤い服を着る水田潤
赤い羽根タップを鳴らして襟につけ水乃江辰
赤い羽根復員服を飾りけり酔進
大空へ羽ばたく赤い羽根に乗せ杉浦あきけん
赤い羽根たどれば神父フラナガン杉浦夏甫
弔問の県会議員赤い羽根杉尾芭蕉
セーラーの口角をあげて赤い羽根菅原千秋
使い途知らねど赤い羽根の朝瀬尾白果
小さき手に汗の硬貨や赤い羽根成久巳子
赤い羽根連呼の声に開く心星雅綺羅璃
単身の食費削る子赤い羽根星月さやか
赤い羽根そおっと財布に仕舞けり星善之
飛び立って街行く人に赤い羽根星夢光風
赤い羽根付けし昭和の学生帽晴好雨独
青空に透かして眩し赤い羽根清水三雲
愛の羽根帽子に挿すやボランティア清水容子
回覧や町内会の赤い羽根清水祥月
呼びかけがもはや叫びの赤い羽根清水晴架
先生と呼ばれ仰け反る赤い羽根清白真冬
駅ピアノ弾く人胸に赤い羽根西原さらさ
赤い羽根みな横並び議員章西尾至史
日々古りて絆薄れし赤い羽根西條恭子
赤い羽根辞して小銭の端の端西條晶夫
駅頭に制服の波赤い羽根青児
赤い羽根胸に刺す母の彩やか石ころころころ
見渡してあの娘に募金赤い羽根石井侶光
老大の鞄に二つ赤い羽根石岡女依
知らんぷり出来ぬ君らの赤い羽根石橋千佳子
赤い羽根付けて街頭演説す赤川野ばら
赤い羽根我と同じのお年とは跡部榮喜
Mr.President,Qアノンより赤い羽根雪だるま担
灰色のホームにポツリ赤い羽根雪ん子
赤い羽根自由にどうぞエンタランス千家彩音
赤い羽根吹かれていずこ夜の街千鳥城
免罪符貰うよに赤い羽根千葉睦女
赤い羽根ラフなカーキに然り気なく川守田京子
かけっこのリボンより好き赤い羽根川村ひろの
古書店の赤毛のアンに赤い羽根川村湖雪
赤い羽根初出勤の子の胸に川村昌子
赤い羽根黄色い声も頼もしく川添昭則
赤い羽根初日のあとの回り道泉子
キャスターのやや晴れがまし赤い羽根浅井和子
ねだる子に渡さぬ父よ赤い羽根浅田百合根
見渡せばよもにみえるは赤い羽根浅野俊也
雨ごとに粒の重さや赤い羽根素敵な晃くん
天使らの声あたたかし赤い羽根蘇州
賑やかなり入口出口赤い羽根双葉@あさ葉会
赤い羽根雨の含みし風に揺れ惣兵衛
藍染や胸に刺されし赤い羽根早川ソーちゃん
街路樹の葉にさきがけて赤い羽根痩女
人ごみの溢るるを愛の羽根軽し岩のじ
空色のガールスカウト赤い羽根蒼求
赤い羽根手帳に挟む風の街蒼奏
赤い羽根針の痛みは善意なる蒼鳩薫
下駄箱に三つ溜りし赤い羽根霜月詩扇
彼のごとく素直に付けたい赤い羽根増田典子
初日だけや議員の襟に赤い羽根則本久江
駅頭に母校の子らや赤い羽根村松登音
謙遜せず今こそ誇る赤い羽根村辺史公
背伸びした小さき襟に赤い羽根多胡蘆秋
赤い羽根衿元に止めて潔く多田ふみ
赤い羽根勲章みたいで気恥ずかしい大本千恵子
少年や付けて登校赤い羽根大橋敏子
被災地に真っ直ぐ届け赤い羽根大原雪
赤い羽根白衣の君にエール送る大原妃
小遣いを入るゝ児童や赤い羽根大谷如水
赤い羽根心臓やぶるほどの赤大嶋メデ
赤い羽根あなたの胸にありますね大道真波
強面の上司の襟に赤い羽根大野静香
なんとなくそっとかくすはあかいはね大野美波
雑踏に見え隠れする赤い羽根大葉弥佳子
終活のセーラー服に赤い羽根鷹野みどり
夕暮れのハローワークと赤い羽根卓女
赤い羽根つけてるこの娘の画面を<ピッ>沢拓庵
お駄賃を10円入れた赤い羽根只野花
仏頂面の議員の胸の赤い羽根谷口昭子
10円で大人の気分赤い羽根谷本真理子
はじめてのチャリンぺったん赤い羽根池上敬子
胸張って闊歩している赤い羽根池田功
歩を乱す濡れし歩道に赤い羽根池田郁英
赤い羽根慌てて10円づつまわる池田華族
赤い羽根街は静かにウィズコロナ池田玉繭
二回目はうつむき加減赤い羽根池内ねこバアバ
言の葉の思いも届け赤い羽根池本明子
通勤ラッシュポケットに赤い羽根竹一
滾る血の我にもあるを赤い羽根竹口ゆうこ
胸厚く子らの訴え赤い羽根中山清充
せがまれて赤い羽根無し寄付三回中山白蘭
赤い羽根そっと挟みて本閉ずる中瀬澄子
ふでばこの奥にボサボサ赤いはね中西まいも
胸張って赤い羽根刺し幼き日中村こゆき
赤い羽根善意巡りて笑み増える中村小雪
指先の血豆ひとつよ赤い羽根中島葉月
政治家の胸にシールの赤い羽根中島圭子
赤い羽根似合わぬ人に今日も会う中島走吟
赤い羽根遂にシールぞコロナ禍で中嶋敏子
ぬいぐるみ胸に飾って赤い羽根昼寝
赤い羽根ふわり野球ボールカキーン衷子
赤い羽根吾子が十円握る朝長楽健司
ノ―ト取るほほ掠むるは赤い羽根長谷川ろんろん
赤い羽根背筋を伸ばす鏡前長谷島弘安
知合ひの磁力に引かれ愛の羽根直木葉子
赤い羽根人にぶつかる雷門辻が花
赤い羽根空き家にぽつり祖父の影鶴群
赤い羽根胸に手合わせ閻魔堂鉄猫
年毎にデスクマットへ赤い羽根天野呑水
赤い羽根つける指先みつめられ田村伊都
赤い羽根つけて貰ふに腹が邪魔田村利平
とりあえず居間の壁にと赤い羽根田中ようちゃん
ふんわりと心に着地赤い羽根田中節子
あの子達くれたひとつの赤い羽根田中善美
スマホ手に決済するや赤い羽根田畑整
宝箱三枚並ぶ赤い羽根田畑尚美
教室のすみに落ちたる赤い羽根田本莞奈
外交デビュー赤い羽根つけグータッチ渡辺陽子
三日目は行方不明の赤い羽根渡邉わかな
回覧の取る人もなき赤い羽根渡邉竹庵
赤い羽根毟られ震える鳥あり都忘れ
閉店の花屋の床の赤い羽根冬木呑子
指先に針の痛みよ赤い羽根島じい子
長患い枕につけし赤い羽根嶋良二
いつ外す議員の胸の赤い羽根桃香
背伸びして十円コトン赤い羽根桃子ママ
常よりも背すじをのばし赤い羽根藤井のぞ美
赤い羽根箱持つ子の背そっと見る藤井聖月
コーヒーを飲んだつもりの赤い羽根藤原訓子
誇らしく小さく胸張る赤い羽根道産子ひとみ
空は青今年は百円赤い羽根徳田ヨーコ
赤い羽根吾子の背合わす募金箱徳武重利
赤い羽根勲章めき背筋伸びる独星
担任がほうきで払う赤い羽根独奏
赤い羽根つけても翔べはしないけど読獺
まぶしさに徒歩で勤める赤い羽根那須いづみ
表札の赤い羽根また付け替える内田英樹
雨なのに何故子らが立つ赤い羽根内田誠美
息止めて赤い羽根を刺してもらう内本惠美子
赤い羽根十円玉で買ひし頃楢山孝明
駅出て硬貨探すや赤い羽根二鬼酒
赤い羽根今日右につけ明日ひだり入江幸子
拾わずも役目を果たし赤い羽根猫ミシン@いつき組広ブロ俳句部
赤い羽根あたま下げたる子の白髪猫村ラモー
すれ違うグレイのマスク赤い羽根梅次郎
10円をいれて赤い羽根重し梅嶋紫
記念日のただ気まぐれに愛の羽根梅木若葉
赤い羽根見やる児の頬なお赤し梅里和代
引き締まる分かつ重さや愛の羽根白いうさぎ
赤い羽根何処に挿しても愛がある白井百合子
赤い羽根袋に十円入れてあり白雨
赤い羽根何羽の鶏の血糊かな白土景子
パンダ舎の列のカメラに赤い羽根白浜ゆい
赤い羽根高さの違う背番号白藍こはく
赤い羽根翼持つ者の輝き迫久鯨
赤い羽根十円握ってする背伸び八重葉
たからものだと子が握る赤い羽根八島裕月
授業中取つてはつける赤い羽根八幡風花
赤い羽根姿を変えて被災地へ鳩礼
ひたむきに愛の羽根の子ら声そろえ飯田淳子
赤い羽根のスタンプもらふライン募金比良山
赤い羽根味噌汁湯気の見える頃飛来英
偽善でもポケットの小銭赤い羽根尾関みちこ
赤い羽根ハシビロコウの冠羽ごと琵琶京子
老いの身や小銭気を吐く赤い羽根美山つぐみ
火の鳥の一片なりて赤い羽根美翠
赤い羽根うはずる声が街角に柊月子
赤い羽根杖持つ我も募金箱蛭本喜久枝
古本の栞がわりに赤い羽根富野香衣
寝癖の改札横目に赤い羽根舞子法師
赤い羽根握りし硬貨十円玉風花あつこ
赤い羽根募金箱持つミニスカート風花まゆみ
ベレー帽針穴はここ赤い羽根風花美絵
幸あれと胸に願ひの赤い羽根風信子
赤い羽根フェイスガードに映る赤風峰
赤い羽根つけて私は今日も元気風来坊
赤い羽根指で回してしたり顔副田木染
コロナ禍も善意の証赤い羽根福弓
原価二円昭和の鶏から赤い羽根福田みやき
赤い羽根今年も封筒隣組平松一
赤い羽根淀みなき空飛んで行く豊山
為政者の応答恥じる赤い羽根牧野敏信
コロナ禍や海馬に赤い羽根の針睦月くらげ
赤い羽根今度は幾ら入れるかな堀満千男
障害者の吾も協力赤い羽根本間美知子
ほほえみとこころはいつも愛の羽根本山喜喜
会議前赤い羽根借る副代理凡々
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一駅を歩いて帰る赤い羽根欲句歩
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赤い羽根捨て女上司の決意鈴木麗門
赤い羽根小声も混じる募金かな麗し
赤い羽根棄てた記憶無く消える連雀
どうせならLサイズをと赤い羽根鷲野の菊
三百円町内会で赤い羽根侘介
なにゆえに総理の背広に赤い羽根凛
コロナ禍のスーツの胸に赤い羽根國吉隆仁
名札裏なけなしの10円赤い羽根おさむらいちゃん
まごころが誰に届くや赤い羽根戌の箸置
連れもなく歩けた道よ赤い羽根戌亥
頬紅き子らの唱和や赤い羽根暝想華
封筒を折って持たせる赤い羽根梵庸子
背伸びして贈った赤い羽根ナナメ橙と紫
赤い羽根いくつになっても気恥ずかし櫻井純子
大声のボーイスカウト赤い羽根淺野紫桜
赤い羽根僕の100円どの国へ?眞さ野
赤い羽根善きことしたとダイアリー眞鍋千穂
呼び声に駅舎挟まれ赤い羽根祺埜箕來
食堂に子らの戻る日愛の羽根齋藤杏子
黒スーツ開く手帳の赤い羽根籠居子
人切なければ我も切なや赤い羽根綉綉
そっと触れいざ面接へ赤い羽根苳
赤い羽根ふつと息吹き胸に挿す蓼科嘉
小道具は議員バッジと赤い羽根邯鄲
以下二〇句、正しくは「赤い羽根」
歩み来し今が幸せ赤い羽アン
天使にはなれぬ身ひとつ愛の羽さこ
町内会抜けて届かぬ赤い羽なごやいろり
愛の羽あかりほのかに明日へゆくひよこ
大臣の胸胸胸に赤い羽杏樹萌香
せめてもの罪滅ぼしや愛の羽宇砂紀の女
眠れない夜を重ねて赤い羽宮武桜子
でんわ賃なふだにつける赤い羽朽木春加
針を刺す大人になれた赤い羽細江隆一
側溝の赤い羽を救う老婆空野千鶴
赤い羽5年1組余り三小薪まりちゃ。
赤い羽ひとつだけでは飛べぬまま上野眞理
流されぬ岩より重い赤い羽須藤かをる
愛の羽貫き通す一途かな大山こすみ
赤い羽つけてもらえぬ子どもいて津本晶
幼子の覚えし言葉赤い羽田村モトエ
友逝去げた箱の上に赤い羽玲子
できたてのチームに揃ふ赤い羽鳥越暁
8人で合わせる声や赤い羽島村福太郎
愛の羽力を貰い生きぬけり花咲みさき86歳
- 夏井いつき先生からの一言アドバイス
-
俳号には苗字を!
〇俳号とは、その句が自分のものであることをマーキングする働きもあります。ありがちな名、似たような名での投句が増えています。せめて、姓をつけていただけると、混乱を多少回避することができます。よろしくご協力ください。
●俳句の正しい表記とは?
- 赤い羽根 偽善か善か えいやっとうずら
- 愛の羽根 いじるわが子と 買い物帰りうまじろう
- 「これなあに」 赤い羽根見る 円らな目かけはしゆりな
- 赤い羽根 お願いしますの声 師走だなこもも
- 赤い羽根 壁に咲かせて 笑顔かなベリーベリー
- もどかしさ すこしは軽く 赤い羽根マザーダック
- 赤い羽根 照れと勇気の せめぎ合いユーミン
- 赤い羽根 夕日に溶けて 胸なでる花白秋
- 赤い羽根 幸せたくさん 運んでね吉村はるか
- 赤い羽根 コロナに負けず 舞い戻る九蓮
- 赤い羽根 夕日とかさなり 翔ぶトンボ咲人
- 赤い羽根 鞄にそっと とまってる朝山淳子
- 赤い羽根 さして汚職の ニュース読む大隅淳一
- 赤い羽根 幼き声に 断れず大須賀一夫
- 赤い羽根 もらわなくても 寄付はする奈良礼子
- 赤い羽根 先を見据えて お札入れ島野勝恵
- 政治家の 胸の外には 赤い羽根猫柳ニャン子
- 鬼上司 手帳覗けば 赤い羽根和泉藍
○「五七五の間を空けないで、一行に書く」のが、俳句の正しい表記です。まずは、ここから学んでいきましょう♪
- 箱を持つ
息子の胸へ
赤い羽根ヒカル - 回覧板
町内まとめて
赤い羽根まっち - 回覧の
便りの中に
赤い羽黒ばあや - 突き刺さる
想いと支援や
赤い羽根佐々木悦子性 - 動きし雲よ
我が思ひ
切に流るる山田太郎 - 貪してない者が施す
赤い羽春麗 - 通勤時
裏生地に2本の
赤い羽根湘南ピーコ - 帰り道
誰が落とした
赤い羽根森きのこ - 赤い羽根
募金続けて
鳥つくる赤松千秋 - 赤い羽根
募金もいまや
キャッシュレス中川佐千子 - 子供らの
声を背中に
赤い羽根百舌太郎 - 赤い羽根
愛でつながる
オンライン福田福徳 - 赤い羽根
墜つ、朽つ、偲ぶは
幸にけり凡庸だいがくせい
○テレビの俳句番組では、三行書きにする場合が多いのですが、あれはテレビの画面が四角なので、そのような書き方をしているだけです。重ねていいますが「五七五の間を空けないで、一行に書く」のが正しい書き方です。
●一句一季語から練習
- 赤い羽根人波にさらわれ夜寒宮崎紘陽
- 赤い羽根季節彩るコート次々幸子
- 赤い羽根駆け行くおろしたてのコートシリウス
- 赤い羽根セーター脱げばチクと刺す山﨑菫久
- 赤い羽根胸に幼な子リンゴ齧るソフトタチ夫
- 赤い羽根助け合って年を越す岐阜のかっちゃん
- 秋雨の道行交う人ら赤い羽根石丸和博
- 寒風の駅に舞い込む愛の羽春美
○一句に複数の季語が入ることを「季重なり」といいます。季重なりはタブーではなく、高度なテクニック。季重なりの秀句名句も存在しますが、手練れのウルトラ技だと思って下さい。まずは「一句一季語」からコツコツ練習していきましょう。
●兼題とは
- 愛犬と落ち葉踏む音二重奏坂口裕子
- 黒雲をまとい三日月秋の暮れ二輪草🌿
- 夜の風羽毛包まれ頬ひやり黒柴
○今回の兼題は「赤い羽根」です。兼題を詠み込むのが、本サイトのたった一つのルールです。
●前月の題?
- 数式を導ききれず月の雨倉形サラ
- 満月の出雲で神はわんさかさっさ茉莉花
○前回の兼題だったなあ「月」は・・・残念。
●似たような発想をする人はいるのだ!
○俳句では、似たような発想、ほぼ同じ句を「類想類句」と呼びます。俳句はたった十七音ですから「類想類句」は宿命です。自分が思い付くことは、他の誰かも思い付くに違いないと腹を括った上で、5音分いや3音分のオリジナリティ、リアリティを添える工夫を考えてみましょう。
今回の類想句の幾つかを勉強という意味で共有しておきましょう。- 飛べそうなほど赤い羽根つけられる花紋
- 飛べさうなほど赤い羽根集める子ふるてい
- 赤い羽根集めてみれば飛べそうなまりい@
- 赤い羽根千本刺せば飛べさうな樫の木
- 赤い羽根回覧板で回り来る谷口昭子
- 赤い羽根回覧板で届きけり亀田かつおぶし
- 赤い羽根回覧板で回される花紋
※回覧板の句はこの他に50句ほど…
- 強面の上司の襟に赤い羽根大野静香
- 強面の上司の胸に赤い羽松島美絵
- 強面の店主の胸に赤い羽根友雪割豆
- 強面の男の胸に赤い羽根雨戸ゆらら
- 10円玉持って学校赤い羽根風花あつこ
- 赤い羽根10円握り学校へ遠藤愁霞
- 百円を持って登校赤い羽根梵庸子
※ちなみに募金額は 「10円、十円」が51句、「100円、百円」が42句、「五百円」が11句……でした。
10月の兼題「赤い羽根」は5171句もの作品が集まりました!みなさん、毎月俳句生活を盛り上げてくださり、本当にありがとうございます。
ちなみに、夏井先生の統計によると、俳句の募金額は「10円、十円」が51句、「100円、百円」が42句、「五百円」が11句だったそうです。11月もご投稿、お待ちしております(編集部より)。